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    【フリーランスエンジニア】国民年金基金の掛金はいくらまで?上限と途中でやめられない注意点

    監修・編集責任者:牛尾 昭昌(株式会社LASSIC 執行役員)

    「フリーランスの国民年金基金」を示す図です。入る前/口数を決める/入った後/やめられないを並べています。強調しているのはやめられないです。脱退できないと添えています。

    📘 この記事でわかること

    • 国民年金基金に加入できる第1号被保険者の条件と、65歳から生涯受け取る終身年金のしくみ
    • 国民年金の保険料を納めていないと加入できない点と、掛金の上限が今後引き上げられる予定であること
    • 掛金を口数で増やしたり減らしたりできることと、いったん加入すると自分の都合ではやめられない点

    確定申告の書類をそろえながら控除の欄を見直していると、目に留まったのが国民年金基金でした。案件は途切れず、今年の所得もまとまった額になりそうだと分かってきた頃合いです。掛金の全額が控除の対象になると知れば、案件が順調ないまのうちに入っておこうか、という考えも浮かびます。ただ、入る前に1つだけ決めておきたいことがあります。

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    1. 国民年金基金は、第1号被保険者が入れる終身年金です

    対象になるのは、20歳から60歳未満の第1号被保険者です

    国民年金基金は、自営業者やフリーランスなど、国民年金の第1号被保険者が入れる制度です。老後の年金をどう組み立てるかを考えるとき、選択肢の一つとして名前が挙がります。

    まず、加入できるのは、20歳から60歳未満の自営業者やフリーランスなどの国民年金の第1号被保険者などです1。60歳から64歳の任意加入被保険者も加入できます1。65歳から生涯にわたって受け取る終身年金が基本です3。

    終身年金が基本なので、案件の量に波があっても、受け取り始めた年金は生涯にわたって続きます。何歳まで受け取れるかを気にするよりも、決まった額が生涯続くという前提のほうが、老後の計画は立てやすくなります。

    同じフリーランスでも、加入できる人とできない人に分かれます

    ただし、国民年金基金は、誰でも無条件で加入できる制度ではないのです。同じ案件で働くフリーランスエンジニアでも、国民年金の納め方によって加入できる人とできない人に分かれます。資料が示す区分を整理すると、次のとおりです。

    区分該当する人
    加入できる人20歳から60歳未満の自営業者やフリーランスなどの国民年金の第1号被保険者、60歳から64歳の任意加入被保険者
    加入できない人国民年金の保険料を免除されている人(一部免除・学生納付特例・若年者納付猶予を含む)、農業者年金の被保険者

    同じ国民年金の第1号被保険者でも、免除や猶予の有無によって、いま加入できるかどうかが変わります。案件が順調でも、この条件を満たしていなければ、まだ加入の段階には進めません。

    加入できない人の欄にある「保険料を免除されている人」とは、どのような状態を指すのでしょうか。

    2. 国民年金の保険料を免除されていると、加入できません

    一部免除・学生納付特例・若年者納付猶予なども対象外です

    確定申告のたびに、国民年金の保険料をどう納めてきたかは、意外と記憶があいまいになりがちです。いま保険料の免除や猶予を受けているかどうかは、加入を考える前に確かめてください。

    国民年金の保険料を免除されている人は、一部免除・学生納付特例・若年者納付猶予のいずれを受けている場合も加入できません2。農業者年金の被保険者も、加入できません2。

    つまり、加入できるかどうかの分かれ目は、収入の多さではなく、国民年金の保険料をきちんと納めているかどうかです。

    免除や猶予を受けているあいだは、加入できません。

    納めていない期間の掛金は還付されます

    では、加入したあとに国民年金の保険料を納められない時期ができてしまったら、どうなるのでしょうか。そうした期間に国民年金基金の掛金を納めていた場合、その掛金は還付されます6。

    だからこそ、加入のたしかさを支えるのは、毎月の掛金を納め続けられるかどうかです。案件の状況によっては、国民年金の保険料を一時的に納められなくなることもあります。加入する前に、掛金をいくらまで設定できるのかを見ていきます。

    3. 掛金の上限は月額6万8,000円です

    今の上限は月額6万8,000円です

    国民年金基金の掛金には、上限が設けられています。上限は月額6万8,000円です4。案件の報酬が伸びた年ほど掛金を厚くしたくなりますが、まずこの金額が一つの天井になると押さえておくと、加入後の見通しが立てやすくなります。

