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    業務委託契約は請負?準委任?間違えると損する契約書の種類と選び方【2026年版】

    契約書と印鑑、ノートパソコンが置かれたデスク

    契約書を前にして、どの種類に当たるのかわからずペンが止まったことはありませんか。売買契約、業務委託契約、秘密保持契約、ライセンス契約。タイトルは違っても、民法のどの規定が適用されるかで責任の重さも報酬の発生タイミングも変わります。

    この記事では、契約書の種類を「民法」「場面分野」「印紙税」の3つの軸で整理し、フリーランスエンジニアの実務までを一気にお伝えします。

    この記事でわかること

    • 契約書の種類は「民法上の典型契約13種類」と「非典型契約」の2つに大別されること
    • ビジネス実務でよく使う契約書10種類の役割と特徴
    • 印紙税法上の課税文書20種類と、収入印紙が必要な契約書の見分け方
    • フリーランスエンジニアが結ぶ業務委託契約(請負と準委任)の違い
    • 2024年フリーランス新法・2026年取適法・電子帳簿保存法の最新動向
    • 契約書を結ぶ前に確認すべき10の実務チェックポイント
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    目次

    契約書の種類は「典型契約13種類」と「非典型契約」の2つに大別される

    典型契約と非典型契約の違い

    契約書の種類は、民法に明文規定がある典型契約13種類と、それ以外の非典型契約の2つに大別されます*1。民法第549条から第696条にかけて典型契約が規定されており、それ以外の契約はすべて非典型契約(無名契約)として扱われます*2。契約自由の原則により、非典型契約も民法上有効に成立します。

    典型契約と非典型契約の違い

    比較項目典型契約非典型契約
    民法の規定あり(民法第549条〜第696条)なし
    該当する契約13種類無数(NDA、リース、ライセンスなど)
    契約書に書ききれない条件民法の規定が補助線として適用される当事者間で詳細に定める必要がある
    有効性有効有効(契約自由の原則)

    典型契約は、契約書に書かれていない部分でも民法の規定が「穴」を埋めてくれます*1。非典型契約は民法の補助線がないぶん、契約書の条文を当事者間で詳細に作り込む必要があります。

    民法に定められた典型契約13種類【完全一覧】

    民法典型契約13種類一覧

    民法上の典型契約は、性質によって4つのグループに整理できます*3。所有権移転型・貸借型・労務型・その他の4分類です。

    分類契約名民法内容の概要
    所有権移転型贈与549条無償で財産を相手方に与える
    売買555条財産を売り、対価として代金を受け取る
    交換586条金銭以外の財産権を当事者間で交換する
    貸借型消費貸借587条同種・同等・同量の物を返す約束で物を借りる
    使用貸借593条無償で物を借りて使用し、返却する
    賃貸借601条賃料を払って物を借りる
    労務型雇用623条労働を提供し、対価として賃金を受け取る
    請負632条仕事の完成に対して報酬が支払われる
    委任643条法律行為を相手に委ねる
    寄託657条物を預かる
    その他組合667条共同事業のために出資し合う
    終身定期金689条終身にわたって定期的に金銭を支払う
    和解695条当事者間の争いをやめる合意をする

    所有権移転型の契約3種類

    贈与契約は、当事者の一方が無償で財産を相手方に与える契約です。「あげる」「もらう」の合意があれば成立し、書面によらない場合は履行前であれば撤回も可能です。売買契約は、財産を売り、買主が代金を支払う最も身近な契約です。交換契約は、金銭以外の財産権を当事者間で交換する契約で、土地と土地、株式と株式といった物々交換が典型例です。

    貸借型の契約3種類

    消費貸借契約は、同じ種類・品質・数量の物を返す約束で物を借りる契約です。最も代表的なのは金銭消費貸借契約(お金の貸し借り)です。使用貸借契約は、無償で物を借りて使い、後で返す契約で、友人から本を借りるなど対価のない貸し借りに用いられます。賃貸借契約は、賃料を支払って物を借りる契約で、住宅・事務所・レンタカーなどが含まれます。

