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    クラウドネイティブの案件|モダンアプリとマイクロサービス設計

    「モダン技術で柔軟に作る」を示す図です。マイクロサービス/オートスケール/IaC/マネージド/疎結合を並べています。強調しているのはマイクロサービスです。

    📘 この記事でわかること

    • モダンアプリケーションとクラウドネイティブの基本的な考え方と、その中心にあるマイクロサービスという設計の発想
    • マイクロサービスへ疎結合に分割する進め方と、オートスケールやIaCが案件の運用にもたらす効果
    • バックエンドやクラウド基盤、IaCの経験が活きる関わり方と、リモート中心で案件に取り組める働き方の実像

    クラウドネイティブという言葉は目にする機会が増えましたが、モダンアプリケーションとの違いを説明しようとすると言葉に詰まる場面があります。設計や運用のどこを任されるのかが分からないまま案件情報だけを眺めていても、積み上げてきた経験がどこで活きるのかは見えてきません。この記事では、モダンアプリケーションの考え方からマイクロサービス化、オートスケールやIaCによる自動化まで、案件で確かめる観点を順に整理します。読み終えるころには、自分の経験が案件のどこに当てはまるのかが見通せる状態を目指します。

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    1. クラウドネイティブとモダンアプリケーション

    モダンアプリケーションとは

    クラウドという言葉と、クラウドネイティブという言葉は、同じもののように聞こえて中身が違います。前者はどこにシステムを置くかという話で、後者はクラウドの特性を前提にどう設計し、どう運用するかという話です。この違いを整理しておくと、案件情報を読んだときに何を任されているのかが具体的に見えてきます。

    デジタル庁が示す整理では、モダンアプリケーションとは、モダン技術を活用して構築されたアプリケーションを指します1。柔軟性や拡張性、保守性やセキュリティといった観点で優れた性質を持つ構成が目指されており、既存の一枚岩なシステムを少しずつ組み替えていく案件でも、この考え方が土台になっています。

    クラウドネイティブの考え方

    クラウドネイティブは、サーバーを一台ずつ手当てするような発想とは異なります。需要の変化やリソースの制約をクラウドの仕組みに任せ、アプリケーション側は本来の機能に集中する、という役割分担がベースにあります。

    この役割分担を理解しているかどうかは、設計レビューでの会話にそのまま表れます。インフラの細かい調整を自分で背負い込むよりも、クラウドの機能に委ねられる部分を見極めるほうが、案件では評価されやすい姿勢です。

    図1:モダンアプリケーションを支える要素
    モダンアプリケーションを支える要素の図 モダンアプリケーション 柔軟性 状況に応じて変更 拡張性 需要に応じて拡張 保守性 変更や修正がしやすい セキュリティ 安全性を確保しやすい

    出典:デジタル庁『政府情報システムにおけるクラウドサービスの適切な利用に係る基本方針』(2025年)を基に作成

    【表1:押さえる基本用語】クラウドネイティブ関連の案件では、同じ言葉でも人によって指す範囲が微妙に異なることがあります。ここでは、この記事で扱う5つの用語について、意味と案件での出てき方をひととおり整理しました。面談や要件確認の場で相手と前提をそろえるための下敷きとして使ってください。用語の粒度がそろっていると、経験の説明もしやすくなります。

    用語内容案件での出てき方
    モダンアプリケーションモダン技術を活用して構築されたアプリケーション1要件定義や設計方針の会話で前提になる
    クラウドネイティブクラウドの特性を前提にした設計・運用の考え方アーキテクチャ選定の判断軸になる
    マイクロサービス独立性の高いサービスの組合せによって構成する考え方2分割単位や境界の設計に関わる
    オートスケールアクセス状況に応じて自動的にリソースを調整する仕組み5可用性とコストの両立に関わる
    IaCインフラの構成をコードで管理し、変更や構築をコードの実行で行う手法6環境構築の自動化に関わる

    こうした用語が指す範囲を理解した上で、次に押さえておきたいのが、その中心にあるマイクロサービスという考え方です。

    2. マイクロサービスと疎結合な分割

    マイクロサービスとは

    一枚岩の構成で作られたシステムは、どこか一部を直しただけでも、全体を止めて確認する必要が出てきます。変更のたびに影響範囲を洗い出す作業が積み重なると、開発のスピードは徐々に落ちていきます。

    マイクロサービスは、独立性の高いサービスの組合せによって構成する考え方です2。注文や決済、在庫といった機能ごとにサービスを分け、それぞれが独立して開発・デプロイできる状態を目指します。全体を一体で作り込むことよりも、機能ごとに切り分けて育てていくことのほうが、変更に強い構成になります。

