社会保険料控除はいくら?フリーランスエンジニアが確定申告で差し引ける国民年金と国保の保険料
監修・編集責任者:牛尾 昭昌(株式会社LASSIC 執行役員)

📘 この記事でわかること
- 社会保険料控除で控除できる金額はその年に実際に支払った全額であることと、対象になる国民年金や国民健康保険など4つの保険料・掛金の範囲
- 国民年金と国民年金基金は証明する書類の添付か提示が必要なことと、令和7年分の控除証明書が届く時期の違い
- 過去の年分や前納した保険料は支払った年の控除にできることと、配偶者や親族の保険料をだれの控除にできるかの決め方
独立して、初めての確定申告を迎えたときのことです。国民年金と国民健康保険の保険料は毎月納めていましたが、そのうちいくらを社会保険料控除として書けるのか、証明書を添えるのかが分かりませんでした。控除できるのは、その年に実際に支払った金額の全額です。
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1. 社会保険料控除は、支払った保険料の全額を差し引く所得控除です
社会保険料控除は、自己または自己と生計を一にする配偶者やその他の親族の負担すべき社会保険料を支払ったときに、その支払った金額について受けられる所得控除です1。
控除できる金額は、その年に実際に支払った金額の全額です2。
自分の保険料だけでなく、自己と生計を一にする配偶者やその他の親族の負担すべき社会保険料を支払ったときも、この控除の対象です1。だれの分まで含められるかは、第6節で見ます。
だれの保険料が、いくらの控除になるか
ここまでを、表1に整理します。
| 対象になる人 | 控除できる金額 |
|---|---|
| 自分自身 | その年に実際に支払った金額の全額 |
| 生計を一にする配偶者やその他の親族(その人が負担すべき保険料を支払ったとき) | その年に実際に支払った金額の全額 |
次は、対象になる保険料の種類です。
2. 対象には、国民年金・国民健康保険・介護保険料・国民年金基金が含まれます
対象には、次の4つが含まれます。1つ目は、国民年金の保険料で被保険者として負担するものです3。
2つ目は、国民健康保険の保険料、または国民健康保険税です4。呼び名は違っても、社会保険料控除の対象になる点は同じです。
3つ目は、介護保険法の規定による介護保険料です5。
4つ目は、国民年金基金の加入員として負担する掛金です6。加入していれば、この掛金も含めます。
4つを、図1に並べます。
出典:国税庁「社会保険料控除」をもとに作成
このうち、国民年金の保険料と国民年金基金の掛金には、金額を証明する書類が要ります。
3. 国民年金と国民年金基金は、証明する書類を添付するか提示します
国民年金の保険料と国民年金基金の掛金は、その金額を証明する書類か電磁的記録印刷書面を確定申告書に添付するか、提出のときに提示します7。
令和8年分以後の確定申告書を令和9年1月1日以後に提出するときは、証明する書類等の添付や提示に代えて、一定の事項を記載した明細書を添付する方法も選べます8。
控除証明書を電子データで受け取ったときは、そのデータを国税庁のe-Taxでの確定申告などに使えます17。電子データの送付対象の人には、書面の郵送は行われません20。
証明する書類をどう扱うか、3つの方法
3つの方法を、表2に整理します。
| 証明の方法 | 内容 |
|---|---|
| 書類の添付 | 金額を証明する書類か電磁的記録印刷書面を確定申告書に添付します |
| 提出時の提示 | 書類を確定申告書に添付せず、提出のときに提示します |
| 明細書の添付(令和8年分以後) | 令和9年1月1日以後に提出する場合は、書類の添付・提示に代えて、一定の事項を記載した明細書を添付できます |
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4. 控除証明書は、保険料を納めた時期で届く時期が違います
日本年金機構は、国民年金保険料を納付した人に、社会保険料(国民年金保険料)控除証明書を送っています。令和7年分では、令和7年1月1日から9月30日までに納付した人に、書面で令和7年10月24日から11月上旬にかけて順次送付しました15。
一方、令和7年10月1日から12月31日までの間に納付した人(1月1日から9月30日までに納付した人を除く)には、書面で令和8年2月9日に控除証明書を送付しました16。
控除証明書は、「ねんきんネット」からいつでも再交付を申請できます。申請を受け付けてから発送までは1週間程度です19。
令和7年分の送付の時期を、図2に並べます。
出典:日本年金機構「令和7年分社会保険料(国民年金保険料)控除証明書の発行について」をもとに作成
次は、過去の年分の保険料や、前納した保険料を支払ったときに、どの年に控除するかです。
5. 過去の年分や前納した保険料は、支払った年に控除できます
控除の対象は、その年に実際に支払った保険料です2。本年中に支払ったものであれば、過去の年分の国民年金保険料であっても、本年分の社会保険料控除の対象になります9。
前納した保険料は、各年に分けて控除することもできます
前納した期間が1年以内の保険料は、本年分の社会保険料控除の対象にできます。各年分に相当する額を、各年に分けて控除する方法も選べます13。
2年前納の制度で前納した全額も、支払った年分の対象にできます。こちらも、各年に分けて控除する方法を選べます14。
一方、13カ月以上前納したときは、控除の受け方を2つから選びます18。1つは、全額を納めた年にまとめて控除する方法です。この場合は、各年分に分割された控除証明書を、最大3年分3枚とも切り離さず、すべて確定申告書に添付するか提示します18。
もう1つは、各年分の保険料に相当する額を、その年ごとに控除する方法です。この場合は、該当する年分の控除証明書だけを切り離して、添付するか提示します18。