    労務型の契約4種類

    雇用契約は、労働者が労働を提供し、使用者がその対価として賃金を支払う契約です。請負契約は、仕事の完成に対して報酬が支払われる契約で、Web制作やソフトウェア開発の受託で使われます。委任契約は、法律行為を相手に委ねる契約で、弁護士への訴訟代理などが典型例です。法律行為以外の事務を委任する場合は「準委任契約」として扱われます。寄託契約は、物を相手に預かってもらう契約で、トランクルームやコインロッカーなどが該当します。

    その他の契約3種類

    組合契約は、複数の当事者が共同事業のために出資し合う契約です。終身定期金契約は、終身にわたって定期的に金銭を支払う契約で、実務での利用例は限定的です。和解契約は、当事者間の争いをやめる合意をする契約で、訴訟上の和解だけでなく当事者間の示談合意も含まれます。

    ビジネスでよく使う非典型契約10種類

    ビジネスでよく使う非典型契約10種類

    非典型契約は民法に規定がないため数えきれない種類が存在しますが、企業間取引で頻繁に登場する代表的な10種類を取り上げます*4

    業務委託契約

    外部の事業者に業務を委託する契約全般を指す呼称です。民法上の請負契約・委任契約・準委任契約のいずれか(または混合型)として扱われます*5。フリーランスエンジニアが企業から仕事を受ける場合、最も頻繁に締結される契約です。

    秘密保持契約(NDA)

    業務上知り得た情報を第三者に漏らさないことを約束する契約です。Non-Disclosure Agreementの略でNDAとも呼ばれます。新規取引の検討段階、共同開発、業務委託の前提など、機密情報のやり取りが発生する場面で広く使われます*6

    ライセンス契約

    特許・著作権・商標・ノウハウなどの知的財産を、対価を払って利用できるようにする契約です。ソフトウェアの利用許諾、キャラクターのライセンス供与、フランチャイズのマーク使用許諾などが該当します。

    リース契約

    機械設備・車両・OA機器などを長期間借りるための契約です。賃貸借契約の一種ですが、ファイナンス・リースとオペレーティング・リースで会計処理が異なる特徴があります。

    代理店契約・販売店契約

    商品の販売を第三者に委ねる契約です。代理店契約は本人(メーカー)の名と計算で販売し、販売店契約は販売店が自己の名と計算で仕入販売を行います。

    フランチャイズ契約・OEM契約・共同研究開発契約・株式譲渡契約・取引基本契約

    フランチャイズ契約は、本部が加盟店に商標・ノウハウ・商品供給などをパッケージで提供し、加盟金やロイヤルティを受け取る契約です。OEM契約は、製造受託先が他社ブランドの製品を製造する契約で、プライベートブランド製品で多用されています。共同研究開発契約は、複数の企業や研究機関が共同で研究開発を行う契約で、成果の帰属・知的財産権の取り扱いを明文化する必要があります。株式譲渡契約は、M&Aの場面で締結されるもので、表明保証や誓約事項など複雑な条項が組み込まれます。取引基本契約は、継続的取引に共通して適用される条件をまとめた契約で、基本契約+個別契約の組み合わせで迅速な取引進行を可能にします*7

    場面・分野で分ける契約書の種類

    契約書は、用いられる分野や場面ごとに分類することもできます*6。ここでは6つの分野に整理します。

    分野主な契約書主な対象
    労働・人事雇用契約書、業務委託契約書、出向契約書、労働者派遣契約書労働力の提供と対価
    不動産不動産売買契約書、賃貸借契約書、サブリース契約書、定期借家契約書不動産の売買・貸借
    取引・商取引売買契約書、取引基本契約書、代理店契約書、業務提携契約書商品・サービスの取引
    知的財産ライセンス契約書、共同研究開発契約書、商標使用許諾契約書、特許専用実施権設定契約書知的財産の利用・移転
    金融金銭消費貸借契約書、担保設定契約書、保証契約書、出資契約書金銭の貸借と保証
    IT・システムシステム開発委託契約書、ソフトウェアライセンス契約書、SaaS利用契約書、保守契約書システム開発・運用

