リモートワークのプロジェクトマネージャーにはどうしたらなれる?なった後のキャリアパス、必要なスキルや抱えやすい悩みも解説

リモートワークが当たり前になった今、プロジェクトを成功に導くプロジェクトマネージャーの需要が高まっています。「エンジニアからプロジェクトマネージャーになるには、何が必要?」、「リモートワークでのマネジメントって、具体的に何をするの?」、「プロジェクトマネージャーの経験は、その後のキャリアにどう活かせるの?」この記事では、そんなリモートワークのプロジェクトマネージャーに関する疑問にお答えします。
この記事を読むことで以下のことがわかります。
- リモート環境におけるプロジェクトマネージャーの具体的な仕事内容と役割
- エンジニア経験を活かしてプロジェクトマネージャーとして成功するための必須スキル
- プロジェクトマネージャーになるための現実的なキャリアパスと、その先の未来像
- リモートワークのプロジェクトマネージャーが直面しがちな課題とその具体的な解決策
キャリアを加速させ、未来の働き方をリードするための情報が満載です。働き方が大きく変わる今だからこそ、この記事があなたのキャリアを見つめ直すきっかけになれば幸いです。
- 1.リモートワークのプロジェクトマネージャーとは?
- 2.リモートワークのプロジェクトマネージャーの仕事内容
- 3.リモートワークでプロジェクトマネージャーを行う3つのメリット
- 4.リモートワークでプロジェクトマネージャーを行う5つのデメリット
- 5.リモートワークのプロジェクトマネージャーで成功するために身につけたいスキルや経験5選
- 6.リモートワークのプロジェクトマネージャーになるためのキャリアパス〜どうやってなるか?
- 7.リモートワークのプロジェクトマネージャーのキャリアパス〜その後のキャリア
- 8.転職時に知っておきたい!リモートワーク企業選びのポイント3選
- 9.リモートワークのプロジェクトマネージャーにおすすめの資格7選
1.リモートワークのプロジェクトマネージャーとは?
リモートワークにおけるプロジェクトマネージャーは、物理的に離れたチームを率いてプロジェクトを成功に導く、極めて重要な役割を担います。単なる進行管理者にとどまらず、チームの成果を最大化するための環境を主体的に構築する、戦略的なポジションです。ここでは、その基本的な定義と、混同されがちなプロジェクトリーダーとの違いを解説します。
1-1.プロジェクトマネージャーとは?
プロジェクトマネージャーとは、プロジェクト全体の責任者のことです。
計画立案から実行、管理、終結までの一連のプロセス全てに責任を持ちます。与えられた予算や納期、リソースといった制約の中で、最大限の品質を担保し、プロジェクトを成功に導くことが最大のミッションです。
そのため、技術知識だけでなく、ステークホルダーとの交渉力やチームをまとめる調整力、不測の事態に対応する課題解決能力といった、高度で幅広いビジネススキルが求められます。
1-2.プロジェクトマネージャーとプロジェクトリーダーの違いは?
