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    6つの類型で経歴を棚卸しする|デジタルスキル標準ver.2.0の読み方

    「並べると偏りが見える」を示す図です。ソフトウェア/データ管理/データ分析/セキュリティを並べています。強調しているのはデータ管理です。ここが薄いと添えています。

    📘 この記事でわかること

    • 経歴が「開発」「運用」で止まってしまう理由と、共通の言葉に置き換えて書く基本の考え方
    • デジタルスキル標準の6つの類型と、2026年4月の改訂で加わったデータ整備・AI関連の役割の位置づけ
    • 「知っている」と「手を動かせる」を分けて書く視点と、案件探しや面談で経歴を伝えるときの使い方

    フリーランスとして案件を探すとき、職務経歴書に書ける言葉が「開発」「運用」で止まってしまうことがあります。担当した工程はいくつもあっても、相手に伝わる言葉に置き換えられず、経験の厚みが伝わりにくくなる場面があります。IPAが公開する「デジタルスキル標準」は、「DXリテラシー標準」と「DX推進スキル標準」の2つの標準で構成されており1、経歴を説明するための共通の言葉として使えます。この記事では、その言葉を使って経歴を棚卸しする方法を、2026年4月の改訂内容とあわせて整理します。

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    1. 経歴が「開発」「運用」で止まってしまう理由

    共通の言葉がないまま書き出すとどうなるか

    経歴書やプロフィールに担当した仕事を書き出すとき、工程名を並べただけの説明になりやすい場面があります。「開発」「運用」とだけ書くと、担当した範囲が広くても、相手にはどの立場でどこまで関わったのかが伝わりにくくなります。工程の名前は仕事の内容を表しますが、経歴の中でどの役割を担ったのかまでは示しません。

    この分かりにくさの背景には、経歴を説明するための共通の言葉が定まっていなかった事情があります。IPAが公開する「デジタルスキル標準」は、「DXリテラシー標準」と「DX推進スキル標準」の2つの標準で構成されており1、DX(デジタルトランスフォーメーション)を進める仕事の役割とスキルを、共通の言葉で説明できるようにしています。企業やプロジェクトごとに異なる呼び方をしていた役割を、同じ枠組みで説明できるようにしています。

    リモートで案件に参画する場面では、この分かりにくさがさらに影響しやすくなります。常駐であれば、面談の場で仕事内容を口頭で補いながら伝える機会がありますが、リモートの案件では、経歴書やプロフィールの文章だけで判断される割合が高くなります。工程名だけの説明では、実際に担ってきた役割の広さが伝わらないまま、選考が進んでしまうこともあります。

    自分が担当してきた仕事を、この共通の言葉に置き換えると、経歴書の説明はどう変わるのでしょうか。次の図は、よくある工程の書き方と、共通の言葉との対応関係の例を整理したものです。

    図1:担当してきた仕事の書き方と、共通の言葉の対応関係
    自分の仕事の書き方 共通の言葉(類型) 開発の経験 ソフトウェアエンジニア 運用・保守の経験 サイバーセキュリティ 要件整理・調整の経験 ビジネスアーキテクト データ集計・分析の経験 データサイエンティスト

    図の作成:Remogu編集部。担当してきた仕事の書き方と共通の言葉の対応関係の例を整理したもので、統計データではありません

    工程の名前をそのまま書くのではなく、次の章で紹介する2つの標準と6つの類型に当てはめて言い換えると、経歴の説明に厚みが出てきます。

    2. 用意されている共通の言葉

    デジタルスキル標準は2つの標準で構成されている

    デジタルスキル標準は、DXリテラシー標準とDX推進スキル標準の2つの標準で構成されています1。経歴を棚卸しし、案件で自分の役割を説明する場面で使うのは、このうちのDX推進スキル標準です。

    DX推進スキル標準が定義する6つの類型

    DX推進スキル標準は、類型ごとにロール及び必要なスキルを定義しています2。類型は、ビジネスアーキテクト、デザイナー、データサイエンティスト、データマネジメント、ソフトウェアエンジニア、サイバーセキュリティの6つです。経歴の中でどの類型に近い仕事をしてきたかを考えると、これまで工程名だけで説明していた経験を、担った役割の言葉に置き換えられます。名称だけを見ると、自分の仕事とは縁遠いと感じる類型があるかもしれませんが、実際の業務は複数の類型が重なって成り立っている場面もあるので、名称の第一印象だけで対象外と決めてしまわないことが大切です。

    図2:2つの標準の役割の違いと、6つの類型
    DXリテラシー標準 DX推進スキル標準 ビジネスアーキテクト デザイナー データサイエンティスト データマネジメント ソフトウェアエンジニア サイバーセキュリティ

