フリーランスのFigma案件完全ガイド|仕事内容・単価・必要スキルを一気に解説
Remogu(株式会社LASSIC運営)|リモートワーク案件特化のエンジニア・デザイナーマッチング
Figmaをデザイナーのためだけのツールだと思っている人がいる。正確には、少し違う。エンジニアも、プロダクトマネージャーも、Figmaを開けば同じ画面に立てる。チームで仕事をするための、共通言語だ。インストール不要で、ブラウザひとつで世界と同期できる。そして、そのツールを使いこなすフリーランスへの需要が、静かに、しかし確実に上がっています。
この記事では、Figmaの本質から報酬相場・スキルロードマップ・リモート案件との相性まで、整理してお伝えします。
この記事でわかること
- Figmaとは何か——公式情報・設計思想・主要機能
- フリーランスがFigma案件に参画する際の報酬相場と案件傾向
- 初心者からエキスパートまでのスキルレベル別ロードマップ
- 世界的プロダクト・日本企業でのFigma活用事例
- Figmaスキルとリモートワーク案件の相性と2025〜2026年トレンド
Figma案件とは
Figma案件とは、ブラウザベースのUIデザインコラボレーションツール「Figma」(Figma, Inc.)を活用するUI/UXデザイン・デザインシステム構築・フロントエンド実装支援などの案件を指します。Figmaは2012年に設立され、世界中のプロダクト開発現場で採用されています1。Remoguに登録された公開案件3,790件のうち、UIデザインやデザインシステムを要件とするFigma関連案件は、リモートワーク対応率が高く、月額単価の目安は経験・役割によって40〜100万円以上の幅があります(編集部調べ)。
目次
1. Figmaとは何か——公式情報と設計思想
1-1. チームを同じ画面に立たせた、ブラウザ発のデザインツール
Figmaが登場する前、UIデザインの現場には「デザイナーが作ったものをエンジニアに渡す」という断絶がありました。ファイルをSlackに貼り、バージョンが乱立し、誰のどのデータが最新かわからなくなる。そういう摩擦が、日常でした。
Figmaはその構造を変えました。ブラウザで動く。インストールは不要。URLひとつで、エンジニアもPMもデザイナーも、リアルタイムに同じファイルを見て、コメントできます。デザインツールではなく、チームが仕事をするための共通の場所として設計されています。
Figmaは米国サンフランシスコに本社を置くFigma, Inc.が開発・運営するブラウザベースのUIデザインコラボレーションプラットフォームです。2012年の創業から現在に至るまで、プロダクト開発の現場に深く浸透しています1。
1-2. 創業者と「アクセシビリティ」の哲学
Figmaを設立したのは、Dylan Field(CEO)とEvan Wallace(CTO)の2名です。ブラウン大学在学中に出会い、2012年に共同創業しました。Figmaが掲げるミッションは「デザインをすべての人に(Make design accessible to all)」。デザインを一部のデザイナーだけのものにしない、という姿勢が製品全体に貫かれています1。
2022年9月にはAdobeが約200億ドル(約2兆8,000億円)での買収を発表しましたが、2023年12月、欧州委員会および英国競争・市場庁の審査を受け、Adobe・Figma双方が買収中止を発表しました。その後、FigmaはAI機能への投資を加速させ、独立した企業として製品開発を続けています2。
1-3. Figmaの主な機能と特徴
Figmaは単なるデザインツールの域を超え、プロダクト開発の全工程を支えるプラットフォームとして進化しています。UIデザイン・プロトタイプ・開発者向けの仕様公開、さらにホワイトボード機能まで一元化されています。
下表はFigmaの主要機能をまとめたものです。案件要件でよく目にするキーワードと照らし合わせながら、自身のスキルセットを確認する際にご活用ください。
| 機能名 | 概要 | 案件での活用場面 |
|---|---|---|
| リアルタイムコラボレーション | 複数人が同一ファイルをリアルタイムで同時編集・コメントできる機能。Google Docsのデザイン版として捉えるとわかりやすい。バージョン管理もファイル内で完結します。 | チームデザインレビュー、ステークホルダーへのプレゼンテーション、リモートチームでのフィードバック収集 |
| コンポーネント・バリアブル | 再利用可能なUIパーツ(コンポーネント)と、色・サイズ・スペーシングなどのデザイン値を変数として管理するFigma Variables。ライト/ダークモードの切り替えも即座に反映できます。 | デザインシステムの構築・運用、マルチブランド対応のUI管理、デザイントークンとコードの同期 |
