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    内製化を進める案件で外部エンジニアが担える役割

    「型はまだ入りきっていない」を示す図です。全面的に/一部を含めてを並べています。強調しているのは全面的にです。ここが空くと添えています。

    📘 この記事でわかること

    • DXに取組んでいる企業ほど内製化を進めているという調査の見立てと、外から入る仕事が無くならない理由
    • 内製化の現場が体制づくりと新技術への対応で詰まっている実情と、打診の場で確かめておきたい問いの立て方
    • アジャイルの型を伸ばす余地がまだ大きく残っている現状と、内製化支援の経験を伝わる言葉に言い換える型

    「内製化を進めています」という一言をきっかけに、案件の内容が変わる場面が増えています。この言葉を聞いて、外から入る仕事はいずれ無くなると身構える場面もあります。IPAのDX動向2025が映すのは、内製化を進めている企業ほどDXに取組んでいるという、少し違う絵です1。ここから、外から入る人がどこに立てるのかを、順を追って見立てていきます。

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    1. 内製化は「進んだ企業」で起きている

    内製化に踏み出しているのは、DXが進んだ企業から

    「内製化を進めています」という一言を打診の場で聞くと、外から入る仕事がいずれ無くなるように感じられます。担当してきた領域がそのまま社内に吸収され、これまで積み上げてきた関わり方ごと居場所が消えていく想像が、先に立ちやすいところです。けれど、この言葉が実際にどんな企業から出てくるのかを見ていくと、受け止め方は少しずつ変わってきます。

    IPAのDX動向2025では、DXに取組んでいる企業ほど内製化を進めていると示されています1。内製化に踏み出す理由は、外部への委託を退けるためではありません。事業のコア領域に関するナレッジの蓄積と、経営のアジリティに対する強化の重要性が増していることが背景にあります2。取組が進んだ先で起きる変化として捉え直すと、見え方が変わってきます。

    外注を退ける動きではない

    内製化という言葉は、外の力を切り離す言葉のように響きますが、DX動向2025が示す内容はそうではありません。事業のコア領域に関わる知見を社内に蓄積し、経営の判断を速くするための投資として進められている動きです2。外の担い手を退けることは、この動きの目的として示されていません。

    コア領域の理解を深めるほど、その外側にある業務や、外部の企業との連携をどう設計するかという課題が新たに生まれます。内製化が進むことと、外から入る人の出番が消えることは、同じ意味では語れません。この落差にこそ、外から関わる余地が残っています。

    外から入る人の役割は、ここで生まれる

    内製化の現場で重宝されるのは、決まった作業を早く片づけられる人よりも、企業のコア領域の輪郭を一緒に描き、社内の言葉に置き換えて説明し直せる人です。体制が固まりきっていない段階ほど、この力の出番が増えていきます。

    作業を巻き取れる人よりも、コア領域の輪郭を一緒に描ける人のほうが重宝される、という違いは、案件を選ぶときの見立てにもそのまま使えます。次に見ていくのは、内製化の現場が実際にどこで詰まっているのかという点です。

    図1:DXへの取組みが内製化を進め、外から入る人の役割につながる流れ
    図1:DXへの取組みが内製化を進め、外から入る人の役割につながる流れ DXに取り組む企業 投資と体制づくりが先行 内製化の土台になる 内製化を進める コア領域の知見蓄積 経営のアジリティ強化 外から入る人の設計余地 コア領域を守る動きの外側 連携設計に置き場がある

    図の作成:Remogu編集部。IPA「DX動向2025」の内容を整理したもので、統計データではありません

    2. 詰まっているのは、体制と新技術

    課題は「体制を組む難しさ」に表れる

    内製化を進める、という言葉の先に何があるかを尋ねると、返ってくるのは体制と技術についての率直な悩みです。掲げた方針と、実際に日々動かせる中身との間に、開きが生まれやすい段階でもあります。ここで言葉を選び間違えると、打診の内容そのものを見誤ります。

    IPAのDX動向2025は、内製化を実現するための体制づくりや新技術への対応といった課題は大きいと示しています3。ここでいう課題は、人を増やせば解ける話ではありません。役割の分担や意思決定の通し方、判断を誰がどこまで担うのかといった、体制を組む難しさそのものです。

