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    引っ越したら税務署に届出は要る?フリーランスエンジニアの納税地と住民税の注意点

    監修・編集責任者:牛尾 昭昌(株式会社LASSIC 執行役員)

    「フリーランスの引っ越し手続き」を示す図です。引っ越し/納税地/申出書/振替納税/住民税を並べています。強調しているのは引っ越しです。

    📘 この記事でわかること

    • 確定申告書は引っ越したあとも提出時の納税地を所轄する税務署に出すことと、納税地が変わったときの申告書への書き方
    • 年の途中で書類の送り先を変えたいときに出せる申出書のことと、事務所を納税地にするときとの扱いの違い
    • 振替納税は税務署が変わっても手続きなしで続く仕組みと、住民税をどちらの市区町村に納めるかの決まり方

    案件が一段落したところで、隣の県へ引っ越しました。自宅を仕事の拠点にしているため、税務署に何か届け出る必要があるのか、住民税はどちらの市区町村に納めるのか、気になりました。納税地が変わっても、確定申告書に新しい納税地を書けば変わります。

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    1. 確定申告書は、提出するときの納税地の税務署に出します

    提出先は、提出する時点の納税地を所轄する税務署です

    所得税の確定申告書は、提出するときの納税地を所轄する税務署長に提出します1。

    「提出するとき」は、確定申告書を税務署に出す時点を指します。

    次に、納税地そのものがどう決まるのかを見ていきます。

    納税地は住所地で、住所とは生活の本拠を指します

    納税地は一般的には住所地です。国内に住所がある人は、その住所地が納税地になります2。

    住所とは、生活の本拠のことです2。

    自宅を仕事の場所にしていても、原則の納税地は住所地です2。事業所などの所在地を納税地にする特例は、第4節で確かめます。

    ここまでの考え方を整理して、次の表にまとめました。

    区分内容
    原則住所地
    住所とは生活の本拠
    提出先提出するときの納税地を所轄する税務署長

    引っ越して住所そのものが変わったときは、納税地はどう扱われるのでしょうか。

    2. 引っ越しで納税地が変わったら、確定申告書に新しい納税地を書きます

    対象になるのは、転居などで納税地に変わりがあった人です

    国税庁の案内(No.2091)は、転居等により納税地等に異動があった人を対象にしています5。

    引っ越して住む場所そのものが変わったときも、この案内の対象に当てはまります。

    次に、納税地の変更がどのように成立するのかを見ていきます。

    納税地は、確定申告書に新しい納税地を書けば変わります

    納税地に異動があったときは、確定申告書に異動後の納税地を記載することで変更されます6。

    ここまでの流れを整理して、次の図にまとめました。

    図1:引っ越したあとの流れ
    引っ越したあとの流れ 転居 → 確定申告書に 新しい納税地を 書く → 納税地が変わる

    図の作成:Remogu編集部。国税庁の案内をもとに、引っ越したあとの手続きの流れを整理したもので、統計データではありません

    確定申告書に書くという手続きのほかに、年の途中で書類の送り先だけを早めに変えたいときの方法もあります。

    3. 書類の送り先を年の途中で変えたいときは、申出書を出せます

    対象になるのは、年の途中で送り先を変えたい人です

    年の途中で納税地が変わり、国税当局からの書類を新しい納税地に送ってほしいときに使えるのが、「所得税・消費税の納税地の異動又は変更に関する申出書」です7。

    提出先は、変更後の納税地の税務署です7。

    申出書は随時提出できます7。決まった時期を待つ必要はありません。

    名前のとおり、所得税と消費税の両方について、納税地の異動または変更を伝える書類です7。

    納税地そのものは、確定申告書の記載で変わります

    納税地そのものは、確定申告書に新しい納税地を書けば変わります6。申出書は、それとは別に、書類の送り先を年の途中で変えたいときに出す書類です7。