| Auto Layout | コンテンツ量に応じてフレームやコンポーネントのレイアウトを自動調整する機能。CSSのFlexboxに近い概念で設計されており、エンジニアとの意思疎通がしやすい構造になっています。 | レスポンシブUIの設計、テキスト量が変化するコンポーネントの管理、開発者への仕様伝達の効率化 |
| インタラクティブプロトタイプ | 画面遷移・ホバー状態・スライドアニメーション等をノーコードで定義し、実際の操作感に近いプロトタイプを作成できます。URLで共有できるため、クライアントや開発チームへの提案がスムーズになります。 | ユーザビリティテスト、クライアントへのUI提案、エンジニアへの動作仕様の伝達 |
| Dev Mode | エンジニア向けに、デザインファイルからCSS・iOS・Androidコードのスニペットを自動生成するモード。Figmaの有料プランで利用できる機能で、デザインと実装の乖離を構造的に防ぎます。 | デザイン〜実装のハンドオフ効率化、フロントエンドエンジニアの実装速度向上、仕様確認の非同期対応 |
| FigJam | 付箋・図形・テキストを自由に配置できるオンラインホワイトボードツール。Figmaとシームレスに連携でき、要件定義やユーザーフロー整理の場でチームが一緒に使えます。 | 要件定義ワークショップ、ユーザーフロー設計、スプリントレトロスペクティブ、チームブレインストーミング |
| Figma AI | テキスト入力からUIを自動生成する「Make Designs」、レイヤー名を自動整理する「Rename Layers」、画面遷移を自動提案する「AI Prototype」などの機能群。反復作業の削減を中心に設計されており、2026年6月開催のConfig 2026でもさらなる機能拡張が予定されています。 | 反復作業の効率化、アイデアのすばやい具体化、初期ワイヤーフレームの自動生成、プロトタイプ設計の時間短縮 |
| プラグインエコシステム | Figmaのコミュニティには数千のサードパーティ製プラグインが公開されており、業務フローに合わせた拡張が可能です。Storybook連携・アクセシビリティチェック・コンテンツ自動挿入など多岐にわたります。 | ワークフローの自動化、既存ツール(Jira・Notion・Storybook等)との連携、デザインデータの一括処理 |
※ 上記はFigma公式ヘルプセンター(help.figma.com)に記載された機能をもとに編集部が整理したものです。各機能の最新仕様・アップデート情報については公式サイトをご確認ください。Figma AI等の機能はプランによって提供状況が異なります。
Figmaが担えるのはUIデザインだけではありません。ユーザー調査のメモ書きから、コンポーネントライブラリの整備、実装チームへのコード仕様の受け渡しまで、一連のプロセスをひとつのプラットフォームで完結できます。この一気通貫性が、Figmaが案件要件の中心に置かれるようになった理由のひとつです。
では、実際にFigmaスキルを持つフリーランスはどのくらいの報酬を得ているのでしょうか。
2. Figmaフリーランスの報酬相場と案件傾向
2-1. 月額単価の相場(全体概況)
Figmaスキルを保有するフリーランスが参画する案件は、主にUIデザイン、プロダクトデザイン、フロントエンドエンジニアリング、デザインシステムの構築・運用の4領域に分類されます。役割によって求められるスキルと報酬レンジは大きく異なります。
Remoguのエンジニア報酬相場2024年版を参考に編集部が整理したところ、Figmaを中心スキルとするフリーランスの月額単価は、経験年数と担当領域によって約40万円から100万円以上の幅が見られます(編集部調べ)。全体の傾向として、デザインシステムの上流設計やFigma AIを活用した生産性向上提案ができるエンジニア・デザイナーほど、単価が上位に分布しています。
経済産業省が2019年3月に発表した「IT人材需給に関する調査」では、2030年には最大79万人のIT人材が不足すると試算されています3。この不足はエンジニアだけでなく、UI/UXデザイン人材にも及んでおり、Figmaを中心に据えたデザイン人材の市場価値は引き続き高い状態が続いています。
2-2. 経験年数・役割別の単価レンジ
下表は、Figmaに関連する案件の役割別・経験年数別の月額単価目安を整理したものです。Remoguのエンジニア報酬相場2024年版をもとに編集部が分析・作成しています。
| 役割 | 経験年数 | 月額単価の目安 | 主な案件内容 |
