政府相互運用性フレームワーク(GIF)とは|データモデル標準化とフルリモート案件

📘 この記事でわかること
- 独自データ同士をつなぐたびに変換が必要になる理由と、GIFというひな形が相互運用性を確保する仕組み
- コアデータモデルを組み合わせて実装データモデルに仕立てる流れと、データ品質を支える3つの側面
- リモート・フリーランスのエンジニアがデータモデル設計や語彙整備にどう関わり、案件をどう見極めるか
独自の項目名やコード体系のままシステムどうしをつなぐと、やり取りのたびに変換の作業が発生します。行政のデータ基盤でも、この積み重ねが更新のたびの負担になっています。政府相互運用性フレームワーク(GIF)は、こうした個別対応を減らすためのひな形として整理されたものです。データモデルの標準化に関わる案件は、この土台づくりを担う人を必要とする場面で増加しています。
1. なぜいまデータモデル標準化・相互運用性の案件が増えているのか
独自データ形式のまま連携する仕組みの限界
部署ごと、システムごとに項目名やコード体系を独自に決めてきた現場は珍しくありません。連携する相手が1つのうちは、この独自性が問題になりにくいものです。ところがつなぐ相手が増えるたびに、双方の項目を突き合わせる変換の作業が個別に発生します。関わるシステムの数が増えるほど、この変換の組み合わせも膨らんでいきます。
相互運用性とは、2つ以上のシステムやサービスの間で共通の仕様やデータ形式、ルールなどに対応することで情報交換ができ、交換された情報を想定したとおりに使用できることを指します2。裏を返せば、共通の仕様を持たないシステムどうしをつなぐ作業は、想定したとおりに使えるかどうかを都度確かめる工程を必要とします。ここに、標準化の設計に関わる案件が生まれる余地があります。
システムを新しく増やす技術力よりも、増えたシステムをつなぎ続けられる設計のほうが、運用の負担を左右します。個別対応を積み重ねる保守よりも、共通のひな形に沿わせる設計のほうが、後から加わるシステムへの対応を軽くします。
独自形式のまま連携した場合に積み上がる課題
独自データ形式のままシステムを増やしていくと、連携のたびに個別の変換ルールが必要になり、その保守が積み重なります。仕様変更が入るたびに影響範囲を洗い出す手間も膨らみ、新しく加わったメンバーが全体像を把握しにくくなる場面も出てきます。共通のひな形を挟むかどうかで、この負担の増え方は変わります。次の表は、連携の対象が増えていく過程で生じやすい課題を整理したものです。
| 課題 | 独自データ形式のまま連携する場合 | 共通のひな形を挟んで連携する場合 |
|---|---|---|
| 変換ルールの数 | システムの組み合わせごとに個別に用意する | 共通の型に合わせる分だけ用意すればよい |
| 仕様変更の影響範囲 | 変換ルールごとに影響を洗い出す | ひな形側の変更点を確認する範囲に収まりやすい |
| 新しく加わる担当者の理解 | 連携先ごとの取り決めを個別に把握する | 共通のひな形を軸に全体像をつかみやすい |
| データの意味の一致 | 突き合わせながら都度確認する | ひな形が定義した意味を参照できる |
図の作成:Remogu編集部。システム間の連携で生じやすい変換の関係を整理したもので、統計データではありません
2. GIFの考え方=ひな形で相互運用性を確保する
データモデルやルールをひな形としてまとめる
政府相互運用性フレームワーク(GIF)は、政府情報システムが保有するデータの相互運用性を確保し、効率的な情報共有と情報連携を実現するためのデータモデルやルールをひな形としてまとめたものです1。個別のシステムごとに仕様を決め直すのではなく、共通のひな形を先に用意しておくという考え方です。
この考え方が効くのは、つなぐ相手が固定されていない場面です。新しいシステムが加わるたびに個別の変換を作る運用と比べると、共通のひな形に合わせる運用のほうが、参加するシステムの数が増えても手順が枝分かれしにくくなります。
ひな形を設計に取り込む作業は、既存の項目をひな形の型へ落とし込む工程を伴います。ここに、データモデルの設計経験を持つ人が関わる余地が生まれます。
図の作成:Remogu編集部。ひな形の有無による連携の仕組みの違いを整理したもので、統計データではありません
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3. コアデータモデルと実装データモデル(部品を組み立てる)
コアデータモデル=共通で参照される基本データ構造