    ここで考えたいのは、上限まで掛金を増やすかどうかではありません。無理なく納め続けられる金額を選ぶことのほうが、加入したあとの心づもりに関わってきます。上限は、掛けられる額の天井です。

    案件の報酬には波があっても、掛金は上限の範囲内で自分が選んだ額を納め続ける形が基本です。無理なく続けられるかどうかを、上限の金額とは別に確かめておく段階が挟まります。

    令和8年12月分から月額7万5,000円に引き上げられる予定です

    この上限は、令和8年12月分の掛金から、月額7万5,000円に引き上げられる予定です4。今の上限を基準に考えていた人にとっても、選べる金額の幅がそのぶん広がります。

    金額を並べると、変化の大きさがより分かりやすくなります。次の図は、今の上限と、引き上げ予定の上限を並べたものです。

    図1:掛金の上限は、令和8年12月分から引き上げられる予定です
    掛金の上限の変化 月額6万8,000円 今の上限 月額7万5,000円 引き上げ予定 令和8年12月分から

    出典:厚生労働省「国民年金基金制度」(2025年)をもとに作成

    ここまでで、掛金の上限は分かりました。次に気になるのは、その掛金が税の計算でどう扱われるかです。

    4. 掛金は全額が社会保険料控除になります

    掛金の全額が、その年の社会保険料控除の対象です

    掛金にも、税の面で決まっている扱いがあります。国民年金基金の掛金は、全額が社会保険料控除の対象です5。確定申告では、掛金の全額を所得から差し引く控除として扱えます。

    ここでの範囲は、納めた掛金の一部ではなく、全額です5。

    ここで並べたいのは、金額を比べることではありません。掛金・年金・遺族一時金という3つの場面で、それぞれの扱いがどう分かれているかです。

    受け取る年金と遺族一時金にも、それぞれ扱いが決まっています

    控除の対象になるのは、納める掛金だけではありません。将来受け取る年金は、公的年金等控除の対象です5。万一のときに支給される遺族一時金は、全額が非課税です5。

    対象税の扱い
    掛金全額が社会保険料控除の対象
    受け取る年金公的年金等控除の対象
    遺族一時金全額非課税

    表にすると、掛金・年金・遺族一時金という3つの場面で、扱いがそれぞれ独立して決まっていることが分かります。

    数字の大小で選ぶ前に、この3つを並べて確かめておく段階を、加入を考える前に挟んでおきたいところです。

    5. 付加年金とは、一緒に使えません

    国民年金基金に加入すると、付加年金の保険料は納められません

    確定申告の準備を進めていると、国民年金基金とあわせて、付加年金という制度の名前を目にする場面があります。どちらも国民年金に加えて将来の年金を用意する制度なので、両方を使って年金を手厚くしたいと考えるのは、自然な発想です。

    ただし、この二つは同時に使える組み合わせではありません。国民年金基金に加入すると、国民年金の付加年金の保険料は納付できません。国民年金基金が、付加年金にあたる役割を代わりに担っているためです7。

    そのため、国民年金基金への加入を考えるときは、いま付加年金の保険料を納めているかどうかも、あわせて確かめます。加入した時点で、付加年金の保険料は納められません。

    選ぶのは、どちらのしくみで年金を用意するかです

    では、国民年金基金と付加年金のどちらを選べばよいのでしょうか。ここで決めるのは、将来の年金をどちらのしくみで用意するかです。

    国民年金基金と付加年金の関係を並べると、次の図のとおりです。

    図2:国民年金基金と付加年金は、同時に使えません
    国民年金基金と付加年金の関係 国民年金基金 付加年金を代行 付加年金 年金を増やす 一緒には 使えない

    図の作成:Remogu編集部。国民年金基金制度の内容を整理したもので、統計データではありません

    国民年金基金を選ぶなら、次に確かめたいのは、掛金の額をあとから変えられるのかどうかです。

    6. 掛金は、口数で増やしたり減らしたりできます

    掛金の額は、口数を単位に自分で選べます

    案件の報酬には、年によって波が出ることがあります。忙しい時期が続く年もあれば、次の案件が決まるまで報酬が細くなる年もあります。国民年金基金は、こうした変化に合わせて掛金を動かせる制度です。

