• ノウハウ
  • |Remogu(リモグ)" />

    フリーランスエンジニアの屋号は必要?確定申告と請求書での使い方、インボイスの公表の注意点

    監修・編集責任者:牛尾 昭昌(株式会社LASSIC 執行役員)

    「フリーランスの屋号」を示す図です。確定申告書/請求書/公表サイト/取引先の帳簿を並べています。強調しているのは請求書です。特定できる形と添えています。

    📘 この記事でわかること

    • 屋号が個人事業者の使う商業上の名であることと、雅号や本名との違い、確定申告書の欄に入れる名前の考え方
    • 請求書に屋号を書くときの条件と、インボイスの公表サイトに屋号を出すための申出の手続き
    • 取引先の帳簿に屋号がどう記録されるかと、屋号を使う場面を決めていく順番

    初めて請求書を作ろうとして、宛名の下の差出人欄で手が止まりました。本名をそのまま書くのか、考えていた屋号を書くのか。フリーランスエンジニアの屋号は、付けるかどうかより先に、書類のどこでどう扱われるのかを確かめたい名前です。ここでは国税庁の資料をもとに、書類ごとの扱いを順に確かめます。先に答えを置くと、屋号は、相手が自分を特定できる形で使えば、書類の名前として通ります。

    リモートワーク案件特化のエージェント|Remogu(株式会社LASSIC運営) リモートの案件を探す フルリモートの案件を見る

    1. フリーランスエンジニアの屋号とは

    屋号の意味

    屋号とは、個人事業者が使用する商業上の名のことです1。会社の名前にあたるものを、個人事業者は屋号として使います。フリーランスとして案件を受ける場合も、個人事業者として仕事をしているなら、この屋号を使えます。

    国税庁の確定申告書等作成コーナーのよくある質問では、屋号又は雅号の入力について説明しています1。個人事業者が入力するのは、商店名等です。つまり屋号は、本名とは別に、仕事の上で使う名前を指します。

    雅号との違い

    屋号と並んで出てくる言葉に、雅号があります。雅号は、著述家、画家、書家、芸能関係者などが本名以外につける別名のことです1。屋号が商業上の名であるのに対し、雅号は本名とは別につける名前という位置づけです。

    エンジニアとして案件を受ける場合、書類で使う名前として思い浮かぶのは、本名か屋号でしょう。雅号は、著述家や画家などが使う別名として説明されています1。確定申告書では、屋号と雅号を同じ欄に入れます。

    図1:書類で使われる3種類の名前の位置づけ
    名前の性格が分かれる 本名 個人の氏名 屋号 個人事業者が使う 商業上の名 雅号 本名以外につける 別名

    出典:国税庁「屋号・雅号の入力について」(2025年)をもとに作成

    では、フリーランスエンジニアにとって、屋号は付けないといけないものなのでしょうか。

    2. 屋号は必要か

    今回確かめた国税庁の資料には、屋号を付けるよう求める記述も、付けないよう求める記述も見当たりません。資料が示しているのは、屋号を使う場合の書き方です。確定申告書の欄は、屋号を使っている場合に商店名等を入れる欄です1。

    そのため、屋号を付けるかどうかは、どの書類で屋号を使いたいかで考えるのが自然です。請求書に書く名前を屋号にしたいのか、本名のままにするのか。この判断の材料になる、書類ごとの扱いを次の節から確かめます。

    Remogu(株式会社LASSIC運営)では、案件の90%以上がフルリモート可能です2。場所に縛られずに案件を選べるぶん、請求書などの書類を整える作業も自分のペースで進められます。名前の扱いを先に確かめておくと、最初の請求書の前に迷う時間が減ります。

    3. 確定申告書での屋号

    確定申告書の屋号欄

    確定申告書には、屋号又は雅号を入れる欄があります。国税庁のよくある質問は、この欄に個人事業者は商店名等を入力するとしています1。屋号を使っているなら、その名前を入れる欄です。

    一方で、屋号を使っていない場合の入力についても、この資料からは読み取れる範囲が限られます。このため、申告書の欄の入れ方で迷うときは、国税庁の確定申告書等作成コーナーの案内に沿って入力します。

    書類ごとの屋号の扱い

    屋号の扱いは、書類によって書き方の条件が変わります。確定申告書は屋号を入れる欄があり、適格請求書は電話番号等で特定できることが条件に出てきます。公表サイトと取引先の帳簿でも、それぞれ別の扱いです。次の表に、国税庁の資料が示す扱いを並べました。

