「リモートワークができる会社に転職したいけど、面接でどう伝えればいいのかわからない…」 「在宅勤務を希望する理由が自分勝手に聞こえてしまいそうで不安」このような悩みを抱えている転職者の方は多いのではないでしょうか。

昨今、多くの求職者がワークライフバランスの向上や通勤時間の削減を求めて、リモートワーク可能な企業への転職を検討しています。

この記事では、リモートワーク転職を成功させるために、面接官に好印象を与える理由の伝え方から、絶対に避けるべきNG例まで、具体的な例文とともに詳しく解説します。適切な伝え方をマスターして、理想の働き方を実現できる企業への転職を成功させましょう。

リモートワーク転職を考える主な理由ランキング TOP10

筆者がキャリアアドバイザーとして出会った方の中で、リモートワークがしたい理由として多いと感じているTOP10をご紹介します。

リモートワークの転職理由 TOP10

順位	理由	詳細
1位	ワークライフバランスの改善	通勤時間の削減により、家族との時間や趣味の時間を確保できる
2位	通勤ストレスの解消	満員電車や交通渋滞から解放され、精神的負担が軽減される
3位	時間の有効活用	通勤時間を自己投資や家事、休息に充てることができる
4位	住む場所の自由度向上	都心部以外の住みやすい地域や実家近くに住むことが可能
5位	集中力の向上	オフィスの雑音や同僚の話し声に邪魔されず、集中して作業できる
6位	育児・介護との両立	子育てや家族の介護をしながら働きやすい環境の実現
7位	経済的メリット	通勤費、外食費、オフィス用の服装代などの節約が可能
8位	健康管理の改善	自宅で健康的な食事を取り、適度な運動時間を確保しやすい
9位	人間関係のストレス軽減	オフィス内の人間関係による精神的負担の軽減
10位	自分のペースで働ける	個人の生産性が高い時間帯に合わせて柔軟に働くことができる

1位：ワークライフバランスの改善

リモートワークは単なる「楽な働き方」ではなく、限られた時間をより効率的に活用するための手段です。

リモートワークにより通勤の移動時間がなくなることで、1日2〜3時間の時間をを自己啓発や家族、趣味や健康のための時間に充てることができ、結果的に仕事への集中力やモチベーション向上につながります。

また、自分のペースで休憩を取れるため、心身の健康を保ちながら長期的に高いパフォーマンスを維持できる点も大きな魅力となっています。

2位：通勤ストレスからの解放

満員電車での通勤や長時間の車通勤は大きなストレス要因です。これらから解放されることで、朝の時間に余裕が生まれ、精神的にも安定した状態で仕事に取り組むことができます。

通勤によるストレス要因

• 満員電車での身体的・精神的負担
• 通勤時間の長時間化（平均往復2時間）
• 交通費や時間的コストの負担
• 天候や交通機関の遅延によるストレス

特に都市部では満員電車での通勤が当たり前となっており、出社前から疲労やストレスを抱えた状態で業務をスタートすることになります。リモートワークにより通勤ストレスから解放されることで、朝から清々しい気持ちで仕事に取り組むことができ、集中力の向上や創造性の発揮につながります。

また、通勤時間を他の有意義な活動に振り分けることで、より充実した毎日を送ることが可能になります。

3位：時間の有効活用

平均的な通勤時間は往復で1時間半から2時間程度です。この時間を読書、オンライン学習、運動、家事などに充てることで、スキルアップや生活の質の向上を図ることができます。

4位：住む場所の自由度向上

オフィスへの通勤が不要になることで、都心部の高い家賃から解放され、より広い住空間や自然豊かな環境を選択することが可能になります。地方移住や実家近くでの生活も現実的な選択肢となります。

地方・海外に住みながら働きたい

居住地選択のメリット	具体的な効果	企業への貢献
生活コストの削減	家賃・物価の節約	給与交渉での柔軟性
豊かな自然環境	ストレス軽減・創造性向上	生産性の向上
地域貢献・多様な経験	視野の拡大・人脈形成	イノベーション創出

リモートワークの普及により、働く場所の制約がなくなることで、生活の質を重視した居住地選択が可能になります。地方では都市部に比べて住居費や生活費を大幅に抑えることができ、その分を自己投資や貯蓄に回すことができます。

また、自然豊かな環境での生活は心身のリフレッシュにつながり、結果的に仕事の質や創造性の向上をもたらします。海外居住の場合は、多様な文化や価値観に触れることで、グローバルな視点を養うことができます。

5位：集中力の向上

オフィス環境では同僚の会話、電話、会議室の音などが集中を妨げることがあります。自宅の静かな環境では、より深い集中状態で作業に取り組むことができ、生産性の向上が期待できます。

6位：育児・介護との両立

小さな子どもがいる家庭や高齢の家族を介護している場合、リモートワークにより柔軟な対応が可能になります。急な発熱や介護の必要性にも対応しやすく、家族の責任と仕事の両立が図れます。