    事業所などを納税地にしたい人や、事務所を移した人の手続きは、これとは別です。

    4. 事務所を納税地にする人と、事務所を移した人は、別の扱いです

    事業所などがある人は、そこを納税地に選べます

    国内に住所または居所があり、そのほかに事業所などを持つ人もいます。

    こうした人は、住所地に代えて、その事業所などの所在地を納税地にできます3。

    住所地に代えて事業所などを納税地にするときは、変更後の納税地を記載した所得税または消費税の申告書を提出します4。この提出によって、納税地が変わります4。

    事務所を移したときや事業をやめたときは、開廃業等届出書です

    事業を廃止したときや、事務所などを移転したときは、個人事業の開廃業等届出書を提出します8。

    提出期限は、廃止や移転があった日の属する年分の確定申告期限までです8。

    ここまでの3つの場面を、次の表に整理しました。

    場面手続き
    住所が変わったとき確定申告書への新しい納税地の記載
    事業所などを納税地にしたいとき変更後の納税地を記載した申告書の提出
    事務所等を移転したとき個人事業の開廃業等届出書の提出(移転があった日の属する年分の確定申告期限まで)

    次は、振替納税を利用している人の手続きです。

    5. 振替納税は、引っ越したあとも手続きなしで続きます

    税務署が変わっても、振替納税はそのまま使えます

    振替納税を利用している人も、納税地等の異動で管轄の税務署が変わる場合があります。

    それでも、特段の手続をすることなく振替納税を引き続き利用できます9。

    ここまで見てきた確定申告書への記載や申出書の提出とは違い、振替納税をそのまま続けるだけなら、新たに書類を出す必要はありません。

    続けないときは取りやめ申出書、口座を変えるときは依頼書を出します

    一方、振替納税の利用を続けたくないときは、「振替納税の取りやめ申出書」を変更後の税務署へ提出します9。

    振替口座そのものを変えたいときは、これとは別に「納付書送付依頼書兼預貯金口座振替依頼書」を、税務署または変更後の振替口座の金融機関へ新たに提出します10。

    そのまま続ける、やめる、口座を変える。振替納税に関わる場面は、この3つに分かれます。次の図で流れを整理しました。

    図2:振替納税の3つの場面
    振替納税の3つの場面 そのまま続ける → 特段の手続は不要 やめる → 取りやめ申出書を提出 口座を変える → 依頼書を新たに提出

    図の作成:Remogu編集部。国税庁「個人事業者の納税地等に異動があった場合の届出関係」をもとに、振替納税に関わる3つの場面を整理したもので、統計データではありません

    次は、住民税をどの市区町村に納めるかです。

    6. 住民税は、1月1日に住民登録をしていた市区町村に納めます

    住民税は、1月1日の住民登録地の市区町村で課税されます

    住民税は、1月1日の住民登録地の市町村で課税されます12。

    納め先は、引っ越した日ではなく、1月1日にどこで住民登録をしていたかで決まります。

    年の途中で転出しても、その年度はもとの市町村での課税が続きます

    年の途中で転出しても、1月1日の住民登録地がもとの市にあった場合、その年度の住民税はもとの市で課税されます13。

    転出先の市区町村から、同じ年度の住民税を課税されることはありません13。

    1月1日の住民登録地と転出先の関係を、図3に整理しました。

    図3:年の途中で引っ越したときの住民税
    年の途中で引っ越したときの住民税 1月1日の住民登録地 もとの市区町村 その年度は課税します 転出先の市区町村 同年度は課税しません

    図の作成:Remogu編集部。日高市「住民税に関するよくあるお問い合わせ」をもとに、年の途中で引っ越したときの住民税の課税先を整理したもので、統計データではありません

    最後に、引っ越しの前後に確かめることを3つにまとめます。

    7. 引っ越しの前後に、3つを確かめます

    納税地が変わったかどうかを、まず確かめます

    ここまでの手続きを、引っ越しの前後に確かめる3つにまとめます。1つ目は納税地が変わったか、2つ目は書類の送り先を年の途中で変えたいか、3つ目は国税以外の届出です。