プロジェクトマネージャーとプロジェクトリーダーの最も大きな違いは、責任範囲にあります。
プロジェクトマネージャーが予算やスケジュール、外部交渉といったプロジェクト全体の「管理」と「意思決定」を担うのに対し、プロジェクトリーダーは開発チームの最前線で、タスクの実行や技術的な課題解決といった「実行」の責任者です。
特にリモート環境では、プロジェクトマネージャーが全体の旗振り役として明確な方向性を示し、プロジェクトリーダーが現場のタスク遂行をリードする役割分担が不可欠です。両者の密な連携こそが、プロジェクト成功の鍵となります。
2.リモートワークのプロジェクトマネージャーの仕事内容

リモートワークのプロジェクトマネージャーの仕事は多岐にわたりますが、中心となるのは「見えないものを見えるように」し、自律的に動けるチームを作ることです。計画策定からチームマネジメント、ステークホルダーとの対話、そしてリスク管理まで、オフィス勤務以上に丁寧で戦略的なアプローチが求められる業務内容を見ていきましょう。
2-1.プロジェクト計画の策定と管理
成功するプロジェクトは、緻密な計画から始まります。
まず、WBSを作成してタスクを細分化し、担当者と期限を明確に定義します。その上で、AsanaやJiraといったプロジェクト管理ツールを導入し、チーム全員が進捗をリアルタイムで共有できる環境を構築することが不可欠です。
最終的なゴールであるKGI/KPIを設定し、そこから逆算してマイルストーンを計画に落とし込むことで、チームは常に目的意識を持って業務に取り組めるようになります。
2-2.チームマネジメントとリソースの調整
リモートワークのプロジェクトマネージャーには、チームという最も重要なリソースを最適化するため、主体的なマネジメントが求められます。メンバーの状況が見えにくいため、定期的な1on1ミーティングが重要な役割を果たします。ここで各メンバーのタスクの負荷状況、スキル、そして心身のコンディションを正確に把握することが大切です。
その情報に基づき、特定メンバーの負荷が高ければタスクを再配分したり、スキルセットがより合致するメンバーに担当を変更したりと、柔軟なリソースの調整を行う必要が出てくるでしょう。こうした調整が、プロジェクトのボトルネック解消とメンバーの成長機会の創出を両立させるのです。
また、意図的な雑談会などで孤独感を防ぎ、心理的安全性を高めることも、チーム全体の生産性を最大化する上で重要なマネジメントです。
2-3.ステークホルダーとのコミュニケーション
ステークホルダーとのコミュニケーション不足は、リモートワークで最も警戒すべきリスクの一つです。
顧客や上層部といった関係者とは、オンラインでの定例報告会を設定し、事前にアジェンダを共有、事後には必ず議事録を送付するプロセスを徹底しましょう。情報伝達を円滑にするため、チャットは簡易な相談、ビデオ会議は意思決定など、コミュニケーションツールの使い分けルールを明確に定めておくことも、プロジェクトをスムーズに進める上で非常に効果的です。
2-4.リスク管理と品質保証
リモートワークには特有のリスクが存在します。
主なリスクは以下のとおりです。
- コミュニケーション不足による手戻り
- セキュリティインシデント
- メンバーの孤立による離脱など
これらのリスクを事前に洗い出し、予防策と発生時の対応計画を立てておくことがプロジェクトマネージャーの責務です。
さらには、問題発生時のエスカレーションフロー(例:一次対応→記録→影響度判定→関係者通知→暫定対処→恒久対応)を整備し、チームに周知しておく必要もあります。品質保証の観点では、オンラインでのコードレビューや自動テストの導入を徹底し、物理的に離れていても品質を担保できる仕組みを構築することが求められます。
2-5.進捗管理と報告
プロジェクトの健全性を保つためには、進捗の可視化が生命線です。
プロジェクト管理ツールのカンバンボードやバーンダウンチャートを駆使し、誰が見ても状況がわかる状態を維持しましょう。毎日の朝会などを活用してチーム内で進捗と課題を共有し、問題の早期発見に繋げる工夫も大切です。
ステークホルダーへの報告では、客観的なデータを用いて計画通りか、遅延しているかを明確に示し、必要に応じて計画の見直しを主体的に提案します。
