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    【地方在住】フルリモートの案件で選ばれる条件は?距離ではなく体制で決まる理由

    監修・編集責任者:牛尾 昭昌(株式会社LASSIC 執行役員)

    「地方在住でフルリモートの案件に選ばれる条件」を示す図です。外に任せる前提がある相手/社内で完結する相手を並べています。強調しているのは外に任せる前提がある相手です。ここで決まると添えています。

    📘 この記事でわかること

    • スマートフォンや通信環境の普及が年齢を問わず進んでいる実態と、それが地方在住の不利にならない理由
    • テレワークの導入率が全体として減少している事情と、外部に開発をすでに任せている企業を見分ける視点
    • 企業規模によってデジタル化の遅れに大きな差がある実態と、案件を確かめる順番

    地方に拠点を置きながら参画先を探すと、都市部の開発者と比べて選ばれにくいのではないかという不安がつきまといます。総務省の調査を確かめると、通信環境や機器の普及はすでに年齢を問わず進んでいて、道具の面で地方在住が不利になる根拠は見当たりません1。差を生んでいるのは、クライアント側が開発を外部に任せる体制を整えているかどうかです。この記事では、その体制の違いを総務省のデータで確かめ、案件を見るときに確認する順番を整理します。距離を基準に案件を絞り込むのをやめるだけで、視界に入る選択肢は大きく変わります。

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    1. 道具の面で整っている条件

    地方在住が案件選びで不利になるとすれば、原因は距離そのものではありません。通信環境や情報機器の普及状況を確かめると、地方かどうかで大きな差があるようには見えません。ここでは、距離で考える発想と体制で考える発想の違いを整理します。同じ案件情報を読んでも、どちらの発想で読むかによって見えてくる材料が変わります。

    図1:案件を読むときの二つの発想
    距離で見る場合 地方在住だから 選ばれにくいという見方 → 体制で見る場合 外部に任せる体制が あるかの確認

    図の作成:Remogu編集部。案件を見るときの視点の違いを整理したもので、統計データではありません

    世帯のスマートフォン保有率は9割超

    総務省の調査によると、世帯におけるスマートフォンの保有割合は90.5%に達しています1。地域別の内訳は示されていませんが、機器そのものの普及は全国的にほぼ行き渡っている水準です。地方在住だから機器が整っていない、という見方は数値の裏づけを持ちません。

    案件を受ける側に問われるのは、通信環境そのものではなく、その環境をどう使って成果を届けるかという姿勢です。機器の有無が参画の判断材料になる段階は、すでに過ぎています。確かめる対象は道具の有無ではなく、その先にある企業側の受け入れ方だと考えると、見るポイントが絞られます。

    稼働世代に広がる利用

    20〜59歳の各年齢階層では、スマートフォンの利用が9割にのぼります1。仕事で日常的に情報端末を使う世代の大半が、すでに使いこなしている状況です。

    年齢によって差が大きいなら地方在住も一因になり得ますが、実際には稼働世代のほとんどが同じ水準で使っています。差を分けているのは、年齢でも地域でもない別の要因だと考えるのが自然です。距離を基準に考える発想から離れると、地方在住という条件は判断の対象から外れます。残るのは、相手がどんな体制を持っているかという一点だけです。

    道具の普及だけを見る限り、地方在住が案件選びで不利になる材料は見当たりません。次に確かめたいのは、年齢による使用状況の違いです。

    2. 年齢を問わない利用状況

    スマートフォンの利用は、若い世代だけのものではありません。総務省の調査では、年齢階層ごとの利用割合が示されています。地方在住かどうかより先に、年齢による差の大きさを確かめておきます。年齢を理由に案件の範囲を狭めて考えている場合、その前提自体を見直す材料になります。

    稼働世代の利用割合は9割

    20〜59歳の各年齢階層におけるスマートフォンの利用割合は9割にのぼります1。案件でやり取りが発生する年代のほとんどが、すでに情報端末を日常的に使っている計算になります。

