【フリーランスエンジニア】生命保険料控除の書き方と上限12万円の仕組み
監修・編集責任者:牛尾 昭昌(株式会社LASSIC 執行役員)

📘 この記事でわかること
- 生命保険料控除の対象となる3つの保険料の区分と、新契約の生命保険料に定められている受取人の条件
- 契約日が新旧どちらかで変わる取扱いと、支払った保険料に応じて控除額が段階的に決まり上限12万円で止まる仕組み
- 確定申告書の生命保険料控除欄への書き方と、書く前に契約日・区分・証明する書類の3つを確かめる順番
年末、保険会社から一通の書類が届きました。支払った保険料を証明する書類です。確定申告の準備を始めたものの、この数字をどこに書き写し、どこに提出すればよいのか分からず、手が止まりました。この書類の行き先は、確定申告書です。
▶ あわせて読みたい
・【フリーランスエンジニア】国民年金基金の掛金はいくらまで?上限と途中でやめられない注意点
・フリーランスのふるさと納税は確定申告で|ワンストップ特例が使えない理由を解説
・フリーランスエンジニアの修正申告と「更正の請求」の違い|確定申告の間違いを直す手順
1. 生命保険料控除は、3つの保険料で受けられる所得控除です
では、この書類はなぜ確定申告に関わるのでしょうか。答えは、所得控除の仕組みです。納税者が生命保険料、介護医療保険料、個人年金保険料を支払った場合には、一定の金額の所得控除を受けられます。これを生命保険料控除といいます1。
所得控除は、税額を計算するもとになる所得の金額を少なくする仕組みです。届いた書類は、その所得控除を受けるための材料になります。
そのため、最初に確かめるのは、この控除がどんな保険料を対象にしているかです。生命保険料控除の対象となる保険契約等には、生命保険契約等、介護医療保険契約等および個人年金保険契約等があります9。3つの区分は、支払った保険料の種類にそのまま対応する仕組みです。
区分ごとに、対応する保険料が決まっています
生命保険契約等は生命保険料に、介護医療保険契約等は介護医療保険料に、個人年金保険契約等は個人年金保険料に、それぞれ対応します。契約がどの区分に入るかは、この先の章で扱う控除額の決まり方に関わります。まずは、自分の契約がどの区分に当たるのかを、ここで確かめます。
| 保険契約等の区分 | 対応する保険料 |
|---|---|
| 生命保険契約等 | 生命保険料 |
| 介護医療保険契約等 | 介護医療保険料 |
| 個人年金保険契約等 | 個人年金保険料 |
3つの区分は、名前だけを覚えるよりも、支払っている保険料との対応を覚えておくほうが、あとの章で迷いません。
区分が分かったところで、次に関わってくるのが契約を結んだ時期です。同じ区分の中でも、契約日によって控除額の決まり方が分かれます。
2. 平成24年1月1日以後の契約かどうかで、扱いが変わります
契約を結んだ時期も、この先の控除額の決まり方を左右します。
平成24年1月1日以後に締結した保険契約等と、平成23年12月31日以前に締結した保険契約等では、生命保険料控除の取扱いが異なります2。前者が新契約、後者が旧契約という呼び方です。
平成24年1月1日という基準の前か後かで、新契約か旧契約かを区別できます。
控除額の計算から入るよりも、契約日の確認から入るほうが、この先の手順に迷いません。自分の契約が新契約か旧契約かは、保険証券などで契約日を見て確かめます。
契約日で、新契約と旧契約の2つに分かれます
平成24年1月1日を境に、生命保険料控除の対象となる契約は新契約と旧契約に分かれます2。同じ生命保険料控除という制度の中でも、この日付をまたぐかどうかで、控除額の決まり方が違ってくる点です。
出典:国税庁「生命保険料控除」をもとに作成
新契約と旧契約は、どちらが良い悪いという話ではなく、控除額を求める表の違いです。契約日が分かったら、次に確かめるのは、その契約で受けられる控除の金額です。
3. 新契約の控除額は、年間の支払額に応じて4段階で決まります
新契約の生命保険料控除額は、年間に支払った保険料等の金額に応じて、4段階に分かれて決まります5。段階が上がるごとに、計算の式が変わる仕組みです。控除額を求める作業は、この4段階のどこに当てはまるかを見つけることから始まります。
この4段階は、新生命保険料、介護医療保険料、新個人年金保険料のそれぞれに、同じ式で当てはまります。3つの区分は別々に計算し、あとで合計するという流れです。まずは、1つの区分についての控除額の求め方を見ていきます。
支払った保険料の額で、控除額が4段階に分かれます
年間の支払保険料等が20,000円以下であれば、その全額が控除額になります。20,000円を超えて40,000円以下であれば、支払保険料等の2分の1に10,000円を足した金額です5。40,000円を超えて80,000円以下であれば4分の1に20,000円を足した金額、80,000円を超えると一律40,000円で頭打ちです6。次の表に、この4段階をまとめました。
| 区分 | 年間の支払保険料等 | 控除額 |
|---|---|---|
