マイナポータル連携APIの案件|会計ソフト開発で扱う控除証明書データと3つの前提・必要スキル

📘 この記事でわかること
- 控除証明書等データを取得する連携の全体像と、開発者向けに公開されている仕様・ガイドラインの位置づけ
- 利用ガイドライン・利用規約への準拠と、連動テストを経て本番連携に至るまでの開発の工程
- デジタル庁と国税庁の役割分担と、API連携の経験を活かして関われるリモート案件の探し方
年末調整や確定申告のソフトを開発していると、控除証明書等データをどう取り込むかという課題に行き当たります。国税庁は、この取得の仕組みを「マイナポータル等連携プラットフォーム」として整え、API連携の仕様をソフトウェア開発者向けに公開しています。案件で求められるのは、単なる画面の実装ではなく、公開された仕様とガイドラインに沿って接続し、連動テストを経て本番連携に運ぶ工程です。この記事では、控除証明書データを取得する仕組みの全体像と、開発者が実務で確かめる3つの前提を整理します。
1. マイナポータル連携APIは、控除証明書データを取得する仕組みです
この連携は、会計・確定申告ソフトを提供する側だけの話ではありません。既存のソフトに連携機能を追加する案件、仕様変更に合わせて改修する案件など、関わり方の入口は複数あります。まず全体像を押さえ、そのうえで自分の経験がどこに重なるかを見ていきます。
年末調整・確定申告に使う控除証明書等データを取得する
生命保険料控除やiDeCoの掛金など、年末調整や確定申告で使う控除証明書等データは、これまで書面や個別のダウンロードに頼る場面が多くありました。国税庁が提供するマイナポータル等連携プラットフォームは、この控除証明書等データを取得するための基盤です1。会計・確定申告ソフト側が連携する窓口を用意すれば、利用者はソフトの画面からデータを呼び出す流れに乗せられます。
この連携が整うと、確定申告ソフト側は、これまで手入力や書面の転記に頼っていた項目を、データとして受け取れるようになります。実装として向き合うのは、受け取ったデータの整合性を確認する工程や、データを取得できなかった場合の扱いを設計する工程です。
紙のやり取りを画面の操作に置き換えるだけに見えて、実装側で向き合うのは仕様の理解とテストの積み重ねです。ここを担えるかどうかで、案件に呼ばれる技術者の顔ぶれは変わってきます。
マイナポータルAPIはデジタル庁提供、連携プラットフォームは国税庁提供
この仕組みは1つの組織だけで成り立っているわけではありません。本人がマイナポータルからデータを取り出す土台となるマイナポータルAPI自体は、デジタル庁が提供するものです6。控除証明書等データを取得するための連携プラットフォームは、国税庁が用意しています1。窓口が2つの省庁にまたがっている点は、仕様を読み解くときにつまずきやすいところです。マイナポータルAPI側の仕様に変更が入ったのか、連携プラットフォーム側の仕様が更新されたのかを取り違えると、確認する窓口そのものを誤ってしまいます。どちらの提供元が公開している情報かを、都度切り分けて追う姿勢が求められます。開発者はどこから着手するのか、次に確かめていきます。
出典:国税庁「マイナポータル等連携プラットフォームAPI」をもとに作成
【表1】この分野の基本用語
マイナポータル連携APIの案件に関わる前に、まず言葉の整理をしておきます。同じ「マイナポータル」という名前が付いていても、提供元や役割が異なる用語が並びます。次の表は、この分野で最初に押さえておく5つの用語を、内容と合わせてまとめたものです。仕様書を読み進めるときの手がかりとして使えます。
| 用語 | 内容 |
|---|---|
| マイナポータル等連携プラットフォーム | 控除証明書等データを取得するために国税庁が提供する基盤です1 |
| マイナポータルAPI | 本人がマイナポータルからデータを取り出す仕組みで、デジタル庁が提供しています6 |
| 控除証明書等データ | 生命保険料控除やiDeCoの掛金など、年末調整・確定申告に使うデータです1 |
| 利用ガイドライン・利用規約 | API利用にあたって定められている規定です4 |
| 連動テスト実施要領 | 本番連携の前に、動作を確認するための仕組みです5 |
2. 仕様公開とガイドライン準拠という前提