    1つ目は、納税地が変わったかです。転居などで納税地に異動があったときは、確定申告書に異動後の納税地を記載することで変更されます6。引っ越したあとに出す確定申告書に、新しい納税地を書きます。

    書類の送り先と、ほかの行政機関への届出も確かめます

    2つ目は、書類の送り先を年の途中で変えたいかです。国税当局からの書類を新しい納税地に送ってほしいときは、変更後の納税地の税務署へ「所得税・消費税の納税地の異動又は変更に関する申出書」を提出できます。申出書は随時提出できます7。

    3つ目は、国税以外の届出です。都道府県税事務所や年金事務所などにも届出書などの提出が必要になる場合があるので、それぞれの行政機関に確かめます11。この3つを、表3に整理しました。

    確かめること内容
    納税地は変わったか確定申告書への新しい納税地の記載
    書類の送り先を年の途中で変えたいか「所得税・消費税の納税地の異動又は変更に関する申出書」の提出(随時)
    ほかの届出はあるか都道府県税事務所や年金事務所など、それぞれの行政機関への確認

    この3つを、図4にもまとめました。

    図4:引っ越しの前後に確かめる3つ
    1 納税地は変わったか 確定申告書に新しい納税地を書く 2 書類の送り先を年の途中で変えたいか 申出書を出せる 3 ほかの行政機関への届出はあるか 各行政機関に確かめる

    図の作成:Remogu編集部。国税庁「個人事業者の納税地等に異動があった場合の届出関係」をもとに、引っ越しの前後に確かめる順番を整理したもので、統計データではありません

    引っ越しの前後にすることを、まとめます

    所得税の確定申告書は、提出するときの納税地を所轄する税務署長に提出する書類です1。転居などで納税地に異動があったときは、確定申告書に異動後の納税地を記載することで変更されます6。年の途中で書類の送り先を変えたいときは、「所得税・消費税の納税地の異動又は変更に関する申出書」を出せます7。

    住民税は、1月1日の住民登録地の市町村で課税されます12。

    納税地が変わっても、確定申告書に新しい納税地を書けば変わります。書類の送り先を早く変えたいときは、申出書を出します。

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    出典・参考情報

    *1 国税庁「確定申告書の提出先(納税地)」令和8年4月1日現在法令等(2026年4月1日・2026年9月確認)
    *2 国税庁「確定申告書の提出先(納税地)」主な納税地(2026年4月1日・2026年9月確認)
    *3 国税庁「確定申告書の提出先(納税地)」納税地の特例(2026年4月1日・2026年9月確認)
    *4 国税庁「確定申告書の提出先(納税地)」納税地の特例(2026年4月1日・2026年9月確認)
    *5 国税庁「個人事業者の納税地等に異動があった場合の届出関係」対象者(2026年4月1日・2026年9月確認)
    *6 国税庁「個人事業者の納税地等に異動があった場合の届出関係」令和8年4月1日現在法令等(2026年4月1日・2026年9月確認)
    *7 国税庁「個人事業者の納税地等に異動があった場合の届出関係」届出書とその提出期限の表(2026年4月1日・2026年9月確認)
    *8 国税庁「個人事業者の納税地等に異動があった場合の届出関係」届出書とその提出期限の表(2026年4月1日・2026年9月確認)
    *9 国税庁「個人事業者の納税地等に異動があった場合の届出関係」振替納税の扱い(2026年4月1日・2026年9月確認)
    *10 国税庁「個人事業者の納税地等に異動があった場合の届出関係」振替納税の扱い(2026年4月1日・2026年9月確認)
    *11 国税庁「個人事業者の納税地等に異動があった場合の届出関係」ほかの行政機関(2026年4月1日・2026年9月確認)
    *12 日高市「住民税に関するよくあるお問い合わせ」日高市の案内(更新日2025年11月5日)(2025年11月5日・2026年9月確認)
    *13 日高市「住民税に関するよくあるお問い合わせ」日高市の案内(更新日2025年11月5日)(2025年11月5日・2026年9月確認)