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    収支内訳書の書き方と注意点|フリーランスエンジニアの白色申告で「太枠」と家事按分を確かめる

    監修・編集責任者:牛尾 昭昌(株式会社LASSIC 執行役員)

    「収支内訳書の書き方」を示す図です。太枠の欄を埋める/家事の分を除くを並べています。強調しているのは太枠の欄を埋めるです。該当する金額を記入と添えています。

    📘 この記事でわかること

    • 白色申告でも記帳や保存の決まりがあることと、収支内訳書は営業等か雑(業務)のどちらかに〇を付ける仕組み
    • 太枠の欄に記入が要ることと、業務に係る雑所得は前々年の収入が1,000万円を超える場合の提出条件
    • 衣料費や食費などの家事上の費用は必要経費にならないことと、帳簿や書類を残す5年間(一部は7年間)の期間

    白色申告で初めての確定申告の準備を始めました。確定申告書と一緒に出す書類に、「収支内訳書」という用紙がありました。どこまで書けばよいのか、自宅で作業した分の電気料などをどう扱うのか、手が止まりました。収支内訳書で気をつけるのは、太枠の欄と、家事の分を除くことです。

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    1. 白色申告でも、記帳と書類の保存の決まりがあります

    白色申告でも、記帳や保存の決まりがあります。青色申告者には、一定の要件を備えた帳簿書類の備付け・記録・保存が定められています。白色申告を選んでいても、記帳制度や記録保存制度が設けられています1。

    対象かどうかは、所得の種類で決まります。記帳が要るのは、不動産所得、事業所得または山林所得のある人です3。業務委託で受けた報酬を事業所得として申告している場合は、この記帳の対象に入ります3。

    つまり、白色申告だからといって、記帳や保存の決まりが無くなるわけではありません。対象になる所得があれば、この決まりに沿って記録を残します。

    具体的にどう決まっているかを、3つに分けて見ていきます。

    白色申告者に求められる決まりは、記帳・保存・添付書類の3つです

    確定申告に向けて確かめておきたい決まりを、3つに分けて整理します。記帳は日々の取引の残し方、保存は記録を置いておく期間や場所、添付書類は確定申告書と一緒に出す書類を指します。次の表にまとめます。

    項目内容
    記帳不動産所得・事業所得・山林所得のある人が対象です3
    保存帳簿や書類を、住所地や事業所などの所在地に整理して保存します5
    添付書類総収入金額や必要経費の内容を記載した書類(収支内訳書など)です2

    記帳と保存の決まりは、対象になる所得があるかどうかで判断します3。

    ここまでの3つのうち、添付書類にあたるのが収支内訳書です。次に、収支内訳書をどう出すのかを見ていきます。

    2. 確定申告書には、収支内訳書などを付けます

    確定申告書を出すときは、総収入金額や必要経費の内容を記載した書類の添付が求められます。収支内訳書は、その書類の一つです2。

    収支内訳書(一般用)には、申告する所得の種類に合わせて〇を付ける欄があります7。

    ここで迷いやすいのが、〇を付ける先です。

    「営業等」と「雑(業務)」、〇を付ける先が分かれます

    事業所得のある人が、その事業の収支内訳書を作るときは「営業等」に〇を付けます。業務に係る雑所得のある人が、その業務の収支内訳書を作るときは「雑(業務)」に〇を付けます7。

    どちらに〇を付けるかは、申告する所得が事業所得か、業務に係る雑所得かで決まります。案件の報酬をどちらの所得として申告しているかによって、記入する先が変わります。

    2つの分かれ方を、図で比べます。

    図1:収支内訳書は、どちらに〇を付けるか
    収支内訳書の〇を付ける先 収支内訳書を作るとき 事業所得のとき 「営業等」に 〇を付けます 業務に係る雑所得のとき 「雑(業務)」に 〇を付けます

