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    ITエンジニアがリモートワークで働くには?必要なスキルから転職先の探し方まで

    働き方が大きく変わる今、多くのITエンジニアがリモートワークという選択肢に注目しています。しかし、その一方で「本当に自分でもできるのだろうか」「求人はあるのか」といった不安の声を耳にするのも事実です。

    この記事では、そんな疑問や不安を解消し、理想の働き方を実現するための知識を詰め込みました。

    • ITエンジニアのリモートワーク市場の、偽りのない現実
    • リモートワークで働く本当のメリットと、乗り越えるべきデメリット
    • 活躍するために絶対に必要なスキル
    • 転職を成功させるための、具体的な行動の鉄則
    • AI時代を見据えた、これからのキャリア戦略

    理想の働き方を手に入れるための、新しい常識を覗いてみませんか?

    リモートワークのITエンジニア市場の現在地

    リモートワークと聞くと、まだ一部の人が行う特殊な働き方だと感じますか?実は、その認識はすでに過去のものとなりつつあります。

    国土交通省の最新調査によれば、ITエンジニアに限らず、全国で働く人の約4人に1人がテレワークを経験しているという結果が出ているのです。

    出典:令和6年度のテレワーク人口実態調査結果を公表|国土交通省

    社会全体でリモートワークが浸透する中、特にITエンジニアの世界では、場所を選ばずに働くスタイルが、ごく当たり前の選択肢の一つになりました。

    では、現在のITエンジニアの転職市場は、具体的にどうなっているのでしょうか。詳しく見ていきましょう。

    ITエンジニアのリモートワーク求人の転職市場

    リモートワーク可能な企業への転職を考える上で、「求人は本当に増えているのか」という点は、誰もが気になるところでしょう。結論から言うと、ITエンジニア向けのリモートワーク求人は、転職市場で確実に増加しています

    もはや、出社を前提としない働き方が、ITエンジニアの転職における当たり前の選択肢になりつつあるのです。ただし、求人票の「リモートワーク可」という言葉だけを鵜呑みにするのは早計かもしれません。例えば、入社後しばらくは出社が必須であったり、実際には出社する人が評価されやすい文化が残っていたりするケースも存在するからです。

    企業によってリモートワークへの本気度には差があるため、その実態を見極める目を持つことが、転職成功の第一歩と言えるでしょう。

    リモートワークしやすいITエンジニア職種

    すべてのITエンジニア職が、同じようにリモートワークへ移行しやすいわけではありません。一般的に、個人の裁量で作業を進めやすい職種ほど、リモートワークとの相性が良いとされています。

    職種名主な理由主な業務内容
    Webエンジニア成果物がコードで明確、開発環境がPC内で完結WebサイトやWebサービスの開発
    アプリケーションエンジニア個人の開発作業が中心、仕様書ベースでの実装スマートフォンやPC向けアプリの開発
    インフラエンジニア(クラウド)物理的な制約がほぼ無い、遠隔操作が基本クラウド上でのサーバー・ネットワーク構築・運用

    一方で、制御系エンジニアや、物理的な機器の設置が伴うネットワークエンジニアなどは、出社が必要な場面も依然として存在します。

    Webエンジニア(フロントエンド・バックエンド)

    Webエンジニアは、リモートワークと非常に親和性の高い職種の代表格です。

    フロントエンドはユーザーが直接目にする画面のデザインや操作性を、バックエンドはサーバー側のデータ処理やシステムの裏側の仕組みを担当します。どちらの領域も、必要な開発ソフトウェアさえ自身のパソコンに準備すれば、場所を問わずに仕事を進めることが可能です。

    作成したプログラムは、GitHubなどの仕組みを通じてチームメンバーと共有し、共同で作業を進めていきます。成果がコードという明確な形で示せるため、どこで働いていても仕事の貢献度が分かりやすく、評価しやすい点もリモートワークに向いている大きな理由でしょう。