控除証明書等データを取得する連携に着手するとき、最初に確かめるのは仕様とルールです。仕様書を確認しないまま実装を始めると、後からガイドラインとの不整合が見つかり、作り直しになる場面が起こりやすくなります。前提を先に押さえておくことが、手戻りを減らす近道になります。ここでは、開発者が最初に向き合う2つの前提を見ていきます。
API連携の仕様がソフトウェア開発者向けに公開されている
マイナポータル等連携プラットフォームとのAPI連携に必要な仕様は、ソフトウェア開発者向けに公開されています2。仕様を独自に推測しながら実装を進める必要はなく、公開情報を確認するところから着手できます。あわせて、会計ソフト等開発者向けのよくある質問も用意されており3、実装で浮かぶ疑問を仕様書とセットで解消していく形になります。
自分で仕様書を読み込み、疑問を1つずつ解消しながら組み立てていく工程そのものが、この案件に向き合う土台になります。会計ソフト等開発者向けのFAQは、実装を進める過程で浮かびやすい疑問をあらかじめ想定した形で用意されています。仕様書だけでは読み取りにくい運用上の注意点を、あわせて確認できる位置づけです。
利用ガイドライン・利用規約への準拠が前提になる
API連携の実装は、仕様を満たすだけでは完結しません。利用にあたっては、利用ガイドライン及び利用規約が定められており4、これらへの準拠が前提になります。実装を仕様書どおりに動かすことよりも、ガイドラインと規約の条件を満たしているかを確かめる工程のほうが、後々の手戻りを防ぎます。ガイドラインや規約への準拠を後回しにしたまま実装を進めると、連動テストの段階で条件を満たしていないことが判明し、設計からやり直す場面も出てきます。仕様とガイドラインへの準拠を整えたら、次に動作を確かめる工程に進みます。
出典:国税庁「マイナポータル等連携プラットフォームAPI」をもとに作成
【表2】仕様・ガイドライン準拠で確かめる観点
API連携の実装を進める際は、仕様書を読み込むだけでなく、ガイドラインと規約の条件を満たしているかを合わせて確かめる工程が欠かせません。次の表は、仕様公開・ガイドライン・利用規約・会計ソフト等開発者向けFAQという4つの観点を、案件で何を確認するかという形で整理したものです。実装に取りかかる前の見取り図として使えます。どれか1つだけを満たしていても、ほかの観点が抜けていれば連携全体としては未完成のまま残ってしまいます。
| 確認する観点 | 内容 |
|---|---|
| API仕様の版 | 公開されている仕様に沿って実装できているか2 |
| 利用ガイドラインの規定 | 定められた手順・基準を満たしているか4 |
| 利用規約の遵守事項 | 規約に定める条件を満たしているか4 |
| 会計ソフト等開発者向けFAQ | 実装で浮かぶ疑問への回答が用意されているか3 |
3. 連動テストを経て本番連携に進む前提
仕様とガイドラインへの準拠を整えたところで終わりではありません。実際に接続してみて、想定どおりに動くかを確かめる工程が待っています。
連動テスト実施要領で動作を確認する
連携の動作を確認するために、連動テストの仕組みが用意されています5。連動テスト実施要領に沿って、控除証明書等データの取得から取り込みまでの流れを、本番相当の手順で確かめる工程です。仕様書を読み込んだだけの実装よりも、連動テストを経て動作を確かめた実装のほうが、案件として任される範囲は広がります。
テストから本番連携までの流れ
連動テストで問題が見つかれば、仕様とガイドラインに立ち返って実装を見直します。この行き来を経て、ようやく本番連携に進める形です。工程を一足飛びに進めようとするより、テストの結果を1つずつ確かめながら積み上げるほうが、結果として本番連携に近づきます。連動テストを省いて本番連携に進めると、想定と異なるデータの形式や、データを取得できないケースへの対応が漏れたまま公開されてしまう恐れがあります。テスト工程を丁寧に踏むことは、公開後の手戻りを防ぐ意味でも欠かせません。この一連の工程に、どのような経験が重なるのかを、次に見ていきます。
出典:国税庁「マイナポータル等連携プラットフォームAPI」をもとに作成
【表3】案件で確かめる観点
