遺族年金はいくら?フリーランスエンジニアの遺族基礎年金と寡婦年金・死亡一時金の違い
監修・編集責任者:牛尾 昭昌(株式会社LASSIC 執行役員)

📘 この記事でわかること
- 国民年金だけの人の遺族が受け取れる遺族基礎年金・寡婦年金・死亡一時金の違いと、それぞれを受け取れる人の条件
- 遺族基礎年金の額が令和8年4月分からいくらになるかと、子の人数で加算額がどう変わるか
- 子がいないときに妻が受け取れる寡婦年金と死亡一時金の条件と、両方に当てはまるときの選び方
業務委託で案件を受けるようになってから、加入している公的年金は国民年金だけになりました。自分に万一のことがあったとき、配偶者や子に何が支給されるのかを確かめようとしましたが、遺族年金の種類が多く、どれが自分に当てはまるのかが分かりませんでした。国民年金だけの人の遺族が受け取れるのは、遺族基礎年金・寡婦年金・死亡一時金の3つです。子がいるかどうかと保険料の納め方で、当てはまるものが変わります。
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1. 国民年金だけの人の遺族が受け取れるのは、3つの給付です
寡婦年金と死亡一時金は、国民年金の独自給付です
国民年金には、寡婦年金と死亡一時金という独自の給付があります。どちらも国民年金だけの給付制度です11。
遺族基礎年金と合わせて、国民年金だけの人の遺族が受け取れる給付は3つです。給付ごとに、受け取れる遺族の範囲が異なります。
受け取れる人は、給付ごとに変わります
遺族基礎年金を受け取れるのは、死亡した人に生計を維持されていた「子のある配偶者」、または「子」です5。子がいない場合、この給付では受け取れません。
寡婦年金は、夫に生計を維持され、婚姻関係が10年以上続いた妻が受け取れます12。死亡一時金は、死亡した人の配偶者、子、父母、孫、祖父母、兄弟姉妹の順で、生計を同一にしていた遺族が受け取ります19。
3つの給付を、対象になる人で比べます
3つの給付と受け取る人を、表1にまとめます。
| 給付 | 受け取る人 |
|---|---|
| 遺族基礎年金 | 子のある配偶者・子 |
| 寡婦年金 | 妻 |
| 死亡一時金 | 生計を同一にしていた遺族(順番あり) |
2. 遺族基礎年金は、子のある配偶者と子が受け取ります
受け取れるのは、3つの場面のうちどれかに当てはまるときです
遺族基礎年金が支給されるのは、国民年金の被保険者である間に死亡したとき、被保険者だった60〜64歳の人が日本国内に住所を持ったまま死亡したとき、老齢基礎年金の受給資格を満たした人が死亡したとき、のいずれかです1。
「子」には年齢による区切りがあります
遺族基礎年金でいう「子」は、18歳になった年度の3月31日までにある人、または障害等級1級・2級の状態にある20歳未満の人を指します6。
子のある配偶者が遺族基礎年金を受け取っている間や、子に生計を同じくする父または母がいる間は、子には遺族基礎年金が支給されません7。
図の作成:Remogu編集部。遺族基礎年金を受け取る人の関係を整理したもので、統計データではありません
令和10年4月から、範囲が広がります
令和7年の法律改正により、令和10年4月1日以後は、子に生計を同じくする父または母がいる場合でも、子は遺族基礎年金を受けられます22。
ただし、令和8年4月1日から令和10年3月31日までに権利が発生した死亡一時金を父または母が受け取った場合は、生計を同じくする子の遺族基礎年金は引き続き支給停止されます27。
3. 保険料の納め方で、受け取れるかどうかが決まります
死亡日の前日に、加入期間の3分の2以上の納付が必要です
被保険者である間の死亡などの要件では、死亡日の前日において、保険料納付済期間と保険料免除期間を合わせた期間が、国民年金の加入期間の3分の2以上あることが必要です2。
保険料免除期間も、この3分の2に含めて数えます2。
令和18年3月末日までは、直近1年の未納がなければよい特例があります
ただし、死亡日が令和18年3月末日までで、死亡した人が65歳未満のときは、死亡日の前日において、死亡日が含まれる月の前々月までの直近1年間に保険料の未納がなければよいという特例があります3。
老齢基礎年金の受給資格を満たしていた場合は、25年以上の期間が条件です
老齢基礎年金の受給資格を満たした人が死亡した場合は、保険料納付済期間や保険料免除期間、合算対象期間などを合算した期間が25年以上ある人に限られます4。
