情報処理技術者試験は2027年度からどう変わる?IPAの新試験・ITパスポート・応用情報の変更点
監修・編集責任者:牛尾 昭昌(株式会社LASSIC 執行役員)

📘 この記事でわかること
- 基本情報技術者試験・情報処理安全確保支援士試験は出題の範囲そのものが変わらないことと、新旧制度が切り替わる時期
- 応用情報技術者試験と高度試験が再編されてできる新しい3つの試験区分と、データマネジメント試験(仮称)の位置づけ
- 全ての試験区分がCBT方式に変わる受け方の変化と、学習してきた経験を案件の経歴でどう言葉にするか
情報処理技術者試験と情報処理安全確保支援士試験について、2027年度からの制度見直しが公表されています。学習を進めている方が気になるのは、いま積み上げている知識が無駄にならないかという点です。IPAが公開した検討状況では、見直しのポイントが5点に整理されています1。この記事では、変更の中身と時期、学習を続けてよい根拠を順に確認します。
1. いま学習中の内容と見直しの関係
基本情報・支援士の出題範囲
制度が変わると聞くと、これまで積み上げてきた学習が振り出しに戻るのではないかという不安が先に来ます。参考書を変えたほうがよいのか、学習の順番を見直したほうがよいのかと、手が止まってしまう方も出てきます。
IPAが公開した見直しの検討状況では、基本情報技術者試験と情報処理安全確保支援士試験について、試験で問う知識・技能の範囲そのものに変更はないと記載されています1。変わるのは表記の見直しなどであり、いま学習している内容の骨格は保たれます1。つまり、この2つの試験に取り組んでいる方は、学習の計画をそのまま続けて問題ありません。
急いで学習計画を組み直すことよりも、範囲が変わらない試験から先に手を付けることのほうが、いまの状況では合理的な選び方です。制度の変更点は、範囲そのものを問い直すものではなく、名称や区分の整理が中心になっています。
見直しの5つのポイント一覧
IPAが公開した検討状況では、見直しの方向性が5つの観点に整理されています。基本情報技術者試験と情報処理安全確保支援士試験は出題の範囲そのものに変更がなく、これまでの学習がそのまま活きる位置づけです。一方で、応用情報技術者試験と高度試験は大きく再編され、ITパスポート試験の出題分野も見直されます。加えてデータマネジメント試験(仮称)が新設され、実施方式も全区分でCBT方式に切り替わる予定です。5つの変更点を並べて、どこに手を付けるかを決めます。
| 見直しの項目 | 変更の内容 |
|---|---|
| 基本情報技術者試験・支援士試験の扱い | 出題の範囲そのものに変更なし(表記の見直し等) |
| データマネジメント試験(仮称) | 新設。データの整備・管理に関するスキルを評価 |
| ITパスポート試験の出題分野 | 「ビジネス」「テクノロジ」「セキュリティ・倫理」に再整理 |
| プロフェッショナルデジタルスキル試験(仮称) | 応用情報技術者試験と高度試験を大括り化し、3領域に再編 |
| 実施方式 | 全ての試験区分をCBT方式で実施 |
出典:IPA「情報処理技術者試験及び情報処理安全確保支援士試験の見直しの検討状況について」(2026年3月31日公開)をもとに作成
3つに分けて見ると、慌てて手を付け直す必要があるのは新設される試験だけで、いま学習している範囲にはほとんど影響がないことも見えてきます。焦って全体を見直すよりも、変化がある部分だけを先に把握しておくほうが、負担は小さくなります。
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範囲が変わらない試験があると分かれば、次に気になるのは新旧の制度がいつ入れ替わるかという時期です。
2. 新旧制度の切り替わり時期
現行は2026年度まで、新制度は2027年度から
学習を続けてよいと分かっても、期限が分からなければ計画は立てにくいものです。IPAの公表内容によると、現行試験制度は2026年度の試験実施をもって終了する予定です1。新試験制度は2027年度から移行する予定と公表されています1。
2026年度という区切りが分かれば、いま学習している内容をいつまでに仕上げるかの目安が立ちます。先の新制度を見据えて動くことよりも、まず目の前の2026年度という期限を意識することのほうが、日々の学習の計画が立てやすくなります。
とはいえ、期限があるからといって、慌てて詰め込む必要はありません。むしろ、これまでのペースを保ちながら、区切りの年度を意識する程度で十分です。資料自体も「現時点での検討状況」であり、今後変更が生じる場合があると明記されています1。
公表資料が「検討状況」という言葉を使っているのは、確定前の情報を早めに共有する狙いがあるとも読めます。読み手としては、今後の更新を定期的に確認しておくと、計画の見直しが必要になったときにも対応できます。
現行制度と新制度の実施スケジュール
情報処理技術者試験と情報処理安全確保支援士試験は、現行制度と新制度が同時に並走するわけではありません。現行試験制度は2026年度の試験実施をもって終了する予定です1。新試験制度は2027年度から移行する予定と公表されています1。学習を続けている方にとっては、いつまでに現行の内容を学び終えるかという期限の目安になります。ただし資料自体が検討状況であることも明記されているため、確定情報としてではなく現時点の見通しとして捉えておくことが大切です1。