    アプリケーションエンジニア

    スマートフォンアプリや、パソコンにインストールして使うソフトウェアを開発するアプリケーションエンジニアも、リモートワークを導入しやすい職種です。

    Webエンジニアと同じように、開発作業の多くがパソコン内で完結します。仕様書に基づいて、一人で集中してプログラミングを進める時間が業務の多くを占めるため、周りの雑音がない静かな自宅環境は、むしろ生産性を高めることにも繋がります。

    自分のペースで黙々と開発に打ち込める環境は、アプリケーションエンジニアの能力を最大限に引き出すかもしれません。

    インフラエンジニア(特にクラウド)

    かつてのインフラエンジニアは、データセンターに出向き、物理的なサーバーやネットワーク機器を直接操作する業務が多くありました。しかし、AWSやAzureといったクラウドサービスが主流となった現代では、働き方が大きく変わっています。

    サーバーの構築、ネットワークの設定、システムの監視といったほとんどの業務が、インターネット経由で、パソコンの画面上から遠隔で操作できるようになったのです。

    そのため、物理的な場所に縛られることがほとんどありません。クラウド技術を扱うインフラエンジニアは、物理的な制約から解放された、最もリモートワークと親和性が高い職種の一つだと言えます。

    ITエンジニアがリモートワークで働く7つのメリット

    リモートワークで得られる恩恵は、単に「家で仕事ができる」というだけではありません。ITエンジニアの人生をより豊かにする、以下のような多くのメリットが存在します。

    • 通勤が不要で時間と体力を節約できる
    • 自分に合った働く環境を整えやすい
    • 遠方でも好きな場所で仕事ができる
    • 家庭やプライベートとの両立がしやすい
    • オンライン会議やチャットで効率的に情報共有できる
    • 集中しやすく生産性が向上する場合がある
    • 幅広い求人やプロジェクトに応募しやすい

    それぞれ詳しく見ていきましょう。

    【メリット1】通勤が不要で時間と体力を節約できる

    満員電車に揺られ、会社に着く頃にはもう疲れている。そんな毎日から解放されるのは、多くのリモートワーカーが実感する最大のメリットです。

    テレリモ総研の調査では、テレワークのメリットとして「通勤ストレスがなくなった」と回答した人が68.9%で第1位でした。

    出典:【2024年度版】テレワークのメリット・デメリットとは? | テレリモ総研

    往復2時間の通勤がゼロになるだけで、1ヶ月あたり約40時間もの自由な時間が生まれます。この時間を新しい技術の学習や副業に再投資できる、いわば「時間の複利」こそが、リモートワークの計り知れない魅力でしょう。

    単なる時間の節約ではなく、数年後の市場価値を大きく引き上げるための自己投資に繋がるのです。

    【メリット2】自分に合った働く環境を整えやすい

    エンジニアにとって、開発環境は仕事の質を左右する重要な要素です。リモートワークなら、オフィスでは難しかった自分だけの理想の仕事場を、心ゆくまで追求できます。

    こだわりのキーボードやマウス、作業効率が上がる大型モニター、長時間座っても疲れない高機能な椅子。自分にとって最高のパフォーマンスを発揮できる環境を、自由に構築できるのです。周りの話し声や雑音に邪魔されず、静かな環境で集中したい方にとっても、これ以上ない働き方と言えます。

    【メリット3】遠方でも好きな場所で仕事ができる

    「地元に戻って働きたいけど、やりたい仕事がない」
    「いつかは自然豊かな場所で暮らしたい」

    そんな風に考えていた方にとって、リモートワークは夢を叶える強力な選択肢となります。

    ITエンジニアとしてのキャリアを維持したまま、UターンやIターンを実現できるのです。生まれ故郷や憧れの土地で、最先端の仕事を続けるという、かつては考えられなかったライフスタイルが、今や現実のものとなっています。

    働く場所の制約から解放されることで、人生の可能性は大きく広がります。

    【メリット4】家庭やプライベートとの両立がしやすい

    リモートワークは、子育てや家族の介護といったライフステージの変化にも、柔軟に対応しやすい働き方です。例えば、子供の送り迎えの合間に仕事をしたり、急な体調不良の際も自宅で様子を見ながら業務を進めたりできます。

