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    請求書の訂正は修正したインボイスで|フリーランスエンジニアが誤りに気づいたときの2つの方法を解説

    監修・編集責任者:牛尾 昭昌(株式会社LASSIC 執行役員)

    「請求書の訂正」を示す図です。全部を書き直す/直した箇所を示すを並べています。強調しているのは全部を書き直すです。

    📘 この記事でわかること

    • 修正した適格請求書を交付する義務があることと、全部を書き直すか直した箇所を示すかの2つの方法
    • 翌月の請求書で調整すれば交付があったものとして扱えることと、取引先が仕入明細書で直す方法
    • 元の請求書と修正したものの写しを7年間残すことと、直す前に確かめておきたい3つの点

    月末に送った請求書を見返していたところ、金額の記載に誤りがあることに気づきました。インボイスの登録を済ませていたので、書き直してそのまま送り直せばよいのか、決まった直し方があるのか、判断がつきませんでした。交付した適格請求書に誤りがあったときは、修正した適格請求書を交付しなければなりません5。

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    1. インボイスの登録をしている人には、修正した請求書を交付する義務があります

    登録した事業者には、4つの義務があります

    国税庁の資料では、適格請求書発行事業者に原則として課される義務として、適格請求書の交付・適格返還請求書の交付・修正した適格請求書の交付・写しの保存の4つが挙げられています3。

    このうち、修正した適格請求書の交付は、交付した適格請求書に誤りがあったときの義務です3。

    登録していない事業者との違い

    一方で、適格請求書発行事業者の登録をしていない事業者であっても、適格請求書に当たらない請求書等であれば発行できます1。案件の報酬を請求すること自体は、登録の有無にかかわらずできるということです。

    ただし、登録していない事業者が、適格請求書と誤認されるおそれのある書類を交付することは法律で禁止されており、違反した場合の罰則も設けられています2。

    交付の場面ごとに整理します

    4つの義務を、表1にまとめます。

    義務内容
    適格請求書の交付適格請求書を交付します3
    適格返還請求書の交付適格返還請求書を交付します3
    修正した適格請求書の交付交付した適格請求書に誤りがあったときに交付します3
    写しの保存交付した適格請求書の写しを保存します3

    2. 誤りに気づいたら、取引先に修正した適格請求書を交付します

    誤りがあったら、修正した適格請求書を交付します

    送った適格請求書(電子データで提供した場合を含みます)の記載事項に誤りがあったときは、買手である課税事業者に対して、修正した適格請求書を交付しなければなりません5。ここでいう買手とは、案件の発注元である取引先のことです。

    誤りと偽りは、分けて考えます

    適格請求書発行事業者が、偽りの記載をした適格請求書または適格簡易請求書を交付することは法律で禁止されており、違反した場合の罰則も設けられています4。これは、記載に誤りがあった場合の交付義務5とは別の規定です。

    記載事項の誤りに気づいたときに行うのは、修正した適格請求書の交付です5。気づいた時点から交付までの流れを、次の図で整理します。

    図1:誤りに気づいてから、交付と保存までの流れ
    誤りに気づいてから交付と保存までの流れ 1 請求書の 誤りに気づく 2 修正した 請求書を作る 3 取引先に 交付する 4 元と修正の 写しを残す

    図の作成:Remogu編集部。修正した適格請求書を交付するまでの流れを整理したもので、統計データではありません

    3. 直し方は、全部を書き直すか、直した箇所を示すかの2つです

    2つの交付方法があります

    修正した適格請求書の交付方法には、誤りがあった事項を修正し、あらためて記載事項の全てを記載したものを交付する方法があります7。

    もうひとつは、当初に交付したものとの関連性を明らかにし、修正した事項を明示したものを交付する方法です7。全部を書き直すのではなく、元の請求書とのつながりを保ったまま、直した箇所だけを示す形になります。

    記載事項そのものは、別の記事で確かめられます

    記載が求められる項目は、記事「案件の請求書は何を書いて送る?記載が求められる項目を解説」で整理しています。

    毎月同じ取引先に請求している場合は、もうひとつ別の対応方法もあります。

    4. 毎月の請求なら、翌月の請求書で調整する方法もあります

    継続的な加減算なら、交付したものとして扱われます

    毎月同じ取引先に案件の報酬を請求している場合は、誤りに気づくたびに修正した適格請求書を作らなくても済む方法があります。翌月の請求書で前月の過少請求や過大請求を継続的に加減算して調整しているときは、その調整をもって、修正した適格請求書を交付したものとして扱うことが認められています9。

    前の月に少なく請求していた分や、多く請求していた分を、次の月の請求書の中で足し引きする形です9。

    3つの直し方を並べて確かめます

    ここまでに出てきた直し方を並べると、全部を書き直す方法と、直した箇所だけを示す方法の2つがあります7。ここに、翌月の請求書で調整する方法を合わせると、3つの選び方になります9。

    表2に、3つの方法をまとめます。

    方法中身
    全部を書き直す誤りがあった事項を修正し、記載事項の全てを改めて書きます7
    直した箇所を示す元の請求書との関連を示し、修正した事項を明示します7
    翌月の請求書で調整する継続的な加減算により、修正した適格請求書の交付があったものとして扱われます9

