フリーランスが廃業したら失業保険は出る?廃業後の手続きと使える制度を解説
廃業を決めたとき、まず頭に浮かぶのはお金のことかもしれません。「失業保険、使えるのかな」。その問いは自然です。でも、フリーランスは原則として対象外。それを知ったあとの選択肢が、この記事に書いてあります。公式情報をもとに、条件・手続き・次の動き方まで整理しました。
目次
1. フリーランス廃業と失業保険の基本
フリーランス(個人事業主)は雇用保険の被保険者ではないため、原則として失業保険を受給できません。雇用保険は「労働者」のための制度であり、個人事業主は制度の対象外です。ただし、廃業前に会社員として雇用保険に加入していた期間があり、一定の条件を満たす場合は受給できる可能性があります。
「廃業したら失業保険は出るのか」。これは、廃業を経験した方が最初に抱く疑問の一つです。なぜ対象外なのかというと、雇用保険は「労働者」のための制度だからです※1。労働者とは、事業主に雇われ、雇用保険料を納めている人を指します。個人事業主・フリーランスは自ら事業を営む立場のため、「雇われている人」ではなく制度の外側になります。
1-1. 雇用保険とは——対象になる人・ならない人
雇用保険は、離職した労働者が次の就職先を探す期間の生活を支える制度です※1。基本手当(失業給付)が主な給付です。対象者と対象外者を以下の表にまとめました。
| 区分 | 具体例 | 雇用保険の対象 |
| 正社員・契約社員 | 会社員として雇用契約を結んでいる人 | ✅ 対象(週20時間以上の場合) |
| パートタイム・アルバイト | 週20時間以上かつ31日以上の継続雇用見込みがある人 | ✅ 対象 |
| 個人事業主・フリーランス | 業務委託で案件受注、確定申告をしている人 | ❌ 対象外 |
| 会社役員・代表取締役 | 法人を設立し代表を務める人 | ❌ 原則対象外 |
雇用保険の対象者・対象外者を整理した表です。週20時間以上勤務する労働者は対象ですが、個人事業主・フリーランスは事業主の立場のため被保険者になれません。廃業時に受給できないのは、この制度設計によるものです。出典:厚生労働省「雇用保険の手続きはお済みですか」をもとに編集部作成。
1-2. 例外パターン|過去に会社員だった場合
「フリーランスになる前、会社員だった期間があります」という方は、受給できる可能性があります。ただし、以下の条件をすべて満たす必要があります。
📋 例外受給の4つの条件
- 廃業後、ハローワークに求職の申込みをすること
- 廃業日時点で、直近2年間に通算12か月以上の被保険者期間があること(特定受給資格者・特定理由離職者の場合は直近1年間に6か月以上)※1
- 廃業後に事業を完全に終了していること(事業継続中は「失業」と認定されない)
- 就職しようとする意思と能力があり、積極的に求職活動をしていること
特に重要なのは「事業を完全に終了している」という点です。確定申告を続けている、取引先との契約が残っている。そういった状態では「失業」と認定されません。ハローワークの担当者が実態を確認します※1。廃業前の会社員時代の離職理由(自己都合か会社都合か)は受給日数にも影響するため、まずはハローワークで確認するのが確実です。
2. 廃業後に必要な手続き一覧
廃業を決めたら、動くのは早いほどいいです。税務署・役所への届出と、社会保険の切り替え。どちらも期限があります。遅れると、無保険期間や税務上のリスクにつながります。
2-1. 廃業届(個人事業の開廃業等届出書)の提出
個人事業主が廃業するとき、税務署への「個人事業の開廃業等届出書」の提出が必要です※2。
📌 廃業届の基本情報
- 提出先:納税地(主たる事務所の所在地)を管轄する税務署
- 提出期限:廃業日から1か月以内
- 書類:国税庁のWebサイトからダウンロード可能(e-Tax提出も可)
- 青色申告の取りやめ、消費税関係の届出等も同時提出するケースが多い
下の表は、廃業時に必要な主な手続きを窓口・期限とともに一覧にまとめたものです。
| 手続き | 窓口 | 期限の目安 | 備考 |
| 個人事業の開廃業等届出書 | 管轄税務署(e-Tax可) | 廃業日から1か月以内 | 青色申告取りやめ届も同時提出推奨 |
| 国民健康保険への切り替え | 市区町村役場 | 資格喪失日から14日以内 | 会社の健保から抜けた場合 |