| 新生命保険料・介護医療保険料・新個人年金保険料 | 20,000円以下 | 支払保険料等の全額 |
| 新生命保険料・介護医療保険料・新個人年金保険料 | 20,000円超40,000円以下 | 支払保険料等×1/2+10,000円 |
| 新生命保険料・介護医療保険料・新個人年金保険料 | 40,000円超80,000円以下 | 支払保険料等×1/4+20,000円 |
| 新生命保険料・介護医療保険料・新個人年金保険料 | 80,000円超 | 一律40,000円 |
| 新生命保険料(令和8年分以降・23歳未満の扶養親族がいる場合) | 30,000円以下 | 全額 |
| 新生命保険料(令和8年分以降・23歳未満の扶養親族がいる場合) | 30,000円超60,000円以下 | ×1/2+15,000円 |
| 新生命保険料(令和8年分以降・23歳未満の扶養親族がいる場合) | 60,000円超120,000円以下 | ×1/4+30,000円 |
| 新生命保険料(令和8年分以降・23歳未満の扶養親族がいる場合) | 120,000円超 | 一律60,000円 |
つまり、段階が上がるほど、控除額の伸び方はゆるやかになっていきます。支払った金額がそのまま控除額になるわけではない点が、この表の読み方のポイントです。ここでは式の形を確かめるだけにとどめ、具体的な金額を当てはめた計算はしません。
令和8年分からは、新生命保険料だけに別の表が加わります
しかし、令和8年分以降の申告では、扶養親族の年齢によって、新生命保険料の計算だけが変わります11。ここまでの4段階は、新生命保険料、介護医療保険料、新個人年金保険料のどれにも共通する式でした。
23歳未満の扶養親族がいる場合、新生命保険料の控除額は、先ほどの表とは別の4段階で計算します。金額の区切りと、足す金額がそれぞれ大きくなる表です11。介護医療保険料と新個人年金保険料には、この別表は当てはまりません。対象は新生命保険料だけです。
実務では、自分に扶養親族がいるかどうか、その扶養親族が23歳未満かどうかで、参照する表が変わります。契約している保険が新生命保険料に当たるかどうかも、あわせて確かめます。ここでも、金額を当てはめた計算例は示しません。
控除額が確定したら、次は3つの区分をどう合計するかに話を進めます。
フルリモートで働けるエンジニア案件を見る →
4. 3つを合わせた控除額の上限は、12万円です
ここまでで、新生命保険料、介護医療保険料、新個人年金保険料、それぞれの控除額の求め方を確かめました。生命保険料控除額は、この3つの控除額を合計したものです4。区分ごとに支払った保険料があれば、その数だけ計算し、最後に足し合わせます。
合計額には、上限があります。3つを合計した金額が120,000円を超える場合は、120,000円が生命保険料控除額です4。120,000円の上限は、3区分の合計にかかるものです。
各区分の控除額を合計したものが、生命保険料控除額です
新生命保険料の控除額、介護医療保険料の控除額、新個人年金保険料の控除額。この3つを求めたら、あとは単純に足すだけです。どれか1つの契約しかなければ、その区分の控除額がそのまま生命保険料控除額です。
3つとも契約しているときは、3つの控除額を合計した金額が生命保険料控除額です。
出典:国税庁「生命保険料控除」をもとに作成
合計が120,000円を超えるときは、120,000円で止まります
3つの控除額を合計した結果が120,000円以下であれば、その合計額がそのまま生命保険料控除額です。合計額が120,000円を超えたときだけ、120,000円の上限が働きます4。
ここでも、具体的な金額を当てはめた計算はしません。
3区分の合計と上限が分かったら、あとは、どんな契約がこの控除の対象になるかを確かめる番です。
5. 生命保険契約等には、受取人の条件があります
ここで確かめるのが、契約そのものが生命保険料控除の対象になるかどうかです。受取人の範囲と保険期間の長さ、この2点を順に見ていきます。
新契約の生命保険契約等は、受取人の範囲が条件になります
新契約の生命保険契約等、つまり新生命保険料に対応する契約には、受取人の範囲についての条件が定められています。平成24年1月1日以後に締結した生命保険契約等で対象となるのは、保険金等の受取人のすべてを、保険料等を払い込む人またはその配偶者その他の親族とする契約です10。
この受取人の条件は、生命保険契約等、つまり新生命保険料についての説明です。介護医療保険契約等や個人年金保険契約等の保険料を確かめるときは、この条件とは別に、それぞれの契約の中身を見ます。
保険期間が5年未満の契約には、対象にならないものもあります
また、保険期間の長さも確かめます。保険期間が5年未満の生命保険などの中には、この控除の対象とならないものもあります3。
受取人の条件を満たしていても、保険期間の長さによって対象から外れる契約もあるため、あわせて確かめます。
次に、確定申告書にどう書き、証明する書類をどう扱うかに進みます。
6. 確定申告書の欄に書き、証明する書類を添えるか見せます