    疎結合な分割の考え方

    サービスを分けるだけでは、疎結合にはなりません。サービス同士が互いの内部構造に依存していると、見た目は分かれていても実態は一枚岩に近い状態になります。

    システムの規模が大きい場合には、疎に連携するサービスを基本として調達単位を分割することも有効です3。境界の引き方や、サービス間のやり取りの設計が、案件で実際に確認される観点になります。操作の手順を覚えることよりも、サービスの境界をどう引くかという設計判断のほうが、案件では重みを持ちます。

    図2:モノリスからマイクロサービスへ
    モノリスからマイクロサービスへの図 モノリス 変更が全体に及びやすい構成 分割 サービスA 注文の受付・確定 サービスB 在庫の確認・引当 サービスC 決済の実行・記録

    出典:デジタル庁『政府情報システムにおけるクラウドサービスの適切な利用に係る基本方針』(2025年)を基に作成

    【表2:案件で確かめる観点】マイクロサービス関連の案件に関わる際は、分割の方針そのものよりも、分割にまつわる判断がどこまで練られているかを確かめておくと、参画後の認識のずれを防ぎやすくなります。以下は、案件の情報や面談で確認しておきたい5つの観点です。積み上げてきた経験と照らし合わせながら、どこに強みがあるかを整理する材料にしてください。

    確認する観点具体的に見るところ経験の活かし方
    サービスの分割単位機能ごとにどこまで切り分けているか業務ドメインの理解を活かせる
    疎結合の度合いサービス間のやり取りが最小限か3境界設計の経験が評価されやすい
    デプロイの独立性サービスごとに個別にリリースできるか小さく確認しながら進める経験が活きる
    障害の影響範囲一部の不具合が全体に及ばない設計か影響範囲を見積もる視点が求められる
    チーム体制サービス単位で役割が分かれているか担当範囲を明確に説明できる経験が活きる

    分割したサービスを支えるのが、クラウドの運用機能です。

    3. オートスケール・コスト・IaC

    オートスケールとコスト抑制

    アクセスが集中する時間帯に合わせてリソースを常に多めに確保しておくと、閑散期には使われないリソースの分だけ費用がかさみます。かといって少なめに構えると、繁忙期に処理が追いつかなくなる懸念が残ります。

    アクセス状況に応じて自動的にリソースを調整するオートスケールの仕組みを活用することが挙げられています5。あわせて、稼働していないリソースへの課金を抑制することも運用の観点として求められます4。両方を組み合わせて設計できるかどうかが、クラウド案件での評価につながります。

    IaCによる自動化

    環境構築の手順を人が都度たどっていると、担当者によって微妙に異なる環境ができあがることがあります。手順書を整えても、更新が追いつかず古い記述のまま残ることも珍しくありません。

    IaCを活用すれば、インフラ環境の変更や似た環境の構築を、コードの修正と実行だけで行うことができます6。インフラを都度手作業で整えるよりも、コードとして残しておくほうが、再現性という点で信頼されます。

    図3:オートスケールとIaCの効果
    オートスケールとIaCの効果の図 クラウド運用の自動化 オートスケール アクセスに応じて調整 コスト抑制 稼働に応じた課金 IaC コードで環境を構築

    出典:デジタル庁『政府情報システムにおけるクラウドサービスの適切な利用に係る基本方針』(2025年)を基に作成

    【表3:設計・運用で確かめる観点】オートスケールやIaCが関わる案件では、どこまで自動化が進んでいるかによって、日々の作業内容が大きく変わります。参画前に以下の観点を確認しておくと、積み上げてきた経験がどの部分で活きるかを具体的に説明しやすくなります。

    観点確認するポイント経験の活かし方
    オートスケールの設計需要変動にどこまで自動で対応しているか5可用性設計の経験が活きる
    コスト管理の考え方稼働していないリソースの扱い方4コスト意識を持った運用経験が評価される
    IaCの整備状況環境構築がコード化されているか6構成管理の経験を具体的に説明できる
    監視体制稼働状況をどう可視化しているか異常検知や対応の経験が活きる
    デプロイパイプライン変更を反映する手順が自動化されているかパイプライン整備の経験が評価される

    これらを段階的に取り入れていく進め方が、モダン化の実際の姿です。

    4. モダン化の進め方

    段階的なモダン化

    一枚岩のシステムを一度にすべて作り替えようとすると、途中で全体の整合性が取れなくなり、計画が止まってしまうことがあります。

    システムを大きくまとめて作り替えることよりも、小さく分けて確かめながら進めるほうが、変更に強い構成になります。現状把握、分割の設計、段階的な移行、運用の定着という流れで進める案件が、実務では一般的です。

    図4:段階的にモダン化する流れ
    段階的にモダン化する流れの図 現状把握 既存構成を確認 分割の設計 境界と単位を検討 段階的な移行 小さく分けて進める 運用の定着 監視と自動化を整備

