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    フリーランスエンジニアの高額療養費はいくらまで?令和8年8月からの上限額と区分の条件

    監修・編集責任者:牛尾 昭昌(株式会社LASSIC 執行役員)

    「高額療養費の上限」を示す図です。1月/2月/3月/4月/5月を並べています。強調しているのは3月です。上限ありと添えています。

    📘 この記事でわかること

    • 高額療養費は自己負担限度額を超えた分があとから支給される制度であることと、70歳未満は一部負担金が21,000円を超えたものが計算の対象になること
    • 窓口で限度額適用認定証等情報の利用に同意するか、認定証を提示すれば、支払いを1か月の限度額までに抑えられること
    • 所得金額で決まる区分ア〜オの月額の上限が令和8年8月から引き上げられたことと、新たに年額の上限も設けられたこと

    手術で入院することが決まり、病院の窓口でいくら払うことになるのかが、まず気になりました。案件の稼働も止まる時期と重なるため、支払いの見通しを先に知っておきたいと思いました。窓口で払う額は、手続きしだいで、はじめから抑えられます。まず何を確かめればいいのか、順を追って調べました。

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    1. 高額療養費は、限度額を超えた分があとから支給される制度です(横浜市の案内)

    手術や入院で医療費が重なったときに備えられているのが、高額療養費という制度です。横浜市の案内では、医療費の一部負担金が高額になったとき、申請をして認められた場合に、自己負担限度額を超えた分が高額療養費としてあとから支給されます1。案件の稼働が止まる時期と重なるからこそ、先に仕組みを知っておくと、支払いの見通しが立てやすくなります。

    自己負担限度額を超えた分は、あとから支給されます

    あとから支給される仕組みなので、この方法では、いったん窓口で一部負担金を支払います1。

    入院や手術が重なる時期に、まとまった額をすぐに用意できるかどうかは、案件の状況で変わります。窓口で払う額そのものをはじめから抑える方法は、次の節で確かめます。

    70歳未満は、四つの区切りで一部負担金を計算します

    高額療養費の計算は、医療費全体をひとまとめにして見るわけではありません。横浜市の案内では、70歳未満の場合、暦月ごと、医療機関ごと、入院と外来ごと、医科と歯科ごとに分けます。そのうえで、一部負担金が21,000円を超えたものだけを計算の対象とします3。

    処方箋を出してもらって調剤薬局で支払った分は、単独では計算されません。処方箋を出した医療機関の一部負担金と合算したうえで、21,000円の基準にあてはめます3。区切り方を整理すると、次のとおりです。

    区切り方内容
    暦月ごと月の初日から末日までの1か月単位で計算します
    医療機関ごと受診した医療機関ごとに分けて計算します
    入院と外来ごと同じ医療機関でも、入院分と外来分は分けて計算します
    医科と歯科ごと同じ医療機関でも、医科分と歯科分は分けて計算します
    対象になる一部負担金一部負担金が21,000円を超えたものが計算の対象です。調剤薬局の分は、処方箋を出した医療機関の分と合算します

    ここまでの区切りは、横浜市の案内に基づく70歳未満の計算方法です。この基準を踏まえたうえで、窓口での支払いそのものを抑える方法を、次に確かめます。

    2. 窓口の支払いを、はじめから限度額までにする方法があります

    窓口で先に支払う額そのものを抑える方法は、横浜市の案内に示されています。オンライン資格確認システムが導入されている医療機関等の窓口で、限度額適用認定証等情報の利用に同意した場合は、受診時に支払う金額が1か月あたりの自己負担限度額までとなります2。区役所で国民健康保険限度額適用認定証の交付を受けて、医療機関に提示した場合も同じです2。

    医療機関の窓口で、限度額適用認定証等情報の利用に同意する方法

    まず、この方法が使えるのは、オンライン資格確認システムが導入されている医療機関等です。窓口で限度額適用認定証等情報の利用に同意すると、受診時の支払いが1か月あたりの自己負担限度額までになります2。区役所で認定証の交付を受ける手続きを先に済ませていなくても使える方法です。

    そのため、手術の日程が決まった時点で、この方法が使えるかどうかを医療機関の窓口に確かめておくと、入院までの間の気がかりが一つ減ります。

    区役所で認定証の交付を受けて、医療機関に提示する方法

    一方、区役所で手続きをする方法もあります。窓口で同意する方法より事前の一手間はかかります。国民健康保険限度額適用認定証の交付を受けて医療機関に提示すれば、支払う金額は1か月あたりの自己負担限度額までにとどまります2。