    通勤時間がなくなる分、家族と過ごす時間が増えるのも嬉しいポイントでしょう。家族との時間を大切にしながら、キャリアを諦めない働き方は、多くの人にとって理想的なバランスではないでしょうか。

    【メリット5】オンライン会議やチャットで効率的に情報共有できる

    オフィスでの「ちょっとした打ち合わせ」が、気づけば長引いていた、という経験はありませんか。リモートワークでは、オンライン会議やチャットツールを通じたコミュニケーションが中心となります。

    要点をまとめたテキストでのやり取りは、無駄な時間を削減し、議論の履歴が自動的に残るというメリットもあります。必要な情報を、必要なタイミングで効率よく共有できるため、業務がスムーズに進みやすくなるのです。

    【メリット6】集中しやすく生産性が向上する場合がある

    オフィス環境では、同僚からの声かけや電話対応など、意図しない割り込みで集中が途切れてしまうことがよくあります。リモートワークでは、そうした外部からの妨害が少ないため、一つのタスクに深く没頭しやすくなります。

    特にエンジニアにとっては、複雑なコードを書いたり、難解な問題を解決したりする際に、深い集中状態(ディープワーク)に入ることが欠かせません。誰にも邪魔されない環境で、自分のペースで思考を深められる時間は、生産性を大きく向上させる要因となります。

    【メリット7】幅広い求人やプロジェクトに応募しやすい

    これまでは、自分の住んでいる地域や、通勤可能な範囲内でしか仕事を探せませんでした。しかし、リモートワークが普及したことで、その地理的な制約は完全になくなりました。

    スキルさえあれば、日本全国の優良企業の求人が選択肢に入ります。地方に住みながら、東京のスタートアップ企業が募集する高待遇な求人に応募することも可能です。

    キャリアアップを目指すITエンジニアにとって、これほど魅力的な環境はないでしょう。

    ITエンジニアがリモートワークで働く5つのデメリット

    リモートワークは魅力的な働き方ですが、もちろん以下のようなデメリットも存在します。

    • 孤独感やコミュニケーション不足になりやすい
    • 対面での情報共有や雑談が減る
    • 自己管理やモチベーション維持が難しい場合がある
    • 業務進捗や成果が見えづらく評価されにくい場合がある
    • 職場の設備やサポートが受けづらい

    それぞれ詳しく見ていきましょう

    【デメリット1】孤独感やコミュニケーション不足になりやすい

    オフィスにいれば、周りに同僚や上司がいて、自然と会話が生まれます。しかしリモートワークでは、その「何気ないやり取り」が減ることで、コミュニケーションに課題を感じる人が少なくありません。

    テレリモ総研の調査では、リモートワークの課題として「気軽に相談できない」が約37%で最も多く、次いで「ニュアンスが伝わらない」が挙げられています。

    出典:旧来の常識は非常識?!出社勤務では気付けなかった「リモートワークでのコミュニケーションの課題」ランキング | テレリモ総研

    これは、隣の席の同僚に「ちょっといいですか?」と声をかけるような、気軽な相談のハードルが高くなることを示しています。

    テキストだけのやり取りでは相手の状況が分からず、質問をためらってしまう。そうした小さな積み重ねが、結果として孤独感やチームの一員であるという感覚の希薄化に繋がるのです。

    【デメリット2】対面での情報共有や雑談が減る

    「廊下ですれ違った時に、隣の部署の新しいプロジェクトの話を聞いた」
    「休憩室での雑談から、仕事のヒントを得た」

    オフィスでは、こうした偶発的な出会いから貴重な情報が得られることがよくあります。リモートワークでは、このような意図しない情報共有や雑談の機会がほとんどありません。

    その結果、他部署の動きや会社の全体像が見えにくくなり、視野が狭まってしまう恐れがあります。新しいアイデアの種が生まれにくくなる点も、見過ごせないデメリットです。

    【デメリット3】自己管理やモチベーション維持が難しい場合がある

    リモートワークは自由な働き方である一方、その自由を使いこなすには強い自己管理能力が求められます。周りに人の目がないため、つい他のことに気を取られたり、仕事の開始が遅れたりすることもあるかもしれません。