|---|---|---|---|
| UIデザイナー(Figma使用) | 1年未満 | 30〜45万円 | 既存デザインの改修・バナー制作補助。上位デザイナーのFigmaファイルを引き継いで修正・更新する業務が中心となります。Figmaの基本操作とコンポーネントの利用方法を習得している状態が参画条件の目安です。 |
| UIデザイナー(Figma使用) | 1〜3年 | 45〜65万円 | 新規画面設計・プロトタイプ作成・レビュー対応。Auto Layoutとコンポーネント設計を自力で行える段階で、チームのデザインレビューに主体的に参加できる水準が求められます。複数画面の一貫性を担保しながら納品できることが評価されます。 |
| UIデザイナー(Figma使用) | 3〜5年 | 65〜85万円 | プロダクト全体のUX設計・デザインシステム整備。UIの個別画面設計にとどまらず、情報アーキテクチャの整理やユーザーフロー全体への関与が求められる段階です。Figmaのチームライブラリ運用や、プロダクトマネージャーとの仕様調整経験が評価されます。 |
| デザインシステムエンジニア | 3年以上 | 80〜120万円以上 | デザインシステムの設計・実装・運用、FigmaとStorybookの連携。Figmaのコンポーネントとコードのコンポーネントを一致させる責任を担う職種です。エンジニアリングとデザインの両方の視点が必要で、需要に対して絶対数が少ない状態が続いています。 |
| フロントエンドエンジニア(Figma読解力あり) | 1〜3年 | 55〜75万円 | FigmaのDev Modeを活用した実装・ハンドオフ改善。Figmaのデザインファイルを正確に読み解き、デザイナーとの認識齟齬なく実装に落とし込む能力が求められます。Dev Modeの活用でCSSコードを参照しながら開発できるため、実装速度と品質の双方が評価されます。 |
| デザインエンジニア(Figma+React) | 3年以上 | 80〜120万円以上 | Figmaコンポーネントとコードの一貫性管理・設計から実装の一気通貫。デザインシステムをFigmaとReact(またはVue)の両方で維持する責任を持ちます。2024〜2025年にかけて職種として注目が急拡大しており、案件単価が上位に位置します。 |
※ Remoguのエンジニア報酬相場2024年版をもとに編集部が整理・補足。単価は案件内容・スキルセット・稼働日数・クライアント規模によって変動します。記載の数値はあくまで目安であり、保証するものではありません。
2-3. 高単価案件の特徴
Figma関連の高単価案件には、共通する傾向があります。
第一に、「デザインシステムの上流」を扱えるかどうかです。バナーやLP単体のデザインではなく、コンポーネントライブラリの設計・Figmaバリアブルによるトークン管理・複数チームへの横展開まで担える人材は、需要に対して供給が少ない状態です。
第二に、「Figma〜実装の橋渡し」ができることです。FigmaのDev Modeを活用してエンジニアとのハンドオフを設計したり、StorybookなどのコンポーネントライブラリとFigmaを連携させた運用フローを構築できるデザイナー・エンジニアは、単体のデザイナーより高い単価帯に参画できます。
第三に、Figma AIを活用した提案力です。Figma AIはMake Designs・Rename Layers・AI Prototypeなどの機能を通じて反復作業を削減し、Config 2026(2026年6月23〜25日)でもさらなる機能拡張が期待されています。Figma AIを実務に組み込み、クライアントの開発生産性を向上させる提案ができるフリーランスは、「ツールを使う人」から「プロセスを変える人」へと価値が変わります。
スキルの深さが報酬に直結するのが、Figma案件の特徴です。では、どのような順序でスキルを積み上げればよいのでしょうか。
3. スキルレベル別ロードマップ——初心者からエキスパートまで
Figmaのスキルは「デザインツールの使い方」だけで完結しません。コンポーネント設計・プロトタイピング・開発者との連携・デザインシステムの運用まで、段階的に積み上げるべき領域があります。以下は、フリーランスとして案件に参画する視点から整理したロードマップです。
3-1. 初級(経験1年未満):Figmaの基礎を身につける
この段階では、Figmaの基本操作を確実に習得することが目標です。フレーム・レイヤー・図形・テキスト・スタイルの概念を理解し、既存デザインを読み解いて改修できる状態を目指します。
✅ 習得すべきスキル(初級)
- ✓ フレーム・グループの使い分け
- ✓ コンポーネントの使用(作成より使用が先)