    図1:窓口の支払いを、はじめから自己負担限度額までにする2つの方法
    窓口の支払いを限度額までにする2つの方法 ①医療機関の窓口で 限度額適用認定証等 情報の利用に同意 ②区役所で認定証の 交付を受けて医療 機関に提示 1か月の自己負担限度額まで

    出典:横浜市「高額療養費支給制度」をもとに作成

    どちらの方法でも、窓口で支払う額の上限は、区分ごとに決まる自己負担限度額です。その区分がどう決まるのかを、次に確かめます。

    3. 70歳未満の区分は、所得金額でア〜オに分かれます

    ここまで確かめた自己負担限度額は、だれもが同じ額というわけではありません。横浜市の案内では、70歳未満の場合、所得金額などに応じてア・イ・ウ・エ・オの5つの区分に分かれ、区分ごとに1か月の自己負担限度額が決まっています4。まず、その区分を決める所得金額が何を指すのかから確かめます。

    所得金額は、世帯の国保加入者全員の合計で判定します

    横浜市の案内では、所得金額とは、合計所得金額から基礎控除と純損失の繰越額を控除した金額です9。区分の判定に使う所得金額は、世帯主だけの金額ではありません。世帯における国民健康保険の加入者全員の所得金額を合計した額で判定します9。

    自分ひとりの所得金額が低くても、世帯の合計で見ると区分が変わることがあります。

    令和8年8月から令和9年7月診療分の月額は、区分ごとに次のとおりです

    横浜市の案内では、令和8年8月から令和9年7月診療分までの70歳未満の自己負担限度額(月額)を、区分ア〜オで示しています4。区分アが所得金額901万円を超える世帯、区分オが世帯主及び国保加入者全員が住民税非課税の世帯にあたり、所得金額の多い区分ほど、自己負担限度額も高くなります。

    自分の世帯がどの区分にあたるかを、次の表で確かめます。

    区分所得要件自己負担限度額(月額)
    ア所得金額901万円超270,300円+(医療費-901,000円)×1%
    イ600万円超901万円以下179,100円+(医療費-597,000円)×1%
    ウ210万円超600万円以下85,800円+(医療費-286,000円)×1%
    エ210万円以下61,500円
    オ世帯主及び国保加入者全員が住民税非課税36,900円

    この表の額が、令和8年8月から令和9年7月診療分の1か月の自己負担限度額です4。自分の世帯の区分を先に確かめておくと、支払いの見通しを立てやすくなります。次の節では、この額が令和8年7月診療分までとどう違うのかを比べます。

    4. 令和8年8月診療分から、月額の上限が上がりました

    区分ごとの自己負担限度額は、ずっと同じ額のまま続くわけではありません。かすみがうら市の案内では、国の制度改正により、高額療養費の自己負担限度額が令和8年8月と令和9年8月の2段階で見直されます11。ここでは、1段階目にあたる令和8年8月診療分からの変更を、令和8年7月診療分までの額と比べて確かめます。

    令和8年7月診療分までと、8月からの基本の額を比べます

    横浜市の案内では、令和8年7月診療分までの70歳未満の自己負担限度額(月額)の基本の額は、次のとおりでした。区分ア252,600円、区分イ167,400円、区分ウ80,100円、区分エ57,600円、区分オ35,400円です6。令和8年8月から令和9年7月診療分は、区分ア270,300円、区分イ179,100円、区分ウ85,800円、区分エ61,500円、区分オ36,900円です4。

    区分ア・イ・ウは、この基本の額に「(医療費-決められた額)×1%」が加わります。この差し引く額も、区分アは842,000円から901,000円に、区分イは558,000円から597,000円に、区分ウは267,000円から286,000円に変わりました46。

    見直しは1回きりではなく、令和9年8月にも続きます

    かすみがうら市の案内では、見直しは令和8年8月と令和9年8月の2段階です11。ここで確かめたのは、その1段階目にあたる令和8年8月からの額です。

    令和9年8月からの額は、この記事では扱いません。

    図2:区分ごとの月額の基本の額、令和8年7月診療分までと令和8年8月からの比較
    区分ごとの月額の基本の額、令和8年7月診療分までと令和8年8月からの比較 区分ア 令和8年7月診療分まで 252,600円 令和8年8月から 270,300円 区分イ 167,400円 179,100円 区分ウ 80,100円 85,800円 区分エ 57,600円 61,500円 区分オ 35,400円 36,900円

