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    「副業でCTOや技術顧問をする」という選択。あなたの経験は、もっと多くの会社を牽引し動かせる。

    月曜日の朝、会議室で「DX推進」という言葉が飛び交っています。でも隣の会議室では、「CTOを参画させたいが予算がない」という話が同時進行しています。

    日本の企業は今、技術的なリーダーシップを必要としている。ただ、フルタイムのCTOを正規参画させる余裕がない中小企業・スタートアップは、思っている以上に多い。

    経済産業省の試算によれば、2030年には最大約79万人のIT人材が不足するとされています。(出典:経済産業省「IT人材需給に関する調査報告書」)

    その構造的な不足を埋める選択肢のひとつが、CTOの副業です。

    あなたがこれまで積み上げてきた技術判断の経験、チームのつくり方、アーキテクチャ設計の知見。それは、今いる会社だけで使うには、少しもったいないかもしれません。

    この記事では、CTOの副業がなぜ今注目されているのか、どんなスキルが求められるのか、副業案件とどう向き合うかを、具体的にお伝えします。


    ▶ この記事のポイント
    ▪️経済産業省試算で2030年に最大79万人のIT人材が不足する見込み
    ▪️副業解禁が進む中、CTOの知見を求める企業(特に中小・スタートアップ)が増加
    ▪️CTOに求められるスキルは「業界」と「フェーズ」によって大きく異なる ・技術顧問・社外CTOという形でリモートから関与するスタイルが広がっている
    ▪️リモートワーク案件を活用することで、副業でも場所を選ばずに活動できる

    1. なぜ今、CTOの副業が求められているのか

    副業という働き方は、ここ数年で大きく変わりました。

    2018年、厚生労働省が「副業・兼業の促進に関するガイドライン」を策定し、モデル就業規則から副業禁止規定を削除した。(出典:厚生労働省「副業・兼業の促進に関するガイドライン」)

    以降、政府は「働き方改革」の一環として副業を積極的に推進しています。コロナ禍によるリモートワークの普及が、その流れをさらに加速させました。

    1-1. 副業解禁が進む社会の変化

    独立行政法人労働政策研究・研修機構(JILPT)の調査(2024年)によれば、副業を始める理由として「収入を増やしたいから」が54.5%で最多だが、「自分が持っているスキル・知識・経験を活かしたい」という理由も上位に並ぶ。(出典:JILPT「副業者の就労に関する調査」2024年)

    特にCTOクラスのエンジニアにとって、副業の意味は「収入を増やす」だけではありません。自分の経験をもっと広く使いたい、視野を広げたい、という動機も大きいです。

    1-2. IT人材不足という構造的な背景

    経済産業省「IT人材需給に関する調査報告書」(2019年)によると、2030年には最小でも約16万人、最大で約79万人のIT人材が不足すると予測されています。(出典:経済産業省「IT人材需給に関する調査報告書」)

    DX推進の遅れによる経済損失は年間最大12兆円とも試算されており(経済産業省「DXレポート」)、企業側は「技術的な意思決定ができるリーダー」を切実に求めている。

    しかし、フルタイムのCTOを正規参画させるには報酬水準が高く、参画ハードルも高くなりがちです。そこで注目されているのが、副業・業務委託という形での外部CTOの活用です。

    【IT人材不足という構造的な背景】

    背景要因内容出典
    IT人材不足2030年に最大79万人不足の予測経済産業省「IT人材需給に関する調査報告書」
    副業解禁2018年モデル就業規則改定で副業が推進される方向に厚生労働省「副業・兼業の促進に関するガイドライン」
    DX需要急増DX遅延による経済損失は年間最大12兆円経済産業省「DXレポート」
    リモート普及場所を選ばない働き方が定着し副業の現実的なハードルが低下テレリモ総研 各種調査

    2. CTOに求められるスキル:業界・フェーズ別に違う

    「CTOのスキル」を一言で語ることはできません。同じCTOという肩書きでも、会社のフェーズや業界によって、求められることはまったく異なります。

    副業でCTOに関わる場合も、この「フェーズ感」と「業界感」をつかんでおくことが、案件の選び方にも、自分の強みの伝え方にも直結します。

    2-1. スタートアップ(シード〜アーリー期)

    この時期に求められるのは、まず「ゼロからつくれる」技術力です。プロダクトのアーキテクチャ選択、技術スタックの決定、MVP開発の判断。全部自分でやることも多くなります。

