損益計算書はどこから写す?フリーランスエンジニアの青色申告決算書で売上と減価償却費の欄を解説
監修・編集責任者:牛尾 昭昌(株式会社LASSIC 執行役員)

📘 この記事でわかること
- 損益計算書の売上と減価償却費は、それぞれ決算書の別のページの計から写すことと、月の途中で締めていても1月1日から12月31日までを記入する考え方
- 減価償却費の計算欄に取得価額や償却方法を書く手順と、一括償却資産や少額減価償却資産の特例を受けるときの決まった記入のしかた
- 経費帳の決算整理後の金額を経費欄に書くことと、提出前に売上①や減価償却費⑱を決算書内の計と照らし合わせて確かめる箇所
青色申告の承認を受け、初めて青色申告決算書を作ることになりました。国税庁の様式を開くと、損益計算書だけでも欄が並んでいて、どの欄にどこから数字を写せばよいのか分かりませんでした。損益計算書の売上と減価償却費は、ほかのページの計から写します。
▶ あわせて読みたい
・事業主貸と事業主借の違いは?フリーランスエンジニアの貸借対照表と元入金の書き方
・フリーランスエンジニアの青色申告特別控除は65万円?55万円・10万円になる条件の違い
・一括償却資産は「3年で3分の1」|フリーランスエンジニアが買った機器の経費と40万円未満の特例の違い
1. 青色申告決算書(一般用)は、国税庁の説明書に沿って書きます
国税庁の説明書が示す、欄の埋め方
この記事で確かめる国税庁の『令和7年分 青色申告決算書(一般用)の書き方』は、所得税の青色申告決算書(一般用)の作成方法などを説明したもので、令和7年10月1日現在の法令等に基づいています1。
損益計算書のいくつかの欄は、ほかのページの計から写します。売上(収入)金額①には、2ページの月別売上(収入)金額及び仕入金額にある売上(収入)金額の計を書き写します2。
減価償却費⑱には、3ページの減価償却費の計算にある本年分の必要経費算入額の計を記入します8。青色申告特別控除額㊹には、2ページの青色申告特別控除額の計算にある⑨欄の金額を書きます13。
一方、経費の各欄には、経費帳の決算整理後の金額を書きます7。欄ごとの写す元を、表1にまとめます。
| 欄 | 写す元 |
|---|---|
| 売上(収入)金額① | 決算書2ページの月別売上(収入)金額及び仕入金額の計2 |
| 減価償却費⑱ | 決算書3ページの減価償却費の計算の計8 |
| 青色申告特別控除額㊹ | 決算書2ページの青色申告特別控除額の計算の⑨欄13 |
| 経費の各欄 | 決算書の外にある経費帳の決算整理後の金額7 |
2. 売上は、2ページの月別売上から写します
締め日がずれていても、1年分をそのまま書きます
売上(収入)金額①に書く数字は、2ページの「月別売上(収入)金額及び仕入金額」にある売上(収入)金額の計です2。
ただし、売上や仕入を月の途中、たとえば20日や25日で締めている場合でも、月別の欄には1月1日から12月31日までの売上(収入)金額や仕入金額を書きます3。
このとき、2月から11月までの各欄には帳簿の月計をそのまま書き、1月と12月の欄で調整してかまいません4。
事業所得として課税の対象になる助成金等がある場合は、その金額も雑収入の欄に含めます5。
消費税の課税事業者が税込経理方式を選び、消費税等の還付税額がある場合も、その金額を雑収入の欄に含めます14。1月から12月までの月別の欄の書き方を、図1に示します。
図の作成:Remogu編集部。国税庁の説明書に沿って月別売上の記入順を整理したもので、統計データではありません
3. 売上先と経費の欄は、帳簿の数字で書きます
売上先の記入を省く条件と、経費の書き方
まず、売上先や仕入先のうち、登録番号や法人番号を記入した相手は、名称や所在地の記入を省略できます6。
損益計算書の経費の各欄には、経費帳の各科目の口座から、決算整理後の金額を書きます7。必要経費の算入にあたって明細書の添付が必要な場合は、その明細書もあわせて提出します7。
経理の合間に、公開中のリモート案件を見てみる →
4. 減価償却費は、3ページの「減価償却費の計算」から写します
