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    2026年税制改正でフリーランスエンジニアの確定申告はここが変わった——基礎控除95万円・少額減価償却40万円未満・経費として認められないNG項目について

    フリーランスの確定申告と経費2026年最新版エンジニア特化20項目と節税戦略を完全解説

    この記事でわかること

    • フリーランスが経費にできるもの20項目と勘定科目の一覧(エンジニア特化版)
    • 2025年分・2026年分で変わった基礎控除・少額減価償却特例の最新値(年分別比較表付き)
    • 青色申告65万円控除で節税を最大化する具体的ステップ
    • AI会計ソフト・電子帳簿保存法への2026年対応方法
    • 経費として認められないNG項目と税務調査で指摘されやすいケース

    この記事の3つのポイント

    • 経費の判断基準は「事業との関連性」。曖昧なものは家事按分で処理します。
    • 青色申告65万円控除と基礎控除を組み合わせることで、大きな控除効果が期待できます。
    • 2026年10月からインボイス経過措置が変更。免税事業者からの仕入税額控除率が80%→70%へ引き下げられます(令和8年度税制改正)。

    「今年こそ確定申告をきちんとやりたい」と思いながら、2月になってから慌てて領収書を探し回っていませんか。フリーランスとして働く方にとって、経費の知識は年収を左右するほど重要です。正しく経費を計上すれば課税所得が減り、払わなくてよい税金を払い続けるリスクを避けられます。この記事では2026年時点の最新税制に基づき、フリーランスエンジニアが知っておくべき確定申告と経費の全体像をお伝えします。

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    目次

    フリーランスの確定申告と経費の基本

    フリーランスの確定申告と経費の基本

    フリーランスとして働く方は、毎年1月1日から12月31日までの所得を翌年2月16日から3月15日の間に税務署へ申告する必要があります。これが確定申告です。会社員であれば源泉徴収と年末調整で税金が完結しますが、フリーランスはすべて自分で計算・申告します。

    所得の計算式はシンプルです。

    収入 ー 経費 = 所得 | 所得 ー 所得控除 = 課税所得 | 課税所得 × 税率 = 所得税

    経費計上の有無によって、同じ収入でも手元に残る金額は大きく変わります。正確な計上を習慣化することが、フリーランスが手取りを増やすための基本です。

    フリーランスが確定申告で経費として計上できるものとは、事業の遂行上直接必要な支出です。国税庁「No.2210 やさしい必要経費の知識」によれば「総収入金額に対応する売上原価その他その総収入金額を得るために直接要した費用」と定義されています。フリーランスエンジニアの場合、PC・通信費・クラウドサービス・書籍・交通費・家賃(家事按分)など20項目以上が該当します。判断基準は「事業との関連性を第三者に合理的に説明できるか」です*2

    経費計上の判断基準:3つの問い

    • 事業を行うために必要な支出か → 業務専用ならほぼ経費になります。プライベートとの兼用は「家事按分」で処理します。
    • 合理的な根拠を説明できるか → 税務調査で「なぜこれが経費か」を口頭で説明できるレベルであれば計上できます。
    • 証拠書類(領収書・レシート)があるか → 青色申告の場合、帳簿・証拠書類は原則7年間の保存が義務です*3

    計上できる経費20項目と勘定科目一覧

    フリーランス(特にエンジニア)が実務でよく使う経費カテゴリーを勘定科目と対応させて整理しました。「兼用の場合は家事按分」となっている項目は、使用割合に応じて業務使用分だけを計上します。按分の根拠(部屋の面積比、使用時間記録など)は保管しておくことをお勧めします。

    【表1】フリーランスが計上できる主な経費20項目(エンジニア特化版)