    1つの契約書が複数の分野にまたがる場合もあります。秘密保持契約書のように、どの分野でも使われる横断的な契約書も存在します*6

    印紙税が必要な契約書20種類【一覧表】

    印紙税法では20種類の課税文書が定められており、該当する文書には収入印紙の貼付が必要です*8。契約書のタイトルではなく、記載内容から課税文書に該当するか判断されます*9

    収入印紙が必要な契約書の主な種類

    文書番号文書の種類主な契約書例
    第1号文書不動産・無体財産権の譲渡、消費貸借、運送に関する契約書不動産売買契約書、金銭消費貸借契約書、運送契約書
    第2号文書請負に関する契約書建設工事請負契約書、Web制作請負契約書、専属契約書
    第3号文書約束手形、為替手形
    第5号文書合併契約書、吸収分割契約書、新設分割計画書
    第7号文書継続的取引の基本となる契約書取引基本契約書、特約店契約書、代理店契約書
    第12号文書信託行為に関する契約書信託契約書
    第13号文書債務の保証に関する契約書保証契約書
    第14号文書金銭または有価証券の寄託に関する契約書寄託契約書
    第15号文書債権譲渡、債務引受に関する契約書債権譲渡契約書、債務引受契約書

    収入印紙が不要な契約書の代表例

    印紙税法上の課税文書に該当しない契約書には、収入印紙の貼付は不要です*10。代表的な「印紙が不要な契約書」は次の通りです。

    • 委任契約書・準委任契約書(業務委託の多くがこちら)
    • 雇用契約書
    • 賃貸借契約書(土地・建物以外、または建物の賃貸借)
    • 秘密保持契約書(NDA単独のもの)
    • ライセンス契約書(譲渡ではなく使用許諾のみのもの)

    電子契約に印紙税はかかりますか

    電子契約は紙の文書を「作成」する行為に当たらないため、印紙税は不要です*11。たとえば建設工事請負契約書を紙で作ると数万円〜数十万円の印紙税が必要ですが、電子契約サービスで締結すれば印紙税はゼロです。電子契約への移行が広がる大きな理由の1つになっています。

    フリーランスエンジニアの契約書|業務委託の中身

    フリーランスエンジニアが案件に参画するときの契約は、ほとんどが業務委託契約です*5。業務委託契約は民法上、請負契約と準委任契約のいずれか(または混合型)に分類されます*12

    請負契約と準委任契約の違い

    請負契約は「成果物の完成」に対して報酬が発生する契約です*12。準委任契約は「作業の実施」に対して報酬が発生する契約です*13

    比較項目請負契約準委任契約
    報酬の対象成果物の完成業務の遂行(時間・工数)
    成果物の完成義務あり原則なし(善管注意義務はあり)
    契約不適合責任(旧瑕疵担保)負う負わない
    納品物がないと報酬支払われない稼働分は支払われる
    典型例受託開発、Webサイト制作SES型常駐案件、運用保守
    印紙税第2号文書として課税非課税

    エージェント経由のSES型案件は準委任契約、受託開発の一括請けは請負契約、というのが一般的な使い分けです*13。契約書のタイトルに「業務委託契約書」とあっても、契約形態は契約書のタイトルではなく契約内容によって総合的に判断されます*5

    雇用契約と業務委託契約の違い

    比較項目雇用契約業務委託契約
    働く者の立場労働者事業者(個人事業主・法人)
    適用される法律労働基準法、労働契約法民法、フリーランス新法、取適法
    働く場所・時間会社の指揮命令下自己の裁量で決定
    最低賃金・労働時間規制適用される適用されない
    社会保険会社が一部負担原則として自己負担
    報酬の名称賃金報酬

    偽装請負と判断されるとどうなりますか

    偽装請負とは、契約書上は業務委託契約としているものの、実態は労働者派遣となっている状態を指します*13。労働基準法・職業安定法に抵触するおそれがあります。エンジニアの実務で気をつけたいポイントは次の通りです。