    出典:横浜市「高額療養費支給制度」をもとに作成

    月々の上限がこのように変わったのに合わせて、これまでの説明にはなかった枠組みがもう一つ新しく設けられています。年間の上限です。次の節で、その内容と、高額療養費に何度も該当したときの扱いを確かめます。

    5. 年間の上限が新しく設けられ、多数回該当もあります

    横浜市の案内では、令和8年8月から令和9年7月診療分の表に、区分ごとの年額の自己負担限度額が示されています5。令和8年7月診療分までの表には、月額の自己負担限度額だけが示され、年額の欄はありません6。表を比べると、年額の上限は、月額の見直しと同じ令和8年8月にあわせて加わった項目だと分かります。

    区分によって、年額の上限は168万円から29万円まで分かれます

    具体的な額は、区分アが168万円、区分イが111万円、区分ウとエがともに53万円、区分オが29万円です5。ただし区分エは、所得金額が86万円以下と確認できた人にかぎり、41万円です5。

    月額が1か月ごとの自己負担限度額なのに対し、年額は1年単位の自己負担限度額です5。

    12か月に3回以上該当すると、4回目から限度額が下がります

    横浜市の案内では、過去12か月以内に同じ世帯で3回以上高額療養費に該当したときは、4回目から多数回該当の限度額が適用されます7。区分ごとの額は、区分ア140,100円、イ93,000円、ウとエが44,400円、オが24,600円です7。

    このカウントは保険者単位で行うので、ほかの保険者で高額療養費に該当した回数は数えません7。

    図3:区分ごとの年額の自己負担限度額、令和8年8月から令和9年7月診療分
    区分ごとの年額の自己負担限度額 区分ア 168万円 区分イ 111万円 区分ウ 53万円 区分エ 53万円 所得金額86万円以下と確認できた人は41万円 区分オ 29万円

    出典:横浜市「高額療養費支給制度」をもとに作成

    ここまでの月額と年額の上限は、いずれも所得金額で決まる区分によって変わります。次に、区分を決める所得金額が、いつの分の所得を指すのかを確かめます。

    6. 区分を決める所得は、世帯の合計で、判定する年が決まっています

    ここまで確かめた区分は、所得金額によって決まります。では、その所得金額は、いつの分の所得を指すのでしょうか。横浜市の案内をもとに、判定に使う年と、所得金額そのものの中身を確かめます。

    区分を決める所得は、診療を受ける月によって、見る年が変わります

    横浜市の案内では、区分の判定に使う所得金額の年が、診療を受ける月によって変わります。1月から7月診療分は前々年の所得金額で、8月から12月診療分は前年の所得金額で判定します8。診療を受けた月がいつかによって、見る年がずれる仕組みです。

    つまり、ある年の所得金額は、翌年8月から翌々年7月までの診療の区分に使われます。案件の報酬が大きく動いた年の影響は、翌年8月以降の区分に表れます。今の所得が、そのまま今の区分に反映されるわけではありません。

    所得金額は世帯の合計で見て、事業所得も含まれます

    横浜市の案内では、区分を決める所得金額は、合計所得金額から基礎控除と純損失の繰越額を控除した金額です9。この所得金額は、世帯における国民健康保険の加入者全員の分を合計した額で判定します9。

    案件の報酬を事業所得として申告している場合、事業所得の金額は、総収入金額から必要経費を差し引いて計算します12。この事業所得は、合計所得金額に含まれる所得の一つです13。合計所得金額から基礎控除と純損失の繰越額を引いた額が、区分を決める所得金額です。

    所得の確認ができない人がいる世帯は、区分アになります

    横浜市の案内では、所得の確認ができない人がいる世帯は区分アになります10。区分アは、ここまで見てきたとおり、自己負担限度額がもっとも高い区分です。

    自分の世帯の所得が確認できているかどうかは、住んでいる市区町村の国民健康保険の窓口で確かめます。

    ここまでで、区分の決まり方と、区分を決める所得金額の中身を確かめました。最後に、医療費がかさむ前に確かめる3つを整理します。

    7. 医療費がかさむ前に、3つを確かめます

    ここまでの内容を、医療費がかさむ前に確かめる3つに整理します。手術や入院の予定が決まった段階で、まとめて確かめます。

    まず、自分の世帯がどの区分にあたるかを確かめます。次に、窓口で限度額適用認定証等情報の利用に同意できるか、それとも区役所で認定証の交付を受けて提示する必要があるかを見ます2。そして、診療を受ける月が、令和8年8月から新しい額の対象になっているか、区分の判定にどちらの年の所得金額を使うかを確かめます8。3つをまとめると、次の表のとおりです。