    また、一人で黙々と作業を続ける中で、仕事への情熱やモチベーションを保つのが難しくなることもあります。自分を律する強い意志がなければ、かえって生産性が落ちてしまう危険性も潜んでいます。

    【デメリット4】業務進捗や成果が見えづらく評価されにくい場合がある

    オフィスで遅くまで残業して頑張っている姿は、上司や同僚の評価に繋がることがあります。しかしリモートワークでは、仕事のプロセスが見えません。評価は、基本的に提出された成果物のみで行われます。

    そのため、「これだけ頑張ったのに、正当に評価されていないのでは」という不安を感じることがあります。自分の貢献度を、意識的に言語化してアピールする必要がある点は、リモートワークで成果を認めてもらうために重要なポイントです。

    【デメリット5】職場の設備やサポートが受けづらい

    会社の高性能なPCやプリンター、快適なネットワーク環境といった設備は、当たり前のようでいて、実は恵まれたものです。自宅の環境では、同等の設備を整えるのが難しい場合もあるでしょう。

    また、PCの調子が悪くなった時に、気軽に情報システム部門に相談することもできません。オフィスならすぐに解決できたはずの問題に、自分で調べて対処しなければならない場面が増えることも、リモートワークの現実的な課題と言えます。

    リモートワークで活躍するITエンジニアに必須のスキル7選

    前節で挙げたデメリットは、決して乗り越えられない壁ではありません。これから紹介するスキルを身につけることで、リモートワークの課題を克服し、むしろチャンスに変えることができます。

    一人で業務を遂行できる技術力

    リモートワークでは、プログラミングスキルやITの基礎知識が土台となります。その上で、与えられたタスクを着実に進め、問題が発生した場合でも、ある程度のことは自力で対処できる技術的な底力が求められます。

    もちろん一人で全てを抱える必要はありませんが、基本的な問題で頻繁に業務が止まってしまうと、チーム全体の生産性に影響を与えかねません。プロジェクトによっては、要件定義や設計といった上流工程の経験や、クラウド技術の知識があると、挑戦できるリモートワークの求人案件の幅がぐっと広がります。

    コミュニケーションスキル

    リモートワークの成否は、コミュニケーションで決まると言っても過言ではありません。SlackやTeams、Zoomといったチャットやビデオ会議ツールをスムーズに使いこなす能力は、もはや必須のスキルです。

    オフィス勤務と違い、対面でのやり取りが減る分、自分の考えや業務の進捗状況を、文章で分かりやすく簡潔に伝える能力が極めて重要になります。報告を待つのではなく、自ら積極的に情報を共有していく姿勢が、チームからの信頼に繋がるでしょう。

    自己管理・スケジュール管理能力

    自由な環境で高い成果を出すには、自分を律する強い意志が必要です。仕事とプライベートの時間をきちんと切り替え、納期から逆算してタスクを計画的に進めるなど、自分自身で仕事のペースをしっかり管理できる能力が欠かせません。

    周りに誰もいない環境で、集中力を維持し、高い生産性を保つための自己規律やモチベーションを維持する工夫も、リモートワーカーとしての価値を大きく左右するポイントです。

    【自己管理・スケジュール管理能力を伸ばすコツ】

    • 1日の始まりに「ToDoリスト」を作成して優先順位を明確にする
    • 納期から逆算してタスクを細かくスケジュールに落とし込む
    • タイムトラッキングツールを活用して自分の作業時間を可視化する
    • 集中力が続く時間帯を把握して、重要な作業はその時間に取り組む
    • こまめな休憩を取り入れて、集中力を持続させる
    • 業務スペースを整理整頓し、仕事とプライベートの境界を明確にする
    • 定期的に自分の進捗や働き方を振り返る時間を設け、改善点を見つける

    オンラインセキュリティの知識

    自宅やコワーキングスペースで仕事をする場合、その場所は会社のオフィスと同じレベルのセキュリティが求められます。VPNや暗号化、多要素認証といった技術を正しく理解し、安全なパスワード管理を徹底するなど、高いセキュリティリテラシーは必須です。