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6. 配偶者や親族の保険料は、だれが支払ったかで決まります
第1節で触れたとおり、自分の保険料だけでなく、生計を一にする配偶者やその他の親族の負担すべき社会保険料を支払ったときも、対象になります1。
生計を一にする配偶者やその他の親族に当たるかどうかは、保険料を支払った時点で判定して差し支えありません。生計を一にしていた期間に支払った保険料だけが、本年分の対象になります10。
国税庁のQ&Aには、扶養している妻の公的年金から介護保険料が特別徴収されている例が挙げられています。このとき、保険料を支払ったのは妻なので、夫が支払った社会保険料ではなく、夫の社会保険料控除の対象にはなりません11。
また、口座振替で徴収される後期高齢者医療制度の保険料は、口座の名義人に社会保険料控除が適用されます。名義人が被保険者、または被保険者と生計を一にする配偶者やその他の親族である場合に限られます12。
だれの控除になるかを、図3に並べます。
出典:国税庁「社会保険料控除」をもとに作成
次は、確定申告の前に何を確かめるかです。
7. 確定申告の前に、3つを確かめます
確定申告の前に確かめることは、次の3つです。
1つ目は、その年に実際に支払った金額です2。第2節で見た保険料・掛金のうち、その年に支払った分を合計します。
2つ目は、国民年金の保険料と国民年金基金の掛金を証明する書類です。金額を証明する書類か電磁的記録印刷書面を、確定申告書に添付するか、提出のときに提示します7。令和8年分以後の確定申告書を令和9年1月1日以後に提出するときは、明細書の添付でも代えられます8。
3つ目は、配偶者や親族の分です。生計を一にしているかは、保険料を支払った時点で判定します10。だれが支払ったかも、あわせて確かめます。妻の年金から特別徴収された介護保険料が夫の控除にならなかった例は、第6節で見たとおりです11。
3つを、表3に整理します。
| 確かめること | 内容 |
|---|---|
| その年に実際に支払った金額 | 社会保険料控除の対象になるのは、その年に実際に支払った金額の全額です2 |
| 国民年金と国民年金基金の証明書類 | 金額を証明する書類を添付するか、提出のときに提示します7。令和9年1月1日以後の提出は、明細書の添付でも代えられます8 |
| 配偶者や親族の分 | 生計を一にしているかを支払った時点で判定し10、だれが支払ったかもあわせて確かめます11 |
確かめる順番を、図4に並べます。
出典:国税庁「社会保険料控除」をもとに作成
社会保険料控除で控除できるのは、その年に実際に支払った金額の全額です2。対象には、国民年金の保険料3、国民健康保険の保険料または国民健康保険税4、介護保険法の規定による介護保険料5、国民年金基金の掛金6が含まれます。
国民年金の保険料と国民年金基金の掛金は、証明する書類を添付するか提示します7。配偶者や親族の分は、生計を一にしているかを、支払った時点で判定します10。
控除できるのは、その年に実際に支払った金額の全額です。支払った保険料と証明書をそろえ、配偶者や親族の分は、だれが支払ったかを確かめます。
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出典・参考情報
*1 国税庁「社会保険料控除」令和8年4月1日現在法令等(2026年4月1日・2026年9月確認)
*2 国税庁「社会保険料控除」控除できる金額(2026年4月1日・2026年9月確認)
*3 国税庁「社会保険料控除」社会保険料の範囲(2026年4月1日・2026年9月確認)
*4 国税庁「社会保険料控除」社会保険料の範囲(2026年4月1日・2026年9月確認)
*5 国税庁「社会保険料控除」社会保険料の範囲(2026年4月1日・2026年9月確認)
*6 国税庁「社会保険料控除」社会保険料の範囲(2026年4月1日・2026年9月確認)
*7 国税庁「社会保険料控除」申告等の方法(2026年4月1日・2026年9月確認)
*8 国税庁「社会保険料控除」申告等の方法(2026年4月1日・2026年9月確認)
*9 国税庁「社会保険料控除」Q1 過去の保険料を一括して支払った場合(2026年4月1日・2026年9月確認)
*10 国税庁「社会保険料控除」Q4 生計を一にしていた子の保険料(2026年4月1日・2026年9月確認)
*11 国税庁「社会保険料控除」Q5 公的年金から特別徴収される保険料(2026年4月1日・2026年9月確認)
*12 国税庁「社会保険料控除」Q6・Q7 口座振替で支払った保険料(2026年4月1日・2026年9月確認)
*13 国税庁「社会保険料控除」Q2 翌年分の保険料を支払った場合(2026年4月1日・2026年9月確認)
*14 国税庁「社会保険料控除」Q3 2年分を前納した場合(2026年4月1日・2026年9月確認)
*15 日本年金機構「令和7年分社会保険料(国民年金保険料)控除証明書の発行について」送付日(書面・項番1)(2026年9月4日・2026年9月確認)
*16 日本年金機構「令和7年分社会保険料(国民年金保険料)控除証明書の発行について」送付日(書面・項番2)(2026年9月4日・2026年9月確認)
*17 日本年金機構「令和7年分社会保険料(国民年金保険料)控除証明書の発行について」2.電子データの控除証明書について(2026年9月4日・2026年9月確認)
*18 日本年金機構「令和7年分社会保険料(国民年金保険料)控除証明書の発行について」7.国民年金保険料を13カ月以上前納した方の令和7年における社会保険料控除(2026年9月4日・2026年9月確認)
*19 日本年金機構「令和7年分社会保険料(国民年金保険料)控除証明書の発行について」再交付申請(2026年9月4日・2026年9月確認)
*20 日本年金機構「令和7年分社会保険料(国民年金保険料)控除証明書の発行について」3.控除証明書の送付日(2026年9月4日・2026年9月確認)