子育て・介護など家庭との両立を図りたい

両立のメリット	従来の課題	リモートワークでの解決
子どもの送迎対応	時短勤務・早退必要	柔軟な時間調整可能
介護との両立	転職・退職リスク	在宅での対応可能
急な対応	欠勤・遅刻の発生	業務継続しながら対応

家庭の事情により従来の働き方では対応困難な状況にある人にとって、リモートワークは仕事を続けるための重要な選択肢となります。子育て中であれば、保育園の送迎時間に合わせて業務時間を調整したり、子どもの急な発熱時にも在宅で対応しながら可能な範囲で業務を継続することができます。

介護が必要な家族がいる場合も、物理的に近くにいながら仕事を続けることで、キャリアを断念することなく両立が可能になります。

7位：経済的メリット

通勤定期代、外食費、オフィス用の衣服代、靴代など、出社に伴う様々な費用を削減できます。年間で数十万円の節約効果が期待でき、家計への負担軽減につながります。

8位：健康管理の改善

自宅で働くことで、健康的な手作りの食事を摂取しやすくなり、適度な運動や休憩を取り入れることができます。また、通勤による疲労が軽減され、体調管理がしやすくなります。

9位：人間関係のストレス軽減

オフィスでの人間関係は時としてストレスの原因となります。リモートワークにより、必要最小限のコミュニケーションに集中でき、人間関係による精神的負担を軽減することができます。

10位：自分のペースで働ける

個人の生産性が高い時間帯（朝型・夜型など）に合わせて、柔軟に業務スケジュールを調整できます。これにより、効率的な働き方を実現し、成果を最大化することが可能になります。

個人の特性に合わせた働き方のメリット

• 集中力のピーク時間を活用した効率的な業務遂行
• 自分のペースでの作業による品質向上
• 騒音や人の視線を気にしない環境での集中
• 体調や気分に合わせた柔軟な休憩取得

人それぞれ最も集中できる時間帯や環境は異なります。オフィス勤務では周囲に合わせた画一的な働き方を強いられがちですが、リモートワークでは個人の特性に応じて最適化された環境で業務に取り組むことができます。

朝型の人は早朝から、夜型の人は午後から本格的に業務を開始するなど、自分の生体リズムに合わせた働き方により、より高い成果を出すことが可能になります。

面接で「リモートワーク希望の理由」を聞かれたときの答え方

伝え方のポイント（前向き・具体的・企業にメリットを示す）

効果的な伝え方の3つのポイント：

• 個人的な都合だけでなく、企業への貢献も含めて説明する
• 具体的な根拠やエピソードを交えて説得力を高める
• ネガティブな表現を避け、前向きで建設的な理由を述べる
• リモートワークでの成果創出に対する具体的なビジョンを示す

面接では、リモートワーク希望の理由を単なる個人の都合として伝えるのではなく、企業にとってのメリットも併せて説明することが重要です。

例えば、「通勤時間を削減することで、その分を業務スキルの向上に充てることができ、より高い成果を出せる」といった具合に、個人の利益と企業の利益が一致していることを示しましょう。また、過去の経験や具体的な数値を用いて、リモートワークでの生産性向上を裏付ける根拠を提示することで、説得力のある回答となります。

OK例文（ポジティブ＆現実的）

理由のタイプ	OK例文	ポイント
生産性向上	「集中できる環境で業務品質を高めたい」	成果重視の姿勢
スキルアップ	「通勤時間を自己研鑽に活用したい」	向上心をアピール
家庭両立	「家族のサポートを続けながら貢献したい」	責任感を示す

【例文1：生産性向上タイプ】 「私は集中力を最大限に発揮できる環境で、より高い品質の成果を出したいと考えています。前職でも在宅勤務の機会があり、オフィスでの業務に比べて約30%の生産性向上を実感しました。リモートワークにより、中断されることなく深く考える時間を確保できるため、御社の業務においてもより創造的で価値の高いアウトプットを提供できると確信しています。」

【例文2：スキルアップタイプ】 「通勤時間の2時間を自己研鑽に充てることで、業務に直結するスキルアップを図りたいと考えています。具体的には、御社の事業に関連する資格取得や最新技術の習得に時間を投資し、チームにより大きな価値を提供したいと思います。」

NG例（わがまま・ネガティブ・誤解を生む表現）

絶対に避けるべきNG表現：

• 「通勤が嫌だから」「満員電車に乗りたくない」
• 「家で楽に働きたい」「オフィスは面倒くさい」
• 「人間関係のストレスを避けたい」
• 「監視されるのが嫌」「自由に働きたい」

これらのNG例に共通するのは、企業側のメリットが全く示されておらず、個人の都合や楽をしたいという動機しか感じられない点です。特に「楽をしたい」「面倒を避けたい」といった表現は、仕事に対する姿勢や責任感を疑われる原因となります。

また、「人間関係を避けたい」という理由は、チームワークが重要な現代の職場において、協調性に問題があると判断される可能性が高いため、絶対に避けるべきです。面接では常に前向きで建設的な理由を述べることを心がけましょう。