    5. 取引先が作った仕入明細書で直す方法もあります

    買手は、原則として自分で直すことはできません

    記載事項に誤りがある適格請求書を受け取った買手は、原則として、自ら追記や修正を行うことはできません。修正した適格請求書の交付を、売手に求める形になります11。

    仕入明細書を確認すれば、改めての交付は不要です

    買手が適格請求書の記載事項の誤りを修正した仕入明細書等を作成し、売手である自分が確認する方法もあります6。

    この方法を使った場合、売手は改めて修正した適格請求書を交付しなくても差し支えありません6。

    図2に、2つの直し方を並べます。

    図2:誰が直すか
    誰が直すか、左右2枚で整理した図 自分(売手)が直す 修正した適格請求書を 取引先に交付します 交付する義務があります 取引先(買手)が直す 仕入明細書を作り 自分が確認します 確認できれば交付は不要です

    図の作成:Remogu編集部。誤りを直す2つの方法を整理したもので、統計データではありません

    6. 元の請求書と修正したものの写しを、7年間残します

    何を残すか

    修正した適格請求書を交付した事業者は、当初交付した適格請求書の写しと、修正した適格請求書の写しの両方を保存する必要があります8。

    仕入明細書で対応した場合も、扱いは変わりません。買手が作った仕入明細書を確認して修正した適格請求書の交付を省いたときでも、売手は当初交付した適格請求書の写しを保存しなければなりません12。

    どれくらいの期間残すか

    保存する期間にも決まりがあります。交付した日または提供した日の属する課税期間の末日の翌日から2月を経過した日から、7年間、納税地などで保存しなければなりません10。始点は交付した日そのものではなく、課税期間の区切りから数えます。

    図3に、残す2枚の関係を示します。

    電子データで提供した適格請求書も、同じ期間の保存が必要です10。

    図3:残す写しの関係
    残す写しを入れ子で示した図 7年間保存する写し 当初の 適格請求書の写し 直す前の記録 修正した 適格請求書の写し 直した内容の記録

    図の作成:Remogu編集部。残す2枚の写しの関係を整理したもので、統計データではありません

    7. 請求書を直す前に、3つを確かめます

    直す前に確かめる3つ

    直す前に確かめるのは、直し方・翌月の調整・写しの保存の3つです。表3に並べます。

    確かめること内容
    どの方法で直すか誤りがあった事項を修正し、改めて記載事項の全てを書いたものを交付するか、当初のものとの関連を示して修正した事項を明示したものを交付するかを選びます7
    翌月の請求書で調整するか毎月の請求であれば、翌月の請求書で前月分を加減算して継続的に調整している場合、修正した適格請求書の交付があったものとして扱われます9
    写しを残したか当初交付した適格請求書の写しと、修正した適格請求書の写しの両方を保存します8

    確かめる順番

    図4に、確かめる順番を縦に並べます。

    図4:直す前に確かめる順番
    確かめる順番を縦に並べた図 1 どの方法で直すか 全部を書き直すか、直した箇所を示すかを選びます 2 翌月の請求書で調整するか 毎月の請求なら、加減算で継続的に調整する方法もあります 3 写しを残したか 当初と修正後の写し、両方を保存したかを確かめます

    図の作成:Remogu編集部。直す前に確かめる3つを順番に並べたもので、統計データではありません

    直し方は、記載事項の全てを書き直すか、当初のものとの関連を示して修正した事項を明示するかのどちらかです7。毎月の請求なら、翌月の請求書で調整する方法もあります9。取引先が作った仕入明細書を確かめる方法もあります6。

    交付した適格請求書に誤りがあったときは、修正した適格請求書を交付しなければなりません5。直したものを送ったら、元の請求書と一緒に写しを7年間残します810。

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    出典・参考情報

    *1 国税庁「インボイス制度の理解のために」リーフレット(2026年4月・2026年9月確認)
    *2 国税庁「インボイス制度の理解のために」リーフレット(2026年4月・2026年9月確認)
    *3 国税庁「インボイス制度の理解のために」リーフレット(2026年4月・2026年9月確認)
    *4 国税庁「インボイス制度の理解のために」リーフレット(2026年4月・2026年9月確認)
    *5 国税庁「消費税の仕入税額控除制度における適格請求書等保存方式に関するQ&A」インボイスQ&A(2026年5月・2026年9月確認)
    *6 国税庁「消費税の仕入税額控除制度における適格請求書等保存方式に関するQ&A」インボイスQ&A(2026年5月・2026年9月確認)
    *7 国税庁「消費税の仕入税額控除制度における適格請求書等保存方式に関するQ&A」インボイスQ&A(2026年5月・2026年9月確認)
    *8 国税庁「消費税の仕入税額控除制度における適格請求書等保存方式に関するQ&A」インボイスQ&A(2026年5月・2026年9月確認)
    *9 国税庁「消費税の仕入税額控除制度における適格請求書等保存方式に関するQ&A」インボイスQ&A(2026年5月・2026年9月確認)
    *10 国税庁「消費税の仕入税額控除制度における適格請求書等保存方式に関するQ&A」インボイスQ&A(2026年5月・2026年9月確認)
    *11 国税庁「消費税の仕入税額控除制度における適格請求書等保存方式に関するQ&A」インボイスQ&A(2026年5月・2026年9月確認)
    *12 国税庁「消費税の仕入税額控除制度における適格請求書等保存方式に関するQ&A」インボイスQ&A(2026年5月・2026年9月確認)