    加入したあとも、年金と掛金の額は口数単位で増やしたり減らしたりできます9。加入したときに決めた金額のまま固定されるわけではなく、そのときどきに合わせて口数を動かせます。

    掛金の金額を一つに固定するよりも、口数を単位に少しずつ動かせるほうが、報酬の波に合わせやすくなります。増やす方向にも減らす方向にも動かせることは、入る前に知っておくと安心です。

    年度分をまとめて納めると、割引もあります

    掛金の納め方にも、選べる幅があります。掛金は、年度分をまとめて前納すると、割引があります9。

    口数を増やす場合と減らす場合を並べると、次の図のとおりです。

    図3:掛金は、口数を増減させて調整します
    口数による掛金の調整 口数を増やす 掛金も増える 口数を減らす 掛金も減る 口数で調整

    図の作成:Remogu編集部。国民年金基金制度の内容を整理したもので、統計データではありません

    掛金を口数で動かせることは、確かめられました。もう一つ確かめるのは、この年金をいったん始めたあとに、自分の都合でやめられるのかどうかです。

    7. いったん入ると、自分の都合ではやめられません

    加入は任意でも、途中でやめる選択肢はありません

    前の節の問いへの答えは、「やめられない」です。国民年金基金への加入そのものは、自分の意思で決められる任意の制度です。ただし、いったん加入した後は話が変わり、自分の都合で任意に脱退したり、中途解約したりすることはできません8。

    納めた掛金は、途中で引き出せるお金ではありません。65歳または60歳から、年金として支給されます8。案件の様子が変わって掛金を重く感じる時期が来ても、加入をやめるという手は使えません。

    掛金の上限や税の扱い、口数による調整のしやすさは、ここまでの節で確かめてきました。どれも、加入した後に効いてくる話です。だからこそ、入る前の確かめのほうが、あとからの見直しよりも重みを持ちます。

    入る前に確かめることは、3つあります

    入る前に確かめることは、ここまでの中身をふまえると3つに絞られます。一つずつ書き出すと、次の表のようになります。

    確かめること具体的に見る点
    国民年金の保険料を納めているか免除や納付の猶予を受けている期間がないか
    続けられる掛金はいくらか上限にとらわれず、無理なく続けられる口数
    付加年金とどちらを選ぶか国民年金基金と付加年金は同時に使えない

    3つとも、今日の案件の様子ではなく、この先何年も続く納め方にかかわる点です。1つ目は国民年金の保険料の納め方、2つ目は無理なく続けられる掛金の額、3つ目は付加年金との選び方に関わります。

    この3つを確かめる順番で並べたのが、次の図です。

    図4:入る前に、3つのことを順に確かめます
    入る前の確かめ方 1つ目 国民年金の 保険料を納付 2つ目 続けられる 掛金の額 3つ目 付加年金と どちらを選ぶか

    図の作成:Remogu編集部。国民年金基金制度の内容を整理したもので、統計データではありません

    3つとも確かめたうえで加入するなら、あとに残るのは、掛金を何口にするかという一点だけです。

    国民年金基金は、いったん加入すると自分の都合ではやめられない代わりに、掛金は口数の単位で増やしたり減らしたりできます9。入る前に1つだけ決めておきたいのは、この続けられる口数です。

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    ※公開中の案件数は時期によって変わります。記事中の案件の傾向は執筆時点のものです。

    出典・参考情報

    *1 厚生労働省「国民年金基金制度」(2025年・2026年9月確認)
    *2 厚生労働省「国民年金基金制度」(2025年・2026年9月確認)
    *3 厚生労働省「国民年金基金制度」(2025年・2026年9月確認)
    *4 厚生労働省「国民年金基金制度」(2025年・2026年9月確認)
    *5 厚生労働省「国民年金基金制度」(2025年・2026年9月確認)
    *6 厚生労働省「国民年金基金制度」(2025年・2026年9月確認)
    *7 厚生労働省「国民年金基金制度」(2025年・2026年9月確認)
    *8 厚生労働省「国民年金基金制度」(2025年・2026年9月確認)
    *9 厚生労働省「国民年金基金制度」(2025年・2026年9月確認)