「HTMLとCSSだけできます」と話すフリーランスがWordPressで月収の天井にぶつかる理由——PHP・セキュリティ・Gutenbergブロック開発による生き残り戦略について

この記事でわかること
- WordPressフリーランスの2026年時点の報酬相場(月額35〜90万円)と案件傾向
- 初心者からエキスパートまでのWordPressスキルロードマップと習得ステップ
- WordPress 7.0・Gutenberg進化・AI活用など2026年の最新動向と今後のキャリア展望
- リモートワーク案件でWordPressエンジニアとして収入を安定させる具体的な方法
「WordPressはオワコン」。この言葉を聞いたことがあるエンジニアの方は少なくないでしょう。
しかし、2026年現在でもWordPressは世界のWebサイトの約43%で使われているCMSです*1。国内でも中小企業サイトから大手メディアまで幅広く採用されており、新規制作・保守・リニューアルの案件は途切れません。
問題は「WordPressだけ」では頭打ちになる時代に来ているということです。AI活用・ヘッドレスCMS・Gutenbergの進化——これらを理解した上で、WordPressをどう使いこなすか。そこが2026年以降の差別化ポイントです。この記事では、最新の市場データと技術動向をもとに、WordPressフリーランスのリアルをお伝えします。
ポイント:WordPressフリーランスの今
- 月額報酬の目安は35〜90万円以上。PHPカスタマイズができれば高単価層へ届きます
- 案件数はクラウドワークス掲載で10,748件超(2025年4月時点)と豊富です*2
- WordPress 7.0(2026年4月リリース)でGutenbergフェーズ3のコラボレーション機能が本格化しています
- AI活用・ヘッドレスCMS理解が2026年以降の差別化スキルになります
一言でいうと:WordPressフリーランスは「案件が豊富で入りやすい」という強みが2026年も健在です。ただし収入の天井を上げるには、PHPカスタマイズ・セキュリティ・AIとの連携スキルが必要です。
目次
WordPressとは——世界最大のCMSの実態と2026年の位置づけ

WordPressはもともとブログ用ソフトウェアとして2003年に登場したCMSです。PHPで書かれており、MySQLをデータベースに使っています。「投稿」「固定ページ」「カスタム投稿タイプ」という構造で、技術的な知識がなくてもコンテンツ更新ができる操作性が普及の背景にあります。
2026年現在、世界のCMS市場でのWordPressシェアは63%超。全Webサイトの約43%がWordPressで構築されているという調査結果があります*1。日本国内でも企業サイトの約半数がWordPressを採用しているという推計もあります*3。
「WordPressはオワコン」論の実態
Headless CMSやNext.jsの普及で「WordPressはもう選ばない」という意見はエンジニアコミュニティで散見されます。確かに新規のモダンサービスでは、ヘッドレス構成のほうが適している場面が増えました。
ただし、現実的な観点で整理すると次の通りです。
- 既存のWordPressサイトの保守・更新案件は今後も数年は減少しません
- 中小企業・個人事業主はWordPressを使い慣れており、移行コストが見合わないケースが多いです
- プラグインで要件が満たせる小規模サイトはWordPressが引き続き現実的な選択肢です
「ゼロから新規に選ぶ技術ではなくなりつつある」のは事実ですが、「なくならない・案件は豊富」という状況は変わっていません*4。
表1:WordPress案件の種類と報酬の目安
WordPress案件は業務内容によって求められるスキルと報酬水準が大きく異なります。以下の表は、フリーランスエンジニアが参画する主な案件種別とその特徴をまとめたものです。ご自身のスキルセットと照らし合わせ、狙うべき案件タイプを確認する際にご活用ください。
| 案件種別 | 主なスキル | 月額報酬の目安 | 特徴 |
| 記事入稿・コンテンツ管理 | WordPress基本操作 | 5〜20万円 | 未経験者でも参画しやすい。単価は低め |
| 既存テーマのカスタマイズ | HTML/CSS/JavaScript | 20〜50万円 | コーディング力があると幅が広がります |
| 新規サイト制作(テーマ開発) | PHP/WordPress開発 | 40〜70万円 | PHPが必須。提案力があると有利です |
| 保守・運用(月次契約) | WordPress/セキュリティ | 月10〜30万円(ストック型) | 安定収入の基盤になります |
| フルスタック開発(PHPカスタム) | PHP/MySQL/API連携 | 60〜90万円以上 | 高単価。上流工程対応でさらに上昇します |
出典:ITプロマガジン(2025年4月)*2、インディバースフリーランス(2025年12月)*5、@SOHO(2026年3月)*3のデータをもとに編集部まとめ
