リモートワークエンジニア 最新の実態|実施率56.3%の中身
「今年から原則出社になりました」——同僚がそう言われた、または自分が言われた。そんな話をよく聞きませんか。
その一方で、リモートワークで働き続けているエンジニアもいます。同じ国、同じ業界、同じ時期。何が違うのでしょうか。情報通信業のテレワーク実施率は56.3%、継続希望率は調査開始以来の最高値82.2%。リモートワークは「縮小」ではなく「定着」のフェーズに入りました。
目次
1. エンジニアのリモートワーク、最新の数字はこうなっています
リモートワークエンジニアの最新実態:雇用型テレワーカー全体25.2%(令和7年度、国土交通省)※1に対し、情報通信業のテレワーク実施率は56.3%(2025年7月、パーソル総合研究所)※2。職種別でも「IT系技術職」が最上位。継続希望率は過去最高の82.2%に達しています※2。
国土交通省「令和7年度テレワーク人口実態調査」によると、雇用型テレワーカーの割合は全国で25.2%※1。前年から0.6ポイント増えています。ただし業種別に切ると風景が変わります。情報通信業は56.3%で、前年からほぼ横ばいで2位以下に大きく差をつけています※2。全体としては減速したが、エンジニアの世界では定着した——これが2025年の事実です。
また、テレワーク継続希望率が82.2%と過去最高を記録しました※2。実施率がほぼ横ばいなのに、希望は最高値。「やりたい人が、やれない場所にいる」——であれば、「やれる場所」を探せばいい。記事の続きで、その場所をご紹介します。
| 指標 | 全業種平均 | 情報通信業/IT系技術職 | 出典・調査時点 |
| 雇用型テレワーカー割合 | 25.2% | — | 国土交通省 令和7年度※1 |
| テレワーク実施率(業種別) | 22.5% | 56.3%(情報通信業) | パーソル総研 2025年7月※2 |
| 職種別テレワーク頻度 | — | 週1.8回超(IT系技術職) | パーソル総研 2025年7月※2 |
| 継続希望率 | 82.2% | — | パーソル総研 2025年7月※2 |
| 直近1年間のテレワーク実施率(全国) | 16.8% | — | 国土交通省 令和7年度※1 |
出典:国土交通省「令和7年度 テレワーク人口実態調査」※1・パーソル総合研究所「第十回・テレワークに関する調査」※2をもとに編集部作成。継続希望率82.2%は調査開始以来の最高値です。
2. なぜフルリモート案件は「探しにくい」のか
数字を見れば、エンジニアのリモートワークは健在です。それなのに、なぜ案件を探していると「フルリモートが減った気がする」と感じるのでしょうか。理由は3つあります。
⚠️ 「フルリモートが減った」と感じる3つの理由
- 大手の「原則出社」回帰:従業員10,000人以上の大手企業のテレワーク実施率が2024年38.2%→2025年34.6%へ3.6ポイント減少※2。ただしこれは「大手の正社員」の話です。フリーランス案件は別のロジックで動きます
- 「フルリモート」の定義のブレ:完全在宅・月1出社・四半期1回出社——どれも現場では「フルリモート」と呼ばれます。案件単位で出社頻度の定義を確認する習慣が必要です
- 案件媒体の偏り:転職媒体は正社員案件が中心です。「フルリモート・居住地不問・上流から関われる」を同時に満たす案件は、フリーランス案件特化のエージェントを併用することで見つけやすくなります
| 働き方 | リモート対応の傾向 | 出社頻度の交渉余地 | 報酬の決まり方 |
| 正社員(自社開発) | フルリモート〜ハイブリッド | 会社方針に従う | 月額固定+評価 |
| 正社員(SES) | プロジェクト先依存 | 客先次第で変動 | 自社の規定 |
| フリーランス(直請け) | 案件単位で選択可能 | 契約時に明確化 | 案件ごとに合意 |
| フリーランス(エージェント経由) | リモート案件特化サービスあり | エージェントが調整 | 単価交渉あり |
出典:編集部調べ(2026年5月)。
3. リモートワークエンジニアの単価感——年代別・スキル別の目安
「リモートで働けるなら、報酬が下がるのは仕方ない」——そう思っていませんか。データは別の話をしています。テレリモ総研の調査では、リモートワークと年収の相関は限定的で、エンジニア業界ではスキル・成果が評価軸になります※3。場所ではなく、スキル。これが現場の本音です。
| 経験年数 | 月額単価レンジ | 主に求められる役割 | スキルの目安 |
| 1〜3年 | 40〜60万円 | 実装担当 | 主要言語1〜2種・基礎設計 |
| 3〜5年 | 60〜80万円 | 実装+設計 | 設計・レビュー・チームリード補助 |
| 5〜10年 | 70〜100万円 | リード・テックリード | 上流設計・技術選定・後進指導 |
| 10年〜 | 90〜130万円 | PM・アーキテクト | 大規模設計・組織横断のリード |
出典:編集部調べ(2026年5月、複数の公開案件情報を分析)。あくまで目安であり、案件・スキル・契約形態によって変動します。
💰 近年の公開案件で単価が伸びている領域
- クラウド(AWS/GCP/Azure)の設計・運用
- データ基盤・データエンジニアリング
- SRE・基盤運用の自動化
- セキュリティ(クラウドセキュリティ/脆弱性診断)
- AI/機械学習基盤の構築・運用