    • 契約書に書かれていない作業の追加指示を一方的に受け入れていないか
    • 出退勤の打刻や勤務時間管理を発注者が直接行っていないか
    • クライアントの社員と区別なく業務の細かい指示を受けていないか

    違和感がある場合は、エージェントやクライアントと協議のうえで業務範囲を再確認するか、管轄の労働局の相談窓口に確認することが選択肢になります*13

    2026年に押さえる契約書まわりの最新ルール

    契約書の取り扱いは、フリーランス新法・取適法・電子帳簿保存法という3つの法改正で変わりました。順に確認します。

    フリーランス新法とは|2024年11月1日施行

    2024年11月1日に施行された「特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律」は、通称フリーランス新法と呼ばれます*14。発注事業者には、業務委託契約を締結する際に取引条件を書面または電磁的方法で明示する義務が課されました*15。明示が義務付けられた主な項目は次の通りです*14

    • 業務の内容
    • 報酬の額
    • 支払期日(発注した物品・成果物を受け取った日から起算して60日以内の、できる限り短い期間)
    • 業務委託をした事業者・受託したフリーランスの名称

    また、6か月以上の業務委託を中途解除する場合や更新しない場合は、原則として30日前までに予告が必要です*14。さらに、フリーランスから理由の開示を請求された場合、発注事業者には開示義務が生じます*14

    取適法とは|2026年1月1日施行

    2026年1月1日からは、従来の下請法が改正され「中小受託取引適正化法(略称:取適法)」として施行されました*16。主な変更点は次の通りです*16

    • 従来の資本金基準に加え、新たに従業員基準が導入された
    • 報酬額の一方的な決定(価格協議の拒否を含む)が違反行為として明示された
    • 運送委託など、これまで独占禁止法で扱われていた取引が新たに規制対象になった
    • 手形による支払いが原則禁止となり、紙の約束手形・小切手は2027年3月末までに廃止される

    フリーランス新法と取適法が重複する場合、原則としてフリーランス新法が優先適用されます*18

    電子帳簿保存法と契約書の保存義務

    電子契約で交わした契約書は、電子帳簿保存法の「電子取引データ保存」要件に従って保管する必要があります*19。電子取引データの保存は2024年1月から完全義務化されています*19。電子取引データの保存要件は次の4つです。

    • タイムスタンプの付与など、データの真実性を担保する措置
    • ディスプレイ表示・印刷ができる可視性の確保
    • 日付・金額・取引先で検索できる検索機能の確保
    • システム概要書類の備え置き

    契約書を結ぶ前のチェック10項目

    フリーランスエンジニア向けの解説記事を横断すると、案件参画前に確認すべきポイントは10項目に整理できます*20,*21。サインを返す前に、PDFを開いてひとつずつ確認していくと、報酬の取りこぼしや無償対応の長期化を防げます。

    #確認項目見るべきポイント
    1契約形態請負契約か準委任契約かが明示されているか
    2業務内容と範囲運用・保守・修正対応まで含むか、追加業務の扱いは明文化されているか
    3報酬額と支払条件金額・支払サイト(60日以内が原則)・支払方法が明記されているか
    4検収条件と修正回数検収の基準と、無償修正対応の上限回数が明記されているか
    5契約不適合責任(旧瑕疵担保)請負の場合、責任期間が長すぎないか
    6知的財産権の帰属成果物・派生物の権利が誰に帰属するか明確か
    7秘密保持義務守るべき情報の範囲・期間が現実的か
    8中途解除と予告期間30日前予告(フリーランス新法)が反映されているか
    9競業避止義務過度に広い競業制限がないか
    10準拠法と管轄裁判所紛争時の裁判所が遠方すぎないか

    契約書なしで仕事を進めても問題ありませんか

    口頭でも契約自体は成立しますが、契約書がなければ「言った・言わない」のトラブルに発展するリスクが避けられません*22。フリーランス新法の施行後は、発注事業者に対して取引条件の書面明示が義務化されているため、受託側として書面の提示を求めることは、いまや正当な権利です。