    自分が扱う情報や機器の安全に、当事者として責任を持つという意識を持ち、常にセキュリティ知識を新しくしていく姿勢が肝心になります。

    分類具体的な対策(何をすべきか)目的
    パスワード管理複雑で使い回さないパスワードを設定する不正ログインの防止
    ソフトウェア管理OSやアプリを常に最新の状態に保つ脆弱性を悪用した攻撃の防止
    ネットワーク接続公共Wi-Fiの利用を避け、VPNを活用する通信内容の盗聴防止
    情報の取り扱い離席時は必ず画面をロックする第三者による不正操作・情報漏洩の防止
    メール・メッセージ不審なメールの添付ファイルやURLを開かないウイルス感染やフィッシング詐欺の防止

    問題解決能力

    オフィスにいれば隣の席の同僚に気軽に聞けたことも、リモートワークではそうはいきません。そのため、トラブルや疑問点が生じた際に、粘り強く情報を調べて自己解決に導く能力が、以前にも増して重要視されます。

    もちろん、最終的にはチームに相談することも大切ですが、まずは自分で解決を試みる姿勢が、エンジニアとしての成長と信頼に繋がります。

    情報通信機器・ツールの活用力

    快適なリモートワーク環境は、自分で作り出すものです。基本的なパソコンやネットワークの知識はもちろんのこと、チームで使うコミュニケーションツールや業務管理ツールを、説明書がなくても自分で設定し、使いこなせるスキルが望まれます。

    ツールのポテンシャルを最大限に引き出すことで、業務は格段に効率化され、チームへの貢献度も高まります。

    柔軟性と適応力

    リモートワークの環境は常に変化しています。チームの方針転換や、新しいアプリケーションの導入など、予期せぬ変化は日常茶飯事です。そのため、与えられた状況や突然の変化に、戸惑うことなく柔軟に対応していく力が非常に重要です。

    コミュニケーションスタイルや業務プロセスの変化

    プロジェクトのメンバーが変われば、仕事の進め方やチーム内のルールも変わるものです。

    「前のやり方はこうだった」と固執せずに、新しいチームの文化を素早く理解し、自分を合わせていく協調性が、円滑な業務遂行のために肝心です。

    新しいツールやサービスの導入対応

    業務効率化のため、チームで利用するツールは頻繁に変わることがあります。

    その変化を面倒だと考えるのではなく、新しい技術を学ぶ良い機会だと前向きに捉え、積極的に試していく好奇心が、エンジニアとしての成長に繋がります。

    予期せぬトラブルや環境変化への迅速な対応

    自宅のインターネット回線が不調になるなど、リモートワーク特有のトラブルは起こり得ます。

    そうした予期せぬ事態に、冷静に状況を報告し、自ら代替案を考えて行動できる能力が、リモート環境での信頼を大きく左右するのです。

    ITエンジニアがリモートワーク転職を成功させる5つの鉄則

    リモートワークという働き方を手に入れるためには、転職活動にも少し違った戦略が必要です。ここでは、成功を掴むための5つの鉄則をご紹介します。

    【鉄則1】スキルセットを「見える化」してアピールする

    リモートワークの選考ではスキルや経験を、いかに分かりやすく伝えるかが勝負になります。

    GitHubにソースコードを公開したり、ポートフォリオサイトに制作実績をまとめたりと、自分の能力を「見える形」にしておくことが欠かせません。特に、誰が見ても一目で技術力や実績が伝わる形にまとめておくと、採用担当者に与える印象が格段に良くなるでしょう。

    「オンラインツールを利用したチーム開発経験」など、リモート環境で力を発揮できるスキルは、具体的に記載することをお勧めします。

    例えば、職務経歴書やポートフォリオには、以下のように記載すると効果的です。

    ▼ 技術スキル
    ■言語・フレームワーク
    Ruby (Ruby on Rails), JavaScript (React), HTML/CSS, SQL
    ■インフラ・DB
    AWS (EC2, S3, RDS), Docker, MySQL, PostgreSQL

    ▼ アウトプット
    ポートフォリオサイト 例:https://example.com
    GitHubアカウント 例:https://github.com/example-user