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4. 遺族基礎年金の額は、令和8年4月分から847,300円と子の加算額です
子のある配偶者は、847,300円に子の加算額を足した額です
遺族基礎年金の額は、誰が受け取るかで決まり方が違います。子のある配偶者が受け取るとき、昭和31年4月2日以後生まれの人は、令和8年4月分から847,300円に子の加算額を足した額です8。
子の加算額は、人数で金額が変わります
子の加算額は、1人目と2人目の子がそれぞれ243,800円、3人目以降の子はそれぞれ81,300円です9。
子が受け取るときは、人数で割った額になります
子が遺族基礎年金を受け取るときは、847,300円に2人目以降の子の加算額を足した金額を、子の数で割った額が1人あたりの額です10。受け取る人ごとの額(令和8年4月分から)を、表2にまとめます。
| 受け取る人 | 額 |
|---|---|
| 子のある配偶者(昭和31年4月2日以後生まれ) | 847,300円+子の加算額 |
| 子 | 847,300円に2人目以降の子の加算額を足した額を、子の数で割った額 |
5. 夫が亡くなったとき、妻が寡婦年金を受け取れる場合があります
夫と妻のそれぞれに、10年以上の条件があります
寡婦年金を受け取るには、夫と妻のそれぞれに条件があります。夫は、死亡日の前日に、第1号被保険者としての保険料納付済期間と保険料免除期間が合わせて10年以上あることが必要です。妻は、夫に生計を維持され、婚姻関係(事実婚を含む)が10年以上続いていたことが条件で、60歳から65歳になるまで受け取れます12。
図の作成:Remogu編集部。寡婦年金を受け取れる条件を整理したもので、統計データではありません
金額は、夫の納付期間をもとに計算した額の4分の3です
寡婦年金の金額は、夫の死亡日の前日までの第1号被保険者期間をもとに、老齢基礎年金と同じ計算方法で出した額の4分の3です13。
請求できないときと、選ぶ必要があるときがあります
ただし、夫が老齢基礎年金か障害基礎年金を受け取ったことがある場合は、寡婦年金を請求できません14。
妻が繰上げ受給の老齢基礎年金を受け取っている場合も、寡婦年金は請求できません24。
一方、妻が他の年金を受け取っている場合は、寡婦年金とどちらかを選ぶことになります25。
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6. 死亡一時金は、保険料を36月以上納めた人の遺族が受け取ります
条件になるのは、死亡日の前日までに納めた期間です
死亡一時金は、死亡日の前日に、第1号被保険者としての保険料納付済期間が36月(3年)以上ある人が死亡したときに、遺族が受け取れます16。
金額は、納付月数によって120,000円から320,000円までの幅があります
死亡一時金の金額は、保険料の納付月数に応じた6段階で、36月以上180月未満のときは120,000円、420月以上のときは320,000円です17。
死亡した月の前月までに付加保険料の納付済期間が36月以上ある場合は、8,500円が加算されます18。
出典:日本年金機構「遺族年金ガイド」(2026年4月)をもとに作成
受け取れない場合と、どちらか一方を選ぶ場合があります
老齢基礎年金か障害基礎年金を受け取っていた人が死亡した場合や、遺族基礎年金を受け取れる人がいる場合は、死亡一時金を受け取れません20。
ただし、遺族基礎年金の受給権がない父または母が子と生計を同じくしているために子の遺族基礎年金が支給停止される場合、その父または母は死亡一時金を受け取れます26。
一方、寡婦年金と死亡一時金の両方に当てはまる場合は、どちらか一方を選んで受け取ります15。
7. 請求の前に、3つを確かめます
受け取れる人がいるかを確かめます
まず、遺族基礎年金を受け取れるのは、死亡した人に生計を維持されていた子のある配偶者か子です5。この人がいるかどうかを確かめます。
両方に当てはまるときは、どちらか一方を選びます
次に、寡婦年金と死亡一時金の両方に当てはまる場合は、どちらか一方を選んで受け取ります15。
期限と請求先を確かめます
最後に、死亡一時金は死亡日の翌日から2年を過ぎると請求できなくなります21。
請求先は、寡婦年金と死亡一時金のどちらも、住んでいる市(区)役所または町村役場です23。ここまでの3つを、表3にまとめます。
| 確かめること | 内容 |
|---|---|
| 受け取れる人 | 生計を維持されていた子のある配偶者か子(遺族基礎年金) |