報酬相場・案件数・業界別傾向——2026年のWordPress市場データ

WordPress案件の市場規模は、他のWebフロントエンド言語と比較してもトップクラスの案件数を誇ります。
案件数の現状
クラウドワークスでWordPress関連を検索すると10,748件(2025年4月時点)が確認できます*2。フリーランスエージェントの案件数では、フリーランスStartの集計(2025年11月)で週5日稼働対応案件が432件、週3日以上合計で700件超が掲載されていました*6。
案件の地域分布は東京都が606件と最も多い状況ですが、週5日フルリモートOKの案件も一定数存在しており、地方在住エンジニアがリモートで参画するハードルは下がっています*6。
報酬相場の実態
フリーランスStartのエージェント別集計(2025年11月)では、WordPressの月額単価相場はアットエンジニアが86.7万円、プロエンジニアが79.3万円、ギークスジョブが75.6万円となっています*6。
インディバースフリーランスの独自調査では、WordPressフリーランスの月額単価の平均は約61万円とされています*5。PHPによるカスタマイズができれば高単価層に届くという構造です。
表2:WordPressフリーランスのスキルレベル別報酬比較
WordPressフリーランスの報酬はスキルの深さと提供できる価値に比例します。以下の表は、スキルレベル別の月額報酬目安と、次のレベルへ進むために必要な要素をまとめたものです。ご自身の現在地と目指すべき方向を確認するための参考としてご活用ください。
| スキルレベル | 主なスキル | 月額報酬の目安 | 次のレベルへのステップ |
| 入門 | 管理画面操作、既存テーマの設定 | 5〜20万円 | HTML/CSSの習得 |
| 初級 | HTML/CSS/JavaScript、テーマカスタマイズ | 20〜40万円 | PHPの基礎習得 |
| 中級 | PHP、カスタム投稿タイプ、REST API活用 | 40〜70万円 | 保守契約の積み上げ+Gutenberg対応 |
| 上級 | フルPHP開発、セキュリティ対策、パフォーマンス最適化 | 70〜90万円以上 | ヘッドレスCMS・React/Next.js対応 |
編集部まとめ(2026年)。出典:インディバースフリーランス*5、@SOHO*3
スキルロードマップ——初心者から月額70万円超を目指す習得ステップ
WordPressのスキルは「管理画面を触れる」から「フルカスタム開発ができる」まで、幅が広いです。報酬の天井を上げるには、どこまでスキルを伸ばすかの設計が大切です。
まず押さえるべき必須スキル
フリーランスとしてWordPress案件を継続的に受注するには、最低限以下のスキルが必要です。
- HTML/CSS:マークアップとスタイリングの基礎です。これがなければカスタマイズ案件に参画できません
- PHP基礎:WordPressはPHPで動いています。テーマ開発・プラグイン開発には必須です
- MySQL基礎:カスタムクエリを書く場面では避けられません
- JavaScript:インタラクティブな要素の実装に必要です。Gutenbergブロック開発ではReactの知識も求められます
- SEO基礎:コンテンツ案件での必須知識です。Yoast SEO等プラグインの設定と効果の理解が求められます
月額60万円超を狙うための差別化スキル
月額60万円超の案件を継続的に獲得するには、基礎スキルに加えて次の要素が差別化になります。
- セキュリティ対策:Wordfenceによる脆弱性管理、プラグイン・テーマの定期更新対応です。2026年1月だけで264件以上の脆弱性がWordPressプラグイン・テーマに報告されており*7、セキュリティを理解したエンジニアへの需要は高まっています
- パフォーマンス最適化:Core Web Vitals対応、キャッシュ設計、画像最適化です
- Gutenbergブロック開発:カスタムブロックの自作はReact知識が必要です。2026年以降の案件増加が見込まれます
- REST API活用:ヘッドレス構成やモバイルアプリとの連携案件で必須です
収入を安定させる「保守契約」の重要性
WordPressフリーランスの収入安定戦略として、制作後の保守・運用を月次契約化することが効果的です。月10〜30万円の保守契約を複数持てば、安定収入の基盤が作れます*3。案件の繁閑に関わらず一定収入が入る「ストック型収入」は、フリーランスの収入不安定さを緩和する重要な仕組みです。
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WordPress 7.0・AI活用・ヘッドレスCMS——2026年の3大変化と対応スキル
2026年はWordPressにとって大きな変化の年です。技術の変化を把握しておくことが、フリーランスとしての競争力維持につながります。
WordPress 7.0のリリースと変化
WordPress 7.0は2026年4月9日にリリースが予定されていました。Gutenbergフェーズ3のコラボレーション機能、Admin UIのDataViewsなど、アップデートの全体像が示されています*8。