3.リモートワークでプロジェクトマネージャーを行う3つのメリット

リモートワークでのプロジェクトマネージャーという働き方は、多くのエンジニアにとって魅力的なキャリア選択肢です。ここでは、その代表的な3つのメリットをご紹介します。
3-1.ワークライフバランスをとりやすい
リモートワークの大きな魅力は、ワークライフバランスをとりやすいことです。
自身の裁量で業務時間を調整できる求人も多く、チームとの会議などを調整すれば、個人の生活スタイルに合わせた働き方がしやすくなります。例えば、中抜けして子供の送り迎えをしたり、趣味の時間を確保したりできます。
また、働く場所に縛られないため、地方に移住して家賃などの生活コストを抑えながら、都市部の高い給与水準の仕事に就くといった選択も現実的に可能です。
3-2.職場でのストレスを受けにくい
プロジェクトマネージャーは多くの人と関わる役割ですが、リモートワークはその心理的な負担を軽減してくれます。
オフィス特有の人間関係の悩みや、周囲の雑音に集中を妨げられるといった環境から解放されるでしょう。心身に大きな負担をかける満員電車での通勤がなくなることも、大きなメリットです。
ストレスが軽減されることで、より冷静な判断が求められるマネジメント業務に集中しやすくなり、パフォーマンスの向上も期待できます。
3-3.服装やルックスが自由
服装や外見に気を遣う必要がない点も、リモートワークの隠れたメリットです。
多くの企業で「服装自由」がうたわれていても、実際にはTPOをわきまえる必要があり、短パンやサンダルなどが許容されるケースは稀です。
しかし、在宅勤務であれば、社外の人と会う予定がない限り、最もリラックスできる服装で仕事に臨めます。こうした小さなストレスからの解放が、日々の生産性や創造性を高める一因となることも少なくありません。
4.リモートワークでプロジェクトマネージャーを行う5つのデメリット

リモートワークのプロジェクトマネージャーには多くのメリットがある一方、特有の難しさやデメリットも存在します。自己管理の難しさから、評価、セキュリティに至るまで、直面しがちな5つのデメリットを見ていきましょう。
4-1.孤独感やモチベーションが低下しやすい
オフィスでの何気ない雑談や、共にランチへ行くといった機会がなくなるため、人によっては孤独を感じやすくなります。チームメンバーと直接顔を合わせる機会が減少し、一体感が希薄になることもあるでしょう。
また、周囲の熱気や刺激を感じにくいため、自分自身で仕事への情熱を維持し、モチベーションを高めるための工夫が求められます。意識的にコミュニケーションの機会を創出するなどの主体的な行動が必要です。
4-2.自己管理が難しい
自由な働き方ができる反面、徹底した自己管理能力が問われます。
特に労働時間とプライベートの境界線が曖昧になりやすく、気づけば長時間労働になっていたというケースも少なくありません。集中力を維持するための環境づくりや、意識的な休憩、そして「何時になったら業務を終える」という明確なルールを自身に課すことが重要になります。
オンとオフの切り替えが苦手な方にとっては、大きな課題となる可能性があります。
4-3.コミュニケーションが不足しがち
リモートワークのコミュニケーションは、主にチャットやメールといったテキストベースです。結果として、対面であれば伝わるはずの細かなニュアンスや感情が伝わりにくく、意図しない誤解を生んでしまうリスクが伴います。
また、業務以外の雑談の機会が激減するため、チームメンバーとの信頼関係の構築が難しくなり、連帯感が薄れてしまうこともあります。これを補うための工夫が、PMの腕の見せ所とも言えるでしょう。
4-4.評価基準が成果物のみとなりやすい
オフィス勤務であれば、業務への取り組み姿勢やチームへの貢献といったプロセスも評価の対象になりやすいですが、リモートではその過程が見えにくくなります。結果として、アウトプットされた成果物だけで評価される傾向が強まることは覚えておきましょう。
日々の工夫や課題解決に向けた努力などを、ドキュメントやレポートを通じて積極的にアピールしなければ、正当な評価を得にくいと感じる場面も出てくるかもしれません。
4-5.チーム全体のセキュリティ意識を高く保つ責任がある