| 制度 | 実施予定 |
|---|---|
| 現行試験制度 | 2026年度の試験実施をもって終了する予定1 |
| 新試験制度 | 2027年度から移行する予定1 |
出典:IPA「情報処理技術者試験及び情報処理安全確保支援士試験の見直しの検討状況について」(2026年3月31日公開)をもとに作成
実施の時期が見えてきたところで、次は新制度の中身そのもの——何が新しくなるのかを見ていきます。
3. 新しくなる試験区分
プロフェッショナルデジタルスキル試験(仮称)の3つの領域
新制度の中心になるのが「プロフェッショナルデジタルスキル試験」(仮称)です。IPAの公表内容によると、現在の応用情報技術者試験と高度試験を大括り化したうえで内容を再編し、「マネジメント領域」「データ・AI領域」「システム領域」という3つの試験区分を設けると記載されています1。
これまで複数の試験に分かれていた高度な知識が、3つの領域という大きな枠組みに整理される見込みです。どの領域に近い経験を積んできたかを、いまのうちに振り返っておくと、新制度への切り替えにも慌てず対応できます。
「大括り化」という言葉が示すのは、細かく分かれていた試験の名前を減らし、より大きな括りで評価する仕組みに変える方向性です。名前の数が減ることで、どの試験を選ぶかで迷う場面そのものが少なくなる可能性があります。
データマネジメント試験(仮称)の新設
新設される試験として名前が挙がっているのが「データマネジメント試験」(仮称)です。データマネジメント試験(仮称)は、主にビジネス部門を想定した試験として位置づけられ、AI活用において求められるデータの整備・管理に関するスキルを評価します1。
エンジニア向けの試験としてではなく、データを扱う一連の業務全体を見渡す試験として企画されている点を押さえておくと、混同せずに済みます。エンジニアの経歴で語るべき変化は、次章以降で扱う受け方の変化とリモート案件での活かし方に集中させるほうが、話を分けて書きます。
「データマネジメント」という言葉は、開発や運用の現場でも使われる場面がありますが、この試験が想定しているのは主にビジネス部門でのデータ整備・管理です1。エンジニアが担う開発業務そのものを直接評価する試験ではない、という役割の違いを理解しておくと、周囲との会話でも混同せずに済みます。
3つの領域がそれぞれどの技術分野に重なるのかという細部は、今後の公表を待つ必要があります。まずは区分の数と名称を覚えておくことが、次の情報を追いかけるときの土台になります。名称を先に知っておけば、詳細が公表された際にも読み解きやすくなります。
出典:IPA「情報処理技術者試験及び情報処理安全確保支援士試験の見直しの検討状況について」(2026年3月31日公開)をもとに作成
領域の再編と新設試験の位置づけが見えたところで、次は受け方そのものがどう変わるのかを確認します。
4. 受け方の変化
内容の再編に続いて、試験そのものの受け方にも変更が予定されています。区分の名前が変わるだけでなく、答え方の形式そのものが変わる点は、落ち着いて押さえておきたい変化です。まず、仕組みが変わる範囲を把握します。
全ての試験区分がCBT方式へ
内容の再編だけでなく、受け方も変わります。IPAの公表内容によると、新制度では全ての試験区分をCBT(Computer Based Testing)方式で実施する予定と記載されています1。紙と鉛筆で答える形から、コンピューターの画面で答える形へと、受け方の土台が変わる見込みです。
会場の詳細や実施回数までは資料が検討状況としているため、確定した案内が出た段階で確認する形になります。受け方が変わること自体は、学習してきた内容の価値を下げるものではありません。
受け方が変わっても、これまで積み上げてきた知識そのものの価値は変わりません。試験の外側の仕組みが変わるだけで、学習してきた内容の意味が薄れるわけではありません。
ITパスポート試験の出題分野の再整理
ITパスポート試験も出題分野の呼び方が変わります。IPAの公表内容によると、出題分野は現在のストラテジ系・マネジメント系・テクノロジ系という区分から、「ビジネス」「テクノロジ」「セキュリティ・倫理」という3つの区分に再整理されると記載されています1。
呼び方が変わっても、日々の学習で身構える場面は限られます。新しい3区分の言葉を先に覚えておくと、今後の資料を読むときに用語を照らし合わせやすくなります。
ITパスポート試験の新しい3区分
ITパスポート試験は、社会人の基礎的なITリテラシーを幅広く問う試験として位置づけられています。IPAの公表内容によると、出題分野は現在のストラテジ系・マネジメント系・テクノロジ系という3つの区分から、ビジネス・テクノロジ・セキュリティ・倫理という新しい3区分に再整理される予定です1。区分の名称が変わることで、学習を始める際に参照する教材や範囲の呼び方も変わっていく見込みです。名称の変化に戸惑わないよう、まず新しい3区分の言葉を覚えておくと役立ちます。
| 分類 | 出題分野 |
|---|---|
| 現在 | ストラテジ系・マネジメント系・テクノロジ系 |
| 新(2027年度以降) | ビジネス・テクノロジ・セキュリティ・倫理 |