| 両方に当てはまるとき | 寡婦年金と死亡一時金のどちらか一方 |
| 期限と請求先 | 死亡一時金は死亡日の翌日から2年以内に請求。寡婦年金と死亡一時金の請求先は、住んでいる市(区)役所または町村役場 |
確かめる順番を、図4にまとめます。
図の作成:Remogu編集部。請求の前に確かめることの順番を整理したもので、統計データではありません
ここまでを整理すると、遺族基礎年金は生計を維持されていた子のある配偶者か子が受け取ります5。寡婦年金と死亡一時金は国民年金の独自給付です11。両方に当てはまるときはどちらか一方を選びます15。死亡一時金の請求は、死亡日の翌日から2年までです21。
国民年金だけの人の遺族が受け取れるのは、遺族基礎年金・寡婦年金・死亡一時金の3つです。子がいるかどうかと、保険料をどれだけ納めたかで、受け取れるものが変わります。
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出典・参考情報
*1 日本年金機構「遺族基礎年金(受給要件・対象者・年金額)」受給要件(2026年6月22日・2026年9月確認)
*2 日本年金機構「遺族基礎年金(受給要件・対象者・年金額)」受給要件の注(2026年6月22日・2026年9月確認)
*3 日本年金機構「遺族基礎年金(受給要件・対象者・年金額)」受給要件の特例(2026年6月22日・2026年9月確認)
*4 日本年金機構「遺族基礎年金(受給要件・対象者・年金額)」受給要件の注(2026年6月22日・2026年9月確認)
*5 日本年金機構「遺族基礎年金(受給要件・対象者・年金額)」受給対象者(2026年6月22日・2026年9月確認)
*6 日本年金機構「遺族基礎年金(受給要件・対象者・年金額)」受給対象者(2026年6月22日・2026年9月確認)
*7 日本年金機構「遺族基礎年金(受給要件・対象者・年金額)」受給対象者(2026年6月22日・2026年9月確認)
*8 日本年金機構「遺族基礎年金(受給要件・対象者・年金額)」年金額(令和8年4月分から)(2026年6月22日・2026年9月確認)
*9 日本年金機構「遺族基礎年金(受給要件・対象者・年金額)」年金額(令和8年4月分から)(2026年6月22日・2026年9月確認)
*10 日本年金機構「遺族基礎年金(受給要件・対象者・年金額)」年金額(令和8年4月分から)(2026年6月22日・2026年9月確認)
*11 日本年金機構「遺族年金ガイド」国民年金の独自給付(2026年4月・2026年9月確認)
*12 日本年金機構「遺族年金ガイド」寡婦年金(2026年4月・2026年9月確認)
*13 日本年金機構「遺族年金ガイド」寡婦年金の金額(2026年4月・2026年9月確認)
*14 日本年金機構「遺族年金ガイド」寡婦年金を請求する際の注意事項(2026年4月・2026年9月確認)
*15 日本年金機構「遺族年金ガイド」寡婦年金を請求する際の注意事項(2026年4月・2026年9月確認)
*16 日本年金機構「遺族年金ガイド」死亡一時金(2026年4月・2026年9月確認)
*17 日本年金機構「遺族年金ガイド」死亡一時金の金額(2026年4月・2026年9月確認)
*18 日本年金機構「遺族年金ガイド」死亡一時金の金額(2026年4月・2026年9月確認)
*19 日本年金機構「遺族年金ガイド」死亡一時金を請求する際の注意事項(2026年4月・2026年9月確認)
*20 日本年金機構「遺族年金ガイド」死亡一時金を請求する際の注意事項(2026年4月・2026年9月確認)
*21 日本年金機構「遺族年金ガイド」死亡一時金を請求する際の注意事項(2026年4月・2026年9月確認)
*22 日本年金機構「遺族年金ガイド」令和7年の法律改正による留意事項(2026年4月・2026年9月確認)
*23 日本年金機構「遺族年金ガイド」寡婦年金および死亡一時金の請求手続き先(2026年4月・2026年9月確認)
*24 日本年金機構「遺族年金ガイド」寡婦年金を請求する際の注意事項②(2026年4月・2026年9月確認)
*25 日本年金機構「遺族年金ガイド」寡婦年金を請求する際の注意事項③(2026年4月・2026年9月確認)
*26 日本年金機構「遺族年金ガイド」死亡一時金を請求する際の注意事項④(2026年4月・2026年9月確認)
*27 日本年金機構「遺族年金ガイド」令和7年の法律改正による留意事項(2026年4月・2026年9月確認)