Gutenberg 22.3では、フォント管理の新機能(管理画面「外観」にフォントメニュー追加)、PHPのみでのブロック登録機能の改善など、開発者向けの機能強化が進んでいます*7。こうした変化に対応したGutenbergブロック開発のスキルが、今後の案件参画の要件として加わっていく見込みです。
表3:WordPress 2026年の主要技術変化と対応スキル
2026年のWordPressは技術面での変化が多岐にわたります。以下は、フリーランスエンジニアがキャッチアップすべき主要な技術変化とその対応スキルをまとめたものです。どのスキルを優先的に習得するかの判断にご活用ください。
| 変化のトピック | 内容 | 対応すべきスキル | 優先度 |
| WordPress 7.0 | Gutenbergフェーズ3。コラボレーション機能・DataViews実装 | Gutenbergブロック開発、React基礎 | 高 |
| AI機能の組み込み | 公式AI実験プラグインで「コンテンツアシスタント」「サイトエージェント」機能 | AI活用知識、プロンプト設計 | 中〜高 |
| セキュリティ強化 | 2026年1月に264件超の脆弱性報告。定期更新・脆弱性管理が必須 | セキュリティ対策、脆弱性管理 | 高 |
| ヘッドレスCMS移行 | WordPressをAPIとして使い、フロントにNext.jsを使う構成の増加 | REST API、Next.js基礎 | 中(要件に応じて) |
出典:WordPress公式(2026年1月)*7、WordPress.org AIプラグイン*9のデータをもとに編集部まとめ
AI活用でWordPress開発はどう変わるか
ChatGPT・Claude・CursorなどのAIツールは、2026年時点でWordPress開発者が日常的に使うツールになっています*10。主な活用場面は次の通りです。
- カスタムプラグインコードの生成・デバッグ:AIに処理の目的を伝えてコードのひな形を生成し、確認・修正する作業が一般的になっています
- Gutenbergブロック開発の高速化:edit()・save()関数のひな形生成、既存ブロックの改修で活用されています
- WP-CLIコマンドの自動生成:データベース操作やバルク処理のスクリプトをAIで生成することが増えています
AIツールの活用により、WordPress開発者一人あたりの処理できる案件量は着実に増えています。AIを日常的に使いこなすことが、現代のWordPress開発者の標準的な仕事のスタイルになりつつあります。
ヘッドレスCMSとの向き合い方
「WordPressをAPIとして使い、フロントエンドはNext.jsで作る」という構成——ヘッドレスWordPress——の案件が増えています。この場合、WordPressエンジニアに求められるのは従来の管理画面操作やPHPスキルに加え、REST APIの設計とJavaScriptフレームワーク(Next.js/React)への理解です。
全員がヘッドレス構成に移行する必要はありませんが、クライアントから相談を受けた際にメリット・デメリットを説明できる知識があると、エンジニアとしての信頼につながります。
保守契約とリモート案件で収入を安定させる3つの戦略
WordPressの仕事はWebサイト制作・更新がメインのため、物理的な作業を伴わない案件が多く、リモートワークとの相性が高いです。
リモート対応案件の実態
フリーランスエージェント各社に掲載されているWordPress案件の多くは「フルリモートOK」「在宅可」の表記がついています。フリーランスStartの集計(2025年11月)では、東京都に案件が集中していますが、フルリモート案件であれば地方在住エンジニアも参画できます*6。
収入安定のための3つの戦略
1. 保守契約でストック収入を作る
月次保守契約は、バックアップ・プラグイン更新・セキュリティ対応を月10〜30万円で受託する形式です。複数のクライアントと保守契約を結ぶことで、案件が途切れた月でも一定収入が入ります。
Remogu(株式会社LASSIC運営)では、リモートワーク対応のWordPress・Web制作関連案件を取り扱っています。公開案件3,790件(うちフルリモート1,428件)の中から、スキルや稼働条件に合う案件をご確認ください。
2. 案件の幅を広げてリスクを分散する
WordPressのみでなく、HTML/CSS・JavaScript・PHPを合わせて受注できると、WordPress以外のWeb制作案件にも対応できます。スキルの幅が広いほど案件が途切れにくくなります。
3. フリーランスエージェントで条件交渉をサポートしてもらう
直接営業は時間と労力がかかります。フリーランスエージェントをご活用いただければ、案件紹介・条件交渉・契約手続きのサポートを受けられます。複数のエージェントに登録して案件数と単価を比較するのが効果的です。
よくある質問(FAQ)
Q1. WordPress未経験でもフリーランスになれますか?