    ▼ リモートワーク関連経験
    ■コミュニケーション
    ・利用ツール: Slack, Zoom, Discord
    ・実践内容: テキストでの非同期連絡、週3回のオンライン定例
    ■プロジェクト管理
    ・利用ツール: Jira, Trello
    ・実践内容: カンバン方式でのタスク管理、スプリント計画

    ■開発プロセス
    ・フルリモート環境でのアジャイル開発経験(1年)。オンラインでの振り返りに参加し、チームの生産性向上に貢献しました。

    【鉄則2】即戦力となる実務経験を具体的に示す

    多くの企業は、リモートワークで働くITエンジニアに、自律的に業務を進められる「即戦力」としての活躍を期待しています。これまでの実務経験、特に1年から3年程度の経験は、大きなアピールポイントになります。

    担当したプロジェクトで、どのような役割を果たし、どんな成果に貢献したのかを数字を交えて説明できると、あなたの価値がより明確に伝わります。関連する資格や、専門分野での実績も、あなたの市場価値を高める強力な武器になるでしょう。

    以下に実務経験をより魅力的に伝えるための、簡単なコツを紹介します。

    • STARメソッド「状況(Situation)・課題(Task)・行動(Action)・結果(Result)」で経験を整理する
    • 具体的な数字を用いて成果を示す
    • 失敗から学んだ経験も話せるようにする
    • 経験と応募企業の事業内容を結びつける
    • 専門的な内容を分かりやすく説明する

    【鉄則3】コミュニケーションと自己管理能力を証明する

    リモートワークでは、技術力と同じくらい、円滑なコミュニケーション能力や自己管理能力が問われます。

    日頃から報告・連絡・相談を積極的に行う姿勢はもちろんのこと、面接の場では、その能力を具体的にアピールする必要があります。

    例えば、タスク管理の方法や、時間を有効に使うための工夫といった自己管理の取り組みを、自分の言葉で語れるように準備しておきましょう。

    リモート環境でも、チームと円滑に連携できるという安心感を、採用担当者に与えることが肝心です。

    【鉄則4】高いセキュリティ意識をアピールする

    在宅で会社の重要な情報を取り扱うリモートワークでは、従業員一人ひとりの高いセキュリティ意識が、企業の事業継続を支える生命線となります。

    しかし、 IPA「2024年度 中小企業における情報セキュリティ対策実態調査」の調査によると、多くの中小企業では情報セキュリティ教育が十分に行われておらず、対策への年間投資がゼロという企業も少なくないのが実情です。

    出典:2024年度 中小企業における情報セキュリティ対策に関する実態調査-報告書-

    この状況は、裏を返せば、セキュリティに精通したITエンジニアにとって大きなチャンスを意味します。企業側の対策が追いついていない分、VPNの構築経験や多要素認証の導入、業務用端末の管理といった具体的なセキュリティ対策の経験を語れる人材は、極めて希少価値が高いのです。

    情報セキュリティに関する資格や実務経験をアピールすることは、他の候補者との明確な差別化となり、あなたの市場価値を大幅に高めることに繋がるでしょう。

    【鉄則5】リモートワーク専門の転職エージェントを賢く利用する

    ITエンジニア向けの転職サービスは数多く存在しますが、リモートワークでの転職を本気で考えるなら、専門のエージェントを利用するのが近道です。

    リモートワーク専門のエージェントは、一般的な求人サイトには掲載されていない、優良な非公開求人を多数保有している場合があります。企業の文化や、リモートワークへの本気度といった、求人票だけでは分からない「本音」の部分にも精通しています。

    自分一人で探すよりも効率的に、かつミスマッチの少ない転職を実現するために、エージェントの力を借りるのは賢い選択と言えるでしょう。

    専門のエージェントを利用するメリットは以下の通りです。

    • 一般には出回らない非公開求人を紹介してもらえる
    • 企業のリアルなリモートワーク文化や内部情報を知れる
    • リモート選考に特化した書類添削や面接対策を受けられる
    • 自分では交渉しにくい給与や条件の交渉を代行してくれる
    • 希望に合う求人だけを紹介され、情報収集の手間が省ける

    リモートワークに関するよくある疑問 Q&A

    リモートワークでの働き方を考えるITエンジニアの皆さんが、共通して抱く疑問をまとめました。

    【Q1】IT業界が未経験でも、リモートワークで働くことはできますか?