受取人の範囲と保険期間を確かめられたら、次は確定申告書への書き方です。生命保険料控除を受ける場合は、確定申告書の生命保険料控除の欄に記入します7。
証明する書類は、添付するか提示します
欄への記入とあわせて必要になるのが、支払金額や控除を受けられることを証明する書類、または電磁的記録印刷書面です。この書類は、確定申告書に添付するか、提出する際に提示します7。
証明する書類は、支払金額などを証明するものです。欄に書き入れる数字は、この書類の金額をもとにします。
出典:国税庁「生命保険料控除」をもとに作成
この3段階を順に進めます。
旧契約で年間9,000円以下なら、証明する書類は要りません
なお、平成23年12月31日以前に締結した保険契約等で、年間の保険料が9,000円以下のものは、証明する書類の添付や提示が要りません8。
ここまでで、欄への記入と証明する書類の扱いが分かりました。あとは、書く前に確かめることを順に並べます。
自分に合う条件のリモート案件を見る →
7. 書く前に、3つを確かめます
ここまで見てきた内容を、確定申告書に書く前の確認として並べ直します。確かめるのは、契約日、区分、証明する書類の3つです。
まず契約日です。平成24年1月1日以後に締結した保険契約等と、平成23年12月31日以前に締結した保険契約等では、生命保険料控除の取扱いが異なります2。新契約と旧契約のどちらに当たるかで、参照する表が変わるため、最初に確かめておく項目です。
次に区分です。契約している保険が、生命保険契約等、介護医療保険契約等、個人年金保険契約等のどれに当たるかを確かめます。区分が分かれば、どの控除額の表を当てはめるかが決まります。
最後に証明する書類です。生命保険料控除を受ける場合は、確定申告書の生命保険料控除の欄に記入します。そのほか、支払金額や控除を受けられることを証明する書類を、確定申告書に添付するか、提出の際に提示します7。届いた書類をどちらの形で使うかも、書く前に確かめておく点です。
3つの確認は、この順番で見ていきます
3つの確認は、どこから始めても間違いではありません。契約日、区分、証明する書類の順で見ていくと、あとの項目を確かめやすくなります。契約日が分かれば参照する表が決まり、区分が分かれば当てはめる欄が決まり、最後に証明する書類の扱いを確かめる、という流れです。
次の表に、確かめること、見るところ、そこから分かることをまとめました。手元に届いた書類を見ながら、上から順に照らし合わせてみてください。
| 確かめること | 見るところ | 分かること |
|---|---|---|
| 契約日 | 保険証券など | 新契約か旧契約か |
| 区分 | 契約の内容 | 生命保険契約等・介護医療保険契約等・個人年金保険契約等のどれか |
| 証明する書類 | 届いた書類そのもの | 添付するか、提示するか |
この3つを確かめてから、確定申告書の欄に向かいます。区分ごとの控除額を合計した金額が生命保険料控除額で、合計が120,000円を超える場合は120,000円です4。
迷ったら、確かめる順番に戻ります
途中で迷ったときは、契約日、区分、証明する書類という順番に戻ると、どこで止まっていたかが見えてきます。次の図に、その順番を並べました。
図の作成:Remogu編集部。書く前に確かめる順番を整理したもので、統計データではありません
順番通りに確かめれば、複数の契約があっても、区分ごとに同じ手順を繰り返します。
年末に届いた、支払った保険料を証明する書類の行き先は、確定申告書です。届いた書類の数字は確定申告書の生命保険料控除の欄に書き写し、書類は申告書に添えるか、提出のときに見せます。
リモートワーク案件をお探しの方へ
Remoguは、株式会社LASSICが運営するITエンジニア・デザイナー専門のリモートワーク案件紹介サービスです。フルリモート・ハイブリッドの案件から、スキルに合うものを探せます。
確定申告の準備が進んだら、次の案件の条件も見てみてください。リモートの案件から探せます。
会員登録無料 / 案件閲覧・相談は無料
※公開中の案件数は時期によって変わります。記事中の案件の傾向は執筆時点のものです。
出典・参考情報
*1 国税庁「生命保険料控除」(2026年4月・2026年9月確認)
*2 国税庁「生命保険料控除」(2026年4月・2026年9月確認)
*3 国税庁「生命保険料控除」(2026年4月・2026年9月確認)
*4 国税庁「生命保険料控除」(2026年4月・2026年9月確認)
*5 国税庁「生命保険料控除」(2026年4月・2026年9月確認)
*6 国税庁「生命保険料控除」(2026年4月・2026年9月確認)
*7 国税庁「生命保険料控除」(2026年4月・2026年9月確認)
*8 国税庁「生命保険料控除」(2026年4月・2026年9月確認)
*9 国税庁「生命保険料控除の対象となる保険契約等」(2026年4月・2026年9月確認)
*10 国税庁「生命保険料控除の対象となる保険契約等」(2026年4月・2026年9月確認)
*11 国税庁「生命保険料控除」(2026年4月・2026年9月確認)