連動テストを経て本番連携に進む工程は、案件によって関わる範囲や進め方が異なります。次の表は、連携対象の範囲、テスト環境の有無、本番切替の条件、保守運用の体制、稼働の進め方という観点を、案件を選ぶ際に確かめるポイントとして整理したものです。企画段階だけでなく、実装が進んだ後の確認にも使えます。関わる範囲が事前の想定より広いか狭いかは、この観点を1つずつ照らし合わせることで見えてきます。
| 確認する観点 | ポイント |
|---|---|
| 連携対象の範囲 | 控除証明書等データのうち、どの項目を取り込む案件か |
| テスト環境の有無 | 連動テストを行う環境が用意されているか5 |
| 本番切替の条件 | 連動テストの完了後、どのような手順で本番連携に移るか |
| 保守運用の体制 | 仕様変更や規約改定に追従する体制があるか |
| 稼働の進め方 | リモートでの実施が前提か、常駐を伴う場面があるか |
API連携やシステム開発に関わるリモート案件の条件を見る →
4. 経験を活かす関わり方と、案件を選ぶ
API連携・データ変換・認証・テストの経験が活きる
この案件で問われるのは、会計ソフトそのものを一から作る力ではありません。外部のAPIと接続し、仕様に沿ってデータを受け渡し、テストで動作を積み上げてきた経験です。XML形式のデータ変換や、認証まわりの実装、そして連動確認のテスト設計に携わってきた経験は、この領域でそのまま活きる強みになります。会計・税務の専門知識よりも、仕様を読み解いて正確に実装する力のほうが、この案件では重んじられます。実装を進める中では、仕様の解釈やテスト結果の扱いについて、クライアントと協議しながら進める場面も出てきます。仕様書と向き合うだけでなく、疑問点を早めに共有する姿勢も、この案件で積み上げる経験の1つになります。実装の判断根拠や連動テストの結果を、あとから振り返れる形で残しておく習慣も、担当範囲が広がるほど役に立ちます。
リモート中心でも関われる領域です
仕様書とガイドラインを読み込み、連動テストの結果を確認しながら実装を進める工程は、常時顔を合わせる場を必要としません。Remoguが扱う案件の90%以上がフルリモート可能です7。API連携に関わる案件も、この特性を活かしながら関わることができます。ただし、稼働の形や連携の範囲は案件によって異なるため、その都度条件を確かめる形になります。経験を仕事に変えるには、実際にどんな案件が並んでいるかを見比べる工程が欠かせません。
これまでの経験を活かせる案件を条件から探す →
5. 役割分担と情報の追い方(デジタル庁と国税庁)
ここまでの内容を整理する意味でも、どの組織が何を提供しているかを切り分けておきます。
マイナポータルAPIはデジタル庁、連携プラットフォームは国税庁と役割が分かれる
本人がマイナポータルからデータを取り出す土台となるマイナポータルAPI自体は、デジタル庁が提供するものです6。控除証明書等データを取得するための連携プラットフォームは、国税庁が用意しています1。1つのサービスに見えて、提供元は2つの省庁に分かれている点は、仕様変更の情報を追うときに混同しやすいところです。
仕様更新は公式資料で追い、関わり方は案件で確かめる
仕様やガイドラインは、公開されている一次情報をもとに更新を追う形になります。どの範囲を担当し、どこまで連動テストに関わるかは案件ごとに条件が異なるため、実際の案件で確かめる形になります。役割の切り分けを理解しておくことは、実装の担当範囲を見誤らないための土台です。仕様更新の情報を見落とすと、連携が突然動かなくなるといった事態にもつながりかねません。公式に公開されている情報を定期的に確認する習慣は、この分野に長く関わるうえでの土台になります。役割の全体像が見えたところで、ここまでの内容を振り返ります。
出典:国税庁「マイナポータル等連携プラットフォームAPI」をもとに作成
6. まとめ
控除証明書等データを取得する連携は、仕様を読み解く工程、ガイドラインと規約に準拠する工程、そして連動テストを経て本番連携に運ぶ工程が積み重なって成り立っています。ここまで見てきた内容を整理します。
- 控除証明書等データを取得するための連携プラットフォームは国税庁が提供し、マイナポータルAPI自体はデジタル庁が提供しています16
- API連携の仕様は開発者向けに公開されており、会計ソフト等開発者向けのFAQも用意されています
