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    インタビュー・コラム「未来の選択」 苧坂 香生里さん~20年前に抱いたリモートワークの夢を実現 

    テレワーク・リモートワークに特化した人材サービス「Remogu(リモグ)」は、利用される方が「場所に依存しない働き方」をすることで、趣味の充実や地方への移住など、夢の実現に近づく魅力的な生活を実現できるようご支援しています。 

    <Remoguインタビュー・コラム「未来の選択」>では、「リモートワーク」という働き方を選択することで、「じぶんらしく」働く人をご紹介します。


    <Remogu「未来の選択」>今回は、函館にお住まいの苧坂香生里(うさか かおり)さん。Remoguを通してフルリモート・時短の働き方を実現した上で、現在は業務委託から正社員へと登用されています。Webデザイナーであり、パン屋であり、3児の母親でもある苧坂さんが選んだ自分にとって一番良い働き方とは、どのようなものだったのでしょうか。 

    東京で子育てはできない!残った選択肢が函館への移住だった 

    苧坂さんは、兵庫県のご出身。志賀直哉の著作『城の崎にて』でも有名な温泉地、城崎の近くにお住まいでしたが、「とにかく田舎すぎて嫌!」と昔から感じていたそう。都会に憧れて、学生時代は大阪、京都、東京を転々と移住してきました。 

    京都時代に現在の旦那様となる方と出会い、ともに上京。4~5年間の交際を経て入籍した際、Webデザインのスクールに通い始めたのが、苧坂さんのキャリアのスタートです。 

    「もともとはデザインの専門学校で絵画を学んでいました。ただ、自分の内面をアウトプットするよりも、誰かの要望を叶えるほうが好きだったので、独学でデザインを勉強。それだけでは就職が難しいため、改めてWebデザインスクールに通ったという経緯があります。」 

    折しも時代は、Web2.0が隆盛し始めた頃。学校で本格的にWebデザインを学び、就職先を見つけました。しかし、妊娠したのをきっかけに、旦那様の実家がある函館へと移住することに決めたといいます。 

    「東京はとにかく人が多く、街も大きすぎて、自分たちには合わないと常々思っていました。細い道に車が平気で走っている光景を見ていると、子育てするイメージも湧かなくて……。それに、夫は独立してパン屋を営む予定だったのですが、東京だと賃料がかなり高くなってしまいます。」 

    旦那様のご両親は陶芸家。昔使っていたギャラリー兼店舗を使わせてもらえる運びになり、パン屋の開業資金を節約できたのが、移住の大きな要素だったそうです。

    函館で始まった、パン屋とWebデザイナー二足の草鞋を履く生活 

    薪窯にこだわった、天然酵母のパン屋を函館に開業した苧坂さんご夫妻。苧坂さんは、オープン準備が整ったのとほぼ同時に1人目のお子様を出産されました。以後は赤ん坊を背負いながら店舗に出て、旦那様と一緒に店舗運営を支えたそうです。「この時期は本当にバタバタでした。」と苧坂さんは懐かしそうに語ります。 

    その3年後、2人目のお子様を出産。この頃から苧坂さんの中には、「何か自分にしかできないことをしたい。」という思いが生まれ始めたのだとか。 

    そこで苧坂さんがスタートしたのが、もともと手掛けていたWebデザインのお仕事です。会社に就職して出勤をするのは、店舗や子供を見ながらでは難しい状況だったため、個人事業主として開業しました。 

    「店舗に立って、ホームページ制作のご相談を直接受けるようになりました。当時は無料のノーコードツールもありませんでしたし、ニーズがあったんですよね。店舗運営の合間を見て、お客様と打ち合わせをしていました。」 

    子育てと自分のやりたい仕事を両立できるようになってきた苧坂さん。当初は半ば「仕方なく」で移住した函館という土地も、住み続けるほどに住んでいる人も自然環境にも恵まれている、「素敵な土地だ」と思えるようになってきたのだと言います。生活は全て、順風満帆の様子でした。 

    天然酵母のパンを切っていただいた
    パンを焼くためのたくさんの薪
    パンを焼くためのたくさんの薪

    20年前から抱いていた、「在宅でリモートワークをする」という発想 

    そんな苧坂さんたちの生活を一変させたのは、コロナ禍でした。パン屋から客足は途絶え、店舗に訪れる人とのつながりで得ていたWebデザインの仕事も、一気に立ち消えてしまいます。 

    「パン屋はオンラインショップも運営していたので、何とか続けることができました。コロナ禍が始まってすぐのタイミングで送料無料キャンペーンを実施してみたところ、SNSを中心に大きな反響があって、本当にありがたかったですね。今ではオンラインの注文も安定しつつあります。」 

    夫婦で協力しながら店舗運営を立て直す中、苧坂さんは新たな決意をします。それが、店舗のサポートをしながら子育てを行い、「フルリモートかつ時短勤務で会社勤めをする」という選択でした。 

    「昔からずっと『将来は在宅でリモートワークをしたい』と思っていたので、コロナ禍はむしろ良い転機だったと捉えています。コロナ禍以前は、フルリモートという働き方はなかなか実現できない状況でしたから。」 

    苧坂さんがフルリモートでの働き方を望むようになったきっかけは、遡ること今からなんと20年前。ご主人様と知り合うきっかけになった、カフェでのバイトが原体験だそうです。京都の古民家カフェで、苧坂さんはほとんどオーナーのような立場を任され、自由に店舗運営をしていたのだとか。 

