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    納税の猶予とは?フリーランスエンジニアが税金を期限までに納められないときの申請と注意点

    監修・編集責任者:牛尾 昭昌(株式会社LASSIC 執行役員)

    「税金を分割で納める猶予」を示す図です。一度に納められない/猶予を申請/許可を受ける/分割で納付を並べています。強調しているのは分割で納付です。

    📘 この記事でわかること

    • 申請により原則1年以内の分割納付ができ延滞税が免除・軽減される猶予の仕組みと、対象になるほとんどの税目の範囲
    • 換価の猶予と納税の猶予とで条件が異なることと、金額や期間によって担保が不要になる場合の扱い
    • 申請の期限は納期限から6か月以内で、e-Taxか郵送でも出せることと、金額次第で変わる添付書類の違い

    案件の入金が遅れ、確定申告で算出した所得税を、納期限までに一度に納めるめどが立たなくなりました。延滞税がかかると聞いて焦りましたが、分割して納める方法があるのかどうかが分かりませんでした。猶予は、自分から申請して初めて受けられます。

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    1. 国税の猶予制度は、原則1年以内の分割納付ができる制度です

    分割納付の期間は原則1年以内で、延滞税は免除または軽減されます

    国税の猶予制度は、期限内の納付が難しい場合に申請して税務署長の許可を受けると、原則として1年以内の期間に限り、税額を分けて納められる制度です1。

    猶予の期間中は、延滞税が免除または軽減されます1。損益が黒字でも、要件を満たせば猶予を受けられます6。

    猶予は自分から申請して初めて受けられます

    猶予は納税者からの申請に基づいて適用されるので、自動的には受けられません8。

    相談は、所轄の税務署の徴収担当に電話します。申請は、e-Taxか郵送で提出します8。

    猶予の要点は、期間・納め方・延滞税・受け方の4つです

    猶予の要点を、表1にまとめます。

    観点内容
    期間原則1年以内
    納め方分割
    延滞税免除または軽減
    受け方申請して税務署長の許可を受けます

    対象になる税目は、印紙で納付する印紙税など一部を除き、所得税・法人税・消費税など、ほとんど全ての税目です16。

    2. 主な猶予は、換価の猶予と納税の猶予の2つです

    換価の猶予は、事業や生活の維持が難しいときに使えます

    1つ目の換価の猶予は、一時に納付すると事業の継続や生活の維持が困難となるおそれがあるときに使います2。

    ほかの要件は、納税について誠実な意思があること、納期限から6か月以内に申請すること、猶予を受けようとする国税のほかに滞納がないこと、原則として担保を提供することです2。

    納税の猶予は、災害や病気、著しい損失のときに使えます

    2つ目の納税の猶予は、財産が災害を受けた・盗難に遭った、本人または生計を同じにする人が病気にかかった、事業をやむを得ず休廃業した、事業の利益の減少などで著しい損失を受けた、といった理由で一時に納付できないときに使います5。

    こちらも申請が必要で、原則として担保の提供が要ります5。

    図1:換価の猶予と納税の猶予、2つの猶予の違い
    図1:換価の猶予と納税の猶予、2つの猶予の違い 換価の猶予 一時に納めると 事業・生活が困難に 納期限から6か月 以内に申請します 納税の意思は誠実に ほかに滞納がない 原則、担保を提供 納税の猶予 財産の災害・盗難 生計を同じに する人の病気 やむを得ない休廃業 利益減少で著しい損失 原則、担保を提供

    出典:国税庁「国税の納税の猶予制度FAQ」(2024年11月)をもとに作成

    3. 担保は、100万円以下や3か月以内なら要りません

    担保が不要になるのは、次の3つの場合です

    猶予を受ける金額が100万円以下のとき、猶予の期間が3か月以内のとき、提供できる担保がないときの、いずれかに当てはまれば、担保は要りません3。

    滞納があるときの扱いは、猶予の種類で変わります

    すでにほかの国税を滞納しているときの扱いは、猶予の種類によって変わります7。

    換価の猶予は、猶予を受けようとする国税のほかに滞納となっている国税があると、認められないことがあります7。一方、納税の猶予は、ほかに滞納している国税があっても受けられます7。

    4. 換価の猶予は、納期限から6か月以内に申請します

    申請の期限は、納期限から6か月以内です

    換価の猶予は、納期限から6か月以内に申請します9。

    延滞税は納期限の翌日から発生するので、申請はできるだけ早く行うよう勧められています9。

    期限を過ぎたときも、ほかの猶予を受けられる場合があります

    申請期限を過ぎた場合、原則として、申請による換価の猶予は受けられません10。

    ただし、状況に応じて、他の猶予を受けられる場合があります。早めに、所轄の税務署の徴収担当に相談します10。

    すでに滞納がある場合や、申請期限を過ぎた場合は、状況に応じて、税務署長の職権による猶予が検討されます4。

    図2:納期限から申請までの流れ
    図2:納期限から申請までの流れ 納期限 税額を納める期限 翌日から延滞税 納期限の翌日に発生 6か月以内 換価の猶予を申請