プロジェクトマネージャーは、チーム全体のセキュリティを担保する重い責任を負います。
メンバーがカフェや自宅など多様な環境で業務を行うため、情報漏えいのリスクはオフィス勤務よりも格段に高まります。パブリックWi-Fiの利用ルールなどを策定し、定期的に周知徹底することが不可欠です。
また、万が一のインシデント発生時に、メンバーが隠さず迅速に報告できる文化を醸成し、会社指定のセキュリティツール利用を徹底させるなど、環境整備もプロジェクトマネージャーの重要な役割です。
5.リモートワークのプロジェクトマネージャーで成功するために身につけたいスキルや経験5選

リモートワークでプロジェクトマネージャーとして成功し、高い年収や待遇を得るためには、従来のマネジメントスキルに加えて、リモートワークに特化した能力が求められます。ここでは、特に重要となる5つのスキルと経験を解説します。
5-1.マネジメントスキル
プロジェクトマネージャーの中核をなすマネジメントスキルは、リモートワークでさらにその重要性を増します。特に、メンバーのタスク状況を正確に把握し、遅延や課題の兆候を早期に発見する能力が不可欠です。
リモートワークでは、メンバーが隣で作業しているわけではないため、直接仕事ぶりを見ることはできません。そのため、日々のチャット報告や進捗データといった数字や文字の裏側にある「本当の状況」を読み解く力がとても重要になります。
もちろん、その土台となるのが、プロジェクト管理の基本です。具体的には、以下の4つの要素を常にコントロールする能力が求められます。
- スコープ(範囲): 「何を作るのか」というプロジェクトのゴールと作業範囲を明確にすること。
- コスト(予算): 決められた予算内でプロジェクトを完成させること。
- 納期(スケジュール): 「いつまでに作るのか」という計画を守ること。
- 品質: 顧客やユーザーが満足するクオリティを担保すること。
これらの基本的な管理能力の上に、リモートならではの洞察力が加わることで、成功するプロジェクトマネージャーと言えるでしょう。
5-2.コミュニケーション力
リモートワークの成否はコミュニケーションの質で決まると言っても過言ではありません。
プロジェクトマネージャーには、対面以上に高度なコミュニケーション力が求められます。やり取りの大部分が文章になるため、意図が正確に伝わる分かりやすい文章を作成するスキルは必須です。
加えて、意図的に雑談の場を設けるファシリテーション能力や、テキストの裏にあるメンバーの感情や意図を汲み取る繊細さも、チームの信頼関係を築く上で極めて重要なスキルとなります。
5-3.プロジェクト管理ツールの熟練度
リモートプロジェクトを効率的に運営するためには、プロジェクト管理ツールを使いこなすスキルが必須です。
主なプロジェクト管理ツールは以下のとおりです。
- Asana
- Jira
- Backlog
これらのツールを深く理解し、自身のプロジェクトに最適な形でカスタマイズ・運用することで、進捗の可視化や情報共有を劇的に効率化できます。企業によって採用するツールは異なりますが、基本的な思想は共通しているため、一つを極めておけば応用が利きます。
5-4.ITの知識や経験
プロジェクトマネージャーとしてプロジェクトを円滑に推進するためには、特にITに関する知識と経験が強力な武器となります。
エンジニアと対等に会話し、技術的な課題の難易度やリスクを正しく理解できることは、的確な意思決定とチームからの信頼に直結します。必ずしも深い開発経験が必要なわけではありませんが、最低限のIT知識や開発プロセスの理解は、質の高い求人に応募する上での前提条件と考えておくのがよいでしょう。
5-5.課題解決力
どんなに緻密な計画を立てても、プロジェクトにトラブルはつきものです。特に、予期せぬ問題が発生した際に真価が問われるのが、課題解決力です。
リモート環境では問題の発見が遅れがちなため、発生した課題の本質を素早く見極め、複数の解決策を提示し、チームを率いて実行に移す能力が極めて重要になります。
このスキルは経験によって磨かれるため、多くの修羅場を乗り越えたプロジェクトマネージャーほど、企業から高く評価される傾向があります。
6.リモートワークのプロジェクトマネージャーになるためのキャリアパス〜どうやってなるか?

