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    フリーランスエンジニアの修正申告と「更正の請求」の違い|確定申告の間違いを直す手順

    監修・編集責任者:牛尾 昭昌(株式会社LASSIC 執行役員)

    「確定申告の間違いの直し方」を示す図です。確定申告の間違い/税金の向き/直す手続きを並べています。強調しているのは直す手続きです。向きで決まると添えています。

    📘 この記事でわかること

    • 納める税金が少な過ぎたときと多過ぎたときとで、修正申告と更正の請求のどちらを選ぶかが変わること
    • 事前通知の前に自分で気づいて直せば過少申告加算税がかからないことと、通知の後や調査の後にかかる割合の違い
    • 更正の請求ができる期間は原則5年以内であることと、修正申告も更正の請求も国税庁の作成コーナーで作れること

    確定申告を提出してから数か月がたったころ、案件の入金を帳簿と照らし合わせていて、報酬の請求書を1件、申告に入れ忘れていたことに気づきました。直せば税金は変わりますが、手続きをすることでかえって負担が増えるのではないかと、手が止まります。直し方は、間違いの向きで決まります。そして、直す早さで負担が変わります。

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    1. 確定申告の間違いは、向きによって直し方が変わります

    気づいた間違いは、法定申告期限を過ぎていても訂正できます

    確定申告を提出したあとで、金額の思い違いに気づくことがあります。たとえば、案件の入金明細を帳簿と照らし合わせていて、計上のずれに気づく場面です。所得税の確定申告では、法定申告期限を過ぎてから間違いに気づいても、訂正する方法が用意されています1。法定申告期限を過ぎたからといって、直す手段が無くなるわけではありません。

    直し方は、更正の請求か修正申告かのどちらかです。どちらを選ぶかは、これから見る1点で決まります。まずは、間違いがどちらの向きに生じているのかを確かめましょう。

    向きを決めるのは、税額が増えるか減るかの1点です

    確定申告の間違いには、大きく2つの向きがあります。税額が増える方向と、減る方向です。向きによって、選ぶ手続きも変わってきます。ここから先は、それぞれの向きがどちらの手続きに対応するのかを、具体的に見ていきます。

    納める税金が少なすぎたときや、還付される税金が多すぎたときは、修正申告によって誤った内容を訂正します5。案件の入金を計上し忘れていたようなケースは、たいてい税額が増える方向にあたるため、こちらの向きに含まれます。

    反対に、納める税金が多すぎたときや、還付される税金が少なすぎたときは、更正の請求書を税務署長に出す「更正の請求」の手続きができる場合があります2。経費の計上を漏らしていたときなど、直すと税額が減る方向の間違いが、こちらにあたります。

    この2つの向きと、それぞれの直し方を、次の表にまとめました。自分の間違いがどちら側にあたるのかを、まず確かめてみてください。

    間違いの向き直し方
    納める税金が少なすぎたとき、還付される税金が多すぎたとき修正申告
    納める税金が多すぎたとき、還付される税金が少なすぎたとき更正の請求

    ここまでで整理すると、表の1行目、つまり税額が増える方向の間違いであれば、次に見ていく修正申告が直し方になります。ここから先は、修正申告の具体的な流れと、行動する時期によって何が変わってくるのかを、順番に確認していきます。

    2. 税金が少な過ぎたときは、修正申告で直します

    修正申告は、少なすぎた税額を自分から正しい額に直す手続きです

    前の章で見た2つの向きのうち、税額が増える方向の間違いを直すのが、この修正申告です。案件の請求書を1件計上し忘れていたケースも、こちらにあたります。申告した所得が実際より少なかったので、正しい金額に直し、増えた分の税金を納めます。

    修正申告書そのものの書き方や様式については、後の章で作成コーナーとあわせて確認します。ここでは、直すときにいつまでに動けばよいのか、行動の早さが何に関わってくるのかを見ていきます。

    修正申告書を提出した日が、そのまま新たな納期限です

    修正申告で新たに納める税金は、修正申告書を提出する日が納期限になります9。期限があらかじめ別に決まっているわけではなく、自分が行動した日が、そのまま期限になる仕組みです。

    ただし、修正申告では、納付の日までの延滞税もあわせて納める必要があります10。先延ばしにする理由はありません。

    この、気づいてから納めるまでの一連の流れを、図で整理します。

    図1:修正申告の流れ
    修正申告の流れ 1 間違いに 気づく 2 修正申告書を 提出する 3 その日に 納める

    図の作成:Remogu編集部。国税庁の案内をもとに、修正申告の流れを整理したもので、統計データではありません

    焦って対応するより、向きを確かめたうえですぐに動くほうが、負担は小さくなります。この後見ていく加算税の扱いも、動く早さによって変わってきます。

    3. 事前通知の前に自分で直せば、過少申告加算税はかかりません

    修正申告には、上乗せの税がかかることがあります

    修正申告をすると、新たに納める税金のほかに、上乗せの税がかかることがあります。過少申告加算税と呼ばれるものです。ただし、かかるかどうかは、いつ直したかによって変わります。国税庁は、誤りに気づいたらできるだけ早く修正申告をするよう案内しています6。

