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    防災アプリをつなぐ防災DXデータ連携基盤の案件と官民共創

    「つないで支援を届ける」を示す図です。バラバラの防災アプリ/データ連携基盤/ワンスオンリー/支援を届けるを並べています。強調しているのはデータ連携基盤です。一度の入力でと添えています。

    📘 この記事でわかること

    • デジタル庁が進める防災アプリ間のワンスオンリーと新総合防災情報システム連携の取組の全体像と、その背景にある課題
    • 約500者の民間企業・自治体からなる官民共創協議会(BDX)が仕様検証を担う実証実験の進み方と、調達を迅速にする仕組み
    • データ連携基盤やAPI、認証に関わる経験がリモート案件でどう活きるかと、Remoguで一歩を踏み出す方法

    防災系のシステムに関わってきたエンジニアの中には、自治体ごと・アプリごとにばらばらに管理されてきた情報が、ようやく一つの基盤でつながろうとしている変化を感じている方もいます。デジタル庁は、防災アプリ間のワンスオンリーの実現と新総合防災情報システムとの連携を図る取組を進めています1。この動きは、データ連携基盤の設計やAPI、認証まわりの実務経験を持つエンジニアにとって、リモートで関われる案件が広がる局面でもあります。この記事では、防災DXのデータ連携基盤で何が起きているのかと、フリーランスや個人のエンジニアがどのように関わっていけるのかを整理します。

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    1. なぜいま防災DX・データ連携基盤の案件が増えているのか

    自治体ごとに積み上がってきた防災アプリの情報

    避難情報や避難所の開設状況、被害の報告といった防災に関わる情報は、自治体や提供事業者ごとに個別のアプリやシステムで管理されてきました。導入の経緯や仕様が異なるため、隣の自治体と情報を突き合わせるだけでも手間がかかる場面は珍しくありません。同じ内容を複数の画面に入力し直す運用が積み重なると、現場の負担だけでなく、情報が届くまでの時間差も生まれます。

    この状況を変えるため、デジタル庁は防災アプリ間のワンスオンリーの実現と、新総合防災情報システムとの連携を図る取組を進めています1。一度入力した情報を複数のシステムで使い回せるようにする発想は、防災の現場だけでなく、行政のデジタル化全体に共通する課題でもあります。むやみにアプリを増やすことよりも、既にあるアプリ同士をつなぐ設計のほうが、現場にとっての近道になります。

    この「つなぐ」部分こそ、エンジニアの技術が生きる領域です。個別のアプリを作る案件は以前から存在していましたが、複数のアプリやシステムをまたいでデータを整合させる設計・実装は、また別の専門性を必要とします。連携基盤の設計、API設計、認証まわりの整備といった経験を積んできたエンジニアにとって、防災DXは新しい活躍の場になりつつあります。

    図1:バラバラに管理されてきた防災アプリと、つながろうとしている現状
    これまで 避難所管理 避難情報配信 被害報告 それぞれが独立していて つながっていません 連携基盤で これから データ連携基盤 避難所管理 避難情報配信 被害報告

    図の作成:Remogu編集部。デジタル庁の取組の方向性を整理したもので、統計データではありません

    2. データ連携基盤とワンスオンリー

    プロトタイプで検証しながら仕様を固めていく進め方

    データ連携の促進に向けては、データ連携基盤のプロトタイプを構築し、複数の防災アプリを連携させる実証実験が実施されています2。最初から完成形の仕様を決め打ちするのではなく、プロトタイプで実際に動かしながら不具合や使い勝手を確かめていく進め方は、Webサービス開発で馴染みのある反復型の設計と重なります。行政のシステムだからといって特別な作法があるわけではなく、むしろ一般的な開発の感覚が活きる領域です。

    ワンスオンリーの実現とは、一度提出・入力した情報を、別のシステムでも改めて求められないようにする仕組みです1。実装の観点で見れば、各アプリが持つデータ形式の違いを吸収するAPI設計、認証情報を安全に受け渡す仕組み、そして新総合防災情報システムとの接続を保つ運用設計が求められます。個々の技術要素は目新しいものではなく、既存のデータ連携や認証基盤の知見をそのまま応用できる点が、この分野の入りやすさにつながっています。

    連携が進むほど、現場の負担よりも設計の丁寧さが問われるようになります。目先の機能追加よりも、将来どのシステムが増えても崩れない構造を選ぶことのほうが、防災分野では重視される考え方です。

    連携前後で何が変わるのか

    連携基盤が整うことで現場の運用がどう変わるのかを、項目ごとに整理すると次のとおりです。

    項目連携前の状態データ連携基盤を通じた状態
    情報の所在アプリごとに個別に保持され、突き合わせが手作業になりやすい連携基盤を介して必要な情報を呼び出せる状態を目指す
    入力の手間同じ情報を複数の画面へ入力し直す運用が発生しやすいワンスオンリーの考え方に沿って入力の重複を減らす方向へ進む
    上位システムとの関係新総合防災情報システムとの接続が個別対応になりやすい新総合防災情報システムとの連携を前提に設計する1
    図2:データ連携基盤がワンスオンリーと新総合防災情報システムをつなぐ構図
    避難所アプリ 避難情報アプリ 被害報告アプリ ワンスオンリー データ連携基盤 連携 新総合防災情報システム