- ✓ Figmaのバージョン管理・ブランチ機能の基礎
- ✓ コメント機能を使ったチームレビューへの参加
- ✓ 簡単なプロトタイプリンク(画面遷移の定義)
この段階で参画できる案件は、既存プロダクトのデザイン改修補助や、LP・バナーの制作が中心です。まずは実際の案件ファイルを触り、本番レベルの設計に慣れることが最大の学習機会になります。
3-2. 中級(経験1〜3年):設計力と再現性を獲得する
中級段階では、自力でUIを設計し、エンジニアに渡せるレベルのデザインファイルを作成できることが求められます。Auto Layoutの習熟とコンポーネント設計の理解が、この段階の最重要スキルです。
✅ 習得すべきスキル(中級)
- ✓ Auto Layoutを使ったレスポンシブ対応のデザイン構築
- ✓ コンポーネント・バリアント・インスタンスの設計と管理
- ✓ カラー・タイポグラフィ・エフェクトのスタイル体系化
- ✓ インタラクティブコンポーネント・スマートアニメーション
- ✓ Dev Modeを活用した開発者へのハンドオフ設計
- ✓ FigJamを使った要件定義・ユーザーフロー整理
この段階から「UIデザイナーとして案件を主導する」参画スタイルが現実的になります。エンジニアとのハンドオフをスムーズにできる人材は、チームからの評価が高く、次の案件へのリファレンスにつながりやすい傾向があります。
3-3. 上級(経験3〜5年):デザインシステムと組織設計を担う
上級になると、プロダクト単体のデザインを超えて「デザインの仕組み」を作る役割が求められます。複数プロダクト・複数チームにまたがるデザインシステムの設計・運用が、この段階の中心テーマです。
✅ 習得すべきスキル(上級)
- ✓ デザインシステムの設計(コンポーネントライブラリ・デザイントークン・Figma Variables)
- ✓ Figmaのチームライブラリ運用(更新プロセス・ガバナンス設計)
- ✓ FigmaとStorybookの連携・コードとデザインの一致管理
- ✓ デザインプリンシプル・ガイドラインの策定
- ✓ ステークホルダーとの仕様調整・デザイン提案
上級フリーランスが担う案件は、スタートアップや中規模プロダクトのデザインシステム立ち上げ、既存システムのリファクタリングが多くなります。プロジェクトマネジメントの素養があると、より高単価な案件に参画しやすくなります。
3-4. エキスパート(経験5年以上):市場価値の最大化
エキスパート段階では、Figmaを起点にプロダクト全体のデザイン戦略を立案・実行できる人材像が求められます。Figmaの技術的な深さだけでなく、組織・チームへの影響力が価値の中心です。
✅ 習得すべきスキル(エキスパート)
- ✓ マルチブランド対応のデザインシステム設計(Figma Variablesの活用)
- ✓ Figmaプラグイン開発(業務効率化ツールの自社開発)
- ✓ デザインオペレーション(DesignOps)の設計・導入
- ✓ エンジニアリングチームとの技術的なブリッジ(デザインエンジニアとしての役割)
- ✓ デザイン組織のOKR設計・メンタリング
- ✓ Figma AIを活用したワークフロー自動化の提案・実装
エキスパートが参画する案件は、大企業のデザインシステム刷新プロジェクトや、グローバルプロダクトの日本ローカライズ対応などが含まれます。フルリモートかつ高単価での長期参画になるケースも少なくありません。
スキルが上がるほど、案件の選択肢は広がります。では、Figmaが実際にどのようなプロダクトで使われているのかを見てみましょう。
4. Figmaが採用されている世界的プロダクト・日本企業の事例
4-1. グローバルの代表的活用事例
Figmaの公式ケーススタディページ(figma.com/customers/)には、世界を代表するプロダクト企業の活用事例が掲載されています4。いずれも、Figmaをデザインシステムや大規模なコラボレーション基盤として活用しているという共通点があります。
🌐 グローバル活用事例
- ▶ Airbnb:グローバル展開するホスティングプラットフォームのUI設計・デザインシステム運用にFigmaを活用。世界各国のデザインチームが同一のFigmaファイルを参照しながら開発を進めています。
- ▶ Microsoft:大規模な製品群全体でのデザイン標準化にFigmaを採用。Officeシリーズからクラウドサービスまで、一貫したUIデザインの管理基盤として活用しています。
- ▶ Slack:プロダクトチームのコラボレーション基盤としてFigmaを中心に据えた設計フローを構築。UIの改善サイクルをFigmaのリアルタイム共同編集機能で高速化しています。