    書類屋号の扱い根拠
    確定申告書屋号又は雅号の欄に、個人事業者は商店名等を入力します確定申告書等作成コーナーのよくある質問1
    適格請求書電話番号等で事業者を特定できれば、屋号や省略した名称でも差し支えありません適格請求書等保存方式に関するQ&A3
    インボイスの公表サイト表示と請求書の屋号が異なるときは、申出により主たる屋号を公表できます適格請求書等保存方式に関するQ&A3
    取引先の帳簿屋号等でも、相手方を特定できる場合は差し支えありません質疑応答事例(帳簿に記載すべき氏名又は名称)4

    表のうち、確定申告書は自分で入力する欄、ほかの3つは請求書とその受け取り側に関わる扱いです。請求書の書き方からさらに踏み込んで、どんな条件で屋号が通るのかを次に見ます。

    4. 請求書に屋号を書くとき

    屋号が通る条件

    国税庁の適格請求書等保存方式に関するQ&A(令和8年5月改訂)は、適格請求書に記載する氏名・名称について扱っています3。電話番号等により適格請求書を交付する事業者を特定できれば、屋号や省略した名称などの記載で差し支えないとしています。

    ここには条件が付いています。屋号を書くだけで足りるのではなく、電話番号等で、請求書を出した事業者が誰かを特定できることが前提になります3。屋号を書くときは、相手が自分を特定できる情報を添えます。

    図2:適格請求書に書く名前が通るための組み合わせ
    屋号に手がかりを足す 屋号 省略した名称も含む + 特定できる情報 電話番号など = 請求書の名前 事業者が分かる

    出典:国税庁「適格請求書等保存方式に関するQ&A」(2026年5月)をもとに作成

    請求書を作る前の確かめ方

    請求書の差出人欄に屋号を書くなら、屋号の近くに電話番号などの連絡先が載っているかを見ます。特定できる情報が載っているかどうかが、屋号を書くときの確認点です3。

    省略した名称でも差し支えないと示されているので、正式な名前を毎回すべて書く必要はありません。ただし、これも特定できることが条件です3。本名で請求書を出す場合と、屋号で出す場合とで、相手が自分を見つけられるかどうかの確認は同じです。

    次は、請求書に書いた屋号が、インボイスの公表サイトでどう見えるかです。

    5. インボイスの公表サイトと屋号

    公表サイトの表示と請求書の屋号

    国税庁のQ&Aは、公表サイトの検索結果として表示される事業者名と、請求書等に表記した屋号が異なる場合の対応を取り上げています3。請求書に屋号を書いたとき、その屋号と公表サイトの表示が食い違う場面があるわけです。

    個人事業者については、申出により主たる屋号を公表することが考えられると示されています3。請求書の屋号と公表サイトの表示をそろえたいときの選択肢です。

    公表を希望するときの申出書

    個人事業者の主たる屋号や主たる事務所の所在地等の公表を希望する場合は、適格請求書発行事業者の公表事項の公表(変更)申出書を提出します3。公表サイトに出る事項のうち、これらは本人の申出に基づいて追加で公表できるものです。

    公表サイトの表示と、請求書に書く屋号との関係は、次の表のとおりです。

    事項国税庁のQ&Aが示す扱い根拠
    検索結果に表示される事業者名請求書等に表記した屋号と異なる場合の対応が扱われています適格請求書等保存方式に関するQ&A3
    主たる屋号個人事業者は、申出により公表することが考えられます同Q&A3
    主たる事務所の所在地等公表を希望する場合は、申出書を提出します同Q&A3
    申出の書類公表事項の公表(変更)申出書です同Q&A3

    請求書を受け取る側の帳簿では、屋号がどう扱われるのでしょうか。

    6. 取引先の帳簿から見た屋号

    帳簿に書かれる相手方の名称

    国税庁の質疑応答事例は、仕入税額控除のための帳簿に記載する、相手方の氏名又は名称を扱っています4。記載する名称は正式な氏名又は名称が原則です。そのうえで、屋号等による記載でも、電話番号が明らかであること等により相手方が特定できる場合には差し支えないと示されています。

    ここで話題になっているのは、発注する側、つまり取引先が付ける帳簿です4。自分の帳簿の書き方とは別の話なので、混ぜずに読みます。請求書を受け取った取引先が、相手方として自分の屋号を帳簿に書く場面が、この事例の対象です。

    図3:請求書が取引先の帳簿に届くまでの流れ
    特定できれば屋号のまま記録 請求書 屋号と連絡先 取引先の帳簿 屋号等でも記載可

    出典:国税庁「帳簿に記載すべき氏名又は名称」(2025年8月)をもとに作成

    請求書の記載は、電話番号等で事業者を特定できれば屋号でも差し支えないと示されています3。帳簿の記載も、相手方を特定できれば屋号等で差し支えないと示されています4。どちらも基準は、相手を特定できるかどうかです。