| 国民年金への切り替え | 市区町村役場 or 年金事務所 | 資格喪失日から14日以内 | 厚生年金から国民年金第1号へ |
| ハローワークへの求職申込み | 住所地を管轄するハローワーク | 廃業後なるべく早く | 失業給付の受給を希望する場合 |
| 確定申告(廃業年分) | 管轄税務署(e-Tax可) | 翌年2月16日〜3月15日 | 廃業年度の事業所得を申告 |
廃業時の主な手続きを窓口・期限別にまとめた一覧表です。特に注意が必要なのは健康保険と年金の切り替えで、資格喪失から14日以内が目安です。廃業届の提出は廃業日から1か月以内で、e-Taxによるオンライン提出も可能です。手続きが遅れると無保険期間が生じるリスクがあるため、廃業後は速やかに各窓口で手続きを進めることをおすすめします。出典:国税庁・厚生労働省・ハローワーク公式情報をもとに編集部作成。
2-2. 社会保険・健康保険の切り替え
廃業後の健康保険は、3つの選択肢があります※3。
🏥 廃業後の健康保険3つの選択肢
- 国民健康保険に加入:自治体窓口で手続き。保険料は前年の所得をもとに算定。廃業直後で収入が大きく減っている場合、減免制度を設けている自治体もあります
- 任意継続被保険者制度を利用:廃業前に会社員として健保に加入していた方が使える制度。退職(廃業)後2か月以内の手続きが必要で、最長2年間、在職中と同じ健保組合に加入し続けられます(保険料は全額自己負担)
- 家族の扶養に入る:配偶者や家族が健保に加入していて、年収130万円未満の見込みであれば扶養に入ることも選択肢の一つです
どれが有利かは、前年の所得・家族構成・廃業後の収入見通しによって変わります。自治体の窓口で試算を依頼するのが早いです。
3. 廃業後に使える制度——再就職手当を知っておく
「失業保険が使えない」とわかっても、選択肢がなくなるわけではありません。条件次第で、廃業後の生活を支える制度を使えます。見落としがちなのが「再就職手当」です。
3-1. 再就職手当とは・受給要件
再就職手当は、雇用保険の基本手当の受給資格がある方が、給付期間が残っている状態で就職や事業を開始した場合に受け取れる一時金です※4。最後まで基本手当を受け取るより、早く再出発した人への支援金と考えるとわかりやすいです。残日数に応じて、残りの給付額の一部を一括で受け取れます。
📋 再就職手当の主な受給要件
- 雇用保険の基本手当の受給資格がある(離職前に被保険者期間が一定期間ある)
- 待期期間(7日間)が満了していること
- 就職日の前日時点で、基本手当の支給残日数が所定給付日数の3分の1以上あること
- 就職先の事業主との間で3年以上の雇用が見込まれること(雇用の場合)
- 原則として、離職前の事業主(または関連事業主)への再就職でないこと
3-2. フリーランスとして再スタートする場合にも使えるか
再就職手当は、事業を再開始(自営業・フリーランスとして独立)した場合にも支給対象になります※4。「再就職」という言葉から会社員に戻る人だけの制度と思われがちですが、フリーランスとして新たに活動を再開する際にも申請できます。ただし、廃業した事業と同一または類似の事業を再開する場合は対象外になるケースもあります。事前にハローワークへ確認することをお勧めします。
| 就職日時点の残日数 | 支給率 | 基本手当日額5,000円・残日数90日の場合の目安 |
| 所定給付日数の3分の2以上残っている | 基本手当日額 × 残日数 × 70% | 約315,000円 |
| 所定給付日数の3分の1以上残っている | 基本手当日額 × 残日数 × 60% | 約270,000円 |
再就職手当の支給額の目安を残日数別に示した表です。残日数が多いほど受け取れる金額は大きくなります。基本手当日額・所定給付日数は離職前の報酬・被保険者期間によって個人差があります。フリーランスとして再スタートする場合も対象になり得るため、雇用保険の受給資格がある方は早めにハローワークへ確認することをおすすめします。出典:厚生労働省「再就職手当のご案内」をもとに編集部作成。
4. 廃業リスクを下げる選択肢——リモート案件という手段
廃業のきっかけは、多くの場合「案件が途切れた」「収入が安定しなかった」ことです。制度を知ることも大切ですが、廃業リスクをそもそも下げておくことが、より確実な備えになります。
4-1. なぜフリーランスは廃業するのか