    この年代を対象にした限り、地方在住であることが利用状況の差につながっている様子はありません。年齢による差を確かめる意味では、次の年齢層との比較が手がかりになります。

    60代でも約8割の利用

    60〜69歳の年齢階層でも、スマートフォンの利用割合は約8割にのぼります1。稼働世代と比べても、極端に低い水準ではありません。

    年齢が上がるにつれて利用割合はゆるやかに下がりますが、開きはわずかです。地方在住かどうかで機器の利用状況が分かれるという見方は、この年齢別の数値からも支持されません。

    年齢層による利用割合の小さな開き

    年齢によって利用割合がどの程度違うのかを、稼働世代と60代で比べると次のようになります。稼働世代である20〜59歳では9割、60〜69歳では約8割という水準です。いずれも高い割合であり、両者の開きは大きくありません。地方在住かどうかを論じる前に、年齢による差自体が小さいことがわかります。年齢を参画の条件にする企業がある場合、その基準が実態と合っているかを見分ける視点にもなります。

    年齢階層スマートフォンの利用割合出典
    20〜59歳9割1総務省 通信利用動向調査の結果(2025年5月)
    60〜69歳約8割1総務省 通信利用動向調査の結果(2025年5月)

    年齢による差が小さいとすれば、案件選びで差がつく理由は別のところにあります。次に確かめるのは、クライアント側の体制です。

    3. 決めているのは受け入れ側の体制

    地方在住かどうかより重い比重を持つのは、クライアント側がすでに外部へ開発を任せる体制を整えているかどうかです。総務省の調査からは、その体制自体が縮んでいる様子がうかがえます。

    テレワーク導入企業の割合の減少

    テレワークを導入している企業の割合は47.3%で、前年に続き減少しています1。案件を受ける側にとっては、体制を整えている企業の絶対数が縮んでいることを意味します。

    導入割合が下がっているからといって、地方在住の開発者に不利な変化とは限りません。むしろ、体制を整えている企業を早めに見分ける必要性が高まっていると読むほうが実態に近い理解です。体制を整えているかどうかは、案件情報の中でコミュニケーション手段や稼働時間の考え方がどこまで具体的に書かれているかで確かめられます。

    2022年以降続く減少傾向

    民間企業のテレワークは、2022年以降減少傾向が続いています2。一時的な落ち込みではなく、複数年にわたる流れとして表れています。

    この流れを踏まえると、体制を整えている企業を早い段階で見分ける視点が、地方在住かどうかより実務的な判断材料になります。体制が縮んでいるからこそ、相手選びの精度が結果を左右します。数を絞って探すより、条件に合う相手を丁寧に見分ける方が近道になる局面が増えています。

    体制を整えている企業の数が縮んでいるという事実は、地方在住の不利ではなく、相手選びの重要性を示しています。次に確かめるのは、企業規模による差です。

    4. 企業規模による差

    体制を整えている企業を見分けるとき、手がかりになるのが企業規模です。総務省の調査では、デジタル化の取組状況に規模による大きな差が示されています。企業規模は、案件情報の説明文からある程度読み取れる情報です。距離を理由に案件を絞り込む代わりに、規模を手がかりにする方が実務的な判断につながります。

    半数近くがデジタル化に未着手

    デジタル化の取組を未実施と回答した企業の割合は約50%にのぼります2。全体で見ると、まだ着手していない企業が半数近くを占める状況です。

    この数値だけでは差の理由が分かりにくいのですが、企業規模で分けると内訳がはっきりします。内訳を規模で分けて確かめる発想を持っておくと、全体の割合だけを見て諦める必要がなくなります。