    図の作成:Remogu編集部。デジタル庁の取組の構造を整理したもので、統計データではありません

    3. 官民共創(BDX)と実証実験

    約500者が参加する官民共創の枠組み

    データ連携基盤の仕様検討にあたっては、防災分野での貢献を目指す約500者の民間企業・自治体メンバーからなる「防災DX官民共創協議会(BDX)」と連携し、必要な仕様の検証を行いながら進められています3。行政だけで仕様を固めるのではなく、実際に防災アプリを開発・運用してきた事業者や自治体の声を取り入れながら検討する体制は、現場の実情と仕様のずれを小さくする狙いがあります。

    官と民が連携する取組では、仕様書を受け取って実装するだけの関わり方よりも、プロトタイプを動かしながら課題を拾い上げ、仕様側にフィードバックする関わり方のほうが求められます。データ連携基盤のプロトタイプを用いた実証実験は、まさにこの往復を重ねる場になっています2。設計段階から検証、修正までを一つの流れとして経験できることは、この分野に関わるエンジニアにとって大きな学びになります。

    約500者という規模の関係者が関わる取組では、一つのアプリの中だけで完結する開発ではなく、複数の立場の要望を整理しながら仕様に落とし込む調整力も問われます。技術力に加えて、関係者の意図を汲み取りながら仕様を組み立てる経験は、防災DXに限らず今後の官民共創プロジェクト全般で重宝される力になっていくと考えられます。

    図3:官民共創(BDX)とプロトタイプ実証のサイクル
    BDX 官民共創 仕様の検討 プロトタイプ構築 仕様への反映 実証での検証

    図の作成:Remogu編集部。官民共創の進め方を整理したもので、統計データではありません

    4. 調達を迅速化する仕組み

    自治体が防災アプリを選びやすくする取組

    自治体が優れた防災アプリ・サービスを迅速に検索し円滑に調達できるよう、防災DXサービスマップ/カタログの整備・公表や、モデル仕様書の整備、防災分野におけるDMP(デジタルマーケットプレイス)の利活用促進が進められています4。これまで自治体の担当者が個別に情報を集め、比較検討していた作業を、共通の枠組みで支える取組と言えます。

    調達の仕組みが整うことは、開発側にとっても無関係ではありません。サービスマップやカタログに載る前提で製品を設計するなら、他の防災アプリとの連携のしやすさや、モデル仕様書への準拠が評価の軸になっていきます。個別の自治体向けに閉じた作りではなく、標準的な連携方式を前提とした設計力が問われる場面が増えていくと見られます。

    あわせて、避難所運営のデジタル化やマイナンバーカードの活用など、デジタル技術を用いた災害対応の高度化に関する実証事業も行われています5。調達の仕組みづくりと、個別の実証事業が並行して進むことで、防災DXに関わるエンジニアが手掛けられる領域は一つの案件にとどまらず、周辺の仕組みへと広がっていく余地があります。

    調達を支える3つの仕組み

    自治体側の調達を支える取組を整理すると、次のとおりです。

    仕組み内容自治体にとっての意味
    防災DXサービスマップ・カタログ防災アプリ・サービスの情報を整理して公表する取組4個別に情報を集める手間を減らし、比較検討をしやすくする
    モデル仕様書調達時に参照できる標準的な仕様の整備4仕様書づくりを一から行う負担を軽くする
    DMP(デジタルマーケットプレイス)防災分野での利活用が進められている調達の場4公募や選定にかかる手続きの流れを整えやすくする
    図4:調達を迅速化する3つの仕組み
    サービスマップ ・カタログ モデル仕様書 DMPの利活用 自治体の調達

    図の作成:Remogu編集部。調達を支える取組の関係を整理したもので、統計データではありません

    5. リモート・フリーランス案件でどう関わるか

    現場に出なくても価値を出せる工程がある

    防災DXと聞くと、災害現場での対応をイメージして、リモートでは関わりにくい分野だと感じる方もいるかもしれません。しかし、これまで見てきたデータ連携基盤やワンスオンリー、調達の仕組みづくりは、いずれも設計・実装・検証という工程が中心で、現場に出向くこと自体が前提の仕事ではありません。むしろ、複数のシステムを俯瞰しながら整合性を保つ作業は、落ち着いて設計に向き合える環境のほうが向いています。

    培ってきたスキルがそのまま活きるか不安に感じる場合もあるはずです。ここで重視されるのは防災分野の専門知識よりも、複数システムをつなぐ設計力や、API・認証まわりの実装経験です。金融や医療など他分野で連携基盤を手掛けてきたエンジニアであれば、ドメイン知識は現場で補いながら、技術の土台をそのまま持ち込める案件が中心になります。