経済産業省「IT人材需給に関する調査」では、2030年に最大約79万人のIT人材が不足すると試算されています※4。特にクラウド・セキュリティ・AI領域の需給ギャップが大きいと指摘されており、ここに専門性を持つエンジニアの単価は今後も伸びる構造です。
4. 案件選びで失敗しない7つのチェックポイント
「リモート可」と書かれていても、入ってみたら週3出社だった——よく聞く話です。契約前に確認すべき項目を整理します。
📋 契約前に確認すべき7つのポイント
- ①出社頻度の定義:月の出社日数、出社の事由(キックオフ/レビュー/障害対応)、移動費用の負担を明確にしましょう
- ②稼働時間の管理方法:成果物ベースなのか、コアタイムがあるのか。稼働報告の頻度・形式が契約書に明記されているかを確認します
- ③クライアントとのやり取りの密度:定例ミーティングの頻度、レビューの形式、Slack等の常時接続の要否
- ④契約形態と業務委託の範囲:準委任なのか請負なのかで責任範囲が変わります。成果物の定義と検収プロセスを確認しましょう
- ⑤案件期間と更新の見通し:3カ月単位の更新か、半年か。次の案件への切り替えサポートがあるかも重要です
- ⑥報酬の振込サイクル:月末締めの翌月末払い、翌々月払いなど、サイクルが資金繰りに直結します
- ⑦居住地不問の運用実態:「居住地不問」でもハードウェアの受け取り先や本人確認のために東京近郊を求めるケースがあります。地方在住の方は初回オンボーディングの運用も確認しましょう
🏢 出社頻度別の案件の特徴
- フルリモート(月0回):居住地不問。海外在住者も参画可の案件あり
- シフト型(月1〜2回):要所だけ出社。地方在住エンジニアに人気
- ハイブリッド(週1〜2回):東京近郊在住が前提。都心オフィスへのアクセスを確認
5. 地方在住で東京案件を取るには——「移住しても、収入は維持できる」
リモートワークエンジニアの最大のベネフィットは、居住地を変えずに高単価案件にアクセスできることです。総務省「令和7年版 情報通信白書」※5や国土交通省の調査でも、テレワーク利用は首都圏が最上位(首都圏で30%以上を維持)※1。一方、地方在住者が首都圏案件に参画する流れは、リモート前提のサービスを通じて静かに広がっています。
たとえば月額単価70万円の案件。東京近郊で生活するか、地方都市で生活するかで、可処分所得は大きく変わります。家賃が月10万円違えば、年120万円——「もう1案件分の利益」に近い金額です。「同じ仕事で、暮らしの余白が増える」——これが地方在住リモートの本質です。
地方自治体には、IT人材の移住・テレワーク移住に対する支援制度があります。総務省「ふるさとテレワーク」推進事業※6のように、国の制度との連動もあります。お住まいの自治体・移住検討先の自治体公式サイトで「テレワーク」「移住支援金」のキーワードで確認するとよいでしょう。
6. リモートワークエンジニアが直面する3つの課題と対処
リモートで働く以上、メリットだけではありません。テレリモ総研「2026年版 リモートワークのメリットデメリット調査」※3でも、複数の課題が指摘されています。
⚠️ リモートワークの3つの課題と対処の方向性
- ① コミュニケーションの密度低下:雑談機会が減り、認識のズレが生まれやすい。→ 定例の頻度を案件開始時に握ること、テキストでの「報告・連絡・相談」を厚めにすることが対処の方向性です
- ② 自己管理の難しさ:稼働とプライベートの境界が曖昧になりがちです。→ 稼働開始・終了の時間をルーティン化すること、稼働場所を寝室から物理的に切り離すことが有効です
- ③ キャリアの「見える化」:成果が周囲に伝わりにくい。→ 定期的な振り返り資料を自分で作ること、ポートフォリオを年単位で更新することが対処の方向性です
7. 今後の見通し——IT人材79万人不足の時代に
経済産業省「IT人材需給に関する調査」※4では、2030年に最大約79万人のIT人材が不足すると試算されています。特にクラウド、AI、データ分析、セキュリティの領域では、需要の伸びが供給を大きく上回る見通しです。
人材が足りない時代、優秀なエンジニアの売り手市場は当面続きます。「場所の制約を外せる人」は、選ばれる側になる——これがリモートワークエンジニアの構造的な強みです。
8. まとめ
リモートで働くことは、もう「制度の利用」ではなく「働き方の選択」です。選ぶ側に回るには、案件の選択肢を広げること。
📋 この記事のポイント
- エンジニアのリモートワークは「縮小」ではなく「定着」のフェーズ。情報通信業56.3%、継続希望82.2%が現在地です
- 「フルリモートが減った」と感じるのは、大手の出社回帰と媒体側の偏りが理由。フリーランス案件は別ロジックで動いています
- 単価は経験年数とスキルで決まり、リモート可否で大きく下がる構造ではありません
- 契約前のチェックは7項目。出社頻度の定義、稼働時間、契約形態の確認が要点です
- 地方在住×東京案件は、「家賃差」が可処分所得を押し上げる現実的な選択肢です
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9. よくある質問(FAQ)
出典・参考情報
※1 国土交通省「令和7年度 テレワーク人口実態調査結果概要」
※2 パーソル総合研究所「第十回・テレワークに関する調査」(2025年8月公表)
※3 テレリモ総研(株式会社LASSIC運営)「2026年版 リモートワークのメリットデメリットに関する調査」
※4 経済産業省「IT人材需給に関する調査」
※5 総務省「令和7年版 情報通信白書」
※6 総務省「ふるさとテレワーク」
※7 株式会社LASSIC コーポレートサイト