    A. 未経験からすぐにフルリモートで働くのは、少し難しい道のりかもしれません。会社での丁寧な指導や、周りの先輩との円滑な意思疎通が、リモート環境では難しくなるためです。

    まずは出社を基本とする会社で実務経験を積み、ITエンジニアとしての土台を固めるのが着実な一歩です。その上で、自分の技術力を証明できるポートフォリオをしっかりと作り込むことが、何よりも強い武器になります。

    焦らずにスキルを身につけ、段階を踏んでリモートワークの求人へ挑戦する方法をお勧めします。

    【Q2】地方在住だと、給与は下がってしまうのでしょうか?

    A. 給与が下がるかどうかは、企業の考え方次第です。確かに、都市部と地方で給与水準を変えている会社も存在します。

    しかし最近では、優秀な人材を確保するために、居住地に関わらず、本人のスキルに基づいて給与を決める企業がかなり増えてきました。地方にいながら、都市部と同じ高い給与水準で働くことも十分に可能な時代になっています。

    求人を探す際には、給与体系が全国一律か、スキル評価を基本としているかを、一つの判断基準にすると良いでしょう。

    【Q3】リモートワークで特に求められるスキルは何ですか?

    A. 技術力はもちろんですが、同じくらい「自律性」が問われます。周りに誰もいない環境で、自分で仕事の計画を立て、納期に向けて着実にタスクを進める自己管理能力は欠かせません。

    また、文章でのコミュニケーションが中心になるため、自分の考えや進捗を、チャットなどで的確に伝える言語化能力も極めて肝心です。受け身の姿勢ではなく、自ら仕事を見つけ、積極的に報告・連絡・相談ができる主体性が、リモートワークでの活躍に直結します。

    【Q4】自宅で仕事をする際のセキュリティは、どう考えれば良いですか?

    A. 自宅の仕事環境は、会社のオフィスと同じレベルの安全性が求められます。会社からPCや通信回線に関する決まりが示されているのであれば、まずはその内容をきちんと守ることが基本になります。

    その上で、二段階認証の設定、推測されにくいパスワードの管理といった、基本的な知識はITエンジニアとして身につけておくべきでしょう。「自分の業務環境の安全は自分で守る」という当事者意識を持つことが、プロフェッショナルとしての責任になります。

    【Q5】リモートワークの求人は、どうやって探せば良いのでしょうか?

    A. リモートワークの求人を探す方法は、いくつかあります。企業の採用ページを直接見たり、求人検索サイトで探したりするのが一般的な手段でしょう。

    しかし、膨大な情報の中から、本当に自分のスキルに合い、かつリモートワークの環境が整った優良企業を見つけ出すのは、骨の折れる作業かもしれません。

    そこで、賢い選択肢の一つとして、リモートワークの転職に詳しい専門のエージェントサービスを利用する方法をお勧めします。転職の専門家は、一般には公開されていない優良な非公開求人を紹介してくれる場合があります。

    企業の内部事情にも詳しいため、自分一人では気づけなかったキャリアの可能性を提案してくれるなど、手厚い支援を受けられる点も大きな魅力です。

    まとめ

    リモートワークはITエンジニアにとって、働き方だけでなく生き方そのものを豊かにする大きな可能性を秘めています。

    メリットを最大限に活かし、デメリットを知識とスキルで乗り越える。そして、自身の市場価値を客観的に把握し、戦略的に転職活動を進める。その新しい常識を身につけることが、理想のキャリアを手に入れるための道筋です。

    この記事を読んで、リモートワークへの挑戦意欲が湧いてきた方も多いのではないでしょうか。もし、一歩踏み出してみたい、自分に合うリモートワーク求人を探してみたいと感じたら、ぜひ私たちリモートワーク専門の転職エージェント「リラシク」にご相談ください。

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