WordPress案件は入り口が広く、管理画面操作やコンテンツ入稿であれば未経験でも参画できる案件があります。ただし、収入を安定させるにはHTML/CSS・PHPの習得が必要です。実務経験2年以上を積んでから独立することが現実的なステップとして推奨されています*3。
Q2. WordPressだけで月収100万円は可能ですか?
WordPressのみでの月収100万円は難しいケースが多いです。月収100万円を目指すには、フルPHP開発・APIカスタマイズ・上流工程対応など、WordPress以外のスキルも組み合わせた提案力が必要です。複数の保守契約(月10〜30万円×3〜5件)と開発案件(月60〜70万円)を組み合わせれば到達できる可能性があります。
Q3. AIにWordPressの仕事が奪われますか?
コンテンツ入稿や単純な設定作業は自動化の影響を受けやすいですが、クライアントの要件をヒアリングしてカスタマイズを設計する仕事はAIが代替しにくい領域です。むしろAIを活用して生産性を高め、より多くの案件を処理できるエンジニアへの需要が高まっています*10。
Q4. ヘッドレスCMSに移行すべきですか?
すべてのWordPressエンジニアが移行する必要はありません。既存のWordPressサイトの保守・改修案件は継続しますし、中小企業の新規サイト制作でもWordPressが適しているケースは多くあります*4。ただし、将来の選択肢を広げる意味で、REST APIとNext.jsの基礎を学んでおくことは中長期的にプラスになります。
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まとめ
- WordPressは2026年も世界シェア43%超を維持しており、案件数・需要ともに安定しています
- 月額報酬の目安はスキルレベルで35〜90万円以上と幅広く、PHPカスタマイズができれば高単価層へ届きます
- WordPress 7.0・Gutenbergの進化・AI機能の公式サポートにより、開発者向けの機能が大幅に強化されています
- 収入を安定させるには、保守・運用の月次契約(ストック収入)を複数積み上げることが有効な戦略です
- AI活用・ヘッドレスCMS対応スキルは、2026年以降の差別化につながる先行投資です
WordPressは「入りやすく、深掘りできる」フィールドです。基礎から積み上げ、PHPとセキュリティを身につけ、AIツールを活用する。そのサイクルを回し続けた方が、2026年のWebエンジニア市場で安定した地位を築けます。今のご自身のスキルに合う案件から、まずは一歩踏み出してみてください。
Remogu(リモグ)でリモートワーク案件を探す
Remoguは、株式会社LASSICが運営するITエンジニア・デザイナーに特化したフルリモートワークの案件サイト(エージェントサービス)です。
Web制作・WordPress関連のリモートワーク案件も取り扱っています。公開案件3,790件(うちフルリモート1,428件)の中から、稼働条件に合う案件を探してみてください。
ご不明な点はお気軽にご相談ください。
参照元
*1 W3Techs「Usage Statistics and Market Share of Content Management Systems」
*2 ITプロマガジン「WordPress制作でフリーランスになれる?単価相場と仕事内容を解説」(2025年4月)
*3 @SOHO「WordPressエンジニアのフリーランス案件ガイド|需要・単価・始め方【2026年版】」(2026年3月)
*4 Qiita「WordPressはAI時代に終わる?」(2026年3月)
*5 インディバースフリーランス「WordPressのフリーランスになるには?」(2025年12月)
*6 フリーランスStart「WordPressのフリーランス求人・案件」(2025年11月調べ)
*7 WordPress公式「What’s new for developers – January 2026」
*8 KUSANAGI「世界のWordPress動向(2026年1月)」
*9 WordPress.org「AI – WordPress プラグイン」
*10 Kinsta「WordPress開発でのAI活用事例7選」(2025年5月)
