個人事業主に法人番号はない|インボイスの登録番号との違いと取引先に伝える番号を解説
監修・編集責任者:牛尾 昭昌(株式会社LASSIC 執行役員)

📘 この記事でわかること
- 法人番号が13桁で、設立登記法人などに指定される番号であることと、個人事業者が指定の対象に入らないこと
- 法人番号の公表サイトに載る基本3情報の中身と、インボイスの登録番号との違い
- 取引先の番号の欄を埋める前に、4つの順番で何を求められているかを確かめる手順
新しい案件の取引先登録フォームを開くと、「法人番号(13桁)」の欄に必須の印が付いていました。個人事業主として受ける案件なのに、書ける番号が思い当たりません。送信ボタンの前で手が止まり、空けて送ってよいのか、別の番号で埋めるのかが分からなくなります。番号の欄は、空けるか埋めるかの前に、何の番号を求めているかを確かめます。その確かめ方を順に整理します。
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1. 個人事業主が法人番号を確かめる理由
法人番号という言葉は、会社同士の取引でよく目にします。個人事業主として案件を受けるときも、取引先の登録フォームや書類にその欄が出てくることがあります。そのとき、自分にも番号があるのかが気になります。
国税庁の資料「法人番号について」では、個人事業者は法人番号の指定対象外とされています1。自分の番号が見つからないのは、探し方が悪いからではありません。
ただし、欄に何も書かずに送ってよいかは別の問題です。その欄が求めているのは、法人番号とは限らないからです。まずは、法人番号がどんな番号なのかから見ていきます。
2. 法人番号とは
13桁の構成と指定される相手
法人番号は13桁の番号です。国税庁の資料によると、12桁の基礎番号と、1桁の検査用数字で構成されています1。
この番号は、国の機関、地方公共団体、設立登記法人などに、国税庁長官が指定します1。取引先が株式会社や合同会社のように登記された法人であれば、その法人には番号が指定されています。
出典:国税庁「法人番号について」(2026年6月)をもとに作成
利用に制約がない番号
法人番号は、利用範囲に制約がなく、誰でも自由に利用できる番号です1。取引先が自社の番号を登録フォームや書類に書くのは、この性質があるからです。
一方で、マイナンバーのように個人を特定して使い道が限られる番号とは、成り立ちが違います。法人番号は法人などを対象にした番号で、フォームに書かれていても、個人の情報を求めているとは限りません。
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3. 個人事業者は指定対象外
指定される相手と指定されない相手
国税庁の資料では、国の機関、地方公共団体、設立登記法人などが法人番号の指定を受けます1。反対に、個人事業者や民法上の組合などは、指定対象外とされています1。次の表は、この2つの区分を並べたものです。
| 区分 | 例 | 法人番号 |
|---|---|---|
| 指定される相手 | 国の機関、地方公共団体、設立登記法人など | 国税庁長官が指定します |
| 指定されない相手 | 個人事業者、民法上の組合など | 指定対象外です |
番号が無いのは仕組みによる
個人事業者に法人番号が付かないのは、制度の仕組みによるものです1。届け出や申請をして取る番号の話にはなりません。
そのため、個人事業主が法人番号の欄に書ける番号は、自分では持っていないことになります。ですから、フォームの必須欄が法人番号を求めているのだとすれば、その欄は法人向けの項目を共通で置いているのかもしれません。ここで効くのが、欄の名前から何の番号かを取引先に確かめることです。
次は、法人番号がどこで公表されているかです。
4. 法人番号の公表と調べ方
公表される基本3情報
法人番号を指定した法人等については、基本3情報が国税庁の法人番号公表サイトで公表されます1。基本3情報は、商号又は名称、本店又は主たる事務所の所在地、法人番号の3つです。
出典:国税庁「法人番号について」(2026年6月)をもとに作成
取引先の番号を見るとき