    図の作成:Remogu編集部。収支内訳書の〇を付ける先を整理したもので、統計データではありません

    次に、業務に係る雑所得のときに提出が要る条件を確かめます。

    3. 業務に係る雑所得なら、提出が要るのは1,000万円を超える場合です

    業務に係る雑所得のある人は、決まった基準を超えたときに、収支内訳書の提出が求められます。基準になるのは、収入金額です。

    業務に係る雑所得のある人が収支内訳書を提出する必要があるのは、前々年の業務に係る雑所得の収入金額が1,000万円を超える場合に限られます8。

    たとえば令和7年分の確定申告であれば、令和5年分の収入金額が基準になります8。基準になるのは、2年前の金額です。

    前々年の収入金額が1,000万円を超えていなければ、業務に係る雑所得についての収支内訳書の提出は求められていません8。

    自分が当てはまるかを確かめるには、前々年に業務として受け取った収入の金額を振り返ります。

    ここまでで、提出が要るかどうかの基準が分かりました。次は、収支内訳書そのものの書き方を見ていきます。

    4. 収支内訳書は、該当する欄と太枠の欄に記入します

    収支内訳書には、記入する欄がいくつも並びます。どの欄に何を書けばよいのかが、ここでの確認点です。

    収支内訳書は、該当する箇所にそれぞれ記入します6。特殊な経費があるときは、空欄の箇所に経費科目を設けて記入する決まりです6。

    太枠の箇所も、書式の中にあります。該当する金額がある人は、太枠の箇所を記入します6。

    つまり、埋め方の基準は、該当する箇所・特殊な経費・太枠の3つです。

    書くときに確かめるのは、該当箇所・特殊な経費・太枠の3つです

    収支内訳書を書くときに確かめる点を、3つに分けて整理します。該当する箇所への記入、特殊な経費の扱い、太枠の箇所への記入です。それぞれの内容を次の表にまとめます。

    項目内容
    該当する箇所それぞれの欄に記入します6
    特殊な経費がある場合空欄の箇所に経費科目を設けて記入します6
    太枠の箇所該当する金額がある人が記入します6

    この3つが、書き方の基本です6。

    次に確かめるのは、金額の中身です。自宅で仕事をしているなら、家事上の費用が交ざっていないかどうかを見ていきます。

    5. 家事の分は、必要経費から除きます

    自宅を仕事の場所にしていると、暮らしのための支出と仕事のための支出が、同じ請求書の中に混ざります。収支内訳書を書く前に、どこまでを経費に入れてよいかを分けます。

    衣料費や食費などの家事上の費用は、必要経費にはなりません9。日々の暮らしにかかる費用は、収支内訳書に記入する経費には含めません。

    一方で、住宅の一部を仕事に使っている場合は、事情が少し変わります。地代家賃や水道料・電気料などは、暮らしの分と仕事の分の両方にまたがることがあります。

    店舗兼住宅の地代家賃や、水道料・電気料・燃料費などのように、家事と事業の両方にかかる費用を家事関連費といいます。このうち家事分にあたる金額は、必要経費になりません10。

    家事関連費を事業の分と家事の分に分けるときは、使用面積や保険金額、点灯時間など、適切な基準であん分して計算します10。

    支払った額から、必要経費になる範囲までの流れを、図で確かめます。

    図2:家事関連費のあん分
    地代家賃・水道光熱費などの家事関連費 支払った額 地代家賃や 水道・電気料 → 家事分を除く 使用面積や 点灯時間など → 事業分が 必要経費

    図の作成:Remogu編集部。家事関連費のあん分の考え方を整理したもので、統計データではありません

    家事関連費にあたる費用があるときは、対象になる費用を確かめたうえで、基準を決めてあん分します10。衣料費や食費のような、暮らしだけに関わる費用は、この計算には含めません9。

    必要経費にあたる範囲を確かめたら、次は帳簿や書類をどれだけの期間残すかを見ていきます。

    6. 帳簿と書類は5年間、記帳制度に基づいて作った帳簿は7年間残します

    収支内訳書を書き終えても、記録はそこで終わりではありません。もとになった帳簿や書類は、申告のあとも決まった期間、保存します。

    記帳は、所得金額が正確に計算できるように、整然とかつ明瞭にする必要があります4。

    整然と記録した帳簿や書類は、保存する期間も決まっています。対象になるのは、記帳が必要な人と同じ、不動産所得、事業所得または山林所得のある人です5。

    帳簿や書類は5年間、住所地や事業所などの所在地に整理して保存します5。記帳制度に基づいて作成した帳簿については、7年間の保存です5。

    5年間の書類と、7年間の帳簿の違いを、図で確かめます。

    図3:帳簿や書類を保存する期間
    保存する期間 帳簿や書類 5年間保存します 記帳制度に基づいて作成した帳簿 7年間保存します 住所地や事業所などの所在地に整理して保存します