減価償却費⑱も、3ページの計を書き写します
次に、減価償却費です。損益計算書の減価償却費⑱には、決算書3ページの「減価償却費の計算」にある「本年分の必要経費算入額」の計を、そのまま書き写します8。
取得価額・償却方法・耐用年数は、資料のとおりに書きます
3ページの「減価償却費の計算」では、取得価額の欄に取得価額そのままの金額を書きます9。償却方法の欄には、税務署に届け出ている償却方法を書きます16。
耐用年数は、説明書の「主な減価償却資産の耐用年数表」で確かめます。この表の電子計算機の区分には、「パーソナルコンピュータ(サーバー用のものを除く。)」という項目があります17。
月の途中で取得した資産は、月数で書きます
資産を月の途中で取得した場合などは、その月を1か月として計算した月数が、本年中の償却期間の月数です19。ここまでの欄を、表2にまとめます。
| 欄 | 書くこと |
|---|---|
| 取得価額 | 取得価額そのままの金額9 |
| 償却方法 | 税務署に届け出ている償却方法16 |
| 耐用年数 | 説明書の「主な減価償却資産の耐用年数表」で確認した年数17 |
| 本年中の償却期間の月数 | 月の途中で取得した場合は、その月を1か月として計算した月数19 |
| 本年分の必要経費算入額 | 損益計算書の減価償却費⑱に書き写す計8 |
5. 一括償却資産と少額減価償却資産の特例は、決まった書き方があります
一括償却資産の欄の書き方
一括償却資産の必要経費算入の適用を受ける場合は、「償却率」の欄に「1/3」と書きます18。
少額減価償却資産の特例の欄の書き方
中小事業者の少額減価償却資産の特例を受ける場合は、「摘要」欄に「措法28の2」と書きます20。この2つの書き方を、図2に示します。
図の作成:Remogu編集部。国税庁の説明書に沿って特例を受けるときの記入箇所を整理したもので、統計データではありません
減価償却費の記入が済んだら、公開中のリモート案件をのぞいてみる →
6. 地代家賃・利子割引料・税理士等の報酬は、内訳の欄に書きます
地代家賃と利子割引料は、内訳の欄に書きます
まず、地代家賃の内訳には、本年中に支払うことの確定した金額を記入します。権利金や更新料は上段に、賃借料は下段に記入し、権利金には「権」、更新料には「更」を○で囲んで示します10。
次に、利子割引料の内訳には、本年中に支払うことの確定した利子割引料の金額を記入します11。
税理士・弁護士等への報酬にも、内訳の欄があります
税理士・弁護士等の報酬・料金の内訳には、本年中に税理士や弁護士、公認会計士などに支払うことの確定した報酬や料金を書きます12。3つの内訳欄を、図3に示します。
図の作成:Remogu編集部。国税庁の説明書に沿って内訳欄の記入内容を整理したもので、統計データではありません
7. 提出の前に、3つを確かめます
提出の前に、3つの数字を照らし合わせます
売上(収入)金額①が、2ページの月別売上(収入)金額及び仕入金額の計と一致しているかを確かめます2。
減価償却費⑱についても、3ページの減価償却費の計算の計と一致しているかを見ます8。
青色申告特別控除額㊹を、2ページの青色申告特別控除額の計算の⑨欄から書き写したかも確かめます13。3つの確認を表3に、確かめる順番を図4に示します。
| 欄 | 確かめること |
|---|---|
| 売上(収入)金額① | 決算書2ページの月別売上(収入)金額及び仕入金額の計との一致2 |
| 減価償却費⑱ | 決算書3ページの減価償却費の計算の計との一致8 |
| 青色申告特別控除額㊹ | 決算書2ページの青色申告特別控除額の計算の⑨欄からの書き写し13 |
図の作成:Remogu編集部。国税庁の説明書に沿って提出前に確かめる手順を整理したもので、統計データではありません
説明書は、e-Taxで出すメリットを挙げています
国税庁の説明書は、自宅からe-Taxで提出するメリットとして、早期還付(3週間程度で還付)、添付書類の提出不要、24時間利用可能などを挙げています15。