- ▶ Notion:プロダクトデザインの全工程をFigmaで一元管理。Notionのデザインチームが公開するFigmaファイルは、デザイナーコミュニティでも広く参照されています。
- ▶ GitHub:開発者プラットフォームのUIデザイン・Primer Design Systemの管理にFigmaを活用。オープンソースのデザインシステムとFigmaファイルを公開し、コミュニティとの連携を進めています。
- ▶ Zoom:ビデオコミュニケーションプラットフォームのデザイン標準化にFigmaを採用。急成長するプロダクトのUIを、分散したデザインチームが一貫して管理するための基盤となっています。
これらはいずれも「デザイナーだけが使うツール」としてではなく、エンジニア・PM・デザイナーが同じ場所で仕事をするためのプラットフォームとしてFigmaを活用しています。
4-2. 日本企業での活用
日本国内でも、ITプロダクトを中心に多くの企業がFigmaをデザインの標準ツールとして採用しています。
🇯🇵 日本企業の活用事例
- ▶ メルカリ:国内外のデザインチームがFigmaを活用し、デザインシステム「Mercari Design Language(MDS)」の構築・管理にFigmaを採用。同社のデザイナーによる技術ブログで詳細が公開されています。
- ▶ SmartHR:SaaS型人事管理プラットフォームのUI設計にFigmaを採用し、デザインシステム「SmartHR Design System」の運用に活用しています。
- ▶ freee:会計・人事労務SaaSのUIデザイン全般にFigmaを使用しており、デザイン組織の標準ツールとして導入されています。
- ▶ Sansan:名刺管理・営業DXプラットフォームのUX設計にFigmaを活用し、コンポーネント管理をFigmaで一元化しています。
日本のBtoB SaaSやフィンテック、HRテック領域でFigmaの採用が進んでいる背景には、リモート開発体制の拡大と、デザイン品質を担保するためのシステム化ニーズの高まりがあります。
4-3. なぜFigmaが選ばれるのか
Figmaが広く選ばれる理由は、機能の優秀さだけではありません。「デザインとエンジニアリングの断絶をなくす」という思想が、プロダクト開発の現実的な課題に直接刺さっているからです。
Adobe XDやSketchといった従来ツールはインストール型で、チームでのリアルタイム共同編集が難しく、ファイルの受け渡しに手間がかかりました。Figmaはブラウザベースで動作し、URLひとつで誰とでも共有できます。変更が即座に全員に反映され、コメントでフィードバックを受けられる。この「同期コストの低さ」が、リモートワーク・分散チームでの開発スタイルに完璧にフィットしました。
加えて、Dev Modeによる「デザイン仕様の自動コード化」は、エンジニアの実装時間を大幅に削減します。デザイナーとエンジニアが同じFigmaファイルを参照しながら仕事を進めることで、「デザインと実装が違う」というよくある摩擦が起きにくくなります。こうした構造的な優位性が、一度採用したチームが他ツールに戻らない理由になっています。
Figmaのブラウザ動作という特性は、リモートワーク案件との相性においても大きな意味を持ちます。
5. リモートワークとFigmaフリーランスの相性
5-1. 「場所を選ばない」ツールがリモートに最適な理由
ブラウザで動く。これがFigmaの最大の特性であり、リモートワーク案件との相性が高い最大の理由です。
開発環境のセットアップが不要で、クライアントのオフィスに出向かなくても、URLを共有するだけでデザインレビューが成立します。プロトタイプのフィードバックもFigma上のコメント機能でやり取りでき、Slack・NotionとのURL連携も容易です。リモートワークで発生しがちな「物理的な断絶」を、Figmaは構造的に解消します。
総務省「令和5年通信利用動向調査」によると、テレワークを導入している企業の割合は50.7%(令和5年末時点)に達しています5。プロダクト開発・IT領域では、この数字はさらに高く、デザイン職・エンジニア職ではリモートワーク対応が標準化しつつあります。Figmaはこの環境変化に最も適合したデザインツールといえます。
5-2. フルリモートで働くFigmaフリーランスの実態
Remoguに登録された公開案件3,790件(うちフルリモート1,428件、ハイブリッド約2,360件)のなかで、UIデザイン・フロントエンド・デザインシステム関連の案件はリモート対応率が高い領域のひとつです。Figmaを使う案件の多くは、週次のオンラインミーティングとFigmaファイルへの非同期コメントで進行が可能なため、フルリモートでの参画を前提とした案件設計がされています。