    図の作成:Remogu編集部。段階的な進め方を整理したもので、統計データではありません

    状況に応じた選択

    マイクロサービスは万能な答えではありません。むしろ、システムの規模や運用体制によって、分割の要否そのものが変わります。

    疎に連携するサービスを基本として調達単位を分割することも有効です3が、規模が小さい段階では一枚岩のまま整理したほうが扱いやすい場合もあります。案件ごとの状況を見極める視点そのものが、設計の経験として問われます。

    こうした案件は、リモート中心でも関わることができます。

    5. 案件への関わり方と、選ぶ観点

    バックエンド・クラウド基盤・IaC・SREの経験が効く

    クラウドネイティブな案件では、画面側の実装よりも、サービスの境界設計やクラウド基盤の構成、IaCによる環境管理、稼働監視といった裏側の経験が重視される場面が増えています。

    バックエンドの実装経験に加えて、クラウド基盤の構成やIaCでの環境管理、SREとしての稼働監視といった経験を積み重ねてきた場合、それらは案件の設計フェーズや運用フェーズで具体的に活かせる強みになります。個々の技術の深さよりも、サービス全体を見渡して境界や責任範囲を判断できる経験のほうが、評価の分かれ目になりやすい領域です。

    リモート中心でも関われる

    設計や構成管理を中心とした業務は、対面での常時のやり取りを前提としない進め方と相性が良い領域です。ドキュメントとコードを軸にコミュニケーションを取る文化が根付いている案件では、場所にとらわれずに関わりやすくなります。

    扱う案件の90%以上がフルリモート可能です7。積み上げてきたクラウド基盤やIaCの経験を、場所に縛られない形で活かせる案件が具体的に存在するということです。

    積み上げてきた経験がどこに当てはまるかが見えてきたら、次は実際の案件に触れながら条件を確かめる番です。

    6. まとめ

    ここまで、モダンアプリケーションとクラウドネイティブの考え方、マイクロサービスへの分割、オートスケールやIaCによる自動化、そして段階的なモダン化の進め方を見てきました。

    • モダンアプリケーションは、モダン技術を活用して構築されたアプリケーションを指すこと1
    • マイクロサービスは、独立性の高いサービスの組合せによって構成する考え方であること2
    • オートスケールによる自動調整5と、コスト抑制4、IaCによる自動化6が、運用の効率を左右すること
    • モダン化は一度に進めるのではなく、段階的に取り入れていく発想であること
    • クラウド基盤やIaCの経験は、リモート中心の案件でも活かせること

    積み上げてきた経験をどの案件で活かせるかは、実際の案件に触れてみないと見えてこない部分もあります。まずはRemoguに登録して、自分の経験に近い条件の案件を確かめてみてください。

    7. よくある質問

    クラウドネイティブの案件では、具体的に何を設計するのですか

    サービスの分割単位や境界の設計、オートスケールの構成、IaCによる環境管理など、システムの土台となる部分を設計する場面が中心になります。画面側の機能よりも、裏側の構成や運用の仕組みを扱う機会が多い領域です。

    どのような経験が活きますか

    バックエンドの実装経験に加えて、クラウド基盤の構成やIaCでの環境管理、稼働監視といった経験が活かせます。個々の技術の深さだけでなく、サービス全体の境界や責任範囲を見渡せる経験が評価されやすい領域です。

    IaCやSREの経験は案件でどのように評価されますか

    環境構築や変更をコードで管理してきた経験、稼働状況を監視して問題に対応してきた経験は、モダン化を進める案件で具体的な強みとして扱われます。手作業での構築や場当たり的な対応の経験よりも、コード化と自動化を軸にした経験のほうが、案件では重みを持ちます。

    リモートで関わることはできますか

    案件によってリモートで進めやすい領域があり、条件は案件ごとに異なります。設計やコードを軸にしたやり取りが中心の案件では、場所にとらわれずに関わりやすい傾向があります。詳しい条件は、登録後に確認いただけます。

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    ※公開中の案件数は時期によって変わります。記事中の案件の傾向は執筆時点のものです。

    出典・参考情報

    *1 デジタル庁「政府情報システムにおけるクラウドサービスの適切な利用に係る基本方針」(2025年)
    *2 デジタル庁「政府情報システムにおけるクラウドサービスの適切な利用に係る基本方針」(2025年)
    *3 デジタル庁「政府情報システムにおけるクラウドサービスの適切な利用に係る基本方針」(2025年)
    *4 デジタル庁「政府情報システムにおけるクラウドサービスの適切な利用に係る基本方針」(2025年)
    *5 デジタル庁「政府情報システムにおけるクラウドサービスの適切な利用に係る基本方針」(2025年)
    *6 デジタル庁「政府情報システムにおけるクラウドサービスの適切な利用に係る基本方針」(2025年)
    *7 Remogu(株式会社LASSIC運営)公開情報:扱う案件の90%以上がフルリモート可能