    #経費カテゴリー主な内容勘定科目備考
    1PC・周辺機器ノートPC、モニター、キーボード、外付けHDD消耗品費/工具器具備品10万円未満は一括。青色申告なら2026年3月まで30万円未満も一括可(2026年4月〜40万円未満に変更)*4
    2通信費(回線)インターネット回線、スマートフォン代通信費兼用は家事按分(時間比・面積比)
    3クラウドサービスAWS個人利用分、GCP、Azure通信費業務専用プロジェクト分は全額可。個人・業務混在は按分
    4開発ツール・SaaSGitHub(有料プラン)、クラウドIDE(Codespaces等)、Docker Desktop消耗品費業務専用なら全額。複数環境で共用の場合は按分
    5ソフトウェアAdobe CC、JetBrains IDE、セキュリティソフト消耗品費業務専用なら全額計上可
    6プロジェクト管理Notion(有料)、Jira、Confluence通信費/消耗品費業務専用なら全額可
    7コミュニケーションSlack(有料プラン)、Zoom Pro通信費業務専用なら全額可
    8地代家賃事務所家賃、コワーキングスペース地代家賃自宅兼用の場合は面積・時間比で按分
    9水道光熱費電気代(主に電力消費が業務に直結)水道光熱費業務使用分のみ。水道・ガスは業務直結が難しいため注意
    10書籍・教材費技術書、オンライン講座(Udemy等)、資格試験費用新聞図書費/研修費業務に直接関連するもの
    11交通費クライアントとの打ち合わせ往復交通費旅費交通費プライベートとの混在に注意。記録を保管
    12外注費デザイナー・他エンジニアへの業務委託費外注費インボイス対応状況を確認
    13接待・交際費クライアントとの打ち合わせ飲食代交際費業務目的かつ参加者・目的の記録が必要
    14保険料(業務用)PL保険(業務上の損害賠償リスクに備えるもの)損害保険料生命保険は個人保険のため経費不可
    15事務用品USBメモリ、外付けSSD、コピー用紙、文房具消耗品費業務専用のもの
    16会計ソフト費freee、マネーフォワード、弥生の月額費用通信費/消耗品費確定申告業務に直結するため経費計上可
    17名刺・広告費名刺作成費、ポートフォリオサイトのドメイン・サーバー費広告宣伝費事業PRを目的とするもの
    18税理士報酬確定申告代行費用、顧問契約費用支払手数料事業に関連するもの。全額経費計上可
    19開業費開業準備のためのセミナー参加費、備品購入費開業費(繰延資産)開業日から遡って最大1年程度が目安
    20租税公課(事業用)個人事業税(法定業種に該当する場合)、固定資産税(事業用部分)租税公課所得税・住民税は経費不可

    家事按分の計算方法

    自宅でリモートワークをしているフリーランスにとって、家事按分は非常に重要なテクニックです。按分には「面積比」と「時間比」の2つの方法があります。月家賃10万円の1LDKで、1部屋(25平米/全体100平米)を業務スペースとして使用し、1日のうち10時間を業務に充てている場合の計算例を示します。

    家賃の業務按分:10万円 × 25/100 = 2万5,000円
    電気代の業務按分(月1万円):1万円 × (10h/24h) ≒ 4,167円

    按分の根拠(間取り図、使用時間の記録)は必ず保管してください*5

    エンジニアならではの経費計上パターン

    フリーランスエンジニアには、一般的なフリーランス記事にはあまり書かれていない経費計上の場面があります。以下のケースを参考にしてください。

    クラウドサービスの按分

    AWS・GCP・Azureなどのクラウドサービスをプライベートプロジェクトとクライアント案件で混在利用している場合、プロジェクト別のコストレポートを出力して業務使用分の割合を算出する方法が有効です。AWSのCost Explorerなどを使えばプロジェクトタグ別の費用が確認できます。この記録を保管しておくことで、按分の根拠として活用できます。

    AI・機械学習ツールの経費

    GitHub Copilot(月額約10ドル)、ChatGPT Plus(月額20ドル)、Claude ProなどのAIコーディング支援ツールは、業務に直接使用していれば通信費として経費計上できます。2026年現在、フリーランスエンジニアのAIツール利用は珍しくなく、業務関連性の説明も容易です。

    ゲーミングPCの経費計上

    「開発環境構築に高性能GPUが必要」と技術的に説明できる場合(深層学習モデルのローカル実行、VR/AR開発等)、ゲーミングPCを工具器具備品として計上できる場合があります*6。ただし技術的根拠が説明できない場合は計上を見合わせることをお勧めします。

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    計上できない経費・否認されやすいケース

    経費を正しく申告するには、「計上できないもの」を知っておくことも重要です。誤って計上すると税務調査で否認され、追徴課税が発生するリスクがあります。

    【表2】経費として認められないもの・否認されやすいケースの例

    税務署が調査で特に着目するのは「プライベートとの混用」「業務との関連性が薄い支出」「証拠書類のない経費」の3点です。グレーゾーンの支出は按分で対応するか、税理士にご相談されることをお勧めします。