    出典:IPA「デジタルスキル標準 ver.2.0」(2026年4月)をもとに作成

    6つの類型の位置づけ

    6つの類型は、それぞれ異なる役割の広がりを表しています。1つの類型だけに当てはまるとは限らず、担当した仕事の内容によっては、複数の類型にまたがることもあります。次の表は、6つの類型の名称と、名称が示す関わり方の目安を整理したものです。経歴を書き出すときは、当てはまりそうな類型を1つに絞り込まず、複数を候補として残しておくと、案件で聞かれたときの説明の幅が広がります。

    類型経歴と結びつけて考える視点(本記事の整理)
    ビジネスアーキテクト事業の課題整理や、事業側とシステム側の橋渡しに関わった経験
    デザイナー利用者の体験や画面・サービスの見た目に関わった経験
    データサイエンティストデータの分析やモデル化に関わった経験
    データマネジメントデータの整備や管理の仕組みづくりに関わった経験
    ソフトウェアエンジニアシステムやソフトウェアの開発・実装に関わった経験
    サイバーセキュリティセキュリティ対策や脅威への対応に関わった経験

    表を眺めるときは、6つの類型を上から順に確認するのではなく、これまで担当してきた仕事を1つずつ思い出しながら、当てはまる欄に印を付けていく進め方が向いています。1つの仕事が複数の欄にまたがることもあるので、印が複数付く類型があってもそのままにしておいて構いません。

    共通の言葉に置き換えられれば、次に気になるのは、この標準が今もそのままなのかという点です。2026年4月には内容が更新されており、その変更点を押さえておくと、直近の経歴の説明にも活かせます。

    3. 2026年4月に変わったところ

    追加されたデータマネジメントと、拡充されたAI関連スキル

    2026年4月の改訂では、データマネジメントのロール及びスキルが追加され、AI実装・運用やAIガバナンスに関するスキルが拡充されました3。これまでデータの整備や管理は、データサイエンティストやソフトウェアエンジニアの担当領域として語られる場面がありました。データマネジメントが独立した類型として立ったことで、データ基盤の整備や運用に関わってきた経験を、独立した言葉で説明できるようになっています。

    AI実装・運用やAIガバナンスに関するスキルの拡充も、生成AIを組み込んだシステムに関わってきた経験を説明する言葉として使える部分です。これまで工程名の中に埋もれていた経験が、共通の言葉として取り出せるようになりました。プロンプトの調整や生成結果の検証、運用ルールの整備といった仕事は、以前は「開発の一部」としてまとめて書かれることが多かった領域ですが、この改訂によって独立した観点として説明しやすくなっています。

    ビジネスアーキテクトとデザイナーに関わる改訂

    ビジネスアーキテクトについては、ロールが見直され、ビジネス変革カテゴリーのスキルが拡充されました4。個々のプロジェクトの中だけでなく、事業全体を見渡す役割として位置づけが明確になった例といえます。デザイナーについては、組織変革において関係者の連携や共創をデザインのアプローチで促す、デザインマネジメント実践に関するスキルが追加されています5。手を動かして実装すること以外の関わり方も、評価される観点に加わったことを示す例です。デザイナーの活躍する領域も見直されています6。類型の中身は改訂ごとに更新されるため、以前確認した内容のままとは限らないと考えておくとよいでしょう。

    改訂前後で何が変わったか

    2026年4月の改訂は、単発の追加ではなく、複数の類型にわたる見直しでした。次の表は、改訂で加わった内容と、関係する類型を整理したものです。自分がこれまで担ってきた仕事が、どの改訂内容と結びつくかを確認すると、経歴に足せる言葉が増えていきます。特にデータやAIに関わる経験は、これまで独立した言葉がなかった領域なので、当てはまる仕事がないか振り返っておくと役立ちます。

    改訂の内容関係する類型
    データマネジメントのロール及びスキルを追加3データマネジメント
    AI実装・運用やAIガバナンスに関するスキルを拡充3各類型に関連
    ビジネス変革カテゴリーのスキルを拡充4ビジネスアーキテクト
    デザインマネジメント実践に関するスキルを追加5デザイナー
    デザイナーの活躍する領域を見直し6デザイナー
    図3:2026年4月の改訂で加わったもの
    データマネジメントのロール・スキルを追加 データマネジメント AI実装・運用とAIガバナンスのスキルを拡充 各類型に関連 ビジネス変革カテゴリーのスキルを拡充 ビジネスアーキテクト デザインマネジメント実践のスキルを追加 デザイナー デザイナーの活躍する領域を見直し デザイナー