リモートワークのプロジェクトマネージャーを目指す道は一つではありません。技術力を基盤にステップアップする王道のパスもあれば、コミュニケーション能力を武器に他職種から転向する道もあります。主なキャリアパスを解説します。
6-1.技術者からのステップアップ
エンジニアがプロジェクトマネージャーを目指すのは最も一般的なキャリアパスです。
エンジニアからの主なステップアップ手段は以下のとおりです。
- ジュニアPM:小規模プロジェクト担当(1-3年)
- ミドルPM:中規模プロジェクト担当(3-7年)
- シニアPM:大規模・複雑プロジェクト担当(7年以上)
- PMO:プロジェクト管理標準化・支援
- プログラムマネージャー:複数プロジェクト統括
着実に実績を積むことが高年収の求人に繋がります。
6-2.営業・企画職からの転向
営業職や企画職で培った経験も、プロジェクトマネージャーへの転身において大きな強みとなり得ます。特に、顧客との折衝能力や、ビジネス要求を仕様に落とし込む要件定義スキルは、プロジェクトの上流工程で非常に価値が高いです。
ただし、アジャイルやウォーターフォールモデルなどの開発プロセスや基本的なIT用語といった技術面の知識を積極的に学ぶ姿勢は不可欠です。ビジネスと開発の橋渡し役から始め、徐々にマネジメントの領域に染み出していくのが現実的なステップとなり得ます。
6-3.コンサルティング経験の活用
コンサルタントとして培った高度なスキルは、プロジェクトマネージャーの業務と非常に親和性が高いです。
論理的思考力や課題分析能力、そして質の高いドキュメンテーション能力は、プロジェクト計画の策定やステークホルダーへの報告といった場面で即戦力として活かせます。
自身の専門性を活かし、戦略コンサルタントなら事業企画寄りのPM、ITコンサルタントなら大規模システム開発のPMといったように、得意領域の求人をターゲットにすることで、スムーズなキャリアチェンジが可能です。
6-4.PMアシスタントからのキャリア形成
未経験からプロジェクトマネージャーを目指す場合、PMアシスタントからキャリアをスタートするのも有効な手段です。
プロジェクトマネージャーの補佐役として、スケジュール調整や議事録作成、ドキュメント管理といった実務を通して、プロジェクト管理の一連の流れを実践的に学べます。
上司であるプロジェクトマネージャーの意思決定を間近で見ながら、その思考プロセスを盗むことも重要です。単なる作業者で終わらず、主体的に改善提案などを行う姿勢が、次のステップへの道を開きます。
7.リモートワークのプロジェクトマネージャーのキャリアパス〜その後のキャリア

プロジェクトマネージャーとして経験を積んだ後には、さらに多様で魅力的なキャリアが広がっています。プロジェクトを成功に導く過程で身につけたスキルは、事業運営や経営の舞台でも通用するポータブルスキルです。ここでは代表的な5つのキャリアパスを紹介します。
7-1.プロダクトマネージャー
プロジェクトの「作り方」を管理するプロジェクトマネージャーに対し、プロダクトの「何を、なぜ作るか」を定義するのがプロダクトマネージャーです。
市場調査やユーザー分析に基づき、プロダクトのビジョンを描き、事業の成長に責任を持つ、より経営に近い役割を担います。自身がプロジェクトマネージャーとして関わったプロダクトの成功体験を基に、そのグロース戦略を担うキャリアは、大きなやりがいと高い報酬が期待できます。
7-2.事業部長・部門長
プロジェクトマネージャーとしての実績が評価されれば、複数のプロジェクトやチームを統括する事業部長や部門長といった、より上位のマネジメント職への道が開けます。
プロジェクト管理で培ったリソース配分能力や目標達成へのコミットメントを、事業運営というさらに大きなスケールで活かすことになります。経営戦略に基づき、どの分野に投資し、どんな人材を配置するかといった、事業の未来を左右する戦略的な意思決定が主な役割です。
7-3.コンサルタント
プロジェクトマネージャーとして培ったプロジェクト推進力や課題解決能力は、コンサルタントとして独立する上でも強力な武器となります。
特定の企業に属さず、様々な企業の経営課題や業務課題を解決する専門家として活躍する道です。特に、多くの企業が取り組むDX(デジタルトランスフォーメーション)推進の領域では、現場を理解しているPM経験者の需要は非常に高く、フリーランスとして高単価な案件を獲得することも十分に可能です。