    NG・要注意ケース理由対応策
    家族との食事代個人の生活費。事業との関連性なし業務上の打ち合わせとの混同を避ける
    プライベート旅行費業務目的でない外出は経費不可取材・研修目的であれば目的と内容を記録
    所得税・住民税個人が納める税金は経費不可確定申告の所得控除欄で適切に申告
    国民年金・国民健康保険料社会保険料は経費不可「社会保険料控除」として所得控除で申告
    生命保険料(個人)事業と無関係の個人保険「生命保険料控除」として所得控除で申告
    スーツ・ビジネスバッグプライベートでも使用できるため業務のみで使用するユニフォームは経費可の場合あり
    根拠書類のない現金払い証拠がなければ否認される可能性領収書の発行を求める。出金伝票で補完も可

    2025年・2026年の税制改正で何が変わったか

    2025年分(2026年2〜3月申告)の確定申告は、過去数年で最も変更点が多い年です。フリーランスの税負担に直接影響する改正を3点解説します。

    ① 基礎控除の段階的引き上げ(2025年分から)

    【表3】基礎控除額の年分別一覧(最重要:年分によって異なります)

    2025年以降、基礎控除は「合計所得金額」によって異なる段階制になりました。この表は申告年分に対応する控除額を確認するための一覧です。2027年分以降は再び変更があるため、申告の前に国税庁の最新情報をご確認ください(国税庁「令和7年度税制改正による所得税の基礎控除の見直し等について」)*7

    合計所得金額〜2024年分(旧)2025年分(令和7年)2026年分(令和8年)2027年分以降
    132万円以下48万円95万円104万円58万円(予定)
    132万円超〜155万円以下48万円88万円97万円58万円(予定)
    155万円超〜175万円以下48万円68万円77万円58万円(予定)
    175万円超〜200万円以下48万円63万円72万円58万円(予定)
    200万円超〜655万円以下48万円58万円67万円58万円(予定)
    655万円超〜2,350万円以下48万円48万円58万円58万円(予定)
    2,350万円超〜2,400万円以下32万円32万円32万円32万円
    2,400万円超〜2,450万円以下16万円16万円16万円16万円
    2,450万円超〜2,500万円以下8万円8万円8万円8万円
    2,500万円超0円0円0円0円

    ② インボイス制度の経過措置変更(2026年10月〜)

    免税事業者からの仕入れに適用される経過措置は、令和8年度税制改正により従来のスケジュールから変更されました。2026年9月末まで認められていた80%控除は、2026年10月1日以降は70%控除へ引き下げられます(旧スケジュールでは50%への引き下げが予定されていましたが、激変緩和措置として70%に緩和されました)。その後、2028年10月〜2030年9月は50%、2030年10月〜2031年9月は30%と段階的に引き下げられ、2031年10月に経過措置は完全終了します*8

    ⚠️ 2割特例・3割特例について
    インボイス制度を機に免税事業者から課税事業者となった個人事業者向けの特例措置も、令和8年度税制改正で変更されています。詳細は国税庁の最新情報または税理士にご確認ください。

    ③ 少額減価償却資産の特例(変更あり)

    青色申告をしているフリーランスが少額の減価償却資産を一括経費計上できる特例について、適用期限が延長されつつ内容が変更されています。2026年3月31日まで取得した資産は「30万円未満」、2026年4月1日以降に取得した資産は「40万円未満」が適用基準となります。適用期限は2029年3月31日まで延長されています(弥生株式会社「確定申告お役立ち情報」2026年6月更新)*4。機材購入のタイミングを確認されることをお勧めします。

    青色申告で節税を最大化する方法

    【表4】青色申告と白色申告の主な違い

    青色申告と白色申告を選ぶ際に確認すべき主要な違いをまとめた比較表です。節税効果の差は年間で数十万円規模になることもあります。現在白色申告のフリーランスの方は、青色申告への切り替えを検討する価値があります。

    比較項目青色申告白色申告
    特別控除最大65万円(e-Tax+複式簿記)なし
    赤字の繰越最長3年間の純損失繰越控除原則不可
    少額減価償却特例利用可能(40万円未満、年間300万円上限)利用不可
    専従者給与家族従業員への報酬を経費にできる限定的(専従者控除のみ)
    帳簿の方式複式簿記(65万円控除の場合)単式簿記で可
    家事按分業務使用割合に応じて計上可業務割合50%超の場合のみ

    青色申告65万円控除は、iDeCo(月額最大68,000円・全額所得控除)や小規模企業共済(年間最大84万円・全額所得控除)との組み合わせでさらなる節税が期待できます(中小機構)*10。節税の具体的な試算については、ご自身の収入・所得状況をもとに税理士にご相談されることをお勧めします。