    打診の場で確かめておきたい問い

    体制づくりの途中にある案件ほど、打診の場で交わす会話の質が、その後の仕上がりを左右します。役割の重なりや意思決定の通し方を早い段階で確かめておくと、後になって「聞いていた話と違う」という行き違いが起きにくくなります。次の表は、契約の入口で確かめておきたい問いを整理したものです。

    確かめたい観点打診の場での問い分かること
    体制の状態今、意思決定は誰が担っていますか権限がどこにあるか
    新技術への対応新しい技術の検証は、どの段階まで進んでいますかどこから合流できるか
    役割の境界引き継ぐ範囲と、外から続ける範囲はどこですか巻き取りの想定範囲
    連携の設計社内の担当者とはどんな頻度で協議しますか稼働の実態
    期間の見立て体制が整うまでの見立ては、どれくらいですか案件の時間軸

    この5つの問いに答えられる案件は、体制の輪郭がすでに見えている案件です。逆に答えが曖昧なまま進めると、役割の重なりや権限の所在があとから表面化しやすくなります。まずは自分の経験に近い案件で、この問いを一つずつ試しに立ててみることから始められます。

    体制が整う前に、外から支えられること

    体制が完成してから外の力を頼るのではなく、体制を組む途中の段階から関わる案件もあります。整っていない部分を厳しく評価するのではなく、どこにテコ入れが要るのかを一緒に見極める姿勢のほうが、こうした案件では役に立ちます。

    完成した仕組みを守る役割よりも、仕組みを組み立てる過程に伴走する役割のほうが、この段階の案件では求められます。次章では、体制づくりと合わせて、集めたデータがどちらを向いているのかを見ていきます。

    3. データは「内向き」に寄っている

    利活用は進んでも、向きは内向き

    データを整えるプロジェクトが増えるほど、外の会社ともつながりやすくなるように思えます。ところが実際に増えているのは、社内の中だけで完結する使い方です。案件の中身を丁寧に聞いていくと、この傾向がよく表れています。

    IPAのDX動向2025では、データ利活用の目的は業務効率化や生産性向上を目的とした「内向き」が多く、企業間連携も進んでいないと示されています4。整えた基盤が、社内の範囲を出ないまま止まっている企業が一定数あるということです。

    連携が進まない理由は、つなぐ場所が整っていないこと

    その理由の一つが、データ連携のインターフェースが整っていないことです。IPAの同じ調査は、この点が企業間連携ができていない要因になっていると示しています5。仕組みそのものは動いていても、外とつなぐ出入口が用意されていない状態です。

    つなぐ場所が整っていない状態は、内と外の間に空白地帯があるということでもあります。誰かが埋めるべき空白ではなく、外から入る人が具体的に手を動かせる設計の余地として見ておくと、案件の中での立ち位置が定めやすくなります。

    図2:内向きに寄る活用と、広がらない企業間連携
    図2:内向きに寄る活用と、広がらない企業間連携 社内向けの活用が中心 業務効率化・生産性向上が目的 企業間連携は広がっていない データ連携のインターフェースが未整備

    図の作成:Remogu編集部。IPA「DX動向2025」の内容を整理したもので、統計データではありません

    空白地帯が、外から入る人の持ち場になる

    社内向けの分析基盤を、外部の取引先や新しいサービスにもつなげる設計は、内向きの視点だけからは生まれにくいものです。複数の企業の案件を渡り歩いてきた経験は、その空白を埋める具体的な材料になります。

    社内の使い勝手だけを整える役割よりも、外につながる入出力までを見通して設計できる役割のほうが、これから重宝されていきます。次章では、体制に型がどこまで入っているのかを見ていきます。

    4. 型はまだ入りきっていない

    全面的に取り入れている部門は、まだ少数派

    アジャイルという言葉自体は、案件の会話の中でよく聞かれるようになりました。けれど、それが号令だけで終わっているのか、実務のどこまで根づいているのかは、また別の話です。言葉が先行し、進め方が追いついていない現場も見られます。

    IPAのDX動向2025によると、アジャイルの原則とアプローチを「全面的に取り入れている」の回答割合は、すべての部門で1割以下です7。号令と実務の間には、まだはっきりとした距離があります。

    「一部」を含めても、伸ばせる幅は大きい

    「一部取り入れている」との合計で見ても、一番進んでいる「IT部門」で5割弱にとどまります8。これは、企業の優劣を測る話ではありません。型を持ち込む余地が、まだ大きく残っているという事実です。