7-4.CTO・CIO
技術的なバックグラウンドを持つプロジェクトマネージャーであれば、企業の技術戦略全体を統括するCTO(最高技術責任者)や、情報システム部門のトップであるCIO(最高情報責任者)を目指すキャリアパスも考えられます。
個別のプロジェクト成功だけでなく、経営目標を達成するための技術投資の判断や、強いエンジニア組織の構築といった、よりマクロな視点が不可欠です。最新技術への深い洞察力と経営視点を兼ね備えることが求められます。
7-5.起業・独立
アイデアを事業という形にするプロセスは、まさにプロジェクトマネジメントそのものです。
計画立案、資金調達、人材確保、開発、そしてマーケティングまで、プロジェクトマネージャーとして培った全てのスキルを総動員して自身の事業を創出する道です。
リスク管理能力や限られたリソースを最大限に活用する能力は、不確実性の高いスタートアップ環境で成功するための必須スキルと言えるでしょう。自由と大きなリターンを追求できる選択肢です。
8.転職時に知っておきたい!リモートワーク企業選びのポイント3選

リモートワークのプロジェクトマネージャー求人は増加傾向にありますが、企業によって働きやすさやカルチャーは大きく異なります。転職後に「こんなはずではなかった」と後悔しないために、企業選びは慎重に行うべきです。ここでは、自身にマッチした企業を見極めるための3つの重要なポイントを解説します。
8-1.フルリモートワークが可能か
「リモートワーク可」と記載されていても、その実態は企業によって様々です。
週に数日の出社が義務付けられているケースもあれば、完全なフルリモートが可能な企業もあります。自身の希望する働き方を実現できるか、カジュアル面談や面接の場で具体的に確認することが重要です。
勤務時間や休日に関する規定、リモートワーク手当の有無なども、働きやすさを左右する大切なポイントなので、忘れずにチェックしましょう。
8-2.企業文化に共感できるか
リモートワークでは、コミュニケーションの質が成果に直結するため、企業の文化に馴染めるかは極めて重要です。
チャットツールでのやり取りが活発か、情報共有がオープンに行われているかなど、自身が働きやすいと感じる環境かを見極めましょう。
また、プロセスよりも成果を重視し、それに対して正当な評価をしてくれる文化であれば、モチベーションを高く維持できます。口コミサイトや、現場の社員と話す機会などを活用して、リアルな情報を集めるのがおすすめです。
8-3.求める人物像にマッチしているか
求人票に書かれている「求める人物像」を深く読み解くことで、その企業がプロジェクトマネージャーに何を期待しているかが見えてきます。
例えば「自律的に行動できる方」を求めているなら、個人の裁量が大きい反面、手厚いサポートは期待できないかもしれません。「チームワークを重視する方」であれば、協調性や密なコミュニケーションが求められるでしょう。
自身の強みや働き方の志向と、企業が求める人物像がマッチしているかを確認することが、入社後のミスマッチを防ぐ鍵です。
9.リモートワークのプロジェクトマネージャーにおすすめの資格7選

資格がなければプロジェクトマネージャーになれないわけではありませんが、自身のスキルを客観的に証明し、キャリアアップを有利に進める上で、資格取得は非常に有効な手段です。ここでは、国内外で評価の高い代表的な資格や、専門性を高めるためにおすすめの資格を紹介します。
9-1.国際的に認知度の高いPM資格
PMP(Project Management Professional) | PRINCE2 | |
概要 | 米国のPMIが認定するプロジェクトマネジメントの国際標準資格 | 英国発祥で欧州を中心に広く採用されているプロジェクトマネジメント資格。 |
特徴 | ・国際的な認知度が非常に高く、グローバルなキャリアに直結しやすい。 ・体系的な知識が身につき、プロジェクト成功率の向上が期待できる。 ・取得者は高い年収を得る傾向がある。 | ・事業の正当性を重視した実践的な管理手法を学べる。 ・役割と責任が明確に定義されており、大規模プロジェクトに適している。 ・実務経験がなくても受験可能。 |