    「自分の裁量で、自由にお店を経営するのがすごく楽しくて。でも、お店はお客さんが来てくれるか毎日不安を抱えることになりますよね。だったら店番をしている間は、パソコンを使って何か別の仕事ができたらいいんじゃないかと……。」 

    そんな発想で、「将来は在宅でリモートワークをする」という思いをずっと持っていたのです。まだガラケーが隆盛し始めたばかりで、ビデオ通話で仕事をするなんて誰も考えていなかった時代のことでした。

    苧坂さんのリモートワークスペース
    苧坂さんのリモートワークスペース

    Remogu経由で業務委託からスタートし、4ヶ月で社員に登用 

    一念発起した苧坂さんは、Remoguに登録。無事、希望通りの条件でシステム会社に業務委託でジョインできました。パン屋の休業日である月曜日〜水曜日は8時間のフル出勤、木曜日は7時間、金曜日が午後のみの稼働というフレックススタイルで働かれています。 

    最初はなかなかベストな稼働時間がわからなかったものの、毎月企業側と相談して働く時間帯を変更してもらいながら、上手くバランスの取れる方法を模索していったそうです。 

    働き始めて4ヶ月。契約更新のタイミングで企業側からのオファーがあり、正社員への登用が決まりました。 

    「もともと社員登用していただけたらうれしいな、という希望はありました。コロナ禍が長引くほど、個人事業主に対する補助は段々と手薄になっていきましたし、妊娠・出産を経て、産休や育休手当がない不安も体験していたからです。今後はインボイス制度が始まりますし、やはり個人事業主が生き残っていくのは大変な時代だなと感じていました。」 

    とはいえ、社員になるとフルタイム出勤が原則になるため、自分の環境では現実的に社員になるのは難しい……。そんなジレンマがある中、今回まずは業務委託から仕事をスタートして、正社員でありながらフルリモートかつ時短勤務が実現できる環境を手に入れたのでした。 

    地方企業にとって「フルリモート」はまだまだハードルが高い 

    実際のところ、函館にフルリモートで時短勤務ができる企業はほかにあったのかどうか、苧坂さんに求職中のエピソードもお伺いしてみましたが、答えはノー。「フルリモート」を謳いつつも、週に1回は出社が必須の企業がほとんどだったそうです。 

    「Slackだけでやり取りをして仕事をするのは、地方の企業にとってまだまだ障壁が高いようです。周囲にも、フルリモートで働かれている方はほとんどいませんでした。実は今勤めている企業も、フルリモートかつ時短で働いているのは私一人なんです。私のために規約や契約書を作ってくれました。」 

    ハードルの高い条件だったからこそ、エージェントや転職サービスにはさまざま登録されていたという苧坂さん。それでもやはり担当者に条件を伝えると、「難しいです」と即答されるケースがほとんどだったそうです。 

    「そんな状況でしたから、Remoguさんの対応には驚きました。本当に親身になって相談に乗ってくださって、面白い企業をいろいろと紹介してくれました。別のエージェントから同じ企業を紹介されるケースもあったのですが、仲介の仕方次第で企業側から受ける感触が全く違ったのも、ある意味発見でしたよ。」 


    自分らしい働き方のビジョンを持って、諦めないことが大事 

    自分が置かれた状況に対して常に冷静な眼差しを向けながら、望む働き方を模索し続けてきた苧坂さん。同じような働き方をしたい方に向けたメッセージもいただきました。 

    「とにかく諦めないことが一番大事です。私もときには、心が折れてしまいそうになる場面が何度もありました。でも、『こんな風に働きたい』という自分のビジョンさえしっかり固めて諦めずに探し続ければ、きっと良い会社に出会えるはずです。」 

    特にコロナ禍という大きな外部要因に振り回されて、挫折を経験した方は多いはず。しかし、そんな中でもとにかく「行動あるのみ」。自ら積極的に動いて最適な道を選び取ることが重要なのだと、苧坂さんは教えてくれた気がします。 

    そんな苧坂さんに、今後やってみたいことや目標についてお伺いしてみました。 

    「プライベートの時間を充実させたいです。実は以前、庭で小さな畑を耕していたんですよ。今年は新しい仕事に手一杯でなかなか手を付けられませんでしたが、社員になったことでこれからは有給休暇も取得できます。自分のやりたい趣味も少しずつ再開できるように、ワークライフバランスを作っていきたいです。」 


    苧坂 香生里さんと営業担当の小暮 光咲
    苧坂 香生里さんと営業担当の小暮 光咲

    今後もRemoguは、苧坂さんの<未来の選択>がより豊かになるよう、サービスの質を高め、仕事探しのパートナーとして寄り添い続けてまいります。 

    【苧坂さんのパン屋さんのご紹介】



    天然酵母パン tombolo 元町店 

    〒040-0054  

    北海道函館市元町30-6 

    定休日: 月・火・水 
    営業時間:11:00~17:00 
    tel: 0138-27-7780 







    tombolo horai 宝来町店 

    〒040-0043 

    北海道函館市宝来町12-13 

    定休日:月・火・水 
    営業時間:11:00~16:00 
    mail: info@tombolo.jpn.org