    体制づくりが途中にある案件ほど、外から型を持ち込む余白が広く残っています。埋まっていない部分を指摘するよりも、どの型から入れられるかを一緒に考える姿勢のほうが、案件の中では受け止められやすくなります。

    型は外から持ち込める

    型が入りきっていない状態は、悲観する材料ではなく、外から持ち込める型があるということでもあります。次の表は、外から入る人が案件の中で提案しやすい型を整理したものです。

    案件の中でできること効くタイミング
    小さく区切って進める型大きな仕事を短い区切りに分けて優先順位をつける体制が固まりきる前
    ふりかえりの型定例で「うまくいったこと・詰まったこと」を言葉にする場を作る案件の初期
    見える化の型進み方を関係者が同じ画面で確認できるようにする複数の担当が関わる場面
    段階的な引き渡しの型一度に渡すのではなく、範囲を区切って引き継ぐ引き継ぎの終盤

    この4つの型は、体制が完成していなくても始められるものばかりです。次のグラフは、型が実際にどこまで浸透しているのかの広がりを示しています。

    体制が整いきっていない段階でも、外から入る人がすぐに持ち込める型があります。契約の早い時期に提案しやすい、具体的な作業の形として次のようなものが挙げられます。

    • レビューの観点を、口頭でのやり取りだけに頼らず、文書に固定しておく
    • 案件に着手する前に、受け入れ条件をあらかじめ言葉にして共有しておく
    • 障害やエラーが起きたときの記録の粒度を、最初の段階で決めておく
    • 定例の議事録を、参加していない人が読んでも流れを追える形式に揃える

    どれも大がかりな仕組みを新しく持ち込むものではなく、日々のやり取りの形を少し整えるだけの型です。体制づくりの途中からでも提案しやすく、打診の早い段階で伝えておくと、案件の中での立ち位置が定まりやすくなります。

    図3:組織に型がどこまで入っているか
    図3:組織に型がどこまで入っているか 1割以下 全面的に取り入れている(全部門) 5割弱 一部を含む合計(IT部門)

    出典:IPA「DX動向2025」(全面的に取り入れている状況7、一部を含めた合計の状況8)をもとに作成

    5. 成果と規模で、置かれている状況が違う

    成果が出ている企業は、利活用が全社に広がっている

    型の話だけでなく、実際に成果につながっているかどうかも、内製化の現場ではよく話題になります。同じ「内製化を進めています」という言葉でも、企業ごとに置かれている状況にははっきりとした差が出ています。

    IPAのDX動向2025では、DXの成果が出ている企業は、全社または部署ごとに利活用していると回答した割合が70%を超えていると示されています6。成果と利活用の広がりは、切り離せない関係にあるようです。

    生成AIは大企業が先行し、規模の小さい企業では進んでいない

    一方で、生成AIの導入に向けた取組は大企業を中心に拡大しているものの、規模の小さい企業では進んでいないとも示されています9。同じ内製化という言葉でも、規模によって置かれている状況は大きく違います。

    つまり、内製化に伴う設計の余地は、大企業だけでなく、規模の異なる企業にも広がっています。次の表は、内製化支援の経験を4つの層で書き出したものです。

    内製化支援の経験を、4つの層で見立てる

    「支援しました」という一言だけでは、体制づくりのどこに関わったのかが伝わりません。層に分けて書き出すと、自分の経験がどの企業に響くのかが見えやすくなります。

    具体的に書けること伝わる相手
    体制づくりの層役割分担や意思決定の流れをどう整理したか体制がまだ固まっていない企業
    新技術対応の層新しい技術の検証をどう進め、どこで判断したか技術選定に悩む企業
    データ連携の層社内向けの仕組みを外部とつなぐ設計をどう考えたか内向きに寄っている企業
    引き継ぎ設計の層引き継ぐ範囲と続ける範囲をどう区切ったか段階的な移行を考えている企業

    次の図は、成果が出ている企業と、生成AIの取組で規模による差が出ている状況を並べたものです。自分の経験がどちらの企業に近いのかを見立てる材料にできます。

    図4:成果が出ている企業と、規模で差が出る生成AIの取組
    図4:成果が出ている企業と、規模で差が出る生成AIの取組 成果につながっている企業 全社または部署ごとの利活用 70%を超える割合で広がる 生成AIの取組は規模で差 大企業を中心に拡大 規模の小さい企業では進んでいない