    図の作成:Remogu編集部。帳簿や書類を保存する期間の違いを整理したもので、統計データではありません

    記帳制度に基づいて作成した帳簿にあたるかどうかで、保存する期間が5年間か7年間かに分かれます5。手元の帳簿がどちらにあたるかを、保存を始める前に確かめます。

    ここまでで、家事の分の除き方と、帳簿や書類を残す期間を確かめました。次は、提出の前に確かめる点を整理します。

    7. 提出の前に、3つを確かめます

    提出の前に確かめるのは、太枠の欄への記入、家事の分の除き方、帳簿や書類を保存する準備の3つです。ひとつずつ振り返ります。

    1つ目は、太枠の欄です。収支内訳書には、太枠で囲った箇所があります。該当する金額がある人は、その箇所に記入します6。自分の収支の中に、太枠の欄にあてはまる金額があるかどうかを見比べます。

    あてはまる金額があれば、その欄に記入します6。特殊な経費があるときは、空欄の箇所に経費科目を設けて記入します6。記入した欄と、太枠の欄を見比べる作業が、1つ目の確認です。

    2つ目は、家事の分です。衣料費や食費などの家事上の費用は、必要経費になりません9。暮らしのための支出が、経費の中に紛れていないかを見返します。

    地代家賃や水道料・電気料など、家事と事業の両方にかかる家事関連費は、使用面積や点灯時間などの適切な基準であん分し、家事分を除いた事業分だけを必要経費にします10。あん分の基準に何を使ったかも、あわせて見直します。

    3つ目は、帳簿と書類の保存です。不動産所得、事業所得または山林所得のある人は、帳簿や書類を5年間、記帳制度に基づいて作成した帳簿は7年間、住所地や事業所などの所在地に整理して保存します5。

    帳簿や書類を保存する準備が整っているかどうかが、3つ目の確認です。収支内訳書を出したあとも、この保存は続きます5。

    ここまでの3つの確認点を、次の表にまとめます。

    項目内容
    太枠の欄該当する金額がある人が記入します6
    家事の分使用面積や点灯時間などの基準であん分します10
    帳簿と書類の保存5年間、記帳制度に基づく帳簿は7年間保存します5

    次に、3つを確かめる順番を図で示します。

    図4:確かめる順番
    提出前に確かめる順番 太枠の欄 金額があれば 記入したか → 家事の分 あん分して 除いたか → 帳簿と書類 保存の準備が あるか 1つ目 2つ目 3つ目

    図の作成:Remogu編集部。提出前に確かめる順番を整理したもので、統計データではありません

    収支内訳書で気をつけるのは、太枠の欄と、家事の分を除くことです。太枠の箇所に該当する金額があれば記入し、家事関連費は使用面積や点灯時間などの基準であん分します。帳簿と書類は、申告のあとも5年間(記帳制度に基づいて作成した帳簿は7年間)残します。

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    ※公開中の案件数は時期によって変わります。記事中の案件の傾向は執筆時点のものです。

    出典・参考情報

    *1 国税庁「白色申告者の記帳・帳簿等保存制度」(2026年・2026年9月確認)
    *2 国税庁「白色申告者の記帳・帳簿等保存制度」(2026年・2026年9月確認)
    *3 国税庁「白色申告者の記帳・帳簿等保存制度」(2026年・2026年9月確認)
    *4 国税庁「白色申告者の記帳・帳簿等保存制度」(2026年・2026年9月確認)
    *5 国税庁「白色申告者の記帳・帳簿等保存制度」(2026年・2026年9月確認)
    *6 国税庁「収支内訳書(一般用)の書き方」(2025年・2026年9月確認)
    *7 国税庁「収支内訳書(一般用)の書き方」(2025年・2026年9月確認)
    *8 国税庁「収支内訳書(一般用)の書き方」(2025年・2026年9月確認)
    *9 国税庁「収支内訳書(一般用)の書き方」(2025年・2026年9月確認)
    *10 国税庁「収支内訳書(一般用)の書き方」(2025年・2026年9月確認)