職種・スキル別に見たリモート転職の適性

エンジニア・デザイナー系

職種	リモート適性	必要スキル	年収レンジ
Webエンジニア	★★★★★	プログラミング言語	400-1000万円
UIデザイナー	★★★★☆	デザインツール習得	350-800万円
データサイエンティスト	★★★★★	統計・機械学習	500-1200万円

エンジニアやデザイナー職は、PC一台で完結する業務が多く、リモートワークとの親和性が非常に高い職種です。特にWeb開発やアプリ開発の分野では、フルリモートでの採用が一般的となっており、地理的制約なく優秀な人材を採用する企業が増えています。

重要なのは技術力の継続的な向上と、リモート環境でのコミュニケーション能力です。GitやSlackなどのツールを効果的に活用し、チーム開発に貢献できるスキルを身につけることで、より良い条件での転職が可能になります。

ライター・マーケター・事務系

リモートワーク向きの事務・企画系職種：

• Webライター・コンテンツマーケター
• データ分析・マーケティング企画
• 人事・経理・総務（デジタル化進展により）
• カスタマーサポート・営業事務

これらの職種は、従来オフィス勤務が前提とされていましたが、デジタルツールの発達により在宅での業務遂行が十分可能になりました。特にライティングやマーケティング分野では、成果物の品質が明確に評価できるため、場所に関係なく実力を発揮できる環境が整っています。

重要なのは、リモート環境でも高い生産性を維持できる自己管理能力と、オンラインでのコミュニケーションスキルです。また、業務効率化ツールの習得も転職時の大きなアピールポイントとなります。

未経験から目指せる職種とその理由

職種	習得期間目安	在宅学習のしやすさ	転職成功率
Webライター	3-6ヶ月	★★★★★	高
データ入力・事務	1-3ヶ月	★★★★☆	中
カスタマーサポート	2-4ヶ月	★★★☆☆	中〜高

未経験からでもリモートワーク転職を目指せる職種は意外に多く存在します。特にWebライティングは、基本的な文章力があれば比較的短期間でスキルを習得でき、在宅での実務経験を積みやすい職種です。

また、事務系の業務も、ExcelやGoogleスプレッドシートなどの基本的なツールを習得すれば、リモートでの業務が可能になります。重要なのは、未経験であることを補うための積極的な学習姿勢と、実際にリモート環境で業務を遂行できる環境整備です。

リモート転職で後悔しないために確認すべきポイント

企業のリモート体制（フル or ハイブリッド）

リモート形態	出社頻度	メリット	デメリット
フルリモート	基本なし	完全な場所の自由	孤独感・情報格差
ハイブリッド	週2-3日	バランスの良い働き方	通勤コスト発生
月数回出社	月1-4日	人間関係維持可能	スケジュール調整必要

企業のリモートワーク体制は大きく分けて3つのパターンがあります。

フルリモートは完全な場所の自由を得られる反面、チームとのコミュニケーション不足や孤独感を感じるリスクがあります。ハイブリッド型は出社とリモートのバランスが取れている一方で、出社日の調整や通勤コストは発生します。

転職前には、自分のライフスタイルや性格に最も適した形態を選択することが重要です。また、企業の制度が今後変更される可能性についても確認しておくことをお勧めします。

自分の性格と働き方との相性

リモートワークに向いている人の特徴

• 自己管理能力が高く、誘惑に負けずに集中できる
• 一人でも孤独感を感じにくく、黙々と作業できる
• オンラインでのコミュニケーションが得意または苦痛でない
• 自分から積極的に情報収集や相談を行える

リモートワークは誰にでも適した働き方ではありません。自宅では集中できない、一人でいると不安になる、対面でのコミュニケーションを重視するといった特性を持つ人には、フルリモートは向かない可能性があります。

転職前に、短期間でも在宅での作業を試してみたり、自分の集中パターンを分析したりして、リモートワークとの相性を客観的に評価することが大切です。無理をして適性に合わない働き方を選ぶと、仕事の成果や満足度の低下につながる恐れがあります。

評価制度・コミュニケーション体制の確認

確認項目	重要度	確認方法	注意点
成果の評価基準	★★★★★	面接で直接質問	曖昧な回答は要注意
定期的な1on1	★★★★☆	制度の有無を確認	頻度と質の両方重要
チーム連携ツール	★★★☆☆	使用ツール名を確認	操作習得の必要性

リモートワークでは、従来の「働いている姿を見る」評価から「成果による評価」へのシフトが必要になります。そのため、企業が明確な評価基準を設けているか、定期的なフィードバックの機会があるかを事前に確認することが重要です。

また、日常的なコミュニケーションツールの整備状況や、チームメンバーとの連携方法についても具体的に質問しましょう。曖昧な回答しか得られない企業は、リモートワーク体制が十分に整備されていない可能性があるため、慎重に判断する必要があります。

まとめ：リモートワーク転職理由は戦略的に伝えるのがカギ

リモートワーク転職を考える理由は多岐にわたりますが、共通しているのは「より良い働き方」を求める声です。

技術の進歩により、多くの職種でリモートワークが可能になった現在、これらの理由を参考に自分に適した働き方を見つけることが重要です。

リモートワークでの転職を考えている方は、ぜひRemogu（リモグ）へご相談ください。