出典:IPA「情報処理技術者試験及び情報処理安全確保支援士試験の見直しの検討状況について」(2026年3月31日公開)をもとに作成
受け方と出題分野の呼び方が変わると分かったところで、次はこの変化をリモート・フリーランスの案件でどう活かすかを見ていきます。
5. リモート・フリーランス案件での活かし方
制度の変化と経歴の言葉
制度が変わると分かっても、それをどう案件の経歴に結びつければよいか迷う場面が出てきます。いま学習している内容の範囲が変わらないなら、これまでの学習を「継続して深めている」という経歴の言葉に変えられます。新しい試験区分の名前を知っておけば、面談で制度の話題が出ても、落ち着いて答えられます。
経歴書には、資格の名前だけでなく、その資格が評価している知識の範囲を一文で添えると、クライアントに伝わりやすくなります。資格の名前を並べることよりも、その資格が保証する知識の範囲を短く説明することのほうが、初回の面談では効果的です。
リモートで働く場面では、資格の話をする機会そのものが対面の面談より限られます。短いテキストのやり取りで自分の理解の深さを伝えるには、資格が指す範囲を一言で言い換えられる状態にしておくことが役立ちます。経歴の棚卸しは、資格の名前を更新するだけでなく、担ってきた役割や工程を言葉にし直す作業でもあります。試験区分の再編は、その言葉を見直すきっかけの一つとして使えます。
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リモートで案件を探すという選択肢
Remoguはリモートワーク案件に特化したエンジニアマッチングで、案件の90%以上がフルリモート可能です2。場所を選ばずに、積み上げてきた知識を活かせる案件と出会いやすい環境です。ただし案件の傾向は時期によって変わるため、実際の条件は案件ごとに確認していく形になります。
制度が変わると聞いて、積み上げてきた学習が無駄になるのではと不安になった方も多いはずです。見直しの検討状況を順に見ると、基本情報技術者試験と情報処理安全確保支援士試験は、出題の範囲そのものに変更がありません1。現行試験制度は2026年度の試験実施をもって終了する予定で1、新試験制度は2027年度から移行する予定です1。
変わるのは、応用情報技術者試験と高度試験の再編1、データマネジメント試験(仮称)の新設1、ITパスポート試験の出題分野の呼び方1、そしてCBT方式への切り替えです1。ただし、これらはいずれも現時点での検討状況であり、今後変更が生じる場合があります1。いまの学習を続けながら、新しい区分の名前だけ頭に入れておけば足ります。
学習の骨格が保たれているなら、次はその経験をどの案件に結びつけるかです。まずは会員登録をして、いまの経験や学習中の資格がどのような案件と結びつくのかを確かめてみてください。登録はすぐにエントリーすることを意味しないので、下調べの一歩として使えます。
6. よくある質問
いま学習している基本情報技術者試験の対策は続けてよいですか
はい、続けて問題ありません。IPAの公表内容によると、基本情報技術者試験は試験で問う知識・技能の範囲そのものに変更はないと記載されています1。表記の見直しなどはあるものの、学習の骨格は変わりません。教材や問題集をそのまま使い続けられるかどうかも、この点を踏まえて判断します。
現行の情報処理技術者試験に合格した場合の扱いはどうなりますか
この点についてIPAの公表資料には詳細な記載がありません。現行試験に合格した場合の扱いや移行時の取り扱いは、今後公表される内容を確認することになります1。現行の学習を続けている方にとっては、移行のタイミングを見据えて計画を立てる材料になります。
新設されるデータマネジメント試験(仮称)はエンジニア向けの試験ですか
いいえ、主にビジネス部門を想定した試験として位置づけられています1。AI活用において求められるデータの整備・管理に関するスキルを評価する試験であり、エンジニア向けの試験として企画されているわけではありません。
CBT方式になると何が変わりますか
新制度では全ての試験区分をCBT(Computer Based Testing)方式で実施する予定です1。紙の答案ではなく、コンピューターの画面で解答する形に変わる見込みです。会場や実施回数の詳細は、今後公表される内容を確認する形になります。
この見直しの内容はこのまま確定していますか
いいえ、確定した内容ではありません。IPAの公表資料は「現時点での検討状況」であり、今後変更が生じる場合があると明記されています1。内容が固まった段階で、あらためて詳細を確認してください。
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試験制度が変わっても、いま学んでいる知識・技能の範囲そのものは変わらないと示されています。まずはリモート案件がどのような条件で並んでいるのかを見比べるところから確かめられます。
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※公開中の案件数は時期によって変わります。記事中の案件の傾向は執筆時点のものです。
出典・参考情報
*1 IPA「情報処理技術者試験及び情報処理安全確保支援士試験の見直しの検討状況について」見直しのポイント(2026年3月31日・2026年9月確認)
*2 Remoguサイト公開情報(フルリモート可能案件の割合)