    【スタートアップ(シード〜アーリー期) – CTOの役割】

    求められる役割具体的なスキル・経験
    技術選定・アーキテクチャ設計クラウド設計(AWS/GCP/Azure)、マイクロサービス vs モノリスの判断経験
    採用・エンジニア組織構築初期メンバーの見極め、カルチャー設計、評価制度の骨格づくり
    投資家・CEO向けの技術説明技術的負債の説明力、ロードマップの言語化
    セキュリティ・インフラの基礎個人情報保護方針、認証基盤、インシデント対応プロセスの整備

    2-2. 成長期のスタートアップ(Series A〜B)

    プロダクトが動き始め、組織が20〜50人規模になる段階です。「つくる」から「維持・拡張しながら速く動く」にシフトしていきます。

    【成長期のスタートアップ – CTOの役割】

    求められる役割具体的なスキル・経験
    技術組織のスケールエンジニアリングマネージャーの育成、開発プロセス(アジャイル/スクラム)の整備
    セキュリティ・コンプライアンスSOC2、ISMS、PCI DSS等の対応経験
    データ基盤・分析基盤の整備データウェアハウス設計、BIツール選定、機械学習パイプラインの実装
    外部連携・API設計パートナー連携、プラットフォーム化戦略の経験

    2-3. 中堅・大企業のDX推進

    レガシーシステムを抱えながらDXを進めるという、構造的な矛盾に向き合う仕事です。ここで求められるのは技術力よりも、組織変革の経験です。

    【 中堅・大企業のDX推進 – CTOの役割】

    求められる役割具体的なスキル・経験
    レガシーシステムのモダナイズクラウド移行設計、マイグレーション戦略、2段階並走の実務経験
    内製化支援外部依存からの脱却、内製開発組織の立ち上げ経験
    CxOレベルとのコミュニケーション経営層への技術的課題の説明、投資判断の補佐
    ベンダーマネジメントSIerとの協力関係の設計、コスト管理、品質管理

    2-4. 業界別に変わる技術ドメイン

    「スキル」は汎用的なものと、業界固有のものがあります。副業でCTOとして関わる場合、自分のドメイン知識がどの業界と合うかを見極めることが重要です。

    【業界別 – CTO/技術顧問の役割】

    業界特に求められる技術ドメイン
    フィンテック・金融金融規制(FISC安全対策基準等)への対応、セキュリティ設計、決済インフラ
    ヘルスケア・医療個人情報保護法・医療法への対応、電子カルテ連携、HIPAA相当のセキュリティ
    EC・小売大規模トラフィック設計、在庫管理システム、レコメンデーション基盤
    製造・IoTエッジコンピューティング、センサーデータ処理、MES連携
    SaaS・B2Bプロダクトマルチテナント設計、APIエコシステム構築、SLAの設計と運用

    3. CTOの副業にはどんな形がある?

    「副業でCTO」といっても、関わり方はひとつではありません。週に数時間からコミットできるものもあれば、ほぼパートタイム並みの稼働が求められるものもあります。

    3-1. 技術顧問(アドバイザリー)

    最も多い形式のひとつです。月に数時間〜十数時間、技術的な相談に乗るスタイルです。

    • 週1回のオンライン打ち合わせ+チャット対応が典型
    • アーキテクチャのレビュー、採用の技術判断補助、開発ロードマップへの意見出し
    • 本業との両立がしやすく、副業の入口として人気が高い

    3-2. 社外CTO・フラクショナルCTO

    技術責任者として実務に近い形で関与するスタイルです。週に1〜2日程度を副業に充てる場合が多くなります。

    • エンジニア採用の面接同席、社内技術方針の決定への参加
    • 「名前だけのCTO」ではなく、実際に技術的な意思決定を担う
    • 責任の範囲が広い分、報酬水準も高め

    3-3. スポット型(プロジェクト単位)

    特定の課題解決に集中するスタイルです。「システム移行のアーキテクチャレビューだけ」「採用基準の整備だけ」という依頼も増えています。

    • 期間限定なので本業への影響を限定できる
    • 専門性が高いほど単価も高くなりやすい
    • 自分の得意領域を明確にすることが案件獲得のポイント
    形式稼働時間の目安主な業務内容向いている人
    技術顧問月10〜20時間相談対応、レビュー、ロードマップ整備本業と両立しながら始めたい人
    社外CTO週1〜2日採用判断、技術意思決定、組織設計深く関与して価値を出したい人
    スポット型プロジェクト単位特定課題の解決(移行設計・採用基準等)得意分野を活かした短期参加をしたい人