    出典:IPA「デジタルスキル標準 ver.2.0」(2026年4月)をもとに作成

    改訂の内容は、名称や区分の追加だけではなく、これまで一つの類型の中に含めて説明されていた仕事を、別の言葉で説明できるようにした変化でもあります。今の経歴書に書いている内容を、この改訂内容と照らし合わせてみると、書き加えられる部分が見つかることがあります。

    改訂内容を確認したら、次に気になるのは、自分がその類型にどこまで当てはまるかという深さです。デジタルスキル標準では、知っているかどうかと、手を動かせるかどうかを分けて捉える視点も示されています。

    4. 「知っている」と「手を動かせる」を分けて書く

    WhatとHowを分ける観点

    DXリテラシー標準では、実際の業務で知識やスキルを利用できるレベル、つまり手を動かすことができるレベルまで求めるか否かという観点で、WhatとHowを区分しています7。経歴を書き出すときも、この2つを分けて記録すると、説明の精度が上がります。

    経歴書ではどう分けて書くか

    例えば「AIを実装した経験があります」と書くだけでは、実際に設計や実装まで手を動かしたのか、企画段階で関わっただけなのかが伝わりません。知っている範囲と、実際に手を動かした範囲を分けて書くと、担当した仕事の深さが具体的に伝わります。工程名だけの説明よりも、この2段の書き方のほうが、面談での質問に答えやすくなります。

    「セキュリティ対策の知識がある」と「実際に脆弱性への対応を担当した」は、どちらも経歴書に書ける内容ですが、伝わる情報の重さは異なります。知っている段階の経験は今後担当したい領域として書き、手を動かした段階の経験は担当した工程や関わった成果物を添えて書くと、読み手はどこまで任せられるかを判断しやすくなります。この書き分けは類型をまたいでも使えるので、6つの類型のうち複数に当てはまる場合も、それぞれの類型ごとに知っている範囲と手を動かした範囲を分けて書いておくと、経歴書全体の説明に一貫性が出ます。

    図4:WhatとHowの区分
    知っている(What) 知識として理解している範囲 手を動かせる(How) 実務で実際に手を動かした範囲

    出典:IPA「デジタルスキル標準 ver.2.0」(2026年4月)をもとに作成

    What(知っている)とHow(手を動かせる)の書き分け方

    経歴書やプロフィールでは、同じ業務でも「知っている」段階と「手を動かせる」段階で書き方を変えると、相手に伝わる情報量が変わります7。次の表は、この2つの段階を経歴の言葉にするときの視点を整理したものです。案件の面談で聞かれたときの答え方の準備にも使えます。

    段階経歴に書くときの視点
    知っている(What)知識として理解している範囲。関連する技術や手法の名称を把握している段階
    手を動かせる(How)実務で実際に手を動かした範囲。担当した工程や、自分が関わった成果物を添えて書く段階

    共通の言葉と、知っている・手を動かせるの区分がそろえば、経歴書や面談の場で自分の経験を説明する材料が整います。次は、リモートやフリーランス案件の場面で、この言葉をどう使うかを見ていきます。

    5. リモート・フリーランス案件でどう使うか

    経歴書・面談での使い方

    経歴書に工程名だけを並べる代わりに、担当してきた仕事を6つの類型に当てはめ、知っている範囲と手を動かした範囲を分けて添えると、面談で聞かれる前に必要な情報を渡せます。1つの類型に決め切る必要はなく、担当した仕事の幅に応じて複数の類型にまたがって書いても構いません。

    経歴書の書き出しを「開発を担当」から「ソフトウェアエンジニアの類型で実装を担当し、データマネジメントに関わる整備業務も手を動かして経験」のように置き換えると、担当範囲の広さが具体的に伝わります。面談では、この置き換えた言葉を起点に、クライアントと担当範囲を協議する材料としても使えます。

    薄いところの見つけ方

    6つの類型に自分の経歴を当てはめてみると、これまで意識してこなかった類型が見えてくることがあります。特にデータマネジメントやAI関連は2026年4月に拡充された領域なので3、これまでの仕事の中に当てはまるものが残っていないか振り返る価値があります。当てはまる経験が見つかれば、経歴に足す言葉が1つ増えます。

    リモートやフリーランスで案件を探す場面では、こうした共通の言葉で経歴を整理しておくと、クライアントとの面談でも役割の説明がしやすくなります。Remoguはリモートワーク案件に特化したエンジニアマッチングで、案件の90%以上がフルリモート可能です9。まず登録して、自分の経歴が当てはまる類型に近い案件があるかを確かめてみるのも一つの進め方です。