    契約書を電子化するメリットは何ですか

    契約書を電子化すると、3つの実務メリットが得られます。第1に、印紙税が不要になります*11。第2に、郵送コスト・保管コストが削減できます。第3に、電子帳簿保存法の保存要件を自動で満たせるサービスが選べます*19

    まとめ|契約書の種類を知ることは、自分の働き方を選ぶこと

    • 契約書の種類は、民法上の典型契約13種類と非典型契約に大別される
    • 典型契約は所有権移転型・貸借型・労務型・その他の4グループに整理できる
    • ビジネスで頻出する非典型契約は、業務委託・NDA・ライセンス・リース・代理店など10種類
    • 場面分野で分けると、労働・不動産・取引・知財・金融・ITの6分野で整理できる
    • 印紙税法上の課税文書は20種類で、電子契約は印紙税の対象外
    • フリーランスエンジニアの業務委託契約は、請負と準委任のどちらか(または混合型)
    • 2024年フリーランス新法・2026年取適法・電子帳簿保存法の運用厳格化で、契約書まわりは変化している
    • 契約書を結ぶ前のチェックは10項目に集約できる

    条文を読み解く時間も、自分の働き方を選ぶための投資です。一歩踏み出して、まずは契約書を「読める自分」になることから始めてみませんか。

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    よくある質問(FAQ)

    Q1. 契約書の種類はいくつありますか?

    民法上の典型契約は13種類(贈与・売買・交換・消費貸借・使用貸借・賃貸借・雇用・請負・委任・寄託・組合・終身定期金・和解)で、それ以外はすべて非典型契約に分類されます。実務で頻出するのは、業務委託契約・秘密保持契約・売買契約・賃貸借契約・ライセンス契約など10種類前後です。

    Q2. 業務委託契約は典型契約と非典型契約のどちらですか?

    業務委託契約は民法に明文の規定がない非典型契約です。実態としては、民法上の請負契約・委任契約・準委任契約のいずれか(または混合型)として扱われます。契約書のタイトルではなく、業務の内容で実質的に判断されます。

    Q3. 請負契約と準委任契約はどちらがフリーランスエンジニアに有利ですか?

    一概にどちらが有利とは言えません。受託開発で成果物の完成に自信がある場合は請負契約が報酬の安定につながり、稼働時間に応じた報酬で柔軟に働きたい場合は準委任契約が向きます。エージェント経由のSES型常駐案件は準委任契約が一般的です。

    Q4. 契約書なしで案件を進めてもよいですか?

    2024年11月施行のフリーランス新法により、発注事業者には書面または電磁的方法での取引条件明示が義務付けられています。契約書または同等の書面なしでの取引は、発注側の法令違反リスクにもなります。受託側として書面の提示を求めることは正当な権利です。

    Q5. 電子契約は紙の契約書と同じ効力がありますか?

    電子署名法に基づく電子署名・タイムスタンプが付与された電子契約は、紙の契約書と同等の証拠力を持ちます。印紙税が課税されない点、郵送コストが不要な点、電子帳簿保存法の保存要件を自動で満たせる点など、運用面のメリットも大きい仕組みです。

    Q6. 収入印紙が必要な契約書はどれですか?

    印紙税法で定められた20種類の課税文書に該当する契約書に収入印紙の貼付が必要です。代表的なものは、不動産売買契約書(第1号文書)・建設工事請負契約書(第2号文書)・継続的取引基本契約書(第7号文書)・金銭消費貸借契約書(第1号文書)など。委任契約書・準委任契約書・雇用契約書は課税文書に該当しないため、印紙税は不要です。

    Q7. 偽装請負と判断されるとどうなりますか?