    出典:IPA「DX動向2025」(成果と利活用の状況6、生成AIの取組状況9)をもとに作成

    6. まとめ

    内製化という言葉は、外から入る仕事が消える合図ではなく、企業がDXの先に進もうとしている合図です1。ここまで見てきたように、内製化が進む企業ほど、体制と新技術、データの向き、型の浸透という3つの面で、それぞれに空白を抱えています。

    体制を組む難しさや、データが内向きに寄っている状況、型を伸ばす余地がまだ大きい現状は、悲観する材料ではありません。それぞれの空白が、外から入る人の置き場所になります。企業の規模が大きくても小さくても、この置き場所はなくなりません9

    場所に縛られず、コア領域に近い設計に関わりたいという理想は、内製化が進む案件でこそ形になりやすいものです。Remoguは案件の90%以上がフルリモート可能です10。リモートワーク案件に特化したエンジニアマッチングとして、内製化を進める企業の案件にも触れられます。

    まずは自分の経験に近い案件を眺めて、体制のどの段階に関われそうかを確かめてみる。次に、条件を協議する前提として、Remoguに登録し、自分に合う案件の傾向を知っておく。この2つが、次に取れる具体的な一歩です。

    7. よくある質問

    内製化が進むと、外から入る仕事は減るのか

    IPAのDX動向2025が示すのは、内製化を進める企業ほどDXに取組んでいるという関係であり1、外から入る仕事の量そのものを測った調査ではありません。体制づくりや新技術への対応、データ連携の設計など、内製化が進む過程で新たに生まれる役割もあります3。増減を一律に決めつけず、案件ごとに体制の段階を確かめることが、遠回りに見えて近道になります。

    引き継いだら、そこで役割は終わるのか

    引き継ぎを一度で完結させる案件もあれば、段階的な引き継ぎを前提にした案件もあります。データ連携のインターフェースが整っていない状況が残っている限り5、引き継いだ後も外部との連携部分に関わり続ける余地は残ります。引き継ぐ範囲と続ける範囲を、打診の段階で分けて確かめておくと見立てやすくなります。

    内製化を進める「中の人」と、役割が重ならないか

    内製化の現場では、コア領域の理解を深める役割は中の人が担い、外部との連携設計や新技術の検証は外から入る人が担うというように、役割が分かれる場面があります2。同じ作業を取り合うのではなく、体制のどの部分が空いているのかを打診の場で確かめておくと、重なりを避けやすくなります。

    内製化支援の経験は、どう書けば伝わるのか

    「支援しました」だけでは、体制づくりのどこに関わったのかが伝わりません。体制・新技術・データ連携・引き継ぎという4つの層のうち、どの層でどんな問いに答えたのかを具体的に書くと伝わりやすくなります3。まずはRemoguに登録し、自分の経験がどの層に当てはまるのかを整理してみることが、次の一歩になります。

    社内のメンバーと役割が重なりそうなときは、どう線を引けばよいですか

    作業の担当を分けようとすると、境界があいまいになりがちです。代わりに、成果物の受け渡しの形を先に決めておく方法があります。どの粒度で、いつ、どの形式で渡すのかを決めておくと、担当が重なって見える場面でも、実際の役割は自然に分かれます。打診の早い段階でこの受け渡しの形を確認しておくと、後から役割の重なりを指摘される場面を減らせます。

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    ※公開中の案件数は時期によって変わります。記事中の案件の傾向は執筆時点のものです。

    出典・参考情報

    *1 IPA「DX動向2025」2.1 技術利活用の概要(2025年)
    *2 IPA「DX動向2025」2.1 技術利活用の概要(2025年)
    *3 IPA「DX動向2025」2.1 技術利活用の概要(2025年)
    *4 IPA「DX動向2025」2.1 技術利活用の概要(2025年)
    *5 IPA「DX動向2025」2.1 技術利活用の概要(2025年)
    *6 IPA「DX動向2025」2.2 データの利活用状況(2025年)
    *7 IPA「DX動向2025」1.3 技術利活用に関する取組(2025年)
    *8 IPA「DX動向2025」1.3 技術利活用に関する取組(2025年)
    *9 IPA「DX動向2025」2.1 技術利活用の概要(2025年)
    *10 Remoguサイト公開情報(フルリモート可能案件の割合)