フルリモートで参画するFigmaフリーランスの典型的な1週間の流れです。
📅 フルリモートFigmaフリーランスの1週間
- 月曜 Figmaのコメント確認、今週のデザインタスク整理(非同期)
- 火〜木 UIデザイン・コンポーネント更新・プロトタイプ作成(集中作業日)
- 水(隔週) クライアントとのオンラインデザインレビュー(1〜2時間)
- 金曜 週次成果の共有、Dev Modeでのエンジニアへの仕様確認対応
オフィスに行かなくても、チームの仕事は止まらない。Figmaという共通言語があるから、それが成立しています。
6. 2025〜2026年に押さえておきたいFigmaの動向
Figmaは毎年、年次カンファレンス「Config」でプロダクトの大型アップデートを発表しています。直近の動向を把握しておくことが、案件の会話においても重要です。
🔔 Config 2026——2026年6月23〜25日、サンフランシスコ開催
Figmaの年次カンファレンス「Config 2026」は、2026年6月23〜25日に米国サンフランシスコのモスコーニセンターで開催されます6。75名以上のデザインリーダーと50以上のセッションを予定しており、例年8,000名超が参加するFigmaコミュニティ最大の年次イベントです。Figmaの最新機能・ロードマップが発表される場であり、フリーランスとして最前線の情報にアクセスするうえで最適な機会です。オンラインでの無料参加登録も可能です。
🔔 デザインエンジニアの台頭
FigmaとReact(またはVue)の両方を扱える「デザインエンジニア」という職種が注目を集めています。Figmaのコンポーネントとコードのコンポーネントを一致させる責任を持つ職種であり、フロントエンドエンジニアとデザイナーの両方の視点が必要です。この職種に参画できるフリーランスは需要に対して絶対数が少なく、月額単価80〜120万円以上の案件への参画実績が報告されています。
🔔 Figma Variables(バリアブル)の本格活用
Figma Variablesは、デザイントークン(色・サイズ・スペーシング等の設計値)をFigma内で一元管理し、モード切り替え(ライト/ダークテーマ等)を即時反映できる機能です。既存デザインシステムをVariablesベースに移行する案件が継続的に増えており、Variablesの習熟は上位単価案件への参画条件になりつつあります。Config 2026でも関連アップデートの発表が期待されます。
ツールの進化に伴走できるかどうか。それが、Figmaフリーランスの長期的な市場価値を左右します。
※ 本セクションの情報は執筆時点のものです。Figmaの機能・イベント情報は随時更新されますので、最新情報はFigma公式サイトおよびConfig公式サイトでご確認ください。
7. まとめ
Figmaはデザイナーだけのツールではありません。チーム全員が使う共通言語として、プロダクト開発の中心に位置づけられています。
- ✓ Figmaは2012年創業のFigma, Inc.が開発するブラウザベースのUIデザインコラボレーションプラットフォームです。インストール不要で、リアルタイムの共同編集・コメント・Dev Modeによるハンドオフが一体化しています。
- ✓ フリーランスとしてFigma案件に参画する場合の月額単価は、役割・経験年数によって約30万円(初級UIデザイナー)から120万円以上(デザインシステムエンジニア・デザインエンジニア)まで幅があります(編集部調べ、Remoguエンジニア報酬相場2024年版参考)。
- ✓ 高単価案件への参画には、コンポーネント設計・Auto Layout・Figma Variablesを活用したデザインシステム構築経験が有効です。さらに上を目指す場合は、FigmaとコードをつなぐDesignOpsの知見が差別化要因になります。
- ✓ Airbnb・Microsoft・Notion・メルカリ・SmartHR・freeeなど、グローバル・国内問わず主要なプロダクト企業でFigmaが採用されており、案件の絶対数・バリエーションともに豊富な状態が続いています。
- ✓ ブラウザベースで動作するFigmaは、リモートワーク案件との相性が非常に高い。Remoguの公開案件3,790件のうち1,428件がフルリモート対応であり、UIデザイン・フロントエンド系の案件はリモート参画が標準的です。
スキルを積み上げるほど、選べる案件は広がります。Figmaはその手段のひとつです。あとは、どこで使うかを決めるだけです。
8. よくある質問(FAQ)
Q1. Figmaはデザイナーでなくても使えますか?フロントエンドエンジニアでも案件に参画できますか?