難易度 | 高 | 中 |
取得方法 | ・大卒の場合、36ヶ月以上のプロジェクトマネジメント経験が必要。 ・公式の35時間研修を受講後、オンライン試験に合格する必要がある。 | ・認定研修機関のコースを受講後、試験に合格する必要がある。 ・基礎レベルの「ファンデーション」と上級の「プラクティショナー」がある。 |
9-2.日本国内で評価の高いPM資格
プロジェクトマネージャ試験 | P2M(Project & Program Management) | |
概要 | 独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が実施する国家資格。ITプロジェクト全般のマネジメント能力を問う。 | 特定非営利活動法人日本プロジェクトマネジメント協会(PMAJ)が認定する、日本発の資格。個々のプロジェクト成功と、それを通じた事業価値の向上を目指す。 |
特徴 | ・国内IT業界での知名度と信頼性が非常に高い国家資格。 ・システム開発におけるマネジメント能力を客観的に証明できる。 ・企業によっては資格手当や昇進の対象となる。 | ・プログラムマネジメントや経営に近い視点を学べる。 ・段階的にステップアップできる資格体系(PMC, PMSなど)がある。 ・IT分野以外にも応用可能な知識が身につく。 |
難易度 | 高 | 中 |
取得方法 | ・年に1回実施される試験(多肢選択式・記述式・論述式)に合格する必要がある。 | ・公式ガイドブックを中心とした学習後、試験に合格する必要がある。 ・資格レベルに応じて、研修の受講が必要な場合がある。 |
9-3.専門分野別おすすめ資格
ITIL | SAFe | スクラムマスター | |
概要 | ITサービスマネジメントのベストプラクティスを体系化したフレームワークに関する入門資格。 | 大規模な組織でアジャイル開発を導入・実践するためのフレームワークに関する資格群。 | アジャイル開発手法の一つである「スクラム」を円滑に推進する「スクラムマスター」の役割に関する認定資格。 |
特徴 | ・システムの開発だけでなく、リリース後の運用・保守まで見据えた管理能力をアピールできる。 ・SaaSなどサービス提供型のビジネスで特に評価される。 ・世界共通の認定資格。 ・比較的短期間での取得が可能。 | ・大企業やエンタープライズレベルでのアジャイル開発推進能力を証明できる。 ・複数のアジャイルチームを連携させる、より高度なマネジメントスキルが身につく。 ・大規模開発のPMやアジャイルコーチを目指す上で有利。 ・前提条件としてアジャイルやスクラムの知識が推奨される。 | ・変化に迅速に対応するアジャイル開発の専門家として認知される。 ・自律的なチーム作りやファシリテーション能力が向上する。 ・Webサービスやスタートアップ界隈で特に需要が高い。 |
難易度 | 低 | 中〜高 | 中 |
取得方法 | ・独学または認定研修を受講後、オンライン試験に合格する必要がある。 | ・役割に応じた公式トレーニングを受講後、オンライン試験に合格する必要がある。 | ・Scrum Alliance®認定トレーナーによる2日間の研修受講が必須。 ・研修後にオンライン試験に合格する必要がある。 |
※最新の情報は、正式なホームページでご確認ください。
10.まとめ
本記事を通じて、リモートワークにおけるプロジェクトマネージャーというキャリアの解像度が上がったのではないでしょうか。最後に、エンジニアであるあなたが次のキャリアを踏み出すための重要なポイントを4つにまとめます。
- エンジニア経験が活きるから、強いプロジェクトマネージャーになれる。
- 「リモート力」を磨けば、収入もキャリアもアップする。
- プロジェクトマネージャーはゴールではなく、未来の選択肢が広がる。
- 自分に合う「働き方」を見つけるのが一番大事。
あなたのエンジニアとしての経験は、次のキャリアで必ず活きます。
リモートワークに特化したRemogu(リモグ)では、今回ご紹介したようなリモートワークの案件を多く取り揃えています。「まずはどんな求人があるか知りたい」「自分の市場価値を知りたい」といったご相談だけでも大歓迎です。ぜひ一度、Remoguにご相談ください。