    ここでいう事前通知とは、税務署が調査を行う前に、あらかじめ知らせる連絡のことです。この事前通知より前に、自分から気づいて修正申告書を出していれば、過少申告加算税はかかりません6。案件の請求書を1件計上し忘れていたケースでも、事前通知の前に自分で直せば、この扱いにあたります。

    3つの時期を並べると、直す早さの意味が見えてきます

    直す時期は、大きく3つに分けられます。税務署からの事前通知より前か、事前通知より後で調査による更正を予知する前か、それとも実際に調査を受けた後か、の3つの区分です。同じ計上漏れの間違いでも、どの時期に気づいて直すかによって、過少申告加算税がかかるかどうかや、その重さが変わってきます。

    つまり、扱いの分かれ目は、税務署の事前通知や調査より前に直したかどうかです。次の図で、3つの時期と過少申告加算税の関係を整理しました。割合の細かい数字は次の章で見るので、ここではまず区分の違いを確かめてください。

    図2:直す時期と過少申告加算税
    直す時期と過少申告加算税 時間の経過 事前通知の前 過少申告加算税は かかりません 事前通知の後 過少申告加算税が かかります 調査の後 過少申告加算税が かかります

    図の作成:Remogu編集部。国税庁の案内をもとに、直す時期による扱いの違いを整理したもので、統計データではありません

    気づいたら先延ばしにせず、修正申告書の準備を始めることが、上乗せの税を避ける近道です。

    ここまで確認したのは、事前通知の前に自分から動いたときの扱いです。次に、事前通知の後や調査の後に直したとき、過少申告加算税がどう変わるのかを見ていきます。

    4. 事前通知の後や調査の後に直すと、過少申告加算税がかかります

    通知の後に自分で直したときは、5%の割合です

    前の章で見たとおり、事前通知より前に自分から修正申告をすれば、過少申告加算税はかかりません。とはいえ、気づくタイミングによっては、この扱いに間に合わないこともあります。ここからは、事前通知の後や、税務署の調査を受けた後に直したときに起こることを見ます。

    税務署から調査の事前通知を受けたあと、調査によって更正されることを予知する前に修正申告をしたときは、新たに納める税金に5%の割合を乗じた過少申告加算税がかかります7。事前通知の前であれば生じなかった負担が、この時点から生じることになります。

    調査を受けたあとでは、割合はさらに重くなります

    税務署の調査を受けたあとに修正申告をしたときや、税務署から更正を受けたときは、新たに納める税金に10%の割合を乗じた過少申告加算税がかかります8。同じ間違いでも、事前通知や調査のあとに直すほど、割合が重くなる仕組みです。

    ここまでの2つの割合を、直す時期ごとに並べて比べてみます。

    直す時期過少申告加算税の割合
    事前通知の後、調査による更正を予知する前に修正申告をしたとき新たに納める税金の5%(一定額を超える部分は10%)
    税務署の調査を受けた後に修正申告をしたとき、更正を受けたとき新たに納める税金の10%(一定額を超える部分は15%)

    事前通知の後か調査の後かの違いだけでも、割合は5%から10%へと変わります。事前通知の前に自分から直せばかからないので、その開きは大きくなります。

    この上乗せの税がかかるか、どの割合になるかは、事前通知や調査との前後で決まります。次に、修正申告であわせて納めることになる延滞税を取り上げます。

    5. 修正申告では、延滞税もあわせて納めます

    新たに納める税金には、延滞税もあわせて生じます

    前の章で見た過少申告加算税は、事前通知の前に自分から直せばかからない上乗せでした。ここで取り上げるのは、それとは別に生じる延滞税です。修正申告をしたときは、納付の日までの延滞税をあわせて納める必要があります10。

    案件の請求書を1件計上し忘れていたようなケースで新たに税額が生じるときも、この延滞税は対象です。過少申告加算税とは別の枠組みで生じる、もう一つの上乗せです。

    つまり、事前通知の後に直したときは、新たに納める税金に、過少申告加算税と延滞税が重なることがあります。

    早く納めるほど、延滞税の対象になる期間は短くなります

    ここで、前の章で確認した納期限の話とつなげます。修正申告書を提出する日が、そのまま新たな納期限です9。延滞税は、納付の日までの分をあわせて納めるものです10。

    そのため、早く納めるほど、延滞税の対象になる期間は短くなります。気づいてから動くまでの日数を延ばす理由は、ここでも見当たりません。

    ここまでで、税額が少な過ぎたときの直し方を確認しました。次は反対に、税額が多過ぎたときの直し方を見ていきます。

    6. 税金が多過ぎたときは、更正の請求をします

    経費の計上を漏らしていたときなど、税額が多過ぎる間違いは更正の請求の対象です

    ここからは、納める税金が多過ぎたときや、還付される税金が少な過ぎたときを確かめます。この向きの間違いは、更正の請求書を税務署長に提出する「更正の請求」の手続きができる場合があります2。

    たとえば、経費の計上を漏らしていたようなケースが、この向きにあたります。本来差し引けるはずの経費が申告に反映されていなければ、所得は実際より多く計算され、納める税金も多過ぎる方向にずれます。