    図2:規模で分かれる取組の遅れ
    未実施は中小企業が大きく上回る 約25% 大企業 約70% 中小企業

    出典:総務省「令和7年版 情報通信白書」(2025年7月)をもとに作成

    大企業と中小企業の大きな開き

    内訳を見ると、大企業では約25%、中小企業では約70%が未実施と回答しています2。企業規模による開きは、全体の割合だけでは見えない大きさです。

    中小企業を相手にする場合は、体制が整っているかどうかを個別に確かめます。大企業は未実施の割合が約25%にとどまります2。企業規模は案件情報から読み取れる項目なので、最初に確かめる項目になります。

    企業規模で見るデジタル化の未着手割合

    企業規模によってデジタル化の取組状況がどれだけ違うのかを整理すると、次のようになります。全体では約50%が未実施ですが、規模別に見ると大企業と中小企業で大きな開きがあります。相手の規模を確かめることは、体制を見分ける手がかりの一つになります。

    区分デジタル化の取組が未実施の割合出典
    全体約50%2総務省 令和7年版情報通信白書(2025年7月)
    大企業約25%2総務省 令和7年版情報通信白書(2025年7月)
    中小企業約70%2総務省 令和7年版情報通信白書(2025年7月)

    企業規模による差は、体制を見分けるときの一つの目安になります。次に確かめるのは、開発を誰が主導しているかという点です。

    5. 外に任せる前提がある相手

    体制を見分けるもう一つの視点が、システム開発を自社主導で行っているか、外部に任せているかです。総務省の調査は、この点でも国内と海外の違いを示しています。開発を誰が担っているかという情報は、案件の背景説明に表れやすい部分です。国内と海外の差を知っておくと、国内企業の案件情報を読むときの見方が変わります。

    国内で3割台にとどまる自社主導

    システム開発を自社主導で行っていると回答した企業は、日本では35.7%にとどまっています2。裏を返せば、6割以上は自社だけで完結させていないことになります。

    外部に任せる前提がすでにある企業は、国内にも一定数存在するということです。地方在住かどうかより、この前提の有無のほうが参画のしやすさに直結します。

    図3:開発を自社で担う企業の比率
    自社主導は海外が日本を大きく上回る 日本 35.7% 海外 80〜90%

    出典:総務省「令和7年版 情報通信白書」(2025年7月)をもとに作成

    海外では8割から9割が自社主導

    海外では自社主導での開発を行っていると回答した企業が80〜90%にのぼります2。国内とは逆に、外部への委託を前提にしていない企業が主流です。

    この違いを踏まえると、外部への委託を前提にした体制は、海外の標準ではなく国内特有の状況として理解するほうが実態に近くなります。地方在住の開発者にとっては、この国内の状況自体が参画の余地になります。海外の水準を基準にすれば、国内で外部に任せる前提を持つ企業は、まだ少数派の立場にとどまっているとも言えます。

    自社主導の割合が低いという事情は、外部に任せる前提がある企業が国内にあることを示しています。次に確かめるのは、その背景にある事情です。

    6. 人材不足という事情

    外部に任せる前提がある企業が一定数存在する背景には、人材不足という事情があります。総務省の調査では、デジタル化を進めるうえでの課題として人材不足を挙げる割合が最も大きくなっています。この事情は特定の業種に限った話ではなく、デジタル化を進めようとする企業全体に共通する背景として調査結果に表れています。

    課題の筆頭は人材不足

    デジタル化を進めるうえでの課題として人材不足を挙げた企業の割合は48.7%で、他の項目より大きくなっています2。体制を整えたくても、担う人が届いていないという事情がうかがえます。課題の中で最も大きい割合を占めていることは、この事情が一時的なものではなく、続いている状況であることを示しています。

    この事情は、自社主導で開発する企業が国内で35.7%にとどまっていることとも重なります2。人の確保が難しいからこそ、外部に任せる選択肢を持つ企業が増えていると読むのが自然です。

    外部委託の理由になる人材不足

    人の確保が難しいという事情は、地方在住の開発者にとって不利ではなく、参画の機会になり得ます。企業側が外部に任せる前提をすでに持っているなら、地理的な条件は判断材料になりにくいからです。地方在住であることは、この場面では判断材料になりません。