取引先から法人番号を聞いたときは、公表サイトの名称や所在地と見比べる使い方ができます。公表されているのは、法人番号を指定した法人等の情報です1。
逆に、指定対象外の個人事業者は、この公表の対象に入りません1。自分の屋号や氏名で公表サイトを探して見つからなくても、それは当然の結果です。取引先が書類に別の番号を求めているときは、法人番号とは別の番号を指している可能性があります。その代表が、インボイスの登録番号です。
5. インボイスの登録番号との違い
法人番号と登録番号の見比べ
インボイス制度で話題になる登録番号は、法人番号とは別の番号です。国税庁のインボイス制度Q&Aによると、個人事業者などの登録番号は「T」と数字13桁で構成されます2。
一方、法人番号は数字だけの13桁で、12桁の基礎番号と1桁の検査用数字からできています1。数字の部分はどちらも13桁ですが、先頭に「T」が付くかどうかで形が分かれます。次の表は、2つの番号を3つの点で並べています。
| 比べる点 | 法人番号 | 登録番号(個人事業者など) |
|---|---|---|
| 構成 | 13桁(12桁の基礎番号と1桁の検査用数字)1 | 「T」と数字13桁2 |
| 個人事業者との関係 | 指定対象外です1 | 個人事業者などの番号の形が示されています2 |
| 番号の付き方 | 国の機関、地方公共団体、設立登記法人などに国税庁長官が指定します1 | 事業者ごとの番号が付され、マイナンバーは用いず、法人番号とも重複しません2 |
マイナンバーや法人番号との関係
登録番号の13桁の数字には、マイナンバー(個人番号)は用いられません。法人番号とも重複しない、事業者ごとの番号が付されます2。
つまり、取引先のフォームに13桁の番号を書く欄があっても、その番号が法人番号なのか、登録番号なのかは、桁数だけでは分かりません。見分けのきっかけは、先頭の「T」と、欄に付いた名前です。次は、その名前の読み方です。
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6. 取引先の番号の欄に向き合う
欄の名前の読み方
取引先の登録フォームで、番号の欄に付いた名前は、何の番号を求めているかを知る最初の手がかりです。欄の名前が「法人番号」なら、個人事業者は指定対象外とされています1。個人事業者が自分で用意できる番号ではありません。
欄の名前が「登録番号」なら、「T」と数字13桁の形かどうかを見ます。個人事業者などの登録番号は、この形で構成されるからです2。欄の注記に桁数や先頭の文字が書かれていれば、その形と見比べます。
図の作成:Remogu編集部。国税庁の資料の内容と確認の手順を整理したもので、統計データではありません
ところが、欄の名前が「事業者番号」のように、どちらにも読める語のことがあります。この記事で使った国税庁の資料には、「事業者番号」という名前の番号は出てきません。名前だけでは中身を決められないので、次の聞き方で取引先に確かめます。
取引先への聞き方
聞くのは、番号の名前と、使い道の2つです。「この欄は法人番号の欄でしょうか、それともインボイスの登録番号の欄でしょうか」と書けば、答えはどちらかに絞られます。
文面の例は、次のとおりです。「登録フォームの『◯◯番号』の欄について、求められているのが法人番号か、インボイスの登録番号かを教えてください。個人事業主として参画するため、法人番号はありません。」個人事業主であることを最初に添えると、取引先も答えを選びやすくなります。
問い合わせは、メールや問い合わせフォームのように、あとから文面を見返せる手段で行います。返事が文面で残れば、欄を空けたまま送った理由や、別の番号を書いた理由を、取引先との間で説明できます。
手元に控える番号
返事を待つあいだに、手元に控える番号を決めておきます。1つ目は、自分のインボイスの登録番号です。登録している場合は、「T」と数字13桁の形で控えます2。
2つ目は、取引先の法人番号です。取引先が設立登記法人なら、国税庁長官が法人番号を指定しています1。名称、所在地、法人番号の基本3情報は、法人番号公表サイトで公表されるので1、取引先から聞いた番号と見比べて控えます。
自分の法人番号は、「なし」と控えるより、「個人事業者は指定対象外」と書いておくほうが、あとで聞かれたときに説明の言葉が決まります。次は、ここまで見てきた観点を、確かめる順に並べます。