- 利用ガイドライン・利用規約への準拠を前提に、連動テスト実施要領で動作を確認してから本番連携に進みます
- API連携・データ変換・認証・テストの経験は、この案件で関わり方の土台になります
- この分野の案件は、リモートを中心とした関わり方も選べる領域です。ただし稼働の形は案件によって異なります
仕様を読み解き、テストで確かめ、本番へつなぐという工程は、これまで別の領域で積み重ねてきた経験でも、重なりが見つかりやすい仕事です。仕様を読み解く力、ガイドラインに沿って設計する慎重さ、そしてテストを重ねて確かめる姿勢は、どれも1人で完結する作業ではなく、クライアントとのやり取りの中で積み上げていくものです。まずは、API連携やシステム開発に関わる案件がどのような条件で並んでいるかを見比べ、登録して自分の経験に合う条件を確かめるところから、次の一歩を踏み出せます。まずは条件を見比べるところから始めてみましょう。
7. よくある質問
連携案件では具体的に何を作るのですか
この案件で扱うのは、控除証明書等データを取得する連携の実装です。マイナポータル等連携プラットフォームを窓口に、会計・確定申告ソフト側でデータを受け取る仕組みを、公開されている仕様とガイドラインに沿って組み込みます1。仕様書の理解から実装、連動テストを経て本番連携に運ぶところまでが、関わる範囲になります。案件によっては、既存の会計・確定申告ソフトへの連携部分の追加や、連動テストで見つかった不整合の修正など、関わる工程の幅は前後します。ゼロから連携を組み立てる案件もあれば、すでに動いている連携の保守や仕様変更への追従を担う案件もあり、求められる経験の重心は案件ごとに異なります。
どのような技術経験が活きますか
API連携の経験に加えて、XML形式のデータ変換、認証まわりの実装、そして連動テストを重ねてきた経験が活きる領域です。会計ソフトそのものの開発経験がなくても、仕様書を読み込んで実装に落とし込んだ経験があれば、関わり方の糸口になります。異なる公的APIや外部サービスとの連携を担った経験も、仕様の読み解き方という点で重なりが見つかりやすい経験です。会計・税務の知識は、実装を進める中でクライアントと確認しながら補える部分でもあります。
GビズIDや本人確認とは何が違いますか
この記事で扱うのは、控除証明書等データを取得する連携であり、法人の認証や本人確認の仕組みとは別の話題です。マイナポータルAPI自体はデジタル庁が提供するもので6、本記事が軸に置く連携プラットフォームは国税庁が提供しています1。案件ごとに扱う範囲は異なるため、案件の詳細で確かめられます。税務上の判断や確定申告の可否そのものは、この記事の扱う範囲には含みません。
リモートで関われますか
仕様書とガイドラインを読み込み、連動テストの結果をもとに実装を進める工程は、リモートで進めやすい領域です。ただし、稼働の形や連携の範囲は案件によって異なるため、条件を見比べたうえで確かめる形になります。まずは自分に合う関わり方を、条件から探すところから始められます。
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マイナポータル連携APIに関わる案件は、仕様の確認から実装、連動テストまで関わり方が幅広くあります。まずはAPI連携やシステム開発のリモート案件が、いまどんな条件で並んでいるかを見てみてください。
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※公開中の案件数は時期によって変わります。記事中の案件の傾向は執筆時点のものです。
出典・参考情報
*1 国税庁「マイナポータル等連携プラットフォーム」(2026年7月)
*2 国税庁「マイナポータル等連携プラットフォーム」(2026年7月)
*3 国税庁「マイナポータル等連携プラットフォーム」(2026年7月)
*4 国税庁「マイナポータル等連携プラットフォーム」(2026年7月)
*5 国税庁「マイナポータル等連携プラットフォーム」(2026年7月)
*6 国税庁「マイナポータル等連携プラットフォーム」(2026年7月)
*7 Remogu(株式会社LASSIC運営)公開情報:扱う案件の90%以上がフルリモート可能