    問われるのは、その企業が実際に外部へ任せる体制を持っているかどうかを、案件情報の中から見分けることです。

    課題と体制の実態を並べて見る

    人材不足という課題と、自社主導で開発している割合を並べると、外部に任せる前提がどの程度あるかが見えてきます。課題として人材不足を挙げる企業が最も多い一方、自社主導での開発は3割台にとどまっています。この2つの数値は、同じ調査の中で人の確保と開発体制のそれぞれを尋ねたものです。

    項目割合出典
    デジタル化の課題として人材不足を挙げた割合48.7%2総務省 令和7年版情報通信白書(2025年7月)
    システム開発を自社主導で行っている割合(国内)35.7%2総務省 令和7年版情報通信白書(2025年7月)

    人材不足という事情は、外部に任せる前提がある企業を見つけるときの手がかりになります。地方在住かどうかより、この事情を抱えている企業かどうかを見分ける視点の方が、案件選びでは実務的な手がかりになります。最後に、地方在住の開発者が案件を確かめるときの順番を整理します。

    7. 地方在住で確かめる順番

    地方在住の開発者が案件を確かめるときは、距離ではなく、相手の体制を先に確かめます。順番は、体制の記載、傾向、参画後の連絡手段の3つです。

    先に確認する体制の記載

    案件情報を確認するときは、稼働形態やコミュニケーション手段の説明を先に見ます。テレワークの導入割合が47.3%にとどまっている以上1、体制の説明がどこまで具体的かによって、企業側の準備度合いが見えてきます。

    説明が具体的な案件は、外部に任せる前提を読み取る材料がそろっています。記載が薄い場合は、面談で稼働形態やコミュニケーション手段を尋ねれば、体制の有無を確かめられます。

    傾向が続いているかの見方

    民間企業のテレワークは2022年以降減少傾向が続いています2。この流れを知っておくと、体制が整っている企業ほど貴重な相手だという前提で案件を見比べられます。

    地方在住かどうかを気にする前に、相手がすでに外部へ任せる体制を持っているかを確かめる。この順番を守るだけで、案件選びの視点は大きく変わります。

    図4:地方在住で案件を確かめる順番
    1 体制の記載 稼働形態を確認 → 2 継続性 傾向を確かめる → 3 参画後の動き 連絡手段を確認

    図の作成:Remogu編集部。案件を確かめる際の視点の順番を整理したもので、統計データではありません

    冒頭の、地方に拠点を置くと選ばれにくいのではないかという不安は、道具の面では数値の裏づけがありませんでした1。

    差を分けるのは、相手が外部に任せる体制を持っているかどうかです。距離で案件を絞り込むのをやめるだけで、地方在住であることは判断材料から外れます。

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    8. よくある質問

    地方在住だとフルリモートの案件で不利になりますか

    世帯のスマートフォン保有割合は90.5%で1、機器の普及が案件選びの障壁になる状況は数値から見えません。差がつくとすれば、相手企業が外部に任せる体制を持っているかどうかです。

    テレワークを導入している企業を見分ける方法はありますか

    テレワークを導入している企業の割合は47.3%で、前年に続き減少しています1。導入の状況は企業ごとに異なるため、案件情報にある稼働形態やコミュニケーション手段の記載を個別に確かめます。

    企業規模はどのように参考にすればよいですか

    デジタル化の取組を未実施と回答した割合は、大企業で約25%、中小企業で約70%です2。中小企業を相手にする場合は、体制を個別に確かめます。

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    ※公開中の案件数は時期によって変わります。記事中の案件の傾向は執筆時点のものです。

    出典・参考情報

    *1 総務省「通信利用動向調査の結果」受け入れ側の事情(2025年5月・2026年10月確認)
    *2 総務省「令和7年版 情報通信白書(デジタル活用の動向)」受け入れ側の変化(2025年7月・2026年10月確認)