    出典:国税庁「国税の納税の猶予制度FAQ」(2024年11月)をもとに作成

    5. 申請書と一緒に、財産収支状況書などを出します

    提出する書類は、猶予を受けようとする金額で変わります

    猶予の申請書と一緒に出す書類は、猶予を受けようとする金額で変わります11。

    金額が100万円以下のときは「財産収支状況書」、100万円を超えるときは「財産目録」と「収支の明細書」を提出します11。表2に、金額と書類の対応をまとめます。

    猶予を受けようとする金額提出する書類
    100万円以下財産収支状況書
    100万円を超える財産目録・収支の明細書

    元帳や預金通帳など、収支がわかる書類も用意します

    猶予の審査では、状況などを確認することがあります。元帳や売上帳など収支状況がわかる書類、現金出納帳や預金通帳など手元資金の現在高がわかる書類を準備しておくと、対応がスムーズになります12。

    6. 申請は、税務署に行かなくてもe-Taxか郵送でできます

    提出は、e-Taxか郵送でできます

    猶予の申請書は、税務署の窓口に出向かなくても、e-Taxまたは郵送で提出できます13。e-Taxは、メンテナンスの時間を除けば24時間利用できます14。

    延滞税は、申請をした日から軽減・免除されます

    猶予が許可された日にかかわらず、延滞税は申請をした日から軽減または免除されます15。

    図3:申請の出し方(e-Taxと郵送)
    図3:申請の出し方(e-Taxと郵送) 猶予を申請 e-Tax メンテナンスを除き 24時間使えます 郵送 税務署に行かず 提出できます 申請日から延滞税が 軽減・免除されます

    出典:国税庁「国税の納税の猶予制度FAQ」(2024年11月)をもとに作成

    7. 納期限が近いときは、3つを確かめます

    確かめるのは、猶予の種類・金額・期限の3つです

    納期限が近いのに一度に納められないときは、次の3つを確かめます。

    まず、どちらの猶予に当てはまるかです。一時に納めると事業の継続や生活の維持が困難になるおそれがあるときは換価の猶予2、財産の災害や盗難、生計を同じにする人の病気、やむを得ない休廃業、利益の減少による著しい損失で一時に納付できないときは納税の猶予です5。

    次に、猶予を受ける金額と、それに応じた添付書類です。100万円以下なら財産収支状況書、100万円を超えるなら財産目録と収支の明細書を用意します11。

    3つ目は、納期限から6か月以内かどうかです。換価の猶予は、この期限内に申請します9。

    確かめることを、表と図にまとめます

    3つの確認を、表3にまとめます。

    確かめること内容
    1. どちらの猶予か一時に納めると事業や生活の維持が困難になるおそれがあるときは換価の猶予、災害・病気・休廃業・著しい損失で一時に納付できないときは納税の猶予です
    2. 金額と添付書類100万円以下なら財産収支状況書、100万円を超えるなら財産目録と収支の明細書です
    3. 申請の期限換価の猶予は、納期限から6か月以内です

    確かめる順番は、図4のとおりです。

    図4:納期限が近いときに確かめる順番
    図4:納期限が近いときに確かめる順番 1 どちらの猶予に当てはまるか 換価の猶予か、納税の猶予か 2 金額と添付書類を確かめる 100万円が分かれ目です 3 納期限から6か月以内か 6か月以内に申請します

    出典:国税庁「国税の納税の猶予制度FAQ」(2024年11月)をもとに作成

    早めに所轄の税務署へ相談します

    国税の猶予制度は、申請をして税務署長の許可を受ければ、原則1年以内の期間に限り、分割して納められる制度です。猶予の期間中は、延滞税が免除または軽減されます1。

    猶予は申請に基づいて適用され、自動的には受けられません8。

    換価の猶予を受けるには、納期限から6か月以内という期限があります9。延滞税は、許可された日にかかわらず、申請をした日から軽減または免除されます15。

    猶予は、自分から申請して初めて受けられます。納期限が近いのに一度に納められないときは、早めに所轄の税務署の徴収担当に相談します。

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    出典・参考情報

    *1 国税庁「国税の納税の猶予制度FAQ」問2 猶予制度とは(2024年11月・2026年9月確認)
    *2 国税庁「国税の納税の猶予制度FAQ」問3(1)換価の猶予の要件(2024年11月・2026年9月確認)
    *3 国税庁「国税の納税の猶予制度FAQ」問3(注1)・問20(2024年11月・2026年9月確認)
    *4 国税庁「国税の納税の猶予制度FAQ」問3(注2)(2024年11月・2026年9月確認)
    *5 国税庁「国税の納税の猶予制度FAQ」問3(2)納税の猶予の要件(2024年11月・2026年9月確認)
    *6 国税庁「国税の納税の猶予制度FAQ」問4(2024年11月・2026年9月確認)
    *7 国税庁「国税の納税の猶予制度FAQ」問19(2024年11月・2026年9月確認)
    *8 国税庁「国税の納税の猶予制度FAQ」問21(2024年11月・2026年9月確認)
    *9 国税庁「国税の納税の猶予制度FAQ」問22(2024年11月・2026年9月確認)
    *10 国税庁「国税の納税の猶予制度FAQ」問23(2024年11月・2026年9月確認)
    *11 国税庁「国税の納税の猶予制度FAQ」問26 必要な書類(2024年11月・2026年9月確認)
    *12 国税庁「国税の納税の猶予制度FAQ」問26(2024年11月・2026年9月確認)
    *13 国税庁「国税の納税の猶予制度FAQ」問27(2024年11月・2026年9月確認)
    *14 国税庁「国税の納税の猶予制度FAQ」問30(2024年11月・2026年9月確認)
    *15 国税庁「国税の納税の猶予制度FAQ」問31(2024年11月・2026年9月確認)
    *16 国税庁「国税の納税の猶予制度FAQ」問6 猶予を受けられる税目(2024年11月・2026年9月確認)