7. 番号の欄を埋める前に確かめる順番
確かめる4つの観点
確かめる順番は、①求められている番号の名前、②法人番号か、③インボイスの登録番号か、④マイナンバーを書く欄ではないか、の4つです。名前を読む順を先頭に置くのは、残りの3つが、名前から決まるからです。
| 順番 | 見るもの | 次の動き |
|---|---|---|
| 1. 番号の名前 | 欄の表示と注記 | 名前が決められなければ、取引先に確認します |
| 2. 法人番号か | 欄の名前が「法人番号」か | 個人事業者は指定対象外です1。欄の扱いを取引先に確認します |
| 3. 登録番号か | 「T」と数字13桁の形か | 桁数と先頭の文字を見比べます2 |
| 4. マイナンバーを書く欄か | 欄の説明文 | 登録番号の数字にマイナンバーは用いません2。欄の目的を取引先に確認します |
図の作成:Remogu編集部。国税庁の資料の内容と確認の手順を整理したもので、統計データではありません
4つを順に進める
1つ目は、欄に書かれた番号の名前を、そのまま読むことです。名前の横に注記があれば、注記の文言も読みます。名前が「法人番号」か「登録番号」のどちらかに読めるなら、2つ目か3つ目に進みます。別の語のときは、そこで手を止めて取引先に尋ねます。
2つ目は、名前が「法人番号」のときです。個人事業者は法人番号の指定対象外とされていますから1、自分の番号を探しても見つかりません。欄を空けて送ってよいのか、代わりに書く番号があるのかを、取引先に尋ねます。
3つ目は、名前が登録番号のときです。「T」と数字13桁かを見て2、自分の登録番号を先頭の「T」から13桁の数字まで書き写します。登録していない場合の扱いは、取引先に尋ねます。
4つ目は、欄の説明にマイナンバーや個人番号と読める語がないかを見ることです。登録番号の13桁の数字にはマイナンバーが用いられませんから2、そうした語がある欄は、登録番号とは別の欄です。欄の目的と、書く番号の名前を、取引先に尋ねます。
番号の名前を確かめてから埋める
冒頭の、手が止まった場面に戻ります。必須の印が付いた「法人番号(13桁)」の欄に書く番号を個人事業主が持っていないのは、当然でした。法人番号は、個人事業者が指定対象外の番号だからです1。
番号の欄は、空けるか埋めるかの前に、何の番号を求めているかを確かめます。名前を読み、法人番号か登録番号かを見分け、分からなければ取引先に尋ねます。この順を手元に置けば、送信ボタンの前で手が止まっても、次の動きが決まっています。
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8. よくある質問
個人事業主でも法人番号を取れますか
国税庁の資料では、個人事業者は法人番号の指定対象外とされています1。法人番号は、国の機関、地方公共団体、設立登記法人などに国税庁長官が指定する番号です1。フォームの欄に法人番号と書かれていたときは、取引先に欄の扱いを尋ねます。
インボイスの登録番号はマイナンバーと同じですか
同じではありません。登録番号の13桁の数字には、マイナンバー(個人番号)は用いられず、法人番号とも重複しない事業者ごとの番号が付されます2。形は、個人事業者などの場合「T」と数字13桁です2。
「事業者番号」の欄には何を書けばよいですか
この記事で使った国税庁の資料には、「事業者番号」という名前の番号は出てきません。欄の名前だけでは、法人番号を求めているのか、インボイスの登録番号を求めているのかを決められないので、取引先に尋ねます。「求められているのは法人番号か、インボイスの登録番号か」と聞けば、書く番号が決まります。
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出典・参考情報
*1 国税庁「法人番号について」(2026年6月・2026年10月確認)
*2 国税庁「消費税の仕入税額控除制度における適格請求書等保存方式に関するQ&A」(2026年5月・2026年10月確認)
*3 Remogu(株式会社LASSIC運営)公開情報:扱う案件の90%以上がフルリモート可能