GIFは、様々な場面で共通して参照される個人・法人・連絡先・住所・施設などを「コアデータ」として選定し、その基本的なデータ構造を定義したコアデータモデルを提供しています3。特定の業務に寄せる前の、共通の部品にあたる層です。
特定の業務に合わせて一から項目を決めるやり方よりも、共通のコアデータモデルを土台にして必要な項目を足していくやり方のほうが、後から別のシステムとつなぐときの手戻りが少なくなります。
実装データモデル=コアの組み合わせで分野に合わせる
行政やスマートシティなど分野ごとに特化した実装データモデルは、コアデータモデルの組み合わせやカスタマイズによって定義できます4。コアデータパーツを積み上げてコアデータモデルにし、それを分野の要件に合わせて組み立てたものが実装データモデルという位置づけです。
コアデータモデルが対象とする範囲は幅広く、分野によって重点の置き方が変わります。次の表は、コアデータとして選定される代表的な対象と、実装データモデルに組み立てる際に確認されやすい観点を整理したものです。
| コアデータの対象 | 定義の内容 | 実装データモデルで確認される観点 |
|---|---|---|
| 個人 | 氏名や連絡先などの基本項目 | 分野ごとに必要な属性をどこまで足すか |
| 法人 | 名称や所在地などの基本項目 | 業務ごとの区分をどう表現するか |
| 連絡先 | 電話番号やメールアドレスなどの項目 | 複数の連絡手段をどう並べるか |
| 住所 | 所在地を表す項目 | 地域ごとの表記の違いをどう吸収するか |
| 施設 | 施設の名称や種別などの項目 | 分野固有の施設区分をどう追加するか |
図の作成:Remogu編集部。コアデータパーツから実装データモデルまでの組み立ての流れを整理したもので、統計データではありません
4. データ品質を高める3つの側面とデータマネジメント
形式・モデル・意味の3つの品質
標準化されたデータモデルを活用して設計すると、形式・モデル・意味の3つの観点でデータ品質を高められます5。項目の書式が揃っているかという形式面、構造が整っているかというモデル面、意味が一致しているかという意味面は、それぞれ別の視点で確認が必要です。
形式だけを整える確認よりも、モデルと意味まで含めて確認するほうが、後から他のシステムと連携したときの認識のずれを防ぎやすくなります。
データマネジメントという継続的な活動
データマネジメントは、データを情報資産として位置づけ、その利活用戦略からシステム実装に向けた設計や開発、稼働後の運用・利用に至るまでのデータ品質の維持・向上をベースとした継続的・組織的な活動です6。設計を終えた時点で終わる作業ではなく、稼働後も続く取り組みという位置づけです。
図の作成:Remogu編集部。データ品質の3側面とデータマネジメントの関係を整理したもので、統計データではありません
5. リモート・フリーランス案件でどう関わるか
データモデル設計・統制語彙/コード整備・データ品質確認という3つの関わり方
コアデータモデルを分野の要件に合わせて組み立てる工程では、既存のデータ構造をひな形へ落とし込む設計の経験が活きます。項目の意味を揃えるための統制語彙やコードの整備も、同じ工程の中で必要になる作業です。
データ品質を形式・モデル・意味の3つの側面から確認する工程も、標準化に関わる案件で求められやすい役割です5。単独のシステムを作る経験よりも、複数のシステムを横断して整合性を見る経験のほうが、この工程では重宝されます。
リモート・フリーランスのエンジニアがデータモデル標準化の案件に関わるとき、工程によって求められる経験や進めやすさが変わります。次の表は、主な工程と、それぞれで求められる経験・リモートでの進めやすさの傾向を整理したものです。
| 工程 | 主な作業内容 | 求められる経験 | リモートでの進めやすさ |
|---|---|---|---|
| コアデータモデルの設計 | 既存データ構造をひな形の型へ落とし込む | データモデリングの経験、共通項目の抽出力 | 高い |
| 実装データモデルの組み立て | コアの組み合わせ・カスタマイズで分野要件に合わせる | 業務要件のヒアリング、設計のドキュメント化 | 中程度 |
| 統制語彙・コードの整備 | 用語や区分コードの定義を揃える | 用語集の作成経験、関係者との調整力 | 高い |
| データ品質の確認 | 形式・モデル・意味の3側面でチェックする | データ検証の経験、テスト設計力 | 高い |
案件を見極めるときの視点