    以上の確認をもとに、屋号をどの場面で使うかを決めていきます。

    7. 屋号を使う場面を決める順番

    4つの手順

    1つ目は、屋号を使う書類を決めることです。確定申告書の欄は、屋号を使っている場合に商店名等を入れる欄です1。請求書、公表サイト、取引先の帳簿は、それぞれ扱いが違うので、どの書類で屋号を使うのかを先に決めると、後の確認が絞れます。

    2つ目は、請求書に特定できる情報を添えることです。電話番号等で事業者を特定できれば、屋号や省略した名称でも差し支えないと示されています3。屋号の近くに電話番号などの連絡先が載っているかを、請求書を出す前に見ておきます。

    3つ目は、公表サイトの表示をそろえることです。表示と請求書の屋号が異なる場合、個人事業者は申出により主たる屋号を公表することが考えられると示されています3。公表を希望するなら、公表事項の公表(変更)申出書を提出します3。

    4つ目は、取引先に屋号と連絡先を伝えることです。取引先の帳簿では、相手方が特定できれば屋号等でも差し支えないと示されています4。請求書と同じ屋号と連絡先を伝えておきます。

    場面ごとの確認事項

    場面確かめること根拠
    確定申告書に書く屋号を使っているかどうかです。使っている場合は、商店名等を入れます確定申告書等作成コーナーのよくある質問1
    請求書に書く電話番号等で、事業者を特定できる情報が添えてあるかです適格請求書等保存方式に関するQ&A3
    公表サイトに出す表示と屋号が異なるときは、公表の申出書を提出するかどうかです同Q&A3
    取引先の帳簿に載る相手方として特定できる情報を、取引先に伝えてあるかです質疑応答事例4
    図4:屋号を使う場面を決める4つの手順
    書類の選び方から始まる 1 使う書類を決める 確定申告書・請求書など 2 特定できる情報を添える 電話番号など 3 公表サイトの表示をそろえる 申出書で主たる屋号 4 取引先に伝える 屋号と連絡先

    出典:国税庁の資料(2025年・2026年)をもとに作成

    最初の請求書に戻って

    冒頭の差出人欄に戻ります。屋号とは、個人事業者が使用する商業上の名です1。請求書は、電話番号等で事業者を特定できれば、屋号でも差し支えないと示されています3。公表サイトに屋号を出したいときは、申出という手続きがあります3。

    差出人欄が決まれば、次は参画先を選ぶ段階です。Remoguでリモートの案件を見ながら、最初の請求書の準備を進めてみてください。

    差出人欄で手が止まったときは、この一文に戻ってください。屋号は、相手が自分を特定できる形で使えば、書類の名前として通ります。

    8. よくある質問

    屋号は付けないといけませんか

    今回確かめた国税庁の資料には、屋号を付けるよう求める記述も、付けないよう求める記述も見当たりません。確定申告書の欄は、屋号を使っている場合に商店名等を入れる欄です1。

    請求書は屋号だけでも受け取ってもらえますか

    屋号だけでなく、電話番号等で事業者を特定できることが条件です3。取引先の帳簿でも、電話番号が明らかであること等により相手方が特定できる場合には、屋号等による記載で差し支えないと示されています4。

    インボイスの公表サイトに屋号を出せますか

    個人事業者は、申出により主たる屋号を公表することが考えられると示されています3。公表を希望する場合は、適格請求書発行事業者の公表事項の公表(変更)申出書を提出します3。

    リモートワーク案件をお探しの方へ

    Remoguは、株式会社LASSICが運営するITエンジニア・デザイナー専門のリモートワーク案件紹介サービスです。フルリモート・ハイブリッドの案件から、スキルに合うものを探せます。

    書類の名前が整ったら、その名前で案件に参画してみてください。リモートの案件から探せます。

    フルリモートの案件を見る30秒で無料登録

    会員登録無料 / 案件閲覧・相談は無料

    ※公開中の案件数は時期によって変わります。記事中の案件の傾向は執筆時点のものです。

    出典・参考情報

    *1 国税庁「屋号・雅号の入力について」(2025年・2026年10月確認)
    *2 Remogu(株式会社LASSIC運営)公開情報:扱う案件の90%以上がフルリモート可能
    *3 国税庁「適格請求書等保存方式に関するQ&A」(2026年5月・2026年10月確認)
    *4 国税庁「帳簿に記載すべき氏名又は名称」(2025年8月・2026年10月確認)