    関わり方は一つではありません。連携基盤そのものの設計に入る案件もあれば、既存の防災アプリ側からワンスオンリーへの対応を実装する案件、自治体側の調達を支える仕様書の整理を支援する案件まで、立場によって関わり方の幅があります。単に技術を提供するだけでなく、官民共創(BDX)のような枠組みの中で意見を出し合う経験は、今後のキャリアの厚みにもつながります。

    関わり方の類型を整理する

    防災DX・データ連携基盤に関わる案件を、作業内容ごとに整理すると次のとおりです。

    関わり方の類型主な作業内容求められる経験リモート適性
    連携基盤の設計複数アプリのデータ形式を整合させる基盤の設計データ連携基盤やAPI設計の実務経験高い
    ワンスオンリー対応の実装既存アプリ側で連携基盤とのやり取りを実装API連携、認証まわりの実装経験高い
    認証・アクセス制御の整備連携先ごとのアクセス権限や認証方式の設計認証基盤の設計・運用経験高い
    調達支援・仕様整理モデル仕様書やカタログ掲載に向けた資料整備仕様書作成、関係者との調整経験中程度

    これまで培ってきた連携基盤やAPI、認証の経験を、防災という新しい領域に置き換えてみることのほうが、まったく別の分野を一から学び直すよりも近道になります。技術の土台は既に持っている場合が多く、あとは案件ごとの前提を確認していくだけです。

    6. まとめ

    防災DXのデータ連携基盤は、令和6年度の制度検討やプロトタイプによる実証を経て、令和8年度以降にデータ連携の仕組みを構築し、運用開始を目指しています6。この期間は仕様が固まりきっていないからこそ、実証段階から関わり、仕様づくりに意見を反映できる余地が大きい時期でもあります。完成した仕組みに後から合わせるより、育っていく仕組みに関われるほうが、経験の幅は広がりやすくなります。

    データ連携基盤の設計、API、ワンスオンリー対応、認証まわりの整備、そして自治体側の調達支援まで、関わり方は一つに絞られません。防災分野の専門知識よりも、複数のシステムを整合させてきた経験のほうが評価される場面が多く、これまで別の業界で積み上げてきたスキルをそのまま持ち込める案件も見つかります。場所に縛られず、裁量を持って設計に向き合いたいと考えるエンジニアにとって、防災DXは今まさに広がっている選択肢の一つです。まずは自分の経験に近い案件がどのように並んでいるか、登録して確かめてみることから始められます。

    7. よくある質問

    防災の専門知識がなくても関われますか

    データ連携基盤やAPI連携、認証まわりの案件では、防災分野の専門知識よりも、複数のシステムをつなぐ設計・実装の経験のほうが重視される傾向にあります。ドメイン知識は案件の中で確認しながら補える部分が多く、まずは自分が積み上げてきた技術の土台を照らし合わせてみることが近道です。

    どんなスキルが活きますか

    複数のシステムをつなぐデータ連携基盤の設計、API設計、認証・アクセス制御の整備といった経験が中心に求められます。加えて、官民共創(BDX)のような枠組みの中で関係者と調整しながら仕様をまとめていく経験も、評価される力になります3

    データ連携やAPIの経験は活きますか

    活きる場面は多くあります。ワンスオンリーの実現や新総合防災情報システムとの連携は、データ形式の違いを吸収するAPI設計や、情報を安全に受け渡す仕組みづくりが土台になっています1。他分野で培ったデータ連携の経験を、そのまま防災分野に置き換えて活かせる案件が見つかります。

    現場に行かずに関われますか

    データ連携基盤の設計や実装、仕様の整理といった工程は、落ち着いて画面と資料に向き合う作業が中心です。災害現場での対応そのものではなく、システムをつなぐ裏側の設計に関わる案件が中心になるため、リモートで進めやすい領域と言えます。ただし、条件は案件によって異なるため、詳細はそれぞれの案件で確認することになります。

    案件はフルリモートでもできますか

    Remoguが扱う案件は90%以上がフルリモート可能です7。防災DX・データ連携基盤の案件も例外ではなく、これまでの経験に近い条件を確かめたい場合は、まず登録して自分に合う案件が並んでいるかを見てみることから始められます。

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    Remoguは、株式会社LASSICが運営するITエンジニア・デザイナー専門のリモートワーク案件紹介サービスです。フルリモート・ハイブリッドの案件から、スキルに合うものを探せます。

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    ※公開中の案件数は時期によって変わります。記事中の案件の傾向は執筆時点のものです。

    出典・参考情報

    *1 デジタル庁「デジタル庁における防災DXの取組」(2025年4月)
    *2 デジタル庁「デジタル庁における防災DXの取組」(2025年4月)
    *3 デジタル庁「デジタル庁における防災DXの取組」(2025年4月)
    *4 デジタル庁「デジタル庁における防災DXの取組」(2025年4月)
    *5 デジタル庁「デジタル庁における防災DXの取組」(2025年4月)
    *6 デジタル庁「デジタル庁における防災DXの取組」(2025年4月)
    *7 Remogu(株式会社LASSIC運営)公開情報:扱う案件の90%以上がフルリモート可能