行政のデータ基盤に関わる案件は、独自のルールや調整の手順を含む場面もあり、参加してすぐに全体像がつかめるとは限りません。それでも、コアデータモデルという共通のひな形を軸に理解を進められる点は、初めて関わる分野でも足がかりになります。
Remogu(株式会社LASSIC運営)が扱う案件の90%以上がフルリモート可能です7。場所を選ばずに関われる案件の中にも、データモデル標準化に関わる案件は含まれています。気になる案件があるかどうかは、実際の案件一覧を確認することで分かります。これまでの設計経験がどの工程に近いか、案件を見比べながら確かめてみましょう。
自分の設計経験に近いリモート案件を探してみる →
6. まとめ
独自データ形式のままシステムをつなぐと、変換の手間がつなぐ相手の数だけ膨らみます。GIFは、この手間を減らすためのひな形として、コアデータモデルと実装データモデルを提供しています1。標準化されたデータモデルに沿って設計することで、形式・モデル・意味という3つの側面からデータ品質を高められる点も、押さえておきたいポイントです。
ひな形に沿ってデータモデルを組み立てる経験や、意味の一致まで確認するデータ品質の視点は、行政のデータ基盤に限らず幅広い案件で活きる力です。これまで設計や品質確認に関わってきた経験を、まずはRemoguの案件一覧で照らし合わせてみましょう。気になる案件が見つかったら、登録して詳しい条件を確認するところから始めてみてはいかがでしょうか。
7. よくある質問
GIFを知らなくても関われますか
コアデータモデルという共通の考え方はドキュメントとして整理されているため3、案件に参加してから理解を深めることは可能です。ただし、データモデリングやデータ構造を設計してきた経験は、理解を早める土台になります。
どんなスキルが活きますか
既存のデータ構造を共通の型へ落とし込む設計力、項目の意味を揃える統制語彙・コードの整備力、形式・モデル・意味の3側面でデータ品質を確認する力が活きやすい領域です5。
データモデリングの経験は活きますか
コアデータモデルを組み合わせて実装データモデルに仕立てる工程は4、業種を問わずデータモデリングに関わってきた経験と重なる部分が多い工程です。特定の業界知識がなくても、設計の考え方が近ければ足がかりになります。
行政案件特有の難しさはありますか
行政のデータ基盤は関係者との調整や独自の手順を含む場面があり、参加してすぐに全体像がつかめるとは限りません。それでも、コアデータモデルという共通のひな形を軸に理解を進められる点は、他分野の案件と比べて特別な壁にはなりにくい部分です。
案件はフルリモートでもできますか
Remogu(株式会社LASSIC運営)が扱う案件の90%以上がフルリモート可能です7。データモデル設計や品質確認の工程は、対面での調整が中心になりやすい工程と比べて、リモートで進めやすい傾向があります。
リモートワーク案件をお探しの方へ
Remoguは、株式会社LASSICが運営するITエンジニア・デザイナー専門のリモートワーク案件紹介サービスです。フルリモート・ハイブリッドの案件から、スキルに合うものを探せます。
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※公開中の案件数は時期によって変わります。記事中の案件の傾向は執筆時点のものです。
出典・参考情報
*1 デジタル庁「GIF(Government Interoperability Framework)政府相互運用性フレームワーク 説明資料」(2025年3月)
*2 デジタル庁「GIF(Government Interoperability Framework)政府相互運用性フレームワーク 説明資料」(2025年3月)
*3 デジタル庁「GIF(Government Interoperability Framework)政府相互運用性フレームワーク 説明資料」(2025年3月)
*4 デジタル庁「GIF(Government Interoperability Framework)政府相互運用性フレームワーク 説明資料」(2025年3月)
*5 デジタル庁「GIF(Government Interoperability Framework)政府相互運用性フレームワーク 説明資料」(2025年3月)
*6 デジタル庁「GIF(Government Interoperability Framework)政府相互運用性フレームワーク 説明資料」(2025年3月)
*7 Remogu(株式会社LASSIC運営)公開情報:扱う案件の90%以上がフルリモート可能