    4. CTOの副業報酬の目安

    副業における報酬は、「時間単価×稼働時間」で決まることが多いです。CTOクラスのスキルセットは市場価値が高く、一般的なエンジニアとは異なる水準になります。

    Remoguの調査(2024年度)によると、職種別月額報酬ランキング1位はCTO/VPoE/テックリードで約98.9万円(2022年比+約5万円)です。

    全体の平均月額報酬は約76.5万円で、報酬水準は上昇傾向にあります。以下は副業・業務委託形態での関与スタイル別の参考水準です。案件の内容・企業規模・稼働量によって大きく異なります。

    関与形態月額報酬の目安(Remogu調査準拠)備考
    技術顧問(月10〜20時間)50万円〜80万円程度スタートアップ、DX支援案件など
    社外CTO(週1〜2日)50万円〜120万円程度責任範囲・企業フェーズによる
    スポット型(単発)50万円〜150万円(案件単位)専門性と成果の明確な案件

    出典:Remogu「2024年度最新 フリーランスエンジニア職種別・言語別の月額報酬ランキング」

    報酬水準は「何ができるか」よりも「何の課題を解決するか」で決まることが多いです。技術的なスペックではなく、経営課題の解像度と解決実績を伝えることが重要です。

    5. CTOの副業とリモートワーク

    技術顧問や社外CTOの案件は、オンライン完結で進むものが増えています。リモートワークの普及が、副業の現実的なハードルを大きく下げました。

    テレリモ総研の調査では、リモートワーク経験者の約85%が「今後もリモートワークを続けたい」と回答しています。(出典:テレリモ総研)

    CTO副業においても、週次の定例会議はオンライン、コードレビューはGitHub/GitLab、設計のすり合わせはFigmaやMiro、採用面接はビデオ通話という形が定着しつつあります。

    東京在住でなくても、地方のスタートアップのCTOとして関与できます。逆に言えば、首都圏のCTOが地方の企業のDXを支援する、というパターンも増えています。

    5-1. リモートで働くCTO副業のメリット

    • 移動時間ゼロで複数の案件に並行参加できる
    • 地理的制約がなく、業種・フェーズ・規模の異なる企業と関われる
    • 本業との切り替えがスムーズで、集中して価値を出しやすい
    • 会議の録画・議事録の文化が根付き、非同期でも意思決定が進みやすい

    6. CTOが副業を始めるための実践的なステップ

    6-1. 自分の「棚卸し」から始める

    副業案件を探す前に、まず自分が何を提供できるかを言語化しましょう。技術スタック、マネジメント経験、フェーズ経験、業界知識。これらを整理することで、どんな企業に価値を届けられるかが明確になります。

    【CTO / 技術顧問の技術の考え方】

    棚卸しの観点確認すべき内容
    技術領域得意な言語・フレームワーク、クラウド経験、セキュリティ知識
    フェーズ経験0→1、1→10、10→100のどのフェーズを経験しているか
    組織経験何人規模のエンジニア組織をマネジメントしたか
    業界ドメイン特に深い知識を持つ業界(金融、医療、EC等)
    副業可否の確認本業の就業規則・競業避止義務の確認

    6-2. 副業の法的・税務的な基礎知識

    副業を始める前に確認しておきたいポイントがあります。

    • 本業の就業規則で副業が認められているか確認する
    • 業務委託契約の場合、個人事業主として確定申告が必要(副業所得20万円超の場合)
    • 競業避止義務の範囲を本業の契約書で確認する
    • 守秘義務・情報管理のルールを案件ごとに明確にする

    6-3. リモートワーク案件の活用

    リモートワークに特化した案件プラットフォームを活用することで、全国の企業と出会える可能性が広がります。CTO・技術顧問クラスの案件も、リモート形態で公開されていることが多いです。

    場所を選ばない働き方ができるリモートワーク案件を探すなら、リモートワーク専門のマッチングサービスへの登録がおすすめです。登録後はキャリアカウンセラーに相談しながら、自分に合った案件を見つけていただけます。

    7.まとめ

    CTOの副業は、単なる収入の上積みではありません。あなたが積み上げてきた技術判断の経験を、より多くの現場に届けること。

    それは、個人のキャリアとしても、社会のDX推進という観点からも、意義の深い選択です。

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    出典・参考資料

    1. 経済産業省「IT人材需給に関する調査報告書」(2019年)   
    2. 経済産業省「DXレポート ~ITシステム『2025年の崖』の克服とDXの本格的な展開~」(2018年)
    3. 厚生労働省「副業・兼業の促進に関するガイドライン」(2018年策定・2022年改定)
    4. 独立行政法人労働政策研究・研修機構(JILPT)「副業者の就労に関する調査」(2024年)
    5. テレリモ総研(株式会社LASSIC運営)各種調査