    6. まとめ

    経歴が「開発」「運用」で止まってしまうのは、共通の言葉が手元になかったからです。デジタルスキル標準には、DXリテラシー標準とDX推進スキル標準という2つの標準1と、ビジネスアーキテクト、デザイナー、データサイエンティスト、データマネジメント、ソフトウェアエンジニア、サイバーセキュリティの6つの類型2が用意されています。2026年4月の改訂では、データマネジメントの追加やAI関連スキルの拡充など、直近の仕事の変化に対応した見直しも行われました3

    経歴を書き出すときは、当てはまる類型を1つに絞らず、知っている範囲と手を動かした範囲を分けて記録すると、案件の面談で伝わる説明になります。共通の言葉に置き換える作業は、これまでの経験をなかったことにせず、相手に伝わる形に整える作業です。工程名を並べるだけの経歴書と比べて、どの類型でどこまで手を動かしたかが分かる経歴書のほうが、クライアントとの面談で担当範囲を協議しやすくなります。

    まずは、これまで担当した仕事を6つの類型に当てはめてみることから始めてみましょう。整理した経歴は、Remoguに登録して自分に合うリモート案件の条件を確かめるときにも役立ちます。

    7. よくある質問

    デジタルスキル標準は誰のためのものですか

    デジタルスキル標準は、DXを推進する人材に求められる知識やスキルを整理した共通の言葉です1。企業に所属する人材だけでなく、フリーランスとして案件に参画するエンジニアが、自分の経歴を説明するときの言葉としても使えます。

    6つの類型のどれにも当てはまらないと感じたときはどうしたらいいですか

    6つの類型は、それぞれ広い範囲の役割を含んでいます。1つの類型の名称だけを見て当てはまらないと判断する前に、担当した仕事を工程ごとに分けて、複数の類型に振り分けてみると、当てはまる部分が見つかることがあります。それでも当てはまる部分が少ない場合は、知っている範囲だけを書いておき、案件を通じて手を動かした範囲を後から増やしていく書き方もできます。

    類型は1つに決める必要がありますか

    決める必要はありません。担当した仕事の幅によっては、複数の類型にまたがることも珍しくありません。経歴書には、当てはまる類型を複数書いておき、案件ごとに強調する部分を変える書き方もできます。1つの類型に無理に絞り込むよりも、複数の類型をそのまま並べておくほうが、担当できる範囲の広さが伝わりやすくなります。

    どのくらいの頻度で見直されますか

    デジタルスキル標準は、利用者からのフィードバックを得ながら継続的な見直しを行っていく標準です8。具体的な周期は定められていませんが、2026年4月にも内容が更新されており、一度確認した後も定期的に見直す前提で使うとよさそうです。経歴書に類型を書き込んだあとも、改訂の情報を時々確認しておくと、名称や区分の変化に置いていかれずに済みます。

    リモートの案件でも同じ言葉は通じますか

    デジタルスキル標準はIPAが公開する共通の言葉なので、常駐かリモートかによって意味が変わるものではありません。Remoguのようにリモートワーク案件に特化したエンジニアマッチングでも、経歴書や面談でこの言葉を使えば、担当してきた役割を同じ基準で伝えられます。整理した経歴を、リモートワークに特化した環境で活かす、という進め方もできます9

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    経歴を「開発」「運用」で終わらせずに書けるようになると、案件を選ぶ側の視点も変わります。まずはリモート案件がどのような条件で並んでいるのかを見比べるところから確かめられます。

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    ※公開中の案件数は時期によって変わります。記事中の案件の傾向は執筆時点のものです。

    出典・参考情報

    *1 IPA「デジタルスキル標準 ver.2.0」第1部 デジタルスキル標準の構成(2026年4月)
    *2 IPA「デジタルスキル標準 ver.2.0」第1部 デジタルスキル標準の構成(2026年4月)
    *3 IPA「デジタルスキル標準 ver.2.0」改訂趣旨(2026年4月)(2026年4月)
    *4 IPA「デジタルスキル標準 ver.2.0」改訂趣旨(2026年4月)(2026年4月)
    *5 IPA「デジタルスキル標準 ver.2.0」改訂趣旨(2026年4月)(2026年4月)
    *6 IPA「デジタルスキル標準 ver.2.0」改訂趣旨(2026年4月)(2026年4月)
    *7 IPA「デジタルスキル標準 ver.2.0」第2部 スキル・学習項目概要(WhatとHowの違い)(2026年4月)
    *8 IPA「デジタルスキル標準 ver.2.0」第1部 デジタルスキル標準策定の背景・ねらい(2026年4月)
    *9 Remoguサイト公開情報(フルリモート可能案件の割合)