    AI時代の経費管理・確定申告の効率化

    2026年現在、AIを活用した会計・税務ツールが急速に普及しています。freee・マネーフォワード・弥生などのクラウド会計ソフトは、銀行口座やクレジットカードと連携し、AI機能が取引データを自動で勘定科目に振り分けてくれます。月額1,000〜3,000円程度の費用がかかりますが、これ自体も経費(通信費・消耗品費)として計上可能です*6

    2024年1月から、電子取引で受け取ったデータ(メールの請求書PDFなど)は電子保存が義務化されています。クラウドで領収書・請求書を一元管理する体制を整えることで、要件を満たしながら管理コストを下げられます。

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    よくある質問

    Q. フリーランスの経費はいくらまで計上できますか?(上限はありますか?)

    経費に上限はありません。ただし、経費として認められるためには「その支出が事業に直接関連しており、合理的であること」が必要です。収入に対して経費の割合が極端に高い場合、税務調査の対象になる可能性があります*11。根拠を説明できる経費だけを計上することが重要です。

    Q. スマートフォン代は全額経費になりますか?

    スマートフォンをプライベートと業務の両方で使用している場合は全額経費にはなりません。業務使用の時間比や使用割合で按分した金額のみ通信費として計上します。業務専用のスマートフォンであれば全額計上可能です。按分の根拠は記録しておいてください。

    Q. 在宅リモートワークの家賃・電気代はすべて経費になりますか?

    全額は経費になりません。自宅を事務所と兼用している場合は、家事按分により業務に使用している割合だけを計上します。家賃は部屋の面積比、電気代は使用時間比などで按分するのが一般的です*5

    Q. 資格取得費用や技術研修費は経費になりますか?

    業務に直接関連する資格取得費・技術研修費は、原則として経費(研修費・新聞図書費)として計上できます。AWSやAzureの資格取得費は業務に直結するため計上可能です。現在の業務とは全く関係のない新分野への転向を目的とした学習費は、否認されることがあります。

    Q. フリーランスになりたてで収入が少ない場合も確定申告は必要ですか?

    2025年分の場合、所得が95万円以下であれば所得税はかかりません。2026年分は104万円以下が基準です。ただし、収入証明が必要な場面(ローン審査・賃貸契約など)や青色申告の恩恵を受けるためには、所得が少なくても申告することをお勧めします*12

    まとめ

    • フリーランスの経費計上の基準は「事業との関連性を第三者に合理的に説明できるか」です。家事按分を活用して自宅のランニングコストを正しく計上しましょう。
    • エンジニアならではの経費(クラウドサービス・AIツール・開発環境費)も業務専用分であれば全額計上できます。按分の根拠を記録しておくことが重要です。
    • 2025年分から基礎控除が合計所得132万円以下で最大95万円に引き上げ(2025・2026年分の暫定措置)。青色申告65万円控除と合わせて大きな控除効果が期待できます。
    • 少額減価償却特例は2026年4月1日以降の取得分から「40万円未満」に変更(2029年3月まで延長)。機材購入のタイミングをご確認ください。
    • インボイス経過措置は令和8年度税制改正により変更。2026年10月〜2028年9月は80%→70%(旧スケジュールの50%から緩和)となります。
    • クラウド会計ソフトとAI自動仕訳を活用すれば、日常の経費管理が格段に楽になります。会計ソフト費用自体も経費計上できます。

    確定申告は一度仕組みを理解すれば、毎年の作業が自然とルーティンになります。経費を正しく計上し、使える控除を使い切ることが、フリーランスとして手取りを増やす確実な方法です。まずは今年の申告から、一つずつ整えていきましょう。

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    参照元

    *2 国税庁「No.2210 やさしい必要経費の知識」
    *3 国税庁「帳簿書類等の保存期間」
    *4 弥生株式会社「フリーランスエンジニアが経費にできる項目・できない項目の例を解説」(2026年4月更新)
    *5 Remoguコラム「フリーランスの家賃経費按分の計算方法と節税ポイント」
    *6 PE-BANK「フリーランスエンジニアの経費ガイド」(2026年)
    *7 国税庁「令和7年度税制改正による所得税の基礎控除の見直し等について」
    *8 国税庁インボイス制度・令和8年度税制改正大綱(2026年)
    *10 中小機構「小規模企業共済とは」
    *11 freee「フリーランスが経費にできるものは?」
    *12 弥生株式会社「確定申告しなくていい金額は?」(2026年6月更新)

    ※本記事は情報提供を目的としています。税務に関する最終判断は、最新の国税庁情報および税理士等の専門家にご相談ください。