はい。Figmaは現在、フロントエンドエンジニアにとっても重要なスキルになっています。Dev Modeを活用することで、デザイン仕様からCSSコードを確認しながら実装でき、デザイナーとのコミュニケーションコストが大幅に減少します。「Figma読解力あり」を要件に含む案件は多く、エンジニアとして案件に参画する際の加点要素になります。
Q2. FigmaはAdobeに買収されましたか?現在も独立したサービスですか?
Figmaは独立したサービスです。2022年9月にAdobeが約200億ドル(約2兆8,000億円)での買収を発表しましたが、欧州委員会・英国競争・市場庁の懸念を受け、2023年12月にAdobe・Figma双方が買収中止を発表しました2。その後もFigma, Inc.として独立を維持し、AI機能やVariables等の大型アップデートを続けています。
Q3. Figmaの案件はリモートワーク対応が多いですか?
はい。Figmaはブラウザベースのツールであるため、物理的な場所を問わずチームで共同作業が可能です。UIデザイン・フロントエンド・デザインシステム系の案件はリモート対応率が高い傾向があります。Remoguに登録されている公開案件3,790件のうち、1,428件がフルリモート対応です。
Q4. Figma案件で高単価を目指すには、何を学べばよいですか?
高単価案件に参画するためのポイントは3つあります。①デザインシステムの設計・運用経験(コンポーネント設計・Figma Variablesの活用)、②エンジニアとのハンドオフを設計できるDev Mode/Storybookとの連携知識、③Figma AIを活用した生産性向上の提案力です。特にデザインシステムエンジニアおよびデザインエンジニア(Figma+React)は需要に対して供給が少なく、単価水準が高い傾向があります。
この記事のポイント
- ・ Figmaは「Make design accessible to all」を掲げ、デザイナーだけでなくエンジニア・PMも使うコラボレーション基盤として設計されています。
- ・ フリーランスのFigma案件月額単価は役割・経験に応じて30〜120万円以上の幅があり、デザインシステムエンジニアとデザインエンジニアが上位単価帯に位置します。
- ・ 高単価案件のカギは「デザインシステムの上流設計」「Figma〜実装の橋渡し」「Figma AIを活用した生産性提案」の3つです。
- ・ Airbnb・Microsoft・メルカリ・SmartHRなど国内外の主要プロダクト企業がFigmaをデザイン標準として採用しており、案件需要は安定的に推移しています。
- ・ ブラウザベースのFigmaはリモートワーク案件と構造的に相性が高く、Remoguの公開案件3,790件のうち1,428件がフルリモート対応です。
Remogu(リモグ)は、株式会社LASICが運営するリモートワーク案件特化のエンジニア・デザイナー向けマッチングサービスです。公開案件3,790件(うちフルリモート1,428件)を掲載しており、UIデザイン・フロントエンド・デザインシステム関連の案件も多数取り扱っています。
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参照元
1. Figma, Inc. 「About Figma」Figma公式サイト
2. Adobe Inc. 「Adobe and Figma Mutually Agree to Terminate Merger Agreement」(2023年12月18日付プレスリリース)
3. 経済産業省 「IT人材需給に関する調査」(2019年3月)
4. Figma, Inc. 「Figma Customers」Figma公式ケーススタディページ
5. 総務省 「令和5年通信利用動向調査」(2024年5月)
6. Figma, Inc. 「Config 2026」 2026年6月23〜25日、モスコーニセンター(サンフランシスコ)開催