    ただし、請求をすればそのまま認められるとは限りません。更正の請求ができるかどうかには、もう一つの境目があります。

    税額そのものが変わらなければ、更正の請求はできません

    実際に更正の請求ができるかどうかを分けるのは、税額そのものが変わるかどうかです。所得金額の増減や所得控除の追加があっても、最終的な税額または純損失の金額に異動がないときは、更正の請求はできません3。

    つまり、申告の内容に誤りがあっても、最終的な税額が動かなければ、更正の請求はできません。この分かれ道を、次の図にまとめました。

    図3:更正の請求ができる・できない
    更正の請求ができる・できない 税額が 変わる場合 更正の請求が できます 税額が 変わらない場合 更正の請求は できません

    図の作成:Remogu編集部。国税庁の案内をもとに、更正の請求ができるときとできないときを整理したもので、統計データではありません

    この条件を満たしたうえで、次に確かめたいのが期間です。

    更正の請求ができる期間は、原則として5年以内です

    もう一つ、更正の請求には期限もあります。更正の請求ができる期間は、原則として法定申告期限から5年以内です4。

    「原則として」5年以内の期間を、頭の片隅に置いておくと、気づいたときにすぐ動けます。

    更正の請求ができるときとできないとき、そして期限を確認しました。次の章では、修正申告書と更正の請求書を、実際にどう作るのかを見ていきます。

    7. 修正申告書や更正の請求書は、国税庁の作成コーナーで作れます

    「更正の請求書・修正申告書作成コーナー」に金額を入れると、税額が自動で計算されます

    修正申告書や更正の請求書は、手計算だけで仕上げなくても作れます。国税庁の確定申告書等作成コーナーには「更正の請求書・修正申告書作成コーナー」が用意されています。画面の案内にそって金額を入力すると、税額はその場で自動計算されます11。

    仕上げた書類は、e-Taxや郵送などで提出できます11。

    向きによって、使う手続きといつまでに出すかが変わります

    ここまで見てきた向きと手続きの対応を、いつまでに動くかまで含めて、一つの表に整理します。請求書1件分の記載漏れなら、税額が増える向きです。経費の計上漏れなら、税額が減る向きです。自分の間違いがどちらにあたるのかを、この表でもう一度確かめてください。

    間違いの向き手続きいつまでに
    納める税金が少なすぎたとき、還付される税金が多すぎたとき修正申告できるだけ早く(提出した日が納期限)
    納める税金が多すぎたとき、還付される税金が少なすぎたとき更正の請求原則として法定申告期限から5年以内

    表の「いつまでに」の列は、向きによって形が違います。修正申告は、事前通知の前に直せば過少申告加算税がかからず、更正の請求は原則として法定申告期限から5年以内の期間の中で行います4。同じ「早く」という言葉でも、向きが違えば意味は同じではありません。

    気づいてから出すまでを、4段階で整理します

    請求書の記載漏れに気づいてから、実際に書類を出すまでの流れを、ここで図に整理します。

    図4:気づいてから出すまでの流れ
    気づいてから出すまでの流れ 1 間違いに 気づく 2 向きを 確かめる 3 作成コーナー で作る 4 書類を 提出する

    図の作成:Remogu編集部。国税庁の案内をもとに、気づいてから出すまでの流れを整理したもので、統計データではありません

    修正申告の側では、この4段階を事前通知の前に終えられるかどうかで、過少申告加算税の有無が分かれます6。

    直し方は、間違いの向きで決まります。納める税金が少な過ぎたなら修正申告、多過ぎたなら更正の請求です。そして、直す早さで負担が変わるのは、修正申告の側です。分かれ目は、税務署からの事前通知より前に、自分から動けたかどうかにあります6。更正の請求に、この意味での早さはありません。

    税金が少な過ぎた間違いなら、気づいた日がいちばん負担の小さい日です。多過ぎた間違いは、原則として法定申告期限から5年以内なら、更正の請求で直せます4。

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    ※公開中の案件数は時期によって変わります。記事中の案件の傾向は執筆時点のものです。

    出典・参考情報

    *1 国税庁「確定申告を間違えたとき」(2026年4月・2026年9月確認)
    *2 国税庁「確定申告を間違えたとき」(2026年4月・2026年9月確認)
    *3 国税庁「確定申告を間違えたとき」(2026年4月・2026年9月確認)
    *4 国税庁「確定申告を間違えたとき」(2026年4月・2026年9月確認)
    *5 国税庁「確定申告を間違えたとき」(2026年4月・2026年9月確認)
    *6 国税庁「確定申告を間違えたとき」(2026年4月・2026年9月確認)
    *7 国税庁「確定申告を間違えたとき」(2026年4月・2026年9月確認)
    *8 国税庁「確定申告を間違えたとき」(2026年4月・2026年9月確認)
    *9 国税庁「確定申告を間違えたとき」(2026年4月・2026年9月確認)
    *10 国税庁「確定申告を間違えたとき」(2026年4月・2026年9月確認)
    *11 国税庁「確定申告を間違えたとき」(2026年4月・2026年9月確認)