⚠️ フリーランス廃業につながる主な要因
- 案件の途絶:既存クライアントとの契約終了後、次の案件が見つからない
- 収入の不安定さ:月によって収入が大きくばらつき、生活設計が難しい
- スキルの陳腐化:技術・市場の変化についていけず、案件獲得力が低下する
- 営業・事務コストの負担:案件獲得のための営業活動や経理・確定申告の管理業務が重なる
- 孤立感・モチベーション低下:チームがなく、相談相手が少ない環境が続く
共通しているのは「案件と収入の安定性」です。案件が安定して入ってくる仕組みさえあれば、廃業リスクは大きく変わります。
4-2. Remoguのリモート案件でリスクをコントロールする
一つのクライアントに頼るより、複数の案件選択肢がある状態のほうが安定します。廃業リスクの管理は、案件の獲得手段を確保することから始まります。
Remogu(株式会社LASSIC運営)は、リモートワーク案件に特化したフリーランスエンジニア向けのマッチングサービスです。公開案件数は3,790件(うちフルリモート1,428件)。場所を選ばず案件に参画できる環境があります※5。
💡 廃業経験者・廃業検討中の方へのRemoguの特徴
- 案件の継続性:常に複数の選択肢があるため、一つのクライアントへの依存度を下げられます
- リモート対応:フルリモート案件(1,428件)だけでなくハイブリッド案件も含むため、柔軟な働き方が可能です
- 再参画のしやすさ:廃業後にフリーランスとして再スタートする場合も、登録から案件検索・参画まで一貫してサポートを受けられます
| 選択肢 | 収入安定性 | 柔軟性 | 主な注意点 |
| 会社員として再就職 | 高い | 低い(勤務地・時間の制約あり) | フリーランス時代のスキルが活かしにくい場合あり |
| フリーランスとして案件再参画 | 案件次第 | 高い(リモート可) | 案件獲得の仕組みが重要 |
| マッチングサービス経由で案件参画 | 比較的安定 | 高い(リモート案件も豊富) | サービスの案件数・質を確認する必要あり |
廃業後に取り得る3つの選択肢を、収入安定性・柔軟性・注意点の軸で比較した表です。会社員への再就職は安定性が高い一方で勤務地・時間の制約が生じます。フリーランスとしての継続は柔軟性が高く、マッチングサービスを活用することで案件獲得の不安定さを緩和できます。廃業を経験した方の再スタートには、案件の選択肢を広く持てる環境を整えることが重要です。編集部作成。
「廃業した」は、キャリアの終わりではありません。廃業という経験があるから見えてくる、案件選びの軸があります。次の一歩を、焦らず選んでください。
5. まとめ
フリーランスが廃業した場合の失業保険・手続き・次の選択肢について、ポイントを整理しました。
📋 この記事のポイント
- フリーランス(個人事業主)は原則として雇用保険の対象外です。廃業しても失業保険(基本手当)は受給できません
- 廃業前に会社員として雇用保険に加入していた期間がある場合は、条件次第で受給できる可能性があります。まずはハローワークで確認してください
- 廃業後の手続きは速やかに進めることが大切です。健康保険の切り替えは資格喪失から14日以内が目安です
- 雇用保険の受給資格がある方は「再就職手当」も使えます。フリーランスとして再スタートする際にも申請対象になり得ます
- 廃業リスクを下げるには、案件を安定して確保できる仕組みが必要です。リモート案件への参画は、その手段の一つです
次の案件が、ここにあります。まず一覧してみてください。
Remogu(リモグ)でリモートワーク案件を探す
Remoguは、株式会社LASSICが運営するITエンジニア・デザイナーに特化したフルリモートワークの案件サイト(エージェントサービス)です。
公開案件3,790件(うちフルリモート1,428件)。廃業を経験した方の再スタートから、現役フリーランスの案件継続まで対応しています。
会員登録無料 / 案件閲覧・相談は無料です
6. よくある質問(FAQ)
出典・参考情報
※1 厚生労働省・ハローワーク「雇用保険の基本手当について」
※2 国税庁「個人事業の開廃業等届出書(提出の手続き)」
※3 厚生労働省「健康保険の任意継続被保険者制度について」
※4 厚生労働省・ハローワーク「再就職手当のご案内」
※5 Remogu(株式会社LASSIC運営)