    確かめること具体的に見る内容
    自分の世帯の区分所得金額で決まる区分ア〜オのどこにあたるか
    窓口での対応限度額適用認定証等情報の利用に同意できる医療機関かどうか、認定証の提示が要るかどうか
    診療を受ける月令和8年8月から新しい額の対象になっているか、区分の判定にどちらの年の所得金額を使うか

    ただし、1つ目の区分を確かめるときは、所得の確認ができているかどうかも合わせて見ます。横浜市の案内では、所得の確認ができない人がいる世帯は区分アとなります10。所得の確認ができているかどうかは、住んでいる市区町村の窓口で確かめられます。3つの確認点を、実際に見ていく順番で並べたものが、次の図です。

    図4:医療費がかさむ前に確かめる3つの順番
    医療費がかさむ前に確かめる3つの手順 ①自分の世帯の区分を確かめる 所得金額で区分ア〜オが決まる ②窓口での対応を確かめる 同意でよいか、または認定証が要るか ③診療を受ける月を確かめる 新しい額の対象か、判定に使う年はどちらか 支払いの見通しが立てやすくなります

    図の作成:Remogu編集部。ここまでの内容から、確かめる順番を整理したもので、統計データではありません

    ここで、ここまでの内容に関わる問いに答えます。

    限度額適用認定証等情報の利用に同意する方法と、認定証を提示する方法は、どちらを選べばいいですか

    窓口で同意する方法は、オンライン資格確認システムが導入されている医療機関等で使えます2。区役所で国民健康保険限度額適用認定証の交付を受けて提示する方法もあります2。どちらでも、受診時の支払いは1か月あたりの自己負担限度額までです2。

    所得の確認ができないと、区分はどうなりますか

    横浜市の案内によれば、所得の確認ができない人がいる世帯は区分アとなります10。区分アは、ここまで見てきた区分の中で、自己負担限度額がもっとも高い区分にあたります。所得が確認できているかどうかは、住んでいる市区町村の窓口で確かめます。

    案件の報酬が大きく変わった年は、区分にすぐ影響しますか

    横浜市の案内が示す判定の仕組みでは、ある年の所得金額は、翌年8月から翌々年7月までの診療の区分に使われます8。案件の報酬が大きく動いた年があっても、その影響が診療の区分に表れるのは、翌年8月以降です。今の時点で確かめるのは、今の区分がいつの所得金額をもとにしているかです。

    手術で入院することが決まったとき、病院の窓口でいくら払うのかが気になりました。案件の稼働が止まる時期と重なるなら、なおさらです。冒頭で触れたとおり、窓口で払う額は、手続きしだいで、はじめから抑えられます。

    横浜市の案内では、窓口で限度額適用認定証等情報の利用に同意するか、限度額適用認定証を提示すれば、受診時の支払いが1か月あたりの自己負担限度額までとなります2。その限度額は、所得金額で決まる区分によって変わり4、区分の判定に使う所得金額は、世帯の国民健康保険加入者全員の合計額です9。

    窓口で払う額は、限度額の情報の利用に同意するか認定証を見せれば、1か月の自己負担限度額までになります。その限度額は、世帯の所得金額で決まる区分で変わります。

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    ※公開中の案件数は時期によって変わります。記事中の案件の傾向は執筆時点のものです。

    出典・参考情報

    *1 横浜市「高額療養費支給制度」(2026年9月・2026年9月確認)
    *2 横浜市「高額療養費支給制度」(2026年9月・2026年9月確認)
    *3 横浜市「高額療養費支給制度」(2026年9月・2026年9月確認)
    *4 横浜市「高額療養費支給制度」(2026年9月・2026年9月確認)
    *5 横浜市「高額療養費支給制度」(2026年9月・2026年9月確認)
    *6 横浜市「高額療養費支給制度」(2026年9月・2026年9月確認)
    *7 横浜市「高額療養費支給制度」(2026年9月・2026年9月確認)
    *8 横浜市「高額療養費支給制度」(2026年9月・2026年9月確認)
    *9 横浜市「高額療養費支給制度」(2026年9月・2026年9月確認)
    *10 横浜市「高額療養費支給制度」(2026年9月・2026年9月確認)
    *11 かすみがうら市「令和8年8月から高額療養費の自己負担限度額が変わります」(2026年7月・2026年9月確認)
    *12 国税庁「事業所得の課税のしくみ(事業所得)」(2026年4月・2026年9月確認)
    *13 国税庁「合計所得金額とは」(2026年1月・2026年9月確認)