ここまでの欄を、もう一度たどってみます。売上(収入)金額①は、決算書2ページの月別売上(収入)金額及び仕入金額の計から書き写します2。月の途中で締めていても、1月1日から12月31日までの金額を書きます3。
減価償却費⑱は、3ページの「減価償却費の計算」にある本年分の必要経費算入額の計から書き写します8。青色申告特別控除額㊹は、2ページの青色申告特別控除額の計算の⑨欄から書き写します13。
損益計算書の売上と減価償却費は、ほかのページの計から写します。先に月別売上と減価償却費の計算を仕上げてから、損益計算書に移ります。
リモートワーク案件をお探しの方へ
Remoguは、株式会社LASSICが運営するITエンジニア・デザイナー専門のリモートワーク案件紹介サービスです。フルリモート・ハイブリッドの案件から、スキルに合うものを探せます。
決算書の書き方を確かめたら、これからの案件の条件も見てみてください。リモートの案件から探せます。
会員登録無料 / 案件閲覧・相談は無料
※公開中の案件数は時期によって変わります。記事中の案件の傾向は執筆時点のものです。
出典・参考情報
*1 国税庁「令和7年分 青色申告決算書(一般用)の書き方」冒頭(2025年10月1日・2026年9月確認)
*2 国税庁「令和7年分 青色申告決算書(一般用)の書き方」○損益計算書 ①(2025年10月1日・2026年9月確認)
*3 国税庁「令和7年分 青色申告決算書(一般用)の書き方」○月別売上(収入)金額及び仕入金額(2025年10月1日・2026年9月確認)
*4 国税庁「令和7年分 青色申告決算書(一般用)の書き方」○月別売上(収入)金額及び仕入金額(2025年10月1日・2026年9月確認)
*5 国税庁「令和7年分 青色申告決算書(一般用)の書き方」○月別売上(収入)金額及び仕入金額(2025年10月1日・2026年9月確認)
*6 国税庁「令和7年分 青色申告決算書(一般用)の書き方」○売上(収入)金額の明細(2025年10月1日・2026年9月確認)
*7 国税庁「令和7年分 青色申告決算書(一般用)の書き方」○損益計算書 経費(2025年10月1日・2026年9月確認)
*8 国税庁「令和7年分 青色申告決算書(一般用)の書き方」○損益計算書 ⑱(2025年10月1日・2026年9月確認)
*9 国税庁「令和7年分 青色申告決算書(一般用)の書き方」○減価償却費の計算 ㋑(2025年10月1日・2026年9月確認)
*10 国税庁「令和7年分 青色申告決算書(一般用)の書き方」○地代家賃の内訳(2025年10月1日・2026年9月確認)
*11 国税庁「令和7年分 青色申告決算書(一般用)の書き方」○利子割引料の内訳(2025年10月1日・2026年9月確認)
*12 国税庁「令和7年分 青色申告決算書(一般用)の書き方」○税理士・弁護士等の報酬・料金の内訳(2025年10月1日・2026年9月確認)
*13 国税庁「令和7年分 青色申告決算書(一般用)の書き方」○損益計算書 ㊹(2025年10月1日・2026年9月確認)
*14 国税庁「令和7年分 青色申告決算書(一般用)の書き方」○月別売上(収入)金額及び仕入金額(2025年10月1日・2026年9月確認)
*15 国税庁「令和7年分 青色申告決算書(一般用)の書き方」「自宅からのe-Tax」5つのメリット(2025年10月1日・2026年9月確認)
*16 国税庁「令和7年分 青色申告決算書(一般用)の書き方」○減価償却費の計算 償却方法(2025年10月1日・2026年9月確認)
*17 国税庁「令和7年分 青色申告決算書(一般用)の書き方」○減価償却費の計算 耐用年数/主な減価償却資産の耐用年数表(2025年10月1日・2026年9月確認)
*18 国税庁「令和7年分 青色申告決算書(一般用)の書き方」○減価償却費の計算 償却率(2025年10月1日・2026年9月確認)
*19 国税庁「令和7年分 青色申告決算書(一般用)の書き方」○減価償却費の計算 本年中の償却期間(2025年10月1日・2026年9月確認)
*20 国税庁「令和7年分 青色申告決算書(一般用)の書き方」○減価償却費の計算 摘要(2025年10月1日・2026年9月確認)