    偽装請負と判断されると、発注者は労働者派遣法・職業安定法違反となり、行政指導や是正勧告の対象となります。フリーランス側にも社会保険・税務上の影響が及ぶ可能性があります。違和感を覚えたら、エージェントやクライアントと協議のうえで業務範囲を再確認するか、管轄の労働局の相談窓口に確認することが選択肢になります。

    Q8. 秘密保持契約書(NDA)は単独で結ぶことが多いですか?

    NDAは、本契約の検討段階で先行して単独締結されることが多い契約です。新規取引の検討、共同開発の事前協議、業務委託前の機密情報共有など、本契約に至る前段階での情報保護を目的に締結されます。本契約の中に秘密保持条項を組み込むパターンもあります。

    Q9. フリーランス新法と取適法はどちらが優先されますか?

    フリーランス新法と取適法が重複する場合、原則としてフリーランス新法が優先適用されます。実務上は、全取引先に対して「発注書交付・60日以内の現金払い・ハラスメント対策」を統一適用することで、両法の基準を満たす運用が現実的とされています。

    Q10. 契約書はどちらが作成するのが一般的ですか?

    企業とフリーランスの業務委託契約では、クライアントである企業側が契約書を作成するケースが多く見られます。発注企業・フリーランス双方が、契約条件に認識のずれがないかを締結前に確認し合うことが、トラブルの防止につながります。エージェントを介して案件参画する場合、エージェントが契約条件の確認・調整を代行することが一般的です。

    出典・参考情報

    *1 「契約書の種類を解説!典型契約13種や非典型契約、作成時の注意点を紹介」freee(2026年1月)
    *2 「典型契約13類型と非典型契約1類型、理解しやすい具体例付」アトラス総合法律事務所
    *3 民法第549条〜第696条/e-Gov法令検索
    *4 「契約類型とは?事業者がおさえておきたい典型契約と非典型契約を解説」マネーフォワードクラウド契約(2026年3月)
    *5 「フリーランスエンジニアとの業務委託契約書の種類とテンプレート」Workship ENTERPRISE
    *6 「こんなにある契約書の種類!利用シーンとともに一挙紹介」DocuSign
    *7 「契約書の種類」赤塚洋信法律事務所
    *8 「収入印紙とは?課税文書一覧と金額・購入場所・貼り方・消印ルールを徹底解説!」Legal AI Insight(2026年2月)
    *9 「収入印紙が必要な契約書の条件と種類、税額をわかりやすく総まとめ」GMOサイン(2025年8月)
    *10 「収入印紙が必要な契約書の条件は?収入印紙の種類・金額を弁護士がわかりやすく解説」Authense法律事務所(2025年5月)
    *11 「収入印紙はいくらから必要?契約書別の税額早見表と種類解説」クラウドサイン(2025年10月)
    *12 「業務委託契約書とは?フリーランスが知っておくべき重要ポイントと注意点を解説」セラク(2026年2月)
    *13 「フリーランスエンジニア必見!準委任契約とは?請負との違いや注意点を解説」TECH STOCK MAGAZINE(2025年10月)
    *14 「フリーランスが安心して働ける環境づくりのための法律、2024年11月からスタート!」政府広報オンライン(2024年)
    *15 「2024年11月施行のフリーランス新法とは?要点だけわかりやすく解説」Workship MAGAZINE(2025年4月)
    *16 「取適法とは?2026年1月施行の下請法改正についてわかりやすく解説」freee(2025年11月)
    *17 「フリーランス必見!2026年施行の取適法とは?」FREENANCE MAG(2025年12月)
    *18 「【2026年最新】取適法(旧下請法)とフリーランス法の違いは?」マネーフォワードクラウド契約(2026年3月)
    *19 「電子帳簿保存法の要件とは?2026年最新のポイントをわかりやすく解説」クラウドサイン(2026年2月)
    *20 「フリーランスの業務委託契約書の注意点は?確認事項や作り方ガイド」フリーコンサルタント.jp
    *21 「フリーランスが業務委託契約を結ぶ際の11個の注意点」miraie group(2025年6月)
    *22 「契約書の種類一覧|行政書士が作成できる契